台北でミュージシャンとして成功するという夢に破れ、台湾最南端に位置する故郷・恒春に戻った青年・阿嘉(アガ)。無為に日々を過ごすうち、郵便配達の仕事があてがわれた彼は、宛先不明で未配達の郵便物の中に、今では存在しない住所“海角7号”宛ての小包を見つける。その中には、60年前、敗戦によって台湾から引き揚げる日本人教師が、愛しながらも別れなければならなかった台湾人女性を想って船上で綴った7通のラブレターが。しかし日本統治時代の住所を知る者は、今や誰もいなかった。そんななか、阿嘉は日本人歌手・中孝介を招いて催される町興しライブの前座バンドに無理矢理駆り出される。成り行きで監督役を任された売れない日本人モデルの友子とは衝突ばかり。小学生の女の子や80歳の老人という寄せ集めのメンバーでは練習もままならず、余計にやる気を失っていく阿嘉をよそに、刻々とライブの日は近付いていた・・・。
隣に住む夫婦の秘密とは…。弥里(山岸逢花)と夫の孝明は新興住宅地のマンションに引っ越してきた。早速隣人に挨拶をしたところ、感じの良い夫婦が住んでいて安堵した。マンションのゴミ捨のルールがわからず管理人に注意されている弥里を隣人の舞香(範田紗々)が助け舟を出してくれたことから次第に親しく口を聞くようになっていった。ある時、舞香から夫婦4人での食事会を提案された弥里は自宅でワインと手料理を振る舞い楽しい食事をしていたが、帰国子女の舞香の夫、大輝の妻への愛情表現がオープンなことに驚く…。
アメリカ南部の片田舎の小さな町。ハロルド牧師は酒浸りの日々を過ごし、通うバーの地下で買春を続けていた。町の皆は知っていいたが、見てみぬフリをしていた。ハロルドには、C J(ランス・ポール)とクリスチャン(ジョン・ヴィンセント)の二人の息子がいたが、父親とは逆に誠実で優しい兄弟だった。彼らは幼馴染みのジョージア(エラ・バーディン)といつも一緒に遊んでいた。兄弟二人は彼女のことを愛していた。ジョージアもまた二人のことを愛すことは自然なことであり、肉体関係を持っていた。それは彼女にとって普通のことだったのだ。クリスチャンが大学に合格して町を離れることになり、C Jは地元に残ることとなった。ジョージアは兄弟との距離を保つために、あこがれのロサンゼルスに旅立つことにした。時が経ち、ジョージアは町へ戻ってきた。C Jは修理工場を経営していたが、ジョージアの同級生のフェイスと付き合っていた。C Jはジョージアにそのことを言い出すことがなかなかできない。そんな三人が夜バーに飲みに行くと、そこにジョージアのロサンゼルス時代のルームメイトのグレース(シャーロット・ケイト・フォックス)が働いていたのだった。グレースは女優を目指していたが、夢破れ、ジョージアがよく話していたこの町に流れ着いていたのだった。そこに今度はクリスチャンも町に帰って来た。C Jもクリスチャンも金髪で美しいグレースに興味を持つ。それが気になるジョージアとフェイス。兄弟二人と三人の女たちの愛と嫉妬の交差が燃え上がった時、悲劇が起こる…。
大江寿々花(川村りか)は、28歳の精神科医。総合病院の院長を務める父(並木巳喜男)に厳しくしつけられてきた彼女は、独立した今でも父親に逆らえないトラウマを抱えていた。そんな寿々花には、誰にも打ち明けられない秘密があった。それは、“ラバーフェチ”という性癖だった。帰宅すると寿々花は、真っ先にラバースーツに身を包み、その光沢や匂い、密着感を纏うことにより、本来の自分を取り戻すのだった。ある日、父から小児科医の南條晴彦(河合龍之介)を紹介される。最初は反発していた寿々花だったが、父と同じ匂いのする南條に惹かれていく・・・。
王と瓜二つだったために、毒殺の危機に怯える王・光海(クァンヘ)の影武者をつとめることになった道化のハソン。大臣たちの陰謀の気配が渦巻く宮中での不安から、暴君と化していた光海。ある日、病床についたことをきっかけに、妓生宿で腐敗した権力の風刺をしていたハソンが極秘の代役として王にすり替わる計画が実行される。偽物の王が、本物の王に成り済まして政治の矢面に立つ15日間。その中でハソンは、最初は戸惑いながらも、次第に操り人形ではない民のことを考える真の王として周りを魅力していくのだが・・・。
