人とうまくコミュニケーションのとれない、歯科医のススメが恋をしたのは、アロマ店を営む宮子。しかしながら宮子は、部屋に鍵をかけず、突然連絡がとれなくなったりする、つかみどころがない女性だった。それでも、彼女と抱き合っていると、ススメは自分を縛っている自意識から解放される気がしていた。自分でも理解できない自分を宮子は理解してくれている、ススメはそれがうれしかった。けれど、謎が多い宮子を前に、自分は彼女のことを理解できていない、と思い悩むススメ。ある日、宮子の友達である蓉子が、ススメに宮子の身に起きた驚きの事実を告げる。
ヒキタクニオ、49歳。職業は人気作家。サウナとビールが大好きで、ジム通いのおかげでいたって健康体。一回り以上年が離れた妻・サチと仲良く暮らしている。年の差婚のふたりは、子どもは作らず、気ままに楽しい夫婦生活を送るつもりでいたが、ある日の妻の突然の一言ですべてが変わった。「ヒキタさんの子どもに会いたい」サチの熱意に引っ張られる形で、妊活へ足を踏み出すことになったヒキタ。だが、彼は知らなかった。まだまだ若くて健康だと自負していたが、相反して彼の精子が老化現象を起こしていたことを……。