末期がんの母を看病しながら製造会社の工場で働く高橋まどか(馬場ふみか)は、彼氏からのDVから逃れるため、病気の母も仕事もすべて捨てて、石垣島に逃げることに。石垣島に到着早々、乗ったタクシーに荷物を持ち逃げされてしまうまどか。途方に暮れてるところに吉岡里美(中村静香)が通りがかり、助けてもらうことになる。連れていかれた居酒屋の店長や常連客、その仲間たちが、気落ちしているまどかを元気付けようとダイビングや、観光を案内してあげることに、その温かさに、徐々に石垣島の人に心を開いていくまどかであったが・・・しかしそこに待ち受けていたものは・・・・石垣島マラソンの日、事件が起こる・・・まどかは自分の人生をとりもどせるのか?
田所サキは、父のトシフミ、母のサエコ、妹のフミと4人で暮らしている。どこにでもある、至って普通の家庭。よその家庭と違っていたのは、父がアルコールに溺れていることと、母が新興宗教の信者であること。田所家毎晩の一家団欒は、酔った“化け物”の介抱。毎朝家を出て仕事に行く時とは別人になって帰ってくる父を迎える日は、壁に掛けたカレンダーに赤いマジックで×印をつける精一杯のいやがらせをするのがサキの習慣だった。週末や夏休みも、記憶にあるのは酔った父の姿。プールに行く約束をしても、飲み仲間たちが家に押し寄せ、リビングはたちまち雀荘になってしまう。そんな中母はというと、せっせとお酒を作りながら、祭壇に向かって勤行。翌日、父は二日酔いでプールに行く約束はもちろん果たせず、酔っ払って床でクロールをしていた。クリスマスにサンタさんがやってくることを期待しても、2階のベランダから入ってきたのは酔って化け物になった父だった。