ニューヨーク、夏のある暑い日の午後。テリーはいつものようにバージンの女の子をモノにして、親友のキャスパーに自慢しながら、街をブラつき、仲間がたむろしているポールの家へ向かう。くすねたビールを飲み、ドラッグを決め、SEXの話で盛り上がる。一方、ルビーの家ではジェニーたち女の子5人もSEXの話ばかり。経験豊富で無防備なSEXを楽しむルビーは自分の体験談をネタに盛り上げる。ジェニーはバージンを奪い、その後は連絡もしてこないテリーを許せない。HIV感染を心配するルビーはジェニーと検査結果を聞きにいく。テリーとのSEXしか経験のないジェニーはルビーについてきて検査を受けただけだった。しかし検査結果はルビーはネガティブだが、ジェニーはポジティブだった。たった1回、1人の男とのSEXのために突然の死の宣告をされてしまったジェニー。とにかくテリーを見つけなければいけない。会って、このことを伝えなければ。しかし、テリーは新たなバージンの子を誘い出し、仲間たちと夜のプールではしゃいでいる。自分自身がHIVキャリアとも知らずに。
都会での生活に疲れた真琴(水戸かな)は、嫁募集の広告をきっかけに漁師の修二と見合いをして小さな漁村へ嫁いできた。慣れない土地と暮らしに戸惑いながらも、海のある日常や漁師仲間たち、そして姑の優しさに次第に心をほぐされていく。しかし漁の不調や田舎ならではの価値観の違いから、夫との関係は少しずつきしみが生じていく。そんな時、村役場に勤める直也と趣味の読書の話題から言葉をかわすようになる・・・。
カンサス州の小さな町の女高校教師イヴリン・ワイコフは、才色兼備のキャリア・ウーマン。しかし、幼少時に両親の不和を目撃したことが原因なのか35歳にして未だ処女であった。ある日の放課後、教室に居残っているワイコフはアルバイトの黒人青にレイプされる。陵辱を受けた彼女は、初めて知った性の歓びに自ら溺れていくのだった…
ようやく農家の生活に慣れてきた嫁・瑠美は、口うるさい姑(宮下順子)とのやり取りを日々交わしつつ、夜の営みも消極的な夫・優作との生活に悶々としていた。そんな時、夫の優作が怪しい有機栽培の投資ビジネスに騙されているのではないかと懸念を抱く。優作に農業を教えた先輩・狩俣が優作に話を持ってきたらしい。優作を尾行し、狩俣との会話を盗み聞きした瑠美は、麗子というやたらと色気のある女の存在に気づくのだが・・・
昼も夜もなく駆けずり回るが、実績は最低。あげくの果てに解体の危機を迎える麻薬捜査班。リーダーであるコ班長は、麻薬を密輸している国際犯罪組織の情報をつかみ、チャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジェフンの4人のメンバーと共に張り込み捜査を開始する。麻薬捜査班はその組織を24時間監視するため、彼らのアジト前にあるチキン店を引き継ぎ、偽装営業をすることに。だが、絶対味覚を持つマ刑事の隠れた才能により、思いがけず、そのチキン店は名店として名を馳せるようになる。捜査は後回し、チキン売りで息つく暇もなく忙しくなった麻薬捜査班に、ある日、絶好の機会が訪れるが・・・。
戦後の動乱期から現在もなお、闇社会の頂点に君臨すると伝えられる謎の黒幕(フィクサー)――『龍帝』のネタを聞きつけたフリージャーナリスト・真月蓮は、何とかスクープにするため、『龍帝』の正体を追っていくが、やがて新宿侵攻を企む在日中国系黒社会「九頭龍」の陰謀に巻き込まれてしまう…。
人畜無害・温厚な鶴丸杉夫は、冷酷非道・極道を絵にかいたようなもう1人の自分、松夫に引きづられて、暴力団事務所に出入りすることに。しかしそれぞれの人格が現れている時の記憶は共有することが出来ない。気の弱い杉夫は、ニ重人格という病気を知りながらも組においてくれる渡会のために、シノギをこなしていこうと努力する。ある日、杉夫の所属する丹義会が美人演歌歌手・高いずみのショーを仕切ることになった。敵対する岩動組が妨害を仕掛けてくる中、いずみの身辺警護にあたった杉夫は、やがていずみと恋に落ちる。だが、いづみを抱くのはいつも松夫――。果たして、いづみは杉夫と松夫、どちらの自分を愛してくれているのだろうか……。
