サンフランシスコのベイエリアに住んでいる22歳のオスカー・グラントは、前科者だが心優しい青年だ。2008年12月31日彼は恋人ソフィーナと、彼女とのあいだに生まれた愛娘タチアナと共に目覚める。いつもと同じようにタチアナを保育園へ連れて行き、ソフィーナを仕事場へ送り届ける。車での帰り道、大晦日が誕生日の母親ワンダに電話をし「おめでとう」と伝える。母と会話をしながら彼は新年を迎えるにあたり、良い息子であり、良い夫であり、良い父親であろうと、前向きに人生をやり直したいと思っていたが…。
“モンタナ州のウディ・グラント様 我々は貴殿に100万ドルをお支払い致します”誰が見ても古典的でインチキな手紙をすっかり信じてしまったウディは、ネブラスカまで歩いてでも賞金を取りに行くと言ってきかない。大酒飲みで頑固なウディとは距離を置く息子のデイビッドだったが、そんな父親を見兼ね、骨折り損だと分かりながらも彼を車に乗せて、4州にわたる旅へ出る。途中に立ち寄ったウディの故郷で、デイビッドは想像もしなかった両親の過去と出会うのだが―。
長崎で生まれ育ったサラリーマン・ゆういちは、ちいさな玉ねぎ「ペコロス」のようなハゲ頭を光らせながら、漫画を描いたり、音楽活動をしている。男やめものゆういちは、夫の死を契機に認知症を発症しはじめた母・みつえの面倒を見ていたが、症状が進行した彼女を、断腸の思いで介護施設に預けることになる。過去へと意識がさかのぼることの増えたみつえ。その姿を見守る日々のなかで、ゆういちの胸には、ある思いが去来する―。
貧しくも幸福な生活を日々を送っていたるロマの一家。3人目を身ごもる妻・セナダは激しい腹痛に襲われ病院に行くも、保険証を持っていないために手術を受けることができない。鉄くず拾いで生計を立てる夫・ナジフにはとうてい支払うことのない手術代を要求される。家族を守るために奔走する無骨だが優しい眼差しのナジフ。懸命にしれんと向き合い、決して憤ることなく、大切な人と共に生きることの意味を静かに投げかける彼の姿に、観る者は心を揺さぶられるだろう。
1973年8月8日、金大中・元韓国大統領候補が九段のホテル・グランドパレスから突然姿を消す・・・。5日後、ソウル市内の自宅前で目隠し・傷だらけの姿で発見された。当時、彼の消息を巡って日本と韓国そして米国までをも巻き込んだ国家間の緊張は極限まで高まった。拉致・暗殺指令を受けた諜報部員たちは、なぜ彼を殺さなかったのか?計画に関わったとされる日本人が“空白の5日間”に取った行動とは?「政治的妥協」という形で真相究明の道を閉ざされた事件の背後には、一体どんな「真実」が隠されていたというのか・・・?
大学院生でありながら青年実業家である阿部トオルはある日、日本の芸能界での成功を夢見る韓国人男性ヨンと出会い恋に落ちる。しかし、ヨンがモデルとしてデビューを果たしたその夜、何者かに殺されてしまう。そして、物語は20年前に起きた殺人事件や、トオルの周辺で起こる連続失踪事件とクロスしながら、意外な方向へと展開していく・・・。
ごく普通のOL・寧子。しかし、かつて義父に性的虐待を受けた過去を持つ彼女は、そのトラウマを忘れられず、生身の男性と触れ合うことに嫌悪感を抱えていた。そんな彼女が唯一自分を解き放てるのは、インターネット内だけ。文字だけの会話で行われるバーチャルセックスに自らを慰めつつ、深い孤独と満たされない欲望を抱えながら、彼女は日々をやり過ごしていた。
フリーターの姉・葉月と女子高生の妹・呼春は、母の佐和と3人暮らし。14年前に女の人を作って家を出て行ったきりの、父の記憶はほとんどない。ある日、佐和から「離婚したお父さんがもうすぐ死ぬから会いに行って、ついでにその顔を写真に撮って来てほしい」と告げられる。
不自由な安定主義のマニュ(ケフィ・アブリック)は、いつものように出勤するが、ここ最近、通勤途中で箸にも棒にも掛からない絵を並べている東洋人の女ソラ(長嶋美沙)をよく見る。興味本位で話かけてみるが生意気な態度なソラ。軽く対抗してみたマニュだが結局相手のペースにはまっていらない絵を買ってしまう。その日の夜の帰宅途中、マニュは毛布にくるまっているソラを発見してしまう。ソラは不安定な自由を掲げ放っといてほしいと言うがマニュは放っておく事ができない。
ブエノスアイレスの州都ラプラタ。椅子のデザインで世界的に大成功をおさめたデザイナーのレオナルドは家族とともにクルチェット邸に住んでいる。それはアメリカ大陸で唯一、かの世界的建築家ル・コルビュジエが設計した私邸。まさに人生の成功の証である。ある朝、ハンマーの破壊音で目覚めたレオナルドは、見知らぬ隣家の住人ビクトルが我が家へ向けて窓を作ろうとしていることを知る。「ちょっと光を入れたいだけ」と言う強面のビクトル。何とか話し合いで解決しようとするレオナルドだが解決せず、騒音で気持ちは乱れ、仕事も上手くいかず、妻との間も崩壊寸前。一方、ビクトルはレオナルドに親しげに近づいてくる。怖れをなしたレオナルドはついに防犯用パニック・ボタンを設置するのだが・・・。
