天地五界の秩序を揺るがす“九尾の銀狐(ぎんこ)”と“神界の神君(しんくん)”の禁断の出会い。婚礼をぶち壊し怒りのまま仙界に迷い込んだ魔主・雪凌子(せつりょうし)は、神君・君沐陽(くんぼくよう)によって白狐の姿に封じられる。運命に導かれ出会った二人――彼の掌に抱かれた瞬間、世界が震え、永遠の恋が始まる。美しき神魔恋歌、ここに開幕。
思いがけず口づけを奪われた雪凌子(せつりょうし)は羞恥と怒りに燃え、神君・君沐陽(くんぼくよう)に挑む。だが彼は穏やかに受け止め、彼女の“特別な力”を守れと諭す。罪悪と戸惑いの狭間で揺れる彼女に、君沐陽は連絡の鈴と心を鎮める古琴を贈る。芽生え始めた信頼が微かな温もりを帯びた時、天地の娘・月枝(げつし)が現れ、恋と嫉妬が交錯する――。
父に勝手に婚約を決められた雪凌子(せつりょうし)は怒りに燃え、逃れるため幼なじみの妖界王子・玉麟(ぎょくりん)に偽りの夫を演じさせる。だが玉麟の瞳には、抑えきれない想いが宿っていた。一方その報せを聞いた神君・君沐陽(くんぼくよう)は、静かに神界を去る。三つ巴の恋が、運命の歯車を回し始める――。
偽りの婚約劇は、父の前で思わぬ形に崩れ去る。雪凌子(せつりょうし)は玉麟(ぎょくりん)の裏切りに怒り、白狐の姿で逃げ出すが、再び神君・君沐陽(くんぼくよう)の手に抱かれる。一方、月枝(げつし)は天帝への手紙の中で恋心を明かし、禁断の秘密――掌に宿る力に気づく。愛と野心が、静かに動乱の幕を開ける――。
天帝は神君・君沐陽(くんぼくよう)に婚姻を命じるが、彼は静かに拒む。一方、月枝(げつし)は神殿の庭で雪凌子(せつりょうし)を挑発し、あえて傷を負って罠を仕掛ける。天帝は怒り、雪凌子に償いを命じるが、君沐陽は表向き叱責しながら密かに庇う。誤解に傷ついた雪凌子は去り、月枝はその“掌に宿る力”を一滴奪う。やがて天帝の言葉が嫉妬に火をつけ、愛と憎しみが運命を裂き始める――。
母の秘密を追い、雪凌子(せつりょうし)は天山へ旅立つ。玉麟(ぎょくりん)が同行し、ひたすら献身を尽くすが、彼女の心は冷たいまま。その姿を昆仑鏡で見た神君・君沐陽(くんぼくよう)は顔色を変え、鹦老二(えいろうじ)を人の姿に変えて密かに護衛に送る。天山の遺跡で二人は毒に倒れ、深部で紅衣の男と亡き母の幻影を目にする。涙に滲む真実の断片――そして雪凌子の姿は、光の中に消えた――。
母の残した幻影に導かれ、雪凌子(せつりょうし)は真実を知る。かつて両親を引き裂いた因縁、そして“掌に宿る力”の危険。一方、遺跡に辿り着いた神君・君沐陽(くんぼくよう)は毒の銀針を見て胸を痛める。雪凌子は魔界へ戻り、父・雪非羽(せつひう)に全てを語るが、己の血が古の毒に侵されていると判明。解毒の秘薬を求め、九重塔へ向かう彼女のため、君沐陽は己の命を賭して魔獣へ挑む――。
鹦老二(えいろうじ)は塔主になりすまし、雪凌子(せつりょうし)と玉麟(ぎょくりん)を足止めする。一方、重傷を負いながらも君沐陽(くんぼくよう)は解毒薬を手に九重塔へ向かう。毒に倒れかけた雪凌子の前に現れ、彼女の唇へ薬を授ける神君。奇跡のように癒えた雪凌子は、その温もりに胸を震わせ、悪戯心のまま君沐陽の頬にそっと口づける。永遠の宿命を抱えた二人の距離が、初めて本当の意味で近づいた――。
雪凌子(せつりょうし)は君沐陽(くんぼくよう)と共に神殿へ戻るが、彼の重傷も解毒薬の由来も知らぬまま、彼が自分を想っていると信じ始める。政務に向かう神君をからかいながら、その心を確かめようと桃林へ誘う。問い詰められた君沐陽は沈黙し、“掌に宿る力”が天地を乱すことを恐れて口を閉ざす。その秘密を知った月枝(げつし)は妖界へ密告し、玉麟(ぎょくりん)は苦悩に沈む――。
人間界の友・南峰(なんぽう)から手紙を受け取った君沐陽(くんぼくよう)は、雪凌子(せつりょうし)を伴い再会の旅へ。茶を嗜み詩を交わす二人の親しさに、雪凌子は嫉妬を隠せない。君沐陽はその心をなだめつつ、南峰と碁を打ち互いの才を認め合う。一方、月枝(げつし)は玉麟(ぎょくりん)を唆し、雪凌子を奪えと囁く。別れの刻、贈り物をめぐる小さな騒動の中で、雪凌子は魔界の気配を察する――。
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