「セーラー服と機関銃」「ションベンライダー」の異才・相米慎二監督の代表作。台風の接近に伴って、少年少女たちのやり場のない感情が高ぶってゆく様を、瑞々しく描き出す。東京近郊のある中学校、夜のプールではしゃぐ5人の女子中学生は、友達をからかい半分で溺死寸前まで追い込んでしまう。一見平凡に見える中学生たちが抱える行き場の無い不安定さは、台風で学校に閉じ込められたことによって、狂気へと走り出す。
ナミは夫と高校生の娘に恵まれ、主婦として平凡だが幸福な毎日を送っていた。そんなある日、彼女は母の入院先の病院で高校時代の親友チュナと思わぬ再会を果たす。25年ぶりに再会した友人はガンに侵され、余命2か月と宣告されていた・・・。そんなチュナにとっての最後の願いは、青春を共に過ごしたかつての仲間たちと、もう一度会うことだった。
仕事を探していた22歳の大学生、白雪梅(パイ・シューメイ)は、割のいい仕事を紹介してくれるという親切そうな若い女性と出会い、その誘いを受けて遠く離れた山奥へ向かう。長く過酷な旅の末、眠りに落ちた白雪梅が目を覚ますと、そこは見知らぬ農家だった。自分がどこにいるのかも分からず、財布や身分証明書、手荷物はすべて失われている。仕事を紹介した女性の姿もどこにも見当たらない。やがて白雪梅は、村人から村に住む40歳の独身男性・黄徳貴(ホアン・デグイ)の花嫁として売られたのだと告げられ、自らが人身売買業者に騙されていたことを知る……。
映画監督の柾木は親の遺産を食い潰し引きこもり続けていた。友人・池内の誘いで出かけた舞台で女優・芙蓉と出会い、創作意欲を取り戻すが、その想いは次第に狂気へと変わり歪んだ愛の物語を紡ぎ始める。
5年前、ダム湖の近くにある温泉宿「雲海閣」に雅之とユカリ(美谷朱里)は宿泊し、渓流のイワナ料理、そして温泉を満喫した。雅之は魚の味が忘れられなかったと再び宿を訪れる。宿の鄙びた浴場へ向かう雅之。一人で湯舟に浸かっていると、女将のタマミ(吉根ゆりあ)が全裸で現れ胸を押し付けてきた。色欲に負ける雅之だったが、気付くと宿に女将の姿はなく…。
セリグマンは、重症を負いながら、救急車も警察も呼ばないでほしいと懇願する女性ジョーを自宅で介抱する。セリグマンに事情を訊かれたジョーは、幼い頃から抱いている性への強い関心と、数えきれない男たちと交わってきた数奇な物語を語り始める。冷淡な母、大好きだった優しい父、15歳で迎えた“J”との初めての性体験、幼なじみの“B”との高校時代などを語る。卒業後、印刷会社のアシスタントに応募したジョーは、偶然にもその会社の社長代理である“J”=ジェロームと再会する...。
料理教室の先生、茜(美谷朱里)はネットの動画撮影など生徒募集の為、日々精を出している。夫の圭介は実業家として飲食店をを複数経営、今は京都での新店オープンの為忙しくしているが、茜は他の女性の影を疑い始めている。近所の中年男性の哲夫は妻と共働き、全く料理をしない妻のおかげで食事はほとんどコンビニやスーパーのお惣菜で済ませている毎日である。そんなある日、料理教室の生徒募集の看板を設置する茜とふとしたことで話をかわすようになる。
11歳の女の子・楓(田中千空)は、ある日突然授業中に倒れてしまい、「急性骨髄性白血病」と診断される。幼い楓にとって、抗がん剤治療や放射線治療は過酷でしかなかったが、隣のベッドで同じ病気と闘っている与志(海津陽)だけが唯一の心の支えだった。同じ頃、IT企業を経営する柳井健吾(崔哲浩)は最愛の娘を白血病で亡くしてしまう。経営者の健吾は仕事を優先せざるを得なかったが、娘を失ったことで、幸せだと思っていた家庭は崩壊へと向かってしまう。全てを失ってしまった健吾にとって、今や一通の手紙でのみ交流があった、見知らぬ女の子の骨髄ドナーになれたことだけが人生で唯一の誇れることだった。かけがえのない人を失いながら、それでも懸命に生きていこうとする一人の男と大人になった一人の少女(倉野尾成美)。異なる人生を歩みながら探し求めた、それぞれの「いちばん逢いたいひと」とは。。。
