従業員のあやかし達とも打ち解け、天神屋で居場所を見つけた葵。その前に突如して現れたのは、六角折の紋を帆に掲げる折尾屋の宙船。そして、記憶の中のあやかしを思い起こさせる白い面に長い髪のあやかしの姿だった。
天神屋の好敵手宿である折尾屋へと連れてこられた葵は、捕らえられ座敷牢へと入れられてしまった。銀次と引き離され、見知らぬ場所で一人になってしまう葵だったが、幼い頃に出会ったあやかしの正体を確かめるため、脱出しようと立ち上がる。
銀次の機転によって、滞在中の松葉の朝食を作ることになった葵。放っておかれていた旧館の台所を使えることに。限られた食材で料理を作った葵は、久しぶりに一人ぼっちの夕食を食べるのであった。その頃、葵と銀次のいなくなった夕がおに灯りが燈り……。
板前の鶴童子達に頼まれ、我儘なお嬢様である淀子のおもてなしをすることになった葵。面白い料理を所望する彼女に葵が振る舞うのは、もんじゃ焼きであった。始めは怪訝そうな淀子であったが、目の前で作られる様子に興味を持ったようで……。
爆発音を聞きつけて、折尾屋・本館へ戻った葵が目にしたのは、怒りを露わにする松葉とボロボロな葉鳥の姿。儀式に必要な品の一つ、『天狗の秘酒』を譲って貰おうと、葉鳥が直接交渉したことで松葉の怒りに触れたのである。葉鳥は松葉の息子だが、どうやら過去に何かあったようで破門の身となっており……。
天狗の親子を仲直りさせ、儀式に必要な品の一つ『天狗の秘酒』を手に入れ喜ぶ葵。その一方で、都からやってきた貴族の雷獣が葵に興味を持ち、怪しく微笑む。何も知らない葵は、ノブナガに呼ばれるまま松林の奥へと進み、朽ちた社の前に倒れる、大きな銀色の獣を見つけるのであった。
人魚の鱗を探すことになった葵は、大旦那と共に竜宮城跡へ向かう。かつて人魚たちが生活を営み栄えていたその地も、今は強い呪いが澱み、あやかしでは短い時間いるだけでも邪気に蝕まれてしまうのだという。人間の葵と、あやかしの中でも特異な大旦那は、邪気を受け付けることはなかったが、どこからか葵を呼ぶ声に誘われ、二人ははぐれてしまい……。
人魚の鱗を手に入れて、儀式に必要な残りの品は蓬莱の玉の枝のみ。そんな折、天神屋の元若女将であるお涼が客として折尾屋にやってきた。束の間の再会を喜ぶ葵だが、ライバル宿の従業員の登場に折尾屋は警戒ムード。特に若女将のねねは、お涼に思うところがあるようで……?
儀式の料理を思案している葵の前に、突如として現れたのは、妖都の貴族・雷獣。折尾屋の最上級の客室でもてなされていた雷獣は、儀式のために活躍する葵に興味を持ち、怪しげにまとわりついてきた。苦手な雷のあやかしから逃げ回る葵に、雷獣の冷たい悪意が向けられる。
海宝の肴の試食会で天狗の秘酒を口にし、急に倒れてしまった葵。目を覚ました時、喉に違和感を覚える葵だったが、なんと声を出せなくなったうえ、味覚までをも失っていた。酒のせいではなく、特殊な呪いのせいだとわかるものの、味がわからない葵に、海宝の肴を手がけることはできなくなり……?
蓬莱の玉の枝は、縫ノ陰夫妻が所有する水墨画の中の結界に保管されていたことが判明。その知らせを受けた葵は、まだ味覚は戻らないものの、白夜の助けを借り、銀次、乱丸、チビとともに水墨画の世界に向かう。
水墨画の世界から戻った葵は、改めて海宝の肴を作ると決意した。そして花火大会当日。遠くに海坊主の姿を確認する一方で、雷獣の最後の嫌がらせによって押しかけて来たお客に折尾屋は大混乱に。そこへ天神屋の宙船が現れ、大旦那達が一同の前に降り立った。
神楽殿に炎が灯り、儀式が始まった。葵は海坊主の為に料理を作り振る舞うが、キュウリの匂いに釣られたチビが海坊主の御簾の中へと入ってしまう。聞こえてきたチビの悲鳴に、思わず御簾を持ち上げてしまった葵は海坊主の声を聞き、過去の自分と同じ思いを抱えていた事を知る。
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