スティーブン・セイヤーズは、少年時代ニューカッスルの中心部エルスウィックで暮らしていた。彼の父親は運送会社を経営していたが、裏では犯罪を働く悪党で、子どもたちにも悪事を教え、彼らをまっとうに育てようとする母には暴力をふるい続けていた。スティーブンは学校でなく路上で学び、盗みの達人になり、少年院を幾度も出入りするようになる。やがて大人になった彼は兄ジョン、弟マイケルとともに裏稼業で名を馳せる存在となっていくが、現金輸送車の強奪事件でジョンが逮捕。スティーブンは国外テネリフェ島へ逃亡するも、そこで地元のバイヤーからクスリの売買を持ちかけられたことからニューカッスルへ舞い戻り、さらなる利益を得るが…。
19世紀のロンドン。妻サラと暮らす弁護士のガブリエルは残業代ももらわず働き詰めだが、メイドへの給料支払いに困るほど困窮していた。ある夜、友人医師ジキルから、とある遺言状の保管と執行を頼まれる。それは、ジキルが亡くなった際の財産は、彼の恩人ハイドという男性に遺贈するという内容だった。翌日ガブリエルは、ニューカム警部に求められてジキルの研究室に向かうと、銃声が聞こえ地下に籠っていたジキル氏は亡くなっていた。彼には連続殺人の容疑があり、目撃者もいるという。さらにガブリエル宛の手紙には、“万病に効く研究薬を試した結果、別人格となって殺人を犯した”という衝撃の告白が綴られていた。警察側は、ジキルが逮捕前に自殺を選んだとみるが、ガブリエルは善良な医師だった彼が殺人を犯したとは思えず、真犯人捜しに奔走するのだが…。