生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえないケイコは、再開発が進む下町の小さなボクシングジムで鍛錬を重ね、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。嘘がつけず愛想笑いも苦手な彼女には悩みが尽きず、言葉にできない思いが心の中に溜まっていく。ジムの会長宛てに休会を願う手紙を綴るも、出すことができない。そんなある日、ケイコはジムが閉鎖されることを知る。主人公ケイコを見守るジムの会長を三浦友和が演じる。
アクション俳優の立石(ディーン・フジオカ)は社交性がなく、日本の文化に傾倒している変わった男で、周囲からは距離をおかれていた。ある日彼は女子高生のアユミ(蒔田彩珠)と出会い、土地の利権をめぐるトラブルがもとで執拗(しつよう)な嫌がらせを受けていた彼女を偶然助ける。そのことをきっかけに、過去のトラウマから封印していた立石の中の暴力的な部分が覚醒する。
熊本地震をきっかけにハンドボールを辞め、無気力に生きていた高校生のマサオは、SNSに投稿したかつての写真が思いがけずバズったことから生活が一変。「#ハンド全力」というハッシュタグを使い、廃部寸前の弱小男子ハンド部員達と、練習に励むフリをして、バズる写真やコメント作りに全力投球。次第に復興の盛り上げ役として注目され、全国からの”善意”を受け取り有頂天になるが…。