日々人たちが乗ったマルスワンは、大勢の観客が熱狂する中、轟音とともに爆発するように広がる噴射炎と白煙をあげながら、一気に発射された。一直線に宇宙へ伸びるロケットロードを見上げながら、六太は子どもの頃、日々人が星出飛行士に宣言した言葉を思い出していた。『兄貴のムッちゃんと一緒に、絶対宇宙行きます!』
両親やほかの受験者たちが日本へ帰る中、六太はヒューストンに残り、日々人が月面着陸するときを待っていた。NASAの食堂で、六太は吾妻とその家族をみかける。優しい笑顔を見せる吾妻の様子に、疑問を抱く六太。『吾妻さんは本当に日々人に嫉妬しているのか?』意を決し、六太は吾妻に話しかけ――?
『日々人の月面着陸を、自分はどんな顔でみるのだろうか――』兄とは常に弟の先を行かねばならない、六太はずっとそう考えてきた。しかし弟は、兄の自分よりも遥か先を行ってしまっている。日々人が夢を叶える瞬間に、うれしくて笑ってしまうのか、それとも感極まって泣いてしまうのか、どっちなんだろう――と。
無事に月へと到着した日々人たちCES―51クルーは、与圧服を着こみビートル1号に乗車しようとしていた。ビートルの車内には、すでに新しい空気が送り込まれているはずである。だが、今からその車内で与圧服を脱ごうとするクルーには、不安がよぎっていた。意を決し、フレディが脱ぎはじめようとしたその時、日々人は!
宇宙飛行士の最終試験、合格発表の日。六太は、ひとり焦っていた。もう運に頼るしかないにも関わらず、その運をムダに消費してしまっていたからである。そしてケンジもまた、家族と一緒にその発表を待っていた。『この電話……この一本の電話から、俺の毎日は変わるかもしれない』ケンジが宇宙を目指したきっかけとは――?
JAXAからの合格発表を待つため、アメリカから帰国した受験者たち。せりかは実家に戻り、父・伊東凜平の墓へと向かっていた。そして墓前に置いていた自分の日記を手に取ると、子どもの頃、父と過ごした記憶を次々と思い出す。せりかが医者として宇宙を目指し、欠かさず日記を書くようになった、そのきっかけとは――?
日本に帰国した六太は、この2~3日の間、プチ幸運が異常に続いていた。それは、引き出しの奥から商品券が現れたり、茶柱が必要以上に立ったり。『逆に怖い!!逆に不吉!!』そんな不安な気持ちを抱えたまま、JAXAからの電話を待つ六太。しかし発表の連絡時間をいくら過ぎても、六太のところに連絡は来ず――?
直接合格発表を聞いた六太は、記者会見会場へと向かっていた。遅れて到着した六太を壇上で待っていたのは、よく知る4人の合格者たち。せっかく合格したのにも関わらず、六太はなかなかその実感がわかないでいた。そんな時、六太の携帯に『友』からのメールがくる。その内容は、六太が思わず涙してしまうもので――?
見事、宇宙飛行士の候補生として新メンバーになることが出来た六太は、JAXAで入社式を行っていた。式後、茄子田理事長から考え深い話を聞かされる。『人という字は、人と人とが互いに支え合って生きている!--ってね、みなさんも一度は思った事でしょう。支え合ってるか!?--と!』そしてさらに話は続き--?
日々人とダミアンは、通信が途切れた無人探査機ギブソンを捜索するため、基地を出発していた。月面はバギーに乗って移動していたが、空気がないせいで遠くまで鮮明に見えすぎてしまい、慣れない視界に戸惑う日々人とダミアン。そして突然にも、バギーはタイヤを踏み外し、太陽の光も届かない深く暗い谷へと落ちてしまう。
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