その日暮らしの父親バグと腹違いの兄ハンターと暮らす12歳の少女ベイリーは、友人もいない寂しさとやり場のない閉塞感を募らせて、身の回りの風景や野生の鳥をスマホで撮影する事で孤独を紛らわせる日々を過ごしていた。そんなある日、父親のバグが3ヶ月前に知り合ったばかりの子連れの恋人ケイリーと結婚式を挙げると宣言する。突然の環境の変化に気持ちが整理できないベイリーは結婚式に出席しないと言い放ち、家を飛び出してしまう。そして兄のハンターが友人たちと町の自警団を結成した事を知り、仲間に入れてもらおうとするのだが、全く相手にされない。だが勝手に兄の後を追いかけ、彼らが襲撃する家に辿り着くも警察に通報され、散り散りになってしまう。ただ一人、草原に逃げ込んだベイリーは、そこで“バード”と名乗る謎めいた男に出会うのだが…。
ヨークシャーの荒れ地に佇む屋敷“嵐が丘”の主人アーンショーが、ひとりの孤児を連れ帰る。少年はヒースクリフと名づけられ、アーンショーの娘キャサリンと一心同体のような強い絆で結ばれるが、キャサリンは裕福な家の息子エドガーと結婚してしまう。出奔したヒースクリフは数年後に大金持ちになって舞い戻り、再びキャサリンの前に現れるが……。
大学進学と同時に友達と二人暮らしを始めた早乙女カナコ。入学式で演劇サークル「チャリングクロス」で脚本家を目指す長津田と出会い、そのまま付き合うことに。就職活動を終え、念願の大手出版社に就職が決まる。長津田とも4年の付き合いになるが、このところ口げんかが絶えない。長津田は、口ばかりで脚本を最後まで書かず、卒業もする気はなさそう。サークルに入ってきた女子大の1年生・麻衣子と浮気疑惑さえある。そんなとき、カナコは内定先の先輩・吉沢から告白される。編集者になる夢を追うカナコは、長津田の生き方とだんだんとすれ違っていく。大学入学から10年―それぞれが抱える葛藤、迷い、そして二人の恋の行方は―
一人の看護師から見えてきた医療界の闇と謎。能登半島―藍色の海から現れた看護師・日登美は、スカウトされた無休の野戦病院で3人の同期麻酔科医に出会う。その中の一人、「断ることを知らない」純粋な青年医・秋元との恋は何故か愛へとは進まない。時を経て、3人それぞれ何も変わらぬ封建的な「白い巨塔」に飲み込まれていく中に、突如現れた美人麻酔医・美馬。事件は思わぬ展開へと…。
日銭を稼ぎながら日々を送るクミは、緑の生い茂る廃墟に迷い込む。奇妙な懐かしさを抱き、そこに移り住み、昼は畑を耕し、夜は星を眺めると、ロビンソン・クルーソーのような生活を送り始めるが……。『闇のカーニバル』の主演太田久美子と、後に芥川賞作家となる町田康(当時町田町蔵)を中心に、ハードコアパンク「GIZM」の横山SAKEVIやJAGATARAのOTO、江戸アケミら個性的なキャストが集結。ジム・ジャームッシュ監督作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のトム・ディッチロが撮影を担当している。
逃避行を続ける男と女が、久しぶりに東京に戻ってきた。友人に金を借り、母親のいる男の実家に顔を出す。追われる二人の束の間を描く。
岐阜県関市。市役所の観光課に務める山田一郎はある日、市長から“ご当地映画”の製作を命じられる。しかしどこにでもある“凡庸なご当地映画”に疑念を持った山田は、かねてからの夢だった〈怪獣映画〉の製作を思いつく!いつも失敗ばかりでダメな自分を変えるため!パッとしない故郷を変えるため!怪獣で、全部をぶっ壊す!!しかしその想いは、市政を巻き込んだ大事件へと発展していく...!果たして山田は、夢だった〈怪獣映画〉を完成させることができるのか!?