売れない中年のフランス人写真家ジャン・オゾン(バレンタイン・バノン)は2度の結婚に失敗した後、活動拠点を東京に移すが、借金とアルコール漬けの自堕落な日々を続けていた。唯一のパトロンにも愛想を尽かされたある日、ジャンは家出少女のフレア(福田麻由子)と出会い、被写体として彼女に興味を抱く。虐待を繰り返す親のいる家には居場所もなく、ジャンの写真に感銘を受けたフレアは、彼のアトリエに迎え入れてもらうかわりに、無償でアシスタントとして働くことに。やがて借金を抱えたジャンのためにお金を作ろうと、隠れて援助交際を始める。そんな中、ジャンは、アトリエにやってくるモデルたちと関係を持ち続けていた。フレアはモデルたちに競争心を抱き始め、ジャンに一人の女性として見てもらいたいために急激に内面も外見も変化させていくが……。
彩香(伊東ちなみ)は失業中の夫の為、結婚前に経験のあったエステシャンのお仕事を再び始めた。そのお店は歌手、俳優、タレント、成功者のみのVIP専用と噂されている高級エステサロン。好感度抜群の有名なTV司会者は普段の顔とは違うドスケベオヤジ。売れっ子芸人は、彩香を執拗にくどいてくる・・・。ある日、大物俳優からの紹介で、誰もが知る人気アイドルの田島愛子が来店した。彼女はTVで観る元気な姿ではなく疲れ果てていた。彼女の苦悩に同情した彩香は、夫のいる自宅に愛子を連れてきてしまう・・・。
一年前に夫を亡くした淳子は夫の残したタイ料理屋を一人で切り盛りしていた。ある日淳子は店に置くハンドメイドのテーブルを通信販売で購入する。 送られてきたテーブルは素朴で素敵な作りをしていたが、オマケで送られてきた人形の首が取れていた。気遣いのつもりで淳子がメールすると家具職人の裕司から送りなおすと返事がくる。そもそも不必要なものが壊れて送られてきたことに納得のいかない淳子は「親切の押し売りはやめて、あなたは宮沢賢治の『ツェねずみ』のねずみにそっくりです」と再度返信。そこから二人の会話が始まった…。夫との死別から立ち直ろうとする淳子と生真面目すぎるバツイチ男・裕司の心の交流が観る者の心を温かくする。人生の半ばを過ぎた大人たちに訪れた優しいラブストーリー。
ベルリンの売春宿「クイーンズ」で長年働いているサシャ。セックスをしては休憩室で待ち、また次の男にあてがわれる日々を繰り返していた。しかしその鬱屈した毎日は、破天荒だが不思議な魅力を持つ新人のジェシーがやってきたことで一変する。互いに強く惹かれ合い、自然と体を重ね、激しく求め合うようになる2人。これまでにない愛を感じて夢のような日々を過ごす2人だったが徐々にすれ違い…。
アンドレとジエゴは大成功を夢見て地元を飛び出した元映像作家。30代を迎え、夢破れて転職と失業を味わった二人は故郷へ帰るしかなく、そこで先の見えない無味乾燥な生活を送っていた。ある日二人は同窓会に出席するが、そこでジエゴは結婚を控えた元恋人と思わぬ再会を果たし、燃え上がる気持ちを抑えきれず彼女と強引に体を重ねてしまう。一方のアンドレも、永遠を誓った相手がいるにも関わらず、会場で出会った若く美しい女と衝動的に一夜を共にするのであった。かつて捨てたはずの街で、情熱的なセックスに溺れていく二人。やがてその情事は彼らの生活を侵食していく。
雷鳴がとどろく、ある嵐の夜。高家の娘・桜姫(日南響子)は、盗みに入ってきた釣鐘の権助(青木崇高)に襲われてしまう。しかし、女の喜びを教えてくれた男だとして心を奪われてしまった桜姫は、いずことなく去っていった権助を捜そうと家を出る。それから1年、遊郭「ぢごくや」には、遊女・風鈴のお姫となった桜姫の姿があった。彼女は権助の右腕に刻まれた釣鐘の入れ墨を目印にし、客の中に彼がいるのではないかと捜していた。その願いと思いが通じたかのように権助と再会するが、彼の思わぬ正体を知ってがくぜんとする。