パリのホテルにこもって最新作を執筆中の小説家と、作家志望の若き愛人。ローマ滞在中のイタリア嫌いのアメリカ人と、娘を奪われて人を信用できない女。ニューヨークのホテルで客室係として働きながら、現代アーティストの元夫から息子を取り戻そうとする元女優。一見、何の接点もないようなエピソードが、クライマックスに向けて衝撃的なかたちで交差していく。3つの物語が一つに重なるとき、思いも寄らない真実が浮かび上がり、ラブストーリーを超える愛と絆が観る者の胸を締め付ける。
横浜の一角で運命的な出会いをした忠志と裕子。ふたりは度重なる偶然の出会いをきっかけに急速にお互いを意識し始め、デートを重ねる度に精神的に魅かれ合って行く。だが、それぞれには家庭があり、いけないと思いながらも互いの感情を抑えられなくなってきた頃、双方の家族にお互いの存在が知れてしまい……。
真生(まお)は幼い頃、超能力少女として一世を風靡したが、その後表の世界から姿を消し、今は売春婦として生きている。肌が触れることで、相手の死期が分かる真生。死におののく人々の恐怖を少しでも取り除くため体を差し出す真生の前に、立花という男が現れる。死を怖くないという真生、そして死はすべての終わりだという立花。彼らの反発しあう魂はやがて寄り添い始めるのだが…。
妹に付き添って、パリ観光にやって来たカメラマンのセン(向井理)は、パリに着くなり、単独行動をしたいと言う妹スズメ(桐谷美玲)に置き去りにされてしまう。泊まるはずのホテルもわからず途方にくれるセンだが、落としたパスポートが踏まれて破れてしまい、さらに困った状況に……。踏んだ靴の主は、パリでフリーペーパーの編集をする日本人女性、アオイ(中山美穂)だった。パスポートを踏んだために、ヒールが折れてしまったアオイの靴を、接着剤で直すセン。感謝したアオイは、困ったときのために自分の連絡先を渡す。 スズメと連絡がとれないセンは、しかたなくアオイに電話をかけ、その夜、ふたりは食事をすることになる。話がはずみ、酔っぱらってしまったアオイを、自宅まで送り届けるセン。結局、ホテルに戻れなくなったセンはアオイの部屋に泊まってしまう。そのころスズメは、パリに住む恋人のカンゴ(綾野剛)を訪ね、久々の再会を果たすも、カンゴの態度はどこかぎこちない。 センはカメラマンとしてアオイの取材にも同行し、パリを満喫していく。ヒールが壊れた靴のまま歩き、「新しい靴、買わなくちゃ」とつぶやくアオイを、センは優しく見つめる。やがてふたりは、誰にも言えなかった思いも打ち明け合うのだった。なぜひとりでパリに暮らしているのか。これからもカメラの仕事を続けるべきなのか。抱きしめ合うふたりの気持ちはひとつになっていく。このまま離れたくない……。
遥か昔、地上の争いに嫌気がさし、空に移り住んだ人たちがいた。彼らはそこを「ソラ」と呼び、この星とともに悠久の時を過ごしている。そんな安らぎに生きる彼らの中にも地上に興味を持つ者がいるらしい。今回もまたひとり、地上に天使が舞い降りて来た。彼女の名はレイカ。しかし、彼女は任務として嫌々やって来たまで。彼女の目的は、地上で行方不明になったもうひとりの天使ルナを見つけ、ソラに連れて帰ること。一方天野マコトは普通の女子高校生。文化祭に向けて自主映画を撮ろうとしているが、いったい何を撮るべきか思いつかない。そんな折、文才があるという転校生がマコトの前に現れる。彼女の名はレイカ。レイカに自主映画の脚本を頼もうとするマコト。そんなマコトに向かって、自分はあなたをソラに連れて帰るためにやってきた天使だと告げるレイカ。はたしてレイカは無事ルナをソラに連れて帰る事ができるのか?
児童養護施設で生まれた少年・伊達直人は、ミスターX(哀川翔)に才能を見出され、訓練施設 虎の穴で特訓の日々を送っていた。10年後、逞しく成長した直人(ウエンツ瑛士)は、最強の闘士「タイガーマスク」の候補に選ばれる。人の力を限界以上に引き出す特殊マスクを纏い、同期生と共に多額のブラックマネーが飛び交う地下格闘界でデビューを果たした直人。そんな矢先、直人はちびっこハウスの幼なじみ若月ルリ子(夏菜)と再会を果たすのだった。
雅人とノブは甲子園常連野球部の補欠部員。出場メンバーの当落線上ギリギリの2人はあの手この手でベンチ入りを企てるが、鬼監督サンダーから命じられるのはライバルチームの偵察など雑用ばかり。挙げ句、超有望株の新入生が入部し、残された席はあと一つ…。今まで支え合いながら頑張ってきた親友同士の2人は、最後の夏の甲子園ベンチ入りを懸けた熾烈な争いを決意する―。