母から「あなたはお父さんとお母さんが愛し合って生まれた子」と言われながら育った雨音。しかし人工授精の技術が発達し、夫婦が性行為をすることはタブーとされ、人が恋や性の対象として見るべきなのは、家の外の恋人や二次元キャラクターだと言われている世界で、雨音は交尾をして自分を産んだ母に嫌悪感を抱いている。大人になり結婚をした雨音だったが、夫に襲われそうになり離婚するが、その後、高校からの親友である樹里の勧めで出会った朔と雨音は意気投合。“選ばれた住民たちが一斉に人工授精を行い、生まれた子どもは住民全員の子として愛されながら育つ”という実験都市“エデン”への移住を決意する。二人にとっての楽園(エデン)はユートピアか、それともディストピアか・・・・
川上達也は、一人、ずっと暗闇の中で生きてきた。記憶のある明るい時間は、父が生きていた時代。普通よりは裕福な家庭で育ち、父が経営する会社も順調、優しい母、頼もしい兄と可愛い妹に囲まれて何不自由のない生活を送っていた。しかし、仕事と人間関係に疲れ果てた父の自殺からすべてが一変する。
周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花。 しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。残されたのは一冊の≪日記≫。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み―― そして、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。その秘密に触れた杏菜と少女たちの心は揺さぶられ、初めて“自分”と向き合い始める。やがて日記から青白く揺れる“鬼火”のような魂が現れ、杏菜の心に静かに入り込む。その魂に導かれ、杏菜は予想もつかない行動へと踏み出す――。観る者は知らず知らずのうちに、その奇妙で美しい世界へと引き込まれていく。
とにかくセックスがしたい!だけどうまくいかない!老いも若きも男も女も右往左往!世界を脱力させ続ける、今岡わーるだ・フルスロットル!!
ささやかで平凡な生活を送っていた夫婦。ある日同窓会に参加すると徐々に驚愕の事実が明らかになっていく。日常に潜む狂気を見事に抉り出す、熊切ワールド。
ミュージシャン兼チンピラのショウ。今日も親分から無理難題を押し付けられた。なんとかなると、軽いノリで夜の街に出て行ったのだが…ダメ人間達の新宿一夜物語。
2022年2月、ロシア軍がキーウ周辺のブチャを占領する中、コンスタンティン・グダウスカスは占領地への通行を利用して市民を救出する。破壊された街を歩き、略奪や暴行に直面しながら、逃げ遅れた家族や孤立した住民を安全な場所へ導く。建物や路地には恐怖と混乱が渦巻き、銃声や爆発が響く中、街の広場や道路に散在する傷ついた人々を避けつつ任務を遂行する。彼の行動により多くの民間人が避難する一方、目撃する残虐行為や破壊の痕跡は彼の心身に深く刻まれる。通過する家屋では、住民たちの恐怖や絶望が伝わり、彼はひとりひとりに声をかけ導く。戦場の街を進む中、占領下の現実を目撃し続ける。
模範囚だけが入所を許される特別な施設<マーリカヤ刑務所共同体>へ移送されたカーラ。そこでは「HOPE」と呼ばれる、極秘の社会復帰プログラムが実施されていた。カーラの世話役は、美しくミステリアスなリラ。カーラはリラの不思議な魅力に引き込まれ、魅了される。ある晩カーラは、リラと数人の受刑者たちが、美しく着飾って施設を出て行く光景を目撃する。受刑者たちは、HOPEプログラムの一環として、秘密裏に外で顧客に性的なサービスを提供していた。それを知ったカーラはリラに、自分も連れて行ってほしいと強く頼み込む。リラは、自分が監督役となることを条件に、カーラを連れて行くのだが―。
