1945年、第二次世界大戦後のドイツ。ドイツ系アメリカ人のレオ・ケスラーは、父の祖国であるドイツの戦後復興の一端の担い手になりたいと、単身でドイツにやって来た。叔父の助力でドイツの大鉄道会社ツェントローパに就職し、寝台列車の見習い車掌として汽車に乗り込むことになる。いつものように汽車に乗り込んだレオは、走る列車の中で、同乗していたフランクフルト市長夫妻の暗殺事件に遭遇する。犯人はレオが乗せたふたりの少年で、ナチス残党が組織する地下組織<人狼>の刺客だった…。
19世紀後半、重苦しい雲と海を背景にしたデンマーク・ユトランド半島の小さな村。牧師である老父と美しい姉妹、マーチーネとフィリパが清貧な暮しを送っていた。姉妹の元には若者たちや、姉にはスウェーデン軍人ローレンス、妹にはフランスの有名な歌手アシール・パパンが求愛するが、父は娘二人に仕事を手伝ってもらいたいと願い、また姉妹も父に仕える道を選び、申し出をすべて断り清廉な人生を過ごしながら年老いていく。父亡きあと、姉妹の元に家族を亡くしてフランスから亡命してきた女性バベットが、パパンの書いた手紙を携え家政婦として働くようになる。父亡きあと、村人の信仰心の衰えに気付いた姉妹は、父の生誕100年を記念したささやかな晩餐会を催して村人を招待することを思い付くが…。