冷酷無比な闇金・丑嶋(山田孝之)に迫られ、母親のギャンブルの借金を肩代わりした19歳の鈴木未來(ミコ)(大島優子)は、流されるままに「出会いカフェ」でバイトを始める。ウリだけはしないと心に誓うが、たやすく手にする大金に次第に気持ちが揺らいでいく。一方、23歳の小川純(林遣都)は、大学生のイケメンダンサーたちをエサにイベントを主催し、群がるギャルからチケット代を巻き上げているチャラ男。やっと掴まえたIT企業のスポンサーをウシジマに奪われ、丑嶋に仕返ししようとする。モラルや目標を見失う女と金と成功に目が眩んだ男。ウシジマと関わりを持ってしまった2人の若者に、伝説の闇金が立ちはだかり、壮絶な取り立てが始まる。
麻夕(あやみ旬果)は会社員の夫と、認知症の義父との三人暮らし。向かいのアパートに住む生島(独身)はうだつが上がらない、その日暮らしの生活を送っている。生島はある日、粗大ゴミに古い扇風機を捨てる美しい人妻(麻夕)を見つけた。彼はその扇風機を部屋に持ちかえり、修理して使いはじめた。それから、次第に向かいに住む麻夕の生活を覗き見るようになる。ある日、外出した彼女の後をこっそりつけて行くと、怪しい風俗店に辿り着いた・・・・。
13歳の少年・江美留(えみる)と友人たちは、自分たちの将来を夢みていた。ある少年は科学者を夢みて、またある少年は詩人を夢み、そして哲学者を夢みる少年たちのなかで、江美留だけは自分の将来がはっきりと分からなかった。ある日、少年たちの一人が突然自殺してしまう。その死を悼んだ少年たちは、丘の上にある天文台へと出かけていく。そして大きな望遠鏡を覗く天文学士に「そこから何が見えるのですか?」と尋ねてみる。天文学士のおじいさんは、少年たちにこう尋ね返す。「教えてくれないか、僕たちは何処からきて、何処にいくのかを?」と。その答えを探そうとする少年たちの心は、いつしか宇宙をみている。そんななか、江美留は一冊の本のなかに、彌勒(みろく)の写真をみつける。そこには「五十六億七千万年後に、人類全てを救済するもの」と書かれていた。 江美留は、その閃きとともに、小説家になることを夢み、そして決断する…。
無口で孤独な殺し屋・レオンの元に、家族を惨殺された少女マチルダが助けを求めてやってくる。奇妙な共同生活の中で、二人は徐々に心を通わせていくが・・・
横浜の一角で運命的な出会いをした忠志と裕子。ふたりは度重なる偶然の出会いをきっかけに急速にお互いを意識し始め、デートを重ねる度に精神的に魅かれ合って行く。だが、それぞれには家庭があり、いけないと思いながらも互いの感情を抑えられなくなってきた頃、双方の家族にお互いの存在が知れてしまい……。
世界からはぐれてしまったふたりの小さな勇気が起こした奇蹟。人生に行き詰まり、ソウル市内に流れる漢江に飛び込んだサラリーマンのキムは、目が覚めると孤島に漂着していた。そこは都会にぽっかりと存在する、立ち入り禁止の無人島だった。幼い頃のトラウマで泳げないキムは自力で脱出もできず、目の前に街があるのに誰にも気付いてもらえないという孤立無援の状況。しかし、絶望の中で小さな“希望”を見つけ、アイデアをふりしぼり、サバイバル生活を始める。一方、対岸のマンションに住む女は、3年間の引きこもり生活を送っていた。ある晩、カメラ越しにキムの姿を見つけて好奇心を抱いた女は、キムが砂浜に書いた「HELLO」のメッセージに応えるため、外の世界への一歩を踏み出す・・・・・・。
絵美子は夫・正雄の浮気現場を目撃してしまうが、夫を問い詰めることも出来ず日々鬱積した気持ちで暮らしていた。夫との仲も不仲になる一方。またそんな両親の状況を知ってか21歳になる娘の初穂も両親に反抗し、朝帰りを繰り返すようになっていた。娘の部屋で男性からの高価な誕生日プレゼントを目撃し、娘には高価すぎるから返却しようとその男性の経営するバーを訪れる絵美子。だが目の前に現れた男・朔哉(さくや)は思っていたのと違い屈託のない好感の持てる男だった。絵美子の話を軽くあしらい、また店に来てくださいと言われると悪い気にはなれない絵美子だった。家に帰ると夫や娘の事で頭を悩ます絵美子だったが、買い物の帰り、ふと気がつくと朔哉のいるバーの前に・・・。自分の気持ちの底を見たような気がしてその場を後にしようとする絵美子だったが、表にいた朔哉に呼び止められ、折から振ってきた雨のせいもあって店で雨宿りさせてもらうことになった。そして過ちの出来事は始まろうとしていた・・・。