借金取りに追われ、二人の子供を抱えて東京へ逃げてきた夏希は、昼夜を問わず必死に働きながらも、明日食べるものにさえ困る生活を送っていた。ある日、夜の街で偶然ドラッグの密売現場に遭遇し、子供たちのために自らもドラッグの売人になることを決意する。そんな夏希の前に現れたのは、孤独を抱える格闘家・多摩恵。夜の街のルールを何も知らない夏希を見かね、「守ってやるよ」とボディーガード役を買って出る。タッグを組み、夜の街でドラッグを売り捌いていく二人。ところがある女子大生の死をきっかけに、二人の運命は思わぬ方向へ狂い出す―。
夜ごと隣の愛の囁きが響き渡る下町のとあるボロアパートの庭に、ある夜突然正体不明の物体が現れた。中から出てきたのは自ら“宇宙人”を名乗る全裸の男。宇宙船の故障で不時着したのだという。アパートに暮らす田所ら住人たちは、行くあてもなく傷ついたその男を“宙さん”と名付け、ひとまず田所の部屋に居候させることに。「星に帰りたい」という宙さんの願いを何とか叶えようと奔走する住人たちだが…。
海辺の町に暮らす高校生・灰野勝彦は、同級生の玲子と交際しているが最後の一線を越えさせてもらえず悶々とする日々。そんな勝彦の家に、突然風変わりな高校教師・伊沢が下宿人として現れる。はじめは警戒しつつ徐々に伊沢と距離を縮めてゆく勝彦と、2人に嫉妬心を燃やす玲子。そして伊沢は誰にも言えないある秘密を抱えていた。複雑に絡み合う3人の感情は、やがて思いも寄らない未来へと転がり始めてゆく――。
ドイツで将来を嘱望されたピアニスト・ユジュンはスランプになり、実家のある韓国へ静養のため帰国する。編入した音楽大学の敷地を歩いていたとき、ふと聞こえてきた美しいメロディに魅かれ、練習室を尋ねる。そこで古いピアノを弾いていたのは、同じ3年生のジョンアだった。初対面にもかかわらず、目が合った瞬間、運命の音に導かれるように惹かれ合う二人。その日から毎日お互いを探し、逢えた日は一緒に過ごしていたのだが…。
塾講師の渡会には、他人の素顔を覗き見ることで快感を得るという病癖があった。階下に引っ越してきた真柄夫妻の生活を覗き見るうちに、妻・華恵の知らなかった夫・太郎の秘密を目撃してしまう。現実と欲望の境界が崩れ、覗き見た日常が悪夢へと変わっていく。
結婚を前提に彼氏と同棲中ながら、最近倦怠期を感じているOL・莉花(水端あさみ)。そんなある日、米国支社から転勤してきた既婚男性・南美のサポート役を上司から任される。知的で自由な雰囲気を漂わせる彼の魅力に、莉花は次第に惹かれていく――。やがて南美から「好きだ」というまっすぐな想いを告げられ、急展開に戸惑う莉花。不倫への罪悪感で揺れる中、彼の自宅に招かれると目の前に現れたのは微笑む南美の妻・菜々子だった・・・。
クランク・イン前日の映画会社を舞台に、様々な人物が入り乱れ繰り広げられる人間悲喜劇。97年に上演された橋口監督のオリジナル戯曲を映画化!
傷ついた心が癒えない女、それを見守る男。都市をさまよいながら、瑞々しいタッチで描かれる「愛」。『息もできない』で世界を震撼させたヤン・イクチュン監督珠玉の短編。
非常事態に突入した現在、一室に閉じ込められた8+1人の50年間の物語。職と性と暴力のリサイクル、山本政志監督製激毒寓話。
放課後、高校の体育館の隅に集まる演劇部の真琴、悠、芽依は、オスカー・ワイルド作「The Happy Prince(幸福な王子)」を翻訳、舞台化しようとしている。3人は各々翻訳してきた台本の読み合わせをしながら、幸せとは何か考える。
仏師として立ち行かず、見世物小屋の生人形制作で糊口をしのぐ亀八。興行で立ち寄った土地 の名士から、不治の病におかされた娘を美しいまま写した人形制作を依頼される。一度も家の外 に出たことのない椿と、興行で土地を転々とする亀八、二人は次第に惹かれ合うが、人形の完成 が近づくにつれ、椿の身体は動かなくなっていく。
