舞台は空中大陸ネオ・ヴェローナ。モンタギューによりキャピュレット一族が惨殺されてから14年後…。街では「赤い旋風(かぜ)」と呼ばれる剣士が、市民に圧政を強いるモンタギューの兵士と戦っていた。その正体は、性別を隠して娘狩りから逃れていた少女…ジュリエットだった。ある日、モンタギューの息子であるロミオは、兵士に追われていた赤い旋風を偶然助ける。初めての気持ちにとまどう二人は、偶然にも城の舞踏会で再会する。
ネオ・ヴェローナ城を訪れたジュリエットは、偶然、ロミオと再会を果たす。2度目の出会いは「男女」として…。互いに一目で恋に落ちた二人だが、ロミオはボロメア家の娘・ハーマイオニとの婚約を定められ、ジュリエットは城へ行ったことをコンラッドに厳しく叱責される。翌日、16歳の誕生日をむかえたジュリエットはアイリスの咲く野でロミオと再び出会い、心を通わせる。だがその夜、彼女には衝撃の事実が待ち受けていた…。
16歳の誕生日の夜。見知らぬ墓地へと連れられたジュリエットの元に次々に現れる人々。激しい雷雨の中、自分の本当の名、そして幼い頃の記憶がよみがえったジュリエットは、その場に崩れるようにして倒れてしまう。困惑するジュリエットだったが、赤い旋風の負傷の際、治療をしてくれていた街医者・ランスロットが逮捕されたと聞き救出に赴く。医師の救出には成功したものの、追い詰められた赤い旋風は、思わぬ人物の機転により危機を脱するが…。
「あの人が…モンタギューの息子」救出したランスロットの言葉に衝撃を受けるジュリエット。キャピュレットの、そしてモンタギューの「名」…。悩むジュリエットはオーディンへと姿を変え、両親の墓地へ向かう。そこへリューバと共にやってきたロミオ。二人はリューバでネオ・ヴェローナの天空を舞う。今は名前のことは忘れたい…雲の上でジュリエットはつかの間の幸せを感じる。突然の雨に、近くの小屋で暖を取る二人。ロミオが小屋を離れた間、ジュリエットは服を乾かそうと男装を解いてしまう。
静かな雨、小屋の中で重なり合うままの二人…。ロミオの目の前には先ほどの少年ではなく、愛しい人の顔があった。気恥ずかしさに頬を染めながらも再会を誓う二人。だがその頃、街では赤い旋風をとらえようと、さらなる圧政が敷かれていた。街の様子を知らないジュリエットは、ロミオへのお礼にとハンカチに刺繍を施す。一針一針、想いを込めて…。あくる日。赤い旋風の疑いをかけられた人々が引き出される。オーディンはその報を受け、救出に向かおうとする。
突如、オーディンの前に現れた赤い旋風。とらわれた人々を解放させ、自らは燃えさかる炎へと飛び込んでいった。オーディンは、自分の幼い正義感が彼を殺したと思い、後悔の涙を流す。赤い旋風の死の報告に動揺していたロミオはジュリエットと再会しその無事に安堵したが、突然の別れを告げられてしまう。一方、モンタギューにより階級を剥奪され、追放されるヴィットーリオが襲撃されると聞き、助けに向かったオーディンだったが、瞬間、危機に陥る。そこへ現れる一陣の黒い疾風。漆黒のリューバを駆るは、敵か味方か。
オーディンを救った黒衣の剣士は、ティボルトと名乗り、ジュリエットの名を呼んだ。なぜ自分の名を知っているのか、その問いを投げる間もなく剣士は去る。オーディンと出会った墓場を訪れたロミオはある事実に気づき、意を決してポーシアを訪ねた。亡きキャピュレットの一人娘…その名を尋ねるために。夏至の花祭りの夜、オーディンとロミオは再び出会う。その場からかけ去ろうとするオーディンを追うロミオ。その手に捕まった瞬間、少女に戻ってしまうジュリエット。見つめ合う二人は月明かりの中…。
月明かりの中、素性を知りながらも気持ちは変わらないというロミオに、ジュリエットの気持ちは揺れる。明くる日、ロミオは父がペンヴォーリオ一家を暗殺しようとしたことを知り、憤りに似た悔しさを感じる。オーディンは再会したティボルトからランスロットを憲兵に売った相手を告げられ、初めて憎しみの感情を覚える。だが、その剣を結局振り下ろすことはできなかった。正義の心でも、憎しみの心でも、自分は人を斬ることができない…自分の弱さ、甘えを知ったオーディンはティボルトの腕の中で慟哭する。
弱い自分を断ち切りたい。迷いと焦りで痛々しいほどのジュリエットを、コーディリアは悲しげに見守る。キャピュレット家の剣を携えたジュリエットは、打倒モンタギューを誓う。集まった元家臣達は沸き立つが、キュリオとフランシスコはジュリエットの迷いを感じ取っていた。その頃、モンタギューは城の最深部、謎の大樹の広がる部屋で、庭師・オフィーリアと共に城の外へ出る事を決める。情報を得たジュリエット達は、絶好の機会と襲撃を決意するが、一人フランシスコは冷静に思案を巡らせていた…。
モンタギュー奇襲は、失敗に終わった。かろうじて逃げ延びたジュリエットだったが、ティボルトから突き放され、失意の中で彷徨った末、ポーシアの修道院に保護される。ポーシアの優しさに触れ、張り詰めていたものが溶かされたジュリエットは涙する。ロミオを呼び寄せ、ジュリエットの無事な姿を見せると共に14年前の事件を語るポーシア。翌朝。バルコニーでジュリエットはつぶやいた。「ねぇロミオ…あなたはどうしてロミオなの?」その問いにロミオは力強く手をさしのべる。君のためなら僕は名を捨てよう…。
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