両親を事故で無くした小百合は、幼い弟妹を抱えストリッパーとなり身体一つで兄弟を育ててきた。自分の意思を押し殺し、姉に言われるまま優等生として過ごしてきた妹・凛子。凛子の結婚話が壊れたことにより、二人のホンネがぶつかり合う。自分の殻を壊せずに生きてきた凛子は、恋人との別れ、姉とのケンカを経て、自分の心を見つめなおし、大きく羽ばたく。表面では反発しながらも、妹を温かく見守る姉。そして凜子は…。
主人公を演じる綾野剛の初主演作品。綾野剛は、その後三池崇史監督作品『クローズZERO II』では、監督のアイデアから新キャラクター・漆原凌役を演じてブレイクしている。キャンドルアーティスト勇(綾野剛)が直面する数々の現実。それは、高校の同窓会や思い病を患う親友、かつての恋人との再会・・・・。そんな日常の中で、かつて“恋愛”と呼べた愛情も、友情も少しずつカタチを変えていく。「現実」を受け止めたとき「LIFE ライフ」の本当の意味を知る---。
心理治療を受けている3組のカップルは、カウンセラーの招待で同じ場所に集まることになる。 カウンセラーは集まりに参加しなかったが、3組のカップルが何をすべきかを指示するメッセージを残しておく。 3組のカップルはカウンセラーが残したメッセージに従ってお金と嫉妬、セックスなどについて話し合うことになるが..
引きこもりの青年が作り上げた“理想の恋人”のドールが、ある日ゲームセンターの景品に。彼女を取り戻すため、青年は初めて家を出て働き始める。だが、慣れない現実と人々との出会いが、彼の心を少しずつ変えていく。理想だけを愛してきた彼は、本当の恋を知ることができるのか。
笑顔の遺影を撮ってほしい――妻を亡くして以来、笑顔ひとつ見せなくなった祖父からの、思いがけない頼みだった。大人は強くなければいけない。正解を生きなければいけない。でも、泣きたい夜も、迷い続けた朝も、あなたにもきっとあったはずだ。こうある『べき』をそっとほどく物語。
春の訪れを祝う新年の日、7歳の少女ラジエーは店で見た、白くぽっちゃりとした、ヒレが花嫁さんみたいにきれいな金魚が欲しくてたまらない。母親にねだってどうにかお金をもらい、初めて街中を一人で駆け抜ける。でもあちこちで寄り道をして、やっとのことで店に着いた時、お金は手もとからなくなっていた。ラジエーは途方にくれながら、どこに落としたのかと思い悩み、金魚が売れてしまわないうちに、お金を見つけようと奮闘する…。
1960年代、神戸で生まれたベルギー人の小さな女の子アメリ。彼女の成長を描く物語。外交官の家庭に生まれ、2歳半までは無反応状態だったアメリ。その後、子ども時代に突入した彼女は自らを「神」だと信じ、魔法のような世界を生きている。家政婦のニシオさんや家族との日々の生活は、彼女にとって冒険であり、新たな発見の連続。少しずつ変化していく。しかし、3歳の誕生日に人生を変える出来事が起こり、彼女の世界は大きく変わっていく…。誰もが子供時代に夢見た世界を描く感動のアニメーション作品。
広島にある寂れた居酒屋『まめすけ』でバイトしているフリーターの杉山末子(37)は、夢もなければ恋人もいない冴えない日々。他人や世の中に一人毒づくのが唯一のストレス発散だが、このまま自分の人生、大して良いことなんかないんだろうと、退屈な日々を過ごしていた。そんな末子の前に、新人バイトとして現れた山根朔人(24)は、広島大学に通いながら、コミュ力抜群のインフルエンサー。容姿も淡麗、末子と違い明るく、一見、充実しているように見えるが、惰性の恋愛ごっこ、虚勢を張った毎日に、どこか虚しさも覚えていた。『まめすけ』で出会った末子と朔人は、性格や考え方も全く異なるタイプ。出会った初日から対立関係となるが、そんな二人はひょんなことから、車椅子の老人集団による若い男へのリンチ現場を目撃する。どうして良いか分からず逃げるだけの二人の前に現れたのは、アコ(18)という謎の少女。
