耽美派・谷崎潤一郎の代表作「痴人の愛」を、現代を舞台に“男女逆転”愛と官能に彩られた、究極のマゾヒズムの行方は―。教師のなおみは、年下の男ゆずると暮らしている。出会いの日、道端にぽつんと座り込んでいたゆずる。儚げで捨て猫のような男を放っておくことはできなかった。それからなおみは、広い家に引っ越し、勉強を教え、少ない給料をふたりの生活につぎ込んでいった。ゆずるとの間に体の関係は無かった。行くあてのない年下の男を不憫に思い、その成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されながらも、その蠱惑的な魅力の虜になっていく―。ゆずると出会った日、どうすれば良かったのだろうかと今でもふと思う時がある。誰かに打ち明けたいのだけれど、決して誰にも言えない話―。
中年の大学教授である神田は、年の離れた妻の郁子を性的に満足させられないことに悩んでいた。ある日、義妹の敏子に紹介した自身の教え子で大学院生の木村に対して郁子が色目を使う姿を目の当たりにし、かつてない性的興奮を覚える。そんな興奮を自身の精力剤代わりに活用しようとあの手この手で『妻』と『教え子』が接近する状況を仕掛けていく。そして興奮レベルを更新しないと満足できなくなった神田の行動はアブノーマルにエスカレートしていく。
空手道場の師範・高梨淳は、妻でジャーナリストの亜紀と、養子である里菜と共に、地元の祭りに訪れていたが、亜紀は姿消し、そして冷たい姿になって帰ってきた。警察は自殺だと断言。道場を閉めてしまう高梨。義理の親子という溝を埋められず、親子になり切れない二人…そんなある日、里菜が何者かに連れ去らわれてしまう。襲ったのは何者なのか!?さらわれた里菜を助けるために立ち上がる高梨!!超えるべき運命の壁に立ち向かう二人の先には…