ザラは夫マックスと養子の娘ローズとともに穏やかな暮らしを送っていた。しかし、最近ローズが実の両親の情報を求め始めたことに一抹の不安が頭をよぎった。18年間育てた娘がいなくなり、幸せな家族が崩壊してしまうかもという焦燥感から、ローズの気持ちをはぐらかしていたザラ。そんな時、ローズの学校の女性カウンセラー、ヘイリーが妙に親しげに近づき、ザラは違和感を抱く。2人の関係を警戒したザラは、ヘイリーと距離を置くようローズに告げるが、やがてヘイリーから「自分がローズの実母である」と告白される。平穏だった家族の生活は、ほんのささいなきっかけで崩れ始め、母娘の絆を引き裂こうとするヘイリーの策略によって、ザラとローズの仲が危険な状況に追い込まれる中、ヘイリーの正体を暴こうと奔走する。
デザイナーのロクサーヌは大学進学を控えた娘メイシー、弁護士の夫マークと高級住宅地で裕福に暮らしていた。マークは“家のない家族に自宅敷地内の住居を提供”する慈善活動の理事長を務めているため、ホスト役としてシングルマザーのエラと娘ルーシーを隣人として迎え入れることに。ロクサーヌは離れの空き家内を飾り付けプレゼントなども用意。その後も世話を焼き、SNSで活動情報を発信しようとしたロクサーヌ。しかし元夫から逃げて静かに暮らしたいエラから、「干渉しないで」と責められてしまう。同世代の娘同士は順調に仲を深めていく中、ロクサーヌの家では物が紛失するなどの不審な出来事が相次ぎ、エラを疑い始めて関係が更に悪化してしまう。その直後、メイシーが行方不明になり…。
再婚する父親の結婚式に参加するため帰郷していたジェイク。しかし、車のタイヤがパンクしたため、途中から教会までの道のりを走るハメになる。しかし、あと少しで到着するというところで車にはねられ、目覚めた時には父親の結婚式はお開きとなっていた。事故によるケガでリハビリが必要な車いす生活を送らなければならなくなったジェイクだが、介助の当てにしていた父親たちは予定通り新婚旅行に出かけるという。交通事故に遭った息子より美人妻との新婚旅行を優先する父親にあきれるジェイク。そんな時、疎遠だった幼馴染みのサムが見舞いに訪れる。しかし、介助の件でふてくされていたジェイクは、久しぶりに会うサムに悪態をついて怒らせてしまう。
新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)からの痛烈な酷評だった。名だたる文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、文豪気分で原稿に向かっていた加代子のもとへ、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)が現れる。東十条が上階でカンヅメ中と知らされた加代子は、「原稿が上がらなければ私にチャンスが…」と奇想天外な作戦で執筆を妨害し、掲載の機会をつかむ。ここから因縁の対決が幕を開け、デビュー直前で何度も蹴落とされ、さらには味方と思っていた遠藤の裏切りまで。加代子は「私は私の夢を叶える!」と立ち上がり、不屈の精神と奇策で理不尽な文学界を駆け上がっていく。
四肢麻痺の父・保(間瀬英正)と2人で暮らす爽子(古澤メイ)は、介護と生活費の負担を抱えながら何度も生活保護を申請するものの、水際作戦によって門前払いが続いている。十分な福祉サービスも受けられず、将来への不安とささやかな夢を抱えながら日々をなんとかやり過ごしていた。そんなある日、頼りにしていたベテラン介護士が担当を外れ、代わりに新人の訪問介護士・桐谷さと(小川黎)が派遣される。場面緘黙の気質を持つ彼女との距離感に戸惑いながらも、爽子は生活の再建を目指す。しかし、ケースワーカーの遠藤(梅田誠弘)とさとの来訪をきっかけに、ある事件が連鎖して起こり、爽子の心が決壊していく―。
