最も悪しき神の修羅・夜天(やてん)を討ち、天人への道を開いた花朝陽(かちょうよう)。しかし、奇妙な眼が告げた最終条件は、夜天が修羅になりたくないと願った、その切なる想いを叶えることだった。力を封じられ、記憶を移された花朝陽は、二千年前の世界へ送り出される。そこには、冷遇され重傷を負った一人の皇子・夜天がいた。花朝陽は借金を抱え、薬舗に身を置く小道士として新たな運命を歩み始める。かつて敵同士であった二人は、時を遡る因果の中で、再び出会うことになる。
深手を負った夜天(やてん)を救うため、花朝陽(かちょうよう)は秘宝・天人花を用いて命をつなぐ。その恩に報いるように、夜天は彼女の抱える借金を肩代わりする。皇帝の病を癒やすため修道者たちが招かれる中、修道を信じない夜天の存在だけが異彩を放っていた。食べ物に釣られて嬉々として宮中へ入った花朝陽は、荷物に紛れ込んでいた見知らぬ玉佩に触れた瞬間、封じられていた力を呼び覚ましてしまう。しかし同時に夜天が傷つき、弟の夜尋(やじん)はそれを花朝陽の故意だと誤解し、彼女を捕らえようとする。
花朝陽(かちょうよう)の力を察知した国師・天灯籠(てんとうろう)は、彼女の霊力が常人をはるかに超えるものだと確信する。夜天(やてん)の負傷を巡る誤解も解け、花朝陽はようやく疑いを晴らすことができた。夜天を診察する中で、国師は彼女の素性に強い関心を抱き、皇宮では皇子たちの思惑が静かに渦を巻き始める。深夜、花朝陽は誤解を解こうと夜天の部屋を訪れ、二人は炉端で茶を煮ながら少しずつ心を通わせていく。しかしその安らぎも束の間、夜天の体に異変が走り、緊張が高まる中、突如として刺客が襲来する。
動けない夜天(やてん)を救うため、花朝陽(かちょうよう)は咄嗟に薬粉を口移しで与える。命の危機は姉・花容月(かようげつ)と夜尋(やじん)の登場によって去るが、背後に大皇子の影が潜んでいることは明らかだった。大皇子は国師を買収し、花朝陽の霊力を奪おうと画策するが、国師は密かに彼女へ警告を与える。そして宮廷宴の日、花朝陽は窮地に陥った夜天を救い、皇帝の診察のため内室へ入る。しかし皇帝はすでに血を流して息絶えており、直後、大皇子は二人に罪をなすりつける。
死の宣告を前に、夜天(やてん)は先皇の遺書を差し出し、花朝陽(かちょうよう)と夜尋(やじん)の命を条件に大皇子と取引を持ちかける。二人は遺書を探し当てるが、そこには皇位継承者として夜天の名が記されていた。追い詰められた大皇子は約束を破り、密かに追手を放って夜尋を襲わせる。間一髪で国師が駆けつけ二人は救われるものの、その間にも宮中に残された夜天の命は尽きかけていた。国師は花朝陽に救いを求めるが、彼女はすでに記憶を失い、霊力も封じられたままだった。一方、夜天は父皇の死、弟の危機、そして花朝陽を失ったと思い込んだ絶望によって、心を深く壊していく。
痛みに飲まれた夜天(やてん)は修羅へと堕ち、宮中は血の海と化す。駆けつけた花朝陽(かちょうよう)は口づけによって記憶を呼び戻そうとするが拒絶される。しかし栞をきっかけに、夜天は再び過去の記憶を取り戻す。天人の力を完全に覚醒させた花朝陽は夜天を打ち倒し、彼の悪念の源である彼岸花を引き抜くが、夜天はなおも逃げ去り、誤解と絶望から世界を地獄へ変えようと企てる。修羅を斬れば世界は救われるが、それは花朝陽の使命の敗北を意味し、斬らなければ天下は滅ぶ。花朝陽は、愛と使命の狭間で、逃れられない決断へと追い詰められていく。
花朝陽(かちょうよう)は苦悩の末、多くの人々を救う道を選び、修羅花は浄化されて夜天(やてん)の体内へと戻る。夜天はただ、彼女がかつて出会った小道士と同じ心を、今も持ち続けているのかを確かめたかっただけだった。大皇子の死によって争いは収束し、夜天は悪念を失って再び人として立ち返る。国師は天人の道を捨て、新たな宗門・古月宗を興し、世を導く決意を固める。すべての任務を終えた花朝陽は別れを選び、深い想いを告げる夜天を前に、この世の誰にも自分の存在を覚えられない道を歩むことを選ぶ。
花朝陽(かちょうよう)はすべての記憶を消して別れを告げたはずだったが、気づけば千年前へと戻り、力を封じられたまま夜天(やてん)に囚われていた。城では人々が理性を失う修羅疫が広がり、夜尋(やじん)は患者の体内に宿る彼岸花を抜き取ることで救う術を見出す。夜天は修羅花を一身に引き受け吸収し続けることで疫病をかろうじて抑えていたが、修道者たちの無関心に憎しみを募らせ、花朝陽にも敵意を向けていく。花朝陽は今度こそ夜天の心に芽生え始めた悪念を断ち切ろうと決意し、彼に協力を申し出る。
将軍となった今世の夜天(やてん)は、倒れていた花朝陽(かちょうよう)の正体も言葉も信じようとしない。彼女が求めた陰陽玉は交渉の材料となり、夜天は古月宗の修道者を連れて来るよう迫る。従うふりをした花朝陽は夜中に玉を奪い返そうとするが、夜天に見抜かれていた。翌日、護送中に修羅疫の患者が乱入し夜尋(やじん)が襲われる。花朝陽は玉より命を選び、陰陽玉は砕け散る。その選択を前に、夜天は強引な要求を撤回する。
今の時代の夜天(やてん)には、悪念も執着もなく、修羅疫の根を断つことだけを見据えていた。修羅花を吸収する彼の姿を見た花朝陽(かちょうよう)は、砕けた陰陽玉の力が夜天へ移ったと悟り、前世で記憶を呼び戻した方法を試みる。しかし触れられることを拒む夜天には通じず、試みはことごとく失敗に終わる。やがて夜天は花朝陽を呼び止め、彼女が前の世で姿を消した理由を問いかけるが、記憶を持たない花朝陽は答えられず、二人の距離は再び遠ざかっていく。
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