匂いに敏感なひのき(17)は、亡くなった父が残した全国のミニシアターで観た映画の感想が書かれたノートを見つける。ある映画館だけ場所がわからず、匂いのメモや、感想だけが書かれていた。コーヒー豆の焙煎店を営んでいた父が残したコーヒー豆を配りながら、父の巡った映画館へと旅にでるひのき。薄れていく父の匂いと、場所のわからない映画館を探しながら、ひのきは少し、大人になっていく。
2018年、駆け出しTVディレクターの桜子(阿部純子)は、ロシア兵墓地の取材を皮切りにロシアに行くことが決定していたが、興味を持てずにいた。しかし祖母(山本陽子)から自身のルーツがロシアにあることを知り、さらにロシア兵と日本人看護師の、二人の日記を紐解いていくうちに衝撃の事実を知ることに・・・。