張千里(ちょうせんり)の死に泣き崩れる母をよそに、父・張文才(ちょうぶんさい)は息子を犠牲に佐藤(さとう)の信を得て権勢を守ろうとする。だが江城には新たな悲劇が迫っていた。顧嫣然(こえんぜん)が張文才に連れ去られ、日本軍の手に渡されてしまったのだ。傷だらけで投げ捨てられた妹を前に、顧連城(これんじょう)は涙をこらえ、フランスでの再会を約束して街から逃がす。そして彼は上級の命令を破り、冯処長(ひょうしょちょう)を討ち、たったひとりで日本軍部へ。ついに宿敵・張文才を前にする顧連城だが銃声が響き渡り、佐藤の放った弾丸が彼の命を奪った。
顧連城(これんじょう)の死により、江城はついに日軍の支配下へ。張文才(ちょうぶんさい)は権力の座に返り咲き、佐藤(さとう)の右腕として商会を掌握した。そんな中、張寒意(ちょうかんい)は佐藤に呼び出され、古書に記された秘香一念を再現するよう求められるが、彼は断固拒んだ。一度は解放されたものの江城に安息はなく、張寒意と宛月(えんげつ)は逃亡を決意。監視の目をかいくぐり、ようやく汽車に乗り込む。希望に胸を膨らませ、未来を語る張寒意。だが、宛月は佐藤との取引を密かに動かしていた。
復讐のため、宛月(えんげつ)は愛する張寒意(ちょうかんい)を犠牲にして佐藤(さとう)と取引を交わす。しかし佐藤は冷酷だった。張寒意を揺さぶるため、宛月を宿敵・張文才(ちょうぶんさい)に差し出し、瀕死の彼女を救う代償として張寒意に一念の再現を迫る。命を救われた宛月は、宿敵を超える権力を手にする。しかし張寒意との間には深い亀裂が生じ、会いたくても背を向けられる日々。佐藤の真意はただひとつ奇香一念を手にすること。宛月と張文才の抗争は単なる駒遊びにすぎなかった。
佐藤(さとう)の後ろ盾を得た張文才(ちょうぶんさい)は、権勢を誇示する。誕生日の宴で小阿俏(しょうあしょう)を辱め、膝を折らせようとした瞬間、宛月(えんげつ)が現れて立場は逆転。新会長となった宛月は張文才を屈辱の跪座に追いやった。一方、張寒意(ちょうかんい)の前に現れた宛月は、治療薬を差し出すが、彼はもう光を望まない。ただ宛月のために犠牲となる覚悟を固めていた。夜更け、傷を抱えて帰宅した張文才を待っていたのは、自らの妻の怒りだった。宛月が暴いたのは実の子・張千里(ちょうせんり)を手にかけた残酷な真実。家庭の崩壊すら、彼の罪の一部に過ぎなかった。
血で染まった因縁が、ついに墓前で再び交錯する。林家を焼き滅ぼした仇敵・張文才(ちょうぶんさい)を前に、宛月(えんげつ)は復讐の刃を握りしめながらも、佐藤(さとう)の冷酷な警告に縛られて手を下せない。夜明けを待たず連れ去られた張文才は、翌日、佐藤の手で和解の場に立たされる。だが宛月は屈せず、張寒意(ちょうかんい)は命を懸けて彼女を支える。佐藤は宛月を一念の鍵と疑い、少女の香気に執着する。一方、張寒意は己の身を犠牲にしてでも豆蔻で香を完成させようと決意する。
夢から覚めた宛月(えんげつ)の前に、現実はさらに苛烈だった。命を削りながら香を作る張寒意(ちょうかんい)は、倒れながらも復讐の誓いを胸に製香を続ける。佐藤(さとう)の脅迫は容赦なく、完成できねば宛月の命が奪われるという。だが宛月は決意を固め、宿敵・張文才(ちょうぶんさい)を自らの手で葬り去る。最期に張文才が知ったのは、二人が仕組んだ壮大な欺きだった。宛月の裏切りは偽りであり、すべては佐藤を討つための計略。やがて一念は完成するが直後、佐藤は宛月を捕らえ、なお少女の香気への執着を手放さなかった。
佐藤(さとう)の狂気はついに宛月(えんげつ)を蒸留装置に閉じ込め、命を奪おうとするところまで及んだ。鈴の音に導かれ危機を察した張寒意(ちょうかんい)は、自らの命を賭して薬を過剰摂取し、一時的に視力を取り戻す。彼が飛び込んだ制香室は一念の毒香に包まれ、現実と幻覚の境が崩れ落ちる世界。幻の中で張寒意は失われた人々と再会し、最期には宛月(えんげつ)と抱き合う。しかし香りの違和感が幻だと真実を告げる。命を削り幻覚から目覚めた張寒意は、瀕死の宛月を抱き上げ、毒香に覆われた佐藤府を脱出する。
激動の江城を逃れた張寒意(ちょうかんい)と宛月(えんげつ)は、養母の家で静かな暮らしを始める。薬房を整え、香舗を夢見て、小犬を飼い、花火を眺め、梨の木の下を並んで歩く束の間の安らぎ。しかし運命は残酷で、張寒意の身体はすでに限界を迎えていた。彼は宛月に真実を告げぬまま、最後の笑顔を胸に旅立っていく。十三年の歳月が流れ、戦火は収まり、江城に平和が戻る。顧嫣然(こえんぜん)と再会した宛月は、共に張寒意の墓を訪ねる。そこには一株の梨の木が天を覆うほどに育ち、風に揺れていた。張寒意が残した種が芽吹き、今も宛月を見守るように。愛は命を越え、木となり、永遠に彼女の傍らに在り続けるのだった。
ご購入時から視聴有効期限内、視聴いただけます。 日本国内でのみ視聴可能です。日本国外からはご利用いただけませんのでご注意ください。