日刊ボクシングファン編集部にて藤井は全日本の決勝を目前に原稿に向かっていた。まさに幕之内一歩はダークホース。誰も彼の東日本チャンピオンを想像していなかった。藤井は静かに思い起こしていた。ハードな打ち合いを制したオズマ戦。クリンチに悩まされた小橋戦。ショットガンを封じインファイトに持ち込んだ速水戦。そして壮絶な一騎打ちとなった間柴戦。どれも記憶に残る凄まじい試合だった。明後日に控えた全日本の決勝。藤井は6:4で千堂と思いながらも幕之内にも大きな期待を寄せていた。
右がどうしても打てない一歩は不安を抱えたまま大阪に入った。棄権を決めた鴨川に鷹村が以前の自分の経験を話す。一歩は鷹村からのアドバイスを受け試合に臨む事に。試合当日、山口によって拳に直接麻酔が打たれた。大阪の会場は千堂の応援で凄まじい盛り上がりかたを見せていた。フェザー級チャンピオンの伊達の姿もある。そして運命のゴング。一発をねらいダッシュをかけた一歩だったが、千堂の気迫に足が止まる。一歩は右を打てるのか。
千堂のスマッシュが一歩に炸裂。どうにか踏みこたえた一歩に更に改良された超低空型スマッシュがヒット!鷹村とのスパーでより攻撃力を増したスマッシュが生み出されていた。一歩はスマッシュ封じの為に接近戦に出る。激しい打ち合いの中一歩に秘策が。「遣り残した事がある」と次のゴングを待つ一歩の姿に宮田との一戦を鴨川は思い出していた。一歩は千堂に中距離をとりスマッシュの構えを見せた!
激しい打ち合いを続ける二人に会場からは大歓声が沸く。千堂のスマッシュが一歩の顔面をジャストミートし倒れる事を許さないように更にアッパーが。決め手となる千堂のスマッシュが一歩を襲ったとき寸でのところでそれをかわしがら空きのテンプルに一歩の右フックが炸裂した。手応えが合ったはずなのに千堂は持ちこたえ更に激しく一歩を襲った。激しい歓声で千堂にもレフリーに3round終了のゴングが届かず、一歩は無防備なまま10秒もめった打ちにされる。鴨川は次のroundでタオルを投げる準備をし一歩を送り出す。4round開始のゴングは鳴ったが、千堂に立ち上がる気配は無くざわつく会場。千堂の身に何が…。
一歩は高校の卒業式を迎えた。全日本新人王を獲得した一歩は後輩からも大人気で写真を沢山の人からせがまれていた。梅沢は一歩に今までの事を詫び、新たな旅立ちをする。家に向かう一歩はそこに宮田の姿を見つける。宮田はアジアを回って一歩との距離を縮めてくると宣言し、一歩はさらに身をひきしめる。ジムには入門希望者が多く押しかけて来たが試合を前に減量中でイライラの鷹村がやつあたりを始め残ったには一人。山田直道、通称ゲロ道のと出会いである。
後楽園ホールでの試合前に藤井に紹介される日本フェザー級チャンピオン伊達英二。一歩には雲の上のような存在。試合は青木は判定で、木村はKO、鷹村は一瞬のKOで勝利し鴨川ジムは全勝に終った。一歩の拳は完治しサンドバックを打つ姿も復活した。更に緊張を強める一歩のもとに仲代ジムから連絡があり、伊達からのスパーのオファーがきた。めったに無いチャンスと伊達のジムをおとづれた一歩だったがやはり伊達は桁違いに強く一歩には今自分に何が起こっているのか飲み込めなかった。
伊達のコークスクリューが一歩に炸裂。そのパンチは心臓を的確にねらい一歩の体の動きを一瞬完全に止めてしまうのであった。約束の3round一歩は全く伊達にかなわずリングに沈む。伊達の後輩の沖田は新兵器の練習相手に一歩を選んだ事に納得が出来ずにいた。仲代ジムからの帰り道、ゲロ道は自分がいじめられっ子であることを一歩に告白する。一歩も自分の経験を話しゲロ道を勇気付ける。そんな中仲代ジムから去年の全日本新人王からの試合の申し込みがある。沖田佳吾であった。1ヶ月後ついに伊達の前で二人の試合のゴングが鳴った。
沖田もコークスクリューを放った。沖田の姿は伊達にそっくりで一歩を翻弄する。千堂ほどのパワーは無いと懐に飛び込む一歩であったが沖田のパンチは右が来るのか左が来るのか分からず、一歩は本来の自分のスタイルを見失っていた。沖田のジャブが決まり一歩の顔は徐々に変形していく。沖田のコークスクリューが一歩を狙った瞬間一歩はこの時を待って右アッパーを沖田に打ちこむ。倒れる沖田は負ける事は伊達を否定される事のように思い執念でたちあがる。一歩の容赦無い攻撃に既に沖田は執念だけで戦っていた。それも力尽きついに沖田はマットに沈んだ。一歩は一気にランキング5位に登りつめた。
タイで試合を重ねる宮田は一歩との差に苦しんでいた。海外での対応はとても厳しく判定も偏っていた。宮田は一歩のいるフェザー級にこだわるがために減量には並々ならぬ苦労を強いられた。そんな時注目の選手ジミー・シスファーから試合の申し込みがあるが父は宮田に告げずに試合を断る。ジムの者から日本人はハングリー精神がないと非難された宮田は試合を強引に承知させる。そんな宮田に父は「パンチが軽い」と決定的な欠陥を伝える。宮田はカウンターを超えるカウンターを生み出そうとしていた。
タイの期待の星ジミー・シスファーとの対戦の日がやって来た。30対1でジミーの勝ちを信じるタイ国民達はありったけの声でジミーの応援をしていた。ゴングと伴にジミーの優勢は続き苦戦を強いられる宮田。この日宮田は練習を重ねてきたジョルトのカウンターを狙っていた。それはまさしく宮田にとってカウンターを超えるカウンターであった。宮田はインファイターのかまえを見せジミーに挑むが実力も伴うジミーにはなかなかカウンターが決められない。弾き飛ばされ朦朧とした意識の中一瞬のタイミングで宮田はジョルトをジミーにうち込んだ。宮田の勝利はタイのジミーファンにも認められ、宮田は更に次ぎの地へ旅立っていくのであった。
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