SF映画が大好きな高校生・颯は、エイリアン映画を撮りたいと思いながらも前作の不評を引きずり一歩踏み出せずにいた。そんな夏休み前日、清瀬の森に“何か”が落ちてくる。正体を確かめに向かったSF映画部の仲間たちが見つけたのは、けがをした“本物”のエイリアンだった――。思いがけない出会いをきっかけに、少年たちのひと夏の映画づくりが動き出す青春SFストーリー。
大学卒業後、俳優業に専念していた青年ソンモは、自主制作で短編映画を監督しようと決意する。かつての同級生ふたりを連れ、リゾート地として知られる済州島へ向かうが、思うようにシナリオは書けず、煩悶しながら海辺を散策していた。そんな折、ひとりの女性との出会いをきっかけに、語るべき物語を見出す。やがて、海辺での撮影が静かに始まる――。
少女の教育が反抗と見なされる国で、夢は不可能だと言われてきた若者たちに、ある女性が未来を信じる力を示そうと立ち上がる。彼女が率いる精鋭チームは世界的な注目を集め、希望を広げる一方で強い反発と危険も増していく。脅威が迫る中、彼女たちは犠牲を払いながらも前に進み、決意と勇気があれば最も暗い障害さえ乗り越えられることを証明しようとする。その歩みは、国に新たな変革をもたらす運動へと火を灯していく。
保守的な村社会から除け者にされるマリーと母。母の死をきっかけに、マリーは村人たちを相手に売春をはじめる。男たちを利用して稼いだ金を、必要のない商品の購入で浪費し、彼女のあばら家はモノであふれていく。
アキバ育ちのミナノ(滝沢乃南)は、メイドカフェで働きながら歌手を夢見る元気な少女。ある朝、彼女の前に小学校時代の同級生・カナコ(前田綾花)が突然現れる。かつていじめられ、特殊学級に通っていたカナコ。8年ぶりの再会に喜ぶミナノでしたが、カナコの無垢な笑顔の裏には、人には言えない深い心の傷が隠されていた。二人の時間が重なり合う中で、物語は予想外の展開を迎え、切なくも残酷な結末へと加速して行く。
現代美術展の主催者として華やかに振る舞うクリスティーナには、ドバイで富裕層向けに秘密のエンターテインメントを仕切る裏の顔がある。世界中から集められた魅惑的な女性たちが働くその舞台は、甘い誘惑と緊張が交錯する危うい世界。かつて自らもホステスとしてその場に立っていた彼女は、野心を武器に頂点へと上り詰めた。しかし高級ホテルで起こったとある警察沙汰をきっかけに彼女は裏の組織のターゲットとなり命を狙われることに…。
17歳の私と、父とその友人、3人だけで過ごす森の中。大人の不完全さに気づいてしまった、生涯忘れられない瞬間―17歳の少女サムは、父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。二人の男たちは、旅路の間、長年のわだかまりをぶつけ合いながらも、ゆるやかにじゃれ合う。年齢以上に聡明なサムは、彼らの小競り合いに半ば呆れつつも、聞き役、世話役を全面的に引き受ける。しかし、男たちの行動によってサムの“大人への信頼”が裏切られたとき、サムと父は“親子の絆が揺らぐ瞬間”を迎えることになる。
ドイツはナチスの台頭と共に大きな変革期を迎え、独裁者ヒトラーを神のように崇拝する聖職者たちが現れていた。危機感を抱いた牧師ボンヘッファー(ヨナス・ダスラー)は「教会は聖域であり、権力の場ではない」と反発し、ヒトラーを全人類の脅威と見なした。そしてボンヘッファーは、ドイツ教会を守るためスパイとなり、ユダヤ人の大虐殺を行なうナチス政権を崩壊させるため「ヒトラー暗殺計画」に加担する。信仰と信念を貫き、命をかけて闘う彼に、やがて究極の運命が待ち受けていた――。
水泳部に所属する、高校 1 年生の葵(石川瑠華)。理不尽な上級生からの嫌がらせに耐えながら、黙々と練習に打ち込む日々を送っている。そんな葵には、誰にも言えない、もうひとつの悩みがあった。同級生の水泳部員・日菜(中島瑠菜)に 惹かれる気持ちを持て余していたのだ。“普通”とは何か、“自分らしさ”とは何か。泳ぎ続けたその先で、葵が見つけた答えとは――。
文化祭前日に突如バンドを組んだ女子高生たち。コピーするのはブルーハーツ。ボーカルは韓国からの留学生!本番まであと3日。4人の寄り道だらけの猛練習が始まった!
新宿コリアンタウン。在日韓国人のミンジョンは親友の美奈に誘われ、小遣い稼ぎのつもりでシンバン=巫女を始める。やがて、彼女に救いを求める人の数はどんどん増え、それは彼女を教祖とする宗教団体“真教・神の水”となっていく。喪失感と閉塞感、混乱と混沌、不信と不安……。“今”を生きる多様な人々が織りなす人間模様と、自然から放射される生命力が同じ目線で描かれ、善と悪、陰と陽、聖と俗が絶妙なバランスでスクリーンに息づき、神秘的で力強い映像が観る者の心に浸透していく。
英語力ゼロだが度胸は花マルのスーパーギャル、ニューヨーク上陸。気のいいリムジンドライバー“マリーク”オールアメリカンスタッフと共に創り上げた、ハイパーボーダレスムービー。現役ギャルの仲裕賀子,ウルトラベーシストTMスティーブンス、JUK FOODの鬼丸の絶妙のアンサンブルで、観た後に元気が涌き上がるエンターテイメント。
引退を悩むストリッパーのミサキと、街のはずれの小さな喫茶店でミサキのファンによって結成された官能小説の朗読会チーム。ある日、恋に悩む内気な女子高生・葉子が喫茶店にやって来て…。不思議な出会いで、忘れていた気持ちを思い出す、静かな街のある1日。
昭和と平成を震撼させた逃走劇が、令和の時代に新たに問いを投げかける。福田和子の人生を通じて浮かび上がる社会の闇と光、人間の弱さと強さ。
ある朝、少年パスカルは学校に行く途中で、ふわりと宙に浮かぶ赤い風船を見つける。風船は街灯に紐が引っかかって動けなくなっていたのだ。放課後、風船を持って家へ帰り着いたが、窓から風船を放り出されてしまう。しかし、不思議なことに、風船は窓際にふわふわと浮いてとどまった。風船と友達になったパスカル。いじめっ子たちが、風船を我がものにしようと追いかけてくる。パスカルは風船とパリの街を逃げ回る・・・。
はるか昔、東の国のある島。子供たちひとりひとりがロバを飼う習慣があった。ビムは最も美しいロバで、アブダラがその飼い主だったが、アブダラはとても貧しかった。意地悪な領主の息子メサウドは、美しいビムに一目惚れし、アブダラからビムを奪い取った。連れ去られたビムを取り返そうと、アブダラは勇敢にも領主の屋敷に忍び込むが、護衛に見つかり牢に入れられてしまう・・・。
パスカル(パスカル・ラモリス)の祖父(アンドレ・ジル)は学者で、気球を発明し、フランス中を旅する計画を立てていた。なんとしても冒険がしたいパスカルは、こっそりゴンドラにしがみつき、気球に乗り込む。北フランスのベテューヌを出発し、パリを通過、ブルターニュから南へ。次々と災難に見舞われるが、アルプスを越え、ニームで海水浴を楽しむ。しかし、闘牛場での一時着陸の際に、気球はパスカルひとりを乗せたまま空に上がり、みな大慌てする・・・。
南仏カマルグ地方に、白く美しい荒馬をリーダーにした野生馬の一群がいた。“白いたてがみ”と呼ばれる馬の存在は噂となり、牧童たちは野生馬を捕獲し始める。漁師の少年フォルコ(アラン・エムリー)は、牧童たちの手から逃れた“白いたてがみ”を見つけ、ひっそりと近づき、手綱を握った。ひきずられながらも手綱を放さないフォルコに、馬は次第に心を許す。しかし、すぐに牧童たちに見つかり、フォルコは馬をなんとしても守ろうとするが・・・。