沈昭児は、口がうまく明るい女の子。彼女は2年前に田七(でん・しち)と名乗り、男装をして太医署に入り込んだ。陛下専属の太医に推薦されたていたが、ある理由があって紀邸への潜入をもくろんでいた。「自分は不運な星の下で生まれたので、陛下にはお仕えできない」と言い訳をして、師匠の丁志(てい・し)にカネを積み、紀邸に入り込む。そして当初の望みどおり節帥(せつすい)の婚約者・順成郡主(じゅんせいぐんしゅ)の専属の医師となる。しかし、郡主は宴の席で刺客に襲われ亡くなってしまう。
小雨の降る中、紀衡の弟・阿征(あせい)は兄の結婚式のため、船に乗って街に戻ってきた。阿征と紀衡は腹違いの兄弟である。街に着いた阿征は、万紅(ばんこう)楼に行く途中の昭児とすれ違い、彼女に一目惚れする。その時、風が吹き昭児のハンカチが舞い上がり、阿征がそのハンカチを拾った。一方、田七は紀邸で郡主殺害の犯人と疑われて懲罰を受け、節帥から無実を証明したいなら今すぐ犯人を探せと命じられるのであった。
紀衡はツツジの鉢植えの前に立ち、「この花が散る前に犯人を見つけ出さないと、命はない」と田七を脅す。恐怖におののく田七は、犯人探しに躍起になっていた。そんな田七を見た紀衡は、犯人をおびき寄せるために田七をおとりに利用しようと画策する。紀邸内でも田七が犯人探しをしているとのうわさが流れ、それを知った真犯人が田七に罠を仕掛けるのであった。
「田七の帯に毒薬が入っている」と聞いた紀衡は、田七を呼びつけて、帯を調べようとする。しかし、田七は事前に帯を燃やし、調べられないようにしていた。田七は自分に毒薬の入った帯を贈った相手が師匠だと分かると動揺を隠せないでいた。一方、節帥は長年、不眠症に悩まされており、熟睡できる日はほとんどなかったが、田七がうちわを仰ぐとなぜか安心して熟睡することができた。そんな中、田七は寧児(ねいじ)の侍女として仕える春花(しゅんか)から両親殺しの犯人につながる重要な情報を得るのだが…。
孫大力(そん・だいりき)に絡まれた田七は春花をかばって逃げた後、偶然通りかかった阿征に助けてもらう。阿征は自分がずっと捜していた女の子が紀邸で男装をしていると分かって驚くが、何も言わずにその場をあとにする。紀衡が不眠症だと知った田七は、少しでも眠れるようにとさまざまな方法で治療に当たる。しかし護衛の者にその様子を見られてしまう。そして、紀邸では「節帥が田七を毎晩添い寝させている」というウワサが流れ、それを聞いた紀衡は憤慨する。そしてある晩、ウワサを聞いた犯人に田七が襲われるのであった。
池に落とされた沈昭児は意識を失いかけ、父親の幻聴を聞く。だんだんと体が沈み、このまま死んでいくのかと諦めた瞬間、誰かが自分を引き上げるのを感じた。田七が目を開けるとそこには阿征がいたが、本当は紀衡が助けたのであった。しかし、群衆に誰に救われたか聞かれた田七は「誰だか見ていない」と答える。すると、隣にいた淑夫人が一瞬がっかりしたようだった。田七はこのままだと更に犠牲者が出ると思い、早く犯人を見つけようと捜査を続ける。
田七は師匠の丁志にも、亀が自分を救ってくれたと話している。すると、それを後ろで聞いた紀衡は、自分が飛び込んで救ったのに、カメばかり褒める田七に腹を立て、「その亀を呼んでみろ」とけしかける。田七は池に連れられてエサを手に亀の出現を祈っていると、手のひらほどの小さな亀が池から頭を出した。田七はその亀を飼うことになる。捜査を続ける田七は慕竹の遺品に手がかりがあると確信し、その遺品を手に入れるために侍女の格好をして寝台に侵入する。
淑儀は毒を飲むと、紀衡の反逆を呪い「彼を愛する人はみな彼を憎む」と言って死んでいった。この言葉で紀衡は沈青雲や、生死も分からない沈昭児のことを思い出していた。田七は紀衡が罪悪感を抱いている表情を見ると、この罪悪感は淑夫人の死を迫ったことに由来していると思い、紀衡はそこまで冷酷な人間ではないと彼を見直す。数日後、田七はかつて自分たち一家を無実の罪で捕らえた孫従瑞(そん・じゅうずい)が紀衡と仲良くし話しているのを見て不信感を募らせる。
淑夫人が亡くなってしまい、彼女が沈青雲の殺害に関与しているのか、その真相は確かめようがない。ただ淑夫人はずっと紀邸から出らなかったので、紀兄弟は紀邸に裏切り者がいると疑っていた。ちょうど紀衡は、郊外で兵士の訓練をする予定だったので、田七も同行させる。一行が休憩のために立ち寄った場所は、田七が子供の頃に両親と遊びにきた事がある場所だった。田七は当時のことを懐かしんでいた。しかし紀邸への帰り道、紀衡たちは刺客に襲われる。田七は紀衡に向けられた矢を受けて重傷を負う。
治療を終えた田七が紀邸に戻ると、紀衡は自分の寝室に田七用の寝床を設けていた。紀衡は体を張って自分を助けてくれた田七に褒美をやろうと言い、田七は金塊がほしいとねだる。紀衡の従妹・寧児はどうにか紀衡と結婚したいとさまざまな策を企んでいた。寧児は田七に「褒美をやる代わりに紀衡との仲がうまくいくように協力してほしい」と頼む。田七は稼いだお金で鎖帷子を買い、紀衡が命を落とさないようにとプレゼントする。
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