19歳の若手女優マリア・シュナイダーは新進気鋭の監督ベルナルド・ベルトルッチと出会い、『ラストタンゴ・イン・パリ』で一夜にしてトップスターに駆け上がる。しかし、48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンは彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落としていく。
1938年、トリノでお針子として洋裁店で働く16歳の少女ジーニアは、画家のモデルとして生計を立てる3つ年上の美しく自由なアメーリアと出会う。アメーリアによって芸術家たちが集う新しい世界への扉を開かれ、ジーニアは大人の階段を上り始める。思春期真っただ中のジーニアと、既に自立した女性としてたくましく生きるアメーリアの2人が、互いの姿に自分の未来/過去を映しながら、徐々に惹かれ合っていく―
1970年、軍事独裁政権が支配するブラジル。元国会議員ルーベンス・パイヴァとその妻エウニセは、5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな暮らしを送っていた。しかしスイス大使誘拐事件を機に空気は一変、軍の抑圧は市民へと雪崩のように押し寄せる。ある日、ルーベンスは軍に連行され、そのまま消息を絶つ。突然、夫を奪われたエウニセは、必死にその行方を追い続けるが、やがて彼女自身も軍に拘束されてしまい…。
30代のクラリスは、闘争心旺盛で無鉄砲な女性警官だ。彼女はモー・デュベリー死亡事件の調査を命じられる。モーは50代の夫ジャン・デュベリーの目の前で崖の頂上から転落し、ジャンは何もできなかった。事件はすぐに事故として処理される。しかし一週間後、謎の目撃者がジャンが妻を突き落としたのを見たと主張する。上司の反対を押し切り、クラリスは独自に捜査を進める。毒のある魅力を持つ男、ジャン・デュベリーの秘密を暴き、この奇妙な事件の真相を明らかにするためなら、彼女はどんな手段も厭わない。ジャンは本当に無実なのか?
喫茶店で彼氏と喧嘩をしていた美桜。親友・絵名の誘いがきっかけで、バイトを始める。新しい出会いを求めて始めたバイトだが、そこにはちょっぴりドジな先輩・陽斗がいた。個性豊かな客や仲間たちと共に成長していく美桜の姿と、それぞれの恋の物語。珈琲のように苦い恋が、今始まる。
彼氏の湊月と幸せな生活を送っていた花音。ある日、思いもよらないことを言われてしまう。一方、バイト先の先輩・琉生に片思いをしている陽葵。それぞれの恋の行方はどうなるのか?恋愛、親子愛、兄妹愛、友情…様々な愛の形を描いた物語。そして、待ち受けている衝撃の事実。“愛のある嘘”は存在するのか…
山本政志監督の最新作にして、ワークショップ”シネマ☆インパクト”発信の最終作品。「bar DUDE」に集まるユニークな客達とスタッフとその家族、計36人による三日間のちょっとイカれた群像劇。登場人物全員が生き生きと描かれ、軽快な笑いをちり混ぜたハートウォーミングな佳作。
元夫・由紀夫の失踪から 6 年半。保険金受け取りまで半年に迫った持田佳奈(斎藤千晃)と現在の夫・持田孝明(卯ノ原圭吾)は、保険金が入ることを疑わず、将来の計画を立てている。不倫をしている孝明は、会社を辞め、不倫相手・岸本あゆみ(実倉萌笑)らと設立するベンチャー企業に出資することにしていたが、ある日、佳奈がたまたま入った居酒屋で、由紀夫に瓜二つの男(宮本聖矢)に遭遇。真っ青になる二人だが、追い討ちをかけるように、あゆみは、佳奈はそもそも本当に生命保険をかけているのかと孝明の気持ちを試す。さらに孝明は、怪しむ居酒屋の店長(米元信太郎)に、あゆみといるところを見られてしまい…果たして、「倉田」というネームプレートをつけた男は、由紀夫なのか?二人は保険金を受け取れ、孝明は不倫がバレずに、保険金を出資に使えるのか?
心を病んだ母のもとに育ち、幼いころに引き裂かれた姉妹ホンとラン。姉のホンは祖母に引き取られ、妹のランは母と共に生活することになるが、母の死を機に20年ぶりに再会。互いに幼いころの出来事や、離れ離れになった成長過程で心に傷を負い、亡き母や家族のわだかまりを持ったまま、奇妙な同居生活が始まる。ある朝、ホンが目を覚ますとそこにランの姿はなく、その失踪から数年後、ランの遺体が日本で発見されたという知らせが届く。仕事も家庭も放り出して日本に向かったホンは、初めて訪れた街を彷徨いながら、亡き妹が生きた証を辿る。妹のルームメイトに案内された生前二人が住んでいた部屋、そこに残された日記、見覚えのある懐かしい白のサマードレス...そして日記に綴られていた内容からあぶり出された男。異国の地で妹の幻影を追い続ける中、まるで残像の様に浮かび上がるランの謎めいた微笑みと眼差しの先に、姉は何を思い、何を知ることになるのか―
8歳のネリーは両親と共に、森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。大好きなおばあちゃんが亡くなったので、母が少女時代を過ごしたこの家を、片付けることになったのだ。だが、何を見ても思い出に胸をしめつけられる母は、一人出て行ってしまう。残されたネリーは、かつて母が遊んだ森を探索するうちに、自分と同じ年の少女と出会う。母の名前「マリオン」を名乗るその少女の家に招かれると、そこは“おばあちゃんの家”だった――。
有名なヘアメイクドレッサーだったパット(ウド・キアー)は、老人ホームで静かな余生を送っていた。ある日、弁護士が訪ねて来て、街で一番の金持ちであった、かつてパットの顧客のリタ(リンダ・エヴァンス)が亡くなったという。リタは「死化粧はパットに頼んでほしい」と遺言書に残していた。リタへの複雑な思いと、現役を引退した現実から、一度は申し出を断わるパット。しかし本能に突き動かされるように、老人ホームを抜け出すのだった。パットは街の中心部までの長い距離を歩き続ける。かつての恋人デビッドの墓も訪ね、行く先々の人たちとの出会いを通し、リタの遺言を叶えてあげたい気持ちが芽生えいくが、彼の心は揺れ動いていく―。
90年代、ニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の女上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。日々の仕事は、世界中から毎日大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターを処理すること。しかし、心揺さぶられる手紙を読むにつれ、飾り気のない定型文を送り返すことに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナが電話を受けた相手はあのサリンジャーで…。
劇団・月刊「根本宗子」の主宰者として、全作品の作・演出を手掛ける 根本宗子(ねもと・しゅうこ/1989年生まれ。東京都出身)。劇作家・演出家としての活躍はもちろん、2022年4月には初の小説『今、出来る、精一杯。』を上梓するなど多方面に大活躍。根本作品初となる映画化で、“映像化不可能”と思われていた2015年の舞台『もっと超越した所へ。』が、前田敦子・菊池風磨らが出演し2022年に公開、新作舞台『宝飾時計』も話題に。本作は“月刊「根本宗子」第17号『今、出来る、精一杯。』”の舞台映像を、2022年にユーロライブにて上映した話題作のBlu-ray化。月刊「根本宗子」旗揚げ10周年の記念公演として、当時23歳(2013年)の根本が書いた戯曲を、30歳(2019年)の根本が音楽劇として作り直した作品だ。音楽監督には、シンガーソングライターの清竜人(きよし・りゅうじん/1989年生まれ。大阪府出身。)を迎え、より多くの方に伝わる芝居へと進化させた。
一人暮らしの洋子はひょんなことから捨て猫のように公園にいたノコと出会う。ご飯を食べて、寝て、またご飯を食べて…一緒に過ごすうちに二人は次第に変わっていく。おいしい映画祭2023にて優秀賞、観客賞受賞作品
不眠症に悩まされている無職の青年 平岡修二。彼は謝礼の10万円を目当てに、失踪した20代女性「小川翠」を探し続ける。徐々に彼女に意識を占領されていく修二。「なぜ翠は“尋ね人”となってしまったのか」そこには悲しすぎる過去があった。
お笑いコンビ「Life record」の一輝と幸雄。芸歴22年目の二人は、未だに売れずに芸人を続けている。いつもの地下劇場でのライブ当日。いつまで経っても劇場に来ない幸雄に怒る一輝。幸雄の家に迎えに行くと、幸雄は引き篭もりを敢行していた。一輝は無理矢理に外に幸雄を連れ出すと、「漫才をやるぞ」と言い、誰もいない夜の公園で一方的に漫才を始める。次第に、漫才のネタではなく、お互いの本音が漏れ出して口論になっていく。
同じ日に精神病院に送られた25歳のスミョンとスンミン。スミョンは19歳の時に母が自殺したショックで精神を病み入院。一方、スンミンは世界的なパラグライダーの選手だったが、家族との遺産争いに巻き込まれ強制的に入院させられた。異なる背景を持つ二人の青年が出会い、次第に友情を育んでいく。やがて2人は病院からの脱出を企てて、心の自由を求めて奔走する。果たして彼らが自由になる日は訪れるのか・・・
大学を中退してゲームに興じる毎日を送る中国系タイ人の青年エム。スーパーで働いて家計を支える母シウと2人で慎ましく暮らしている。彼はゲーム実況でお金持ちになることを夢見ているが、視聴者は1日に数人のみで、将来への展望は描けないでいた。そんな中、父方の祖父を介護していた従妹ムイが、祖父の遺言によって豪邸を相続。それを聞いたエムは、自分も楽をして暮らしたいと画策する。エムには、一人で暮らす祖母メンジュがいた。中国の先祖祭である清明節に一家でお墓参りに行った時、メンジュは転倒してしまう。病院で診察を受けた結果、メンジュはステージ4のガンに侵されていることが判明。エムは不謹慎にも、メンジュから信頼され遺産を得ようと、彼女の介護人として一緒に暮らすことに。しかし、長年、早朝にお粥売りの仕事に出るなど、厳格に生きてきた気難しいメンジュに、エムは早起きすら出来ないありさまで怒られてしまう。メンジュの生活は、エムには馴染みがないことばかりで戸惑う日々だった。メンジュの娘でもあるシウも彼女と過ごすため、仕事のシフトを変更。夜勤明けでリハビリに付き添うが、2人はお互いに迷惑をかけないよう気を使い過ぎて、結果的に傷つけ合ってしまう。一方、投資で豊かな生活を送るメンジュの長男キアンは、長男の責任を果たそうと、メンジュに彼の家族との同居を提案。しかし、街を離れたくないメンジュは、お粥売りを休めないからと断ってしまう。ある日、エムとメンジュは長男一家と共に、棺桶の寄付ができる寺院を訪問。メンジュは家族みんなの幸せを祈ったのに対して、長男一家は自分たちのことだけを祈っていた。また、定職に就かず借金を抱えていた末っ子のスイは、メンジュの家を訪れてはこっそりお金を盗んでいたのだった。 利己的な家族に寂しさや孤独を覚えながらも、家族を想うメンジュを見て、エムの気持ちに変化が訪れる。そんなエムの姿に、メンジュも次第に心を開いていく。すれ違いながらもメンジュと絆を深めていったエムは、出来る限り彼女と一緒に時間を過ごそうと気持ちを新たにするのだった……。
20世紀初頭のローマ。教育者マリア・モンテッソーリは、娘の障がいを隠すため逃亡した高級娼婦リリと出会う。マリアの教育法により、リリは娘の意志と才能に気づき、母として変化。共鳴したリリは、男性社会で闘うマリアの夢に力を貸し、互いの人生を動かしていく。
42 歳 独身 青森県弘前市出身。人生を諦めなんとなく過ごしてきた就職氷河期世代の在宅フリーター陽子(菊地凛子)は、かつて夢への挑戦を反対され 20 年以上断絶していた父が突然亡くなった知らせを受ける。 従兄の茂(竹原ピストル)とその家族と共に車で弘前へ帰ることに。しかし、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気を取られた茂の一家に置き去りにされてしまう。陽子は弘前に向かうことを逡巡しながらも、所持金がない故にヒッチハイクをすることに。しかし、出棺は明日正午。北上する一夜の旅で出会う人々―懸命に働くシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心暖かい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)。そして陽子の前に立ちはだかるように現れる若き日の父の幻(オダギリジョー)により、陽子の止まっていた心は大きく揺れ動いてゆく。冷たい初冬の東北の風が吹きすさぶ中、はたして陽子は明日の出棺までに弘前の実家にたどり着くのか・・・。
ランニングマシーンで走りながらオンラインでセラピーを行う女性。疎遠になっていた実の妹から突然の電話。自分のトラウマが蘇る。
平凡な銀行員シュブロトは家族で唯一の働き手。ある時シュブロトの妻アロティは、(主婦は家にいるべきという)慣習と義父の反対を振り切って訪問販売員としての職を得る。アロティは仕事で順調に評価され自信と経済的自立を手にするが、その状況を受け入れることができない夫は妻に離職を迫る。レイ監督が初めてネオリアリズモへの挑戦を試みた作品であり、物語は1955年当時のコルコタの日常を描く。貧しい下層・中流階級を襲う社会経済的な苦悩に焦点を当て、それを主人公女性の自立を通じて表現している。【ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品】
熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。
フードデリバリー配達員、シンガーソングライター、広告クリエイター、カメラマン……東京でもがく13人の若者たちの常を追った群像劇。「スパゲティコード」(解読困難なほど複雑に絡み合ったプログラミングコードの意)のようにこんがらがった彼らのドラマは、リアルタイムに更新され、解きほぐされ、やがて1本の線へと変化していく。倉悠貴、三浦透子、清水尋也、八木莉可子、土村芳、ゆりやんレトリィバァら多彩なキャストを通して映し出されるのは、まるで私たちの鏡像。誰かとつながりたくて、夢を諦められなくて、この街のどこかに居場所を探している――。エモーショナルな映像×リアルな心情が、共感を増幅。飾り立てた “キャラ”とは違う、本当の自分がここにいる。
「あした、授業参観いくから」「えっ…」同じ会話が五つの家庭で繰り返される実験的短編映画。坂口則子(片岡礼子)は実直な中学英語教師。担任のクラスには様々な生徒がいる。両親が共働きで優等生の光。母を亡くしたが明るい性格の亜輝菜。裕福だが怠惰な一馬。母がだらしないので家事を担うゆかり。荒っぽい父におびえる涼太。授業参観の日、教室に親子の想いが交錯する…。
毎日は、ちょっと嬉しかったり、ちょっと悲しかったりの繰り返し。青春はまさに微熱…。女子高生のみずみずしいひと夏の物語を、映画初主演の堀田真由が繊細に演じる。17歳の若菜は、なにかと遠慮がち。家族や友達と平和に過ごしているが、時に微妙な温度差を感じて悩んでしまう。見えない進路、家族の期待、気になる元カレ。悩みを打ち明けられるのは、SNSで知り合ったOL・みずほさんだけで…。ぼくらのレシピ図鑑シリーズ第1弾ひょうご加古川編。
第一次世界大戦後のコペンハーゲン。お針子として働くカロリーネは、アパートの家賃が支払えずに困窮していた。やがて勤め先の工場長と恋に落ちるも、身分違いの関係は実らず、彼女は捨てられた挙句に失業してしまう。すでに妊娠していた彼女は、もぐりの養子縁組斡旋所を経営し、望まれない子どもたちの里親探しを支援する女性ダウマと出会う。他に頼れる場所がないカロリーネは乳母の役割を引き受け、二人の間には強い絆が生まれていくが、やがて彼女は知らず知らずのうちに入り込んでしまった悪夢のような真実に直面することになる…。
CG一切なしの神秘的な自然の中で紡がれる伝承と解放の物語大きな川の上流、山間の集落で暮らす少年ユウチャ。父は林業に従事し、母は病に臥せっていて、老いた祖母と暮らしている。まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化していく台風による洪水の被害に脅かされている。夏休みの終わり、集落に紙芝居屋がやってきて子どもたちを集める。その演目は、土地にずっと伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋。叶わぬ想いに打ちひしがれたお葉は山奥の淵に入水、それからというもの彼女の涙が溢れかえるように数十年に一度、恐ろしい洪水が起きるという。紙芝居の物語との不思議なシンクロを体験したユウチャは、現実でも家族を脅かす洪水を防ぎ、さらには哀しみに囚われたままのお葉の魂を解放したいと願い、古くからの言い伝えに従って川をさかのぼり、山奥の淵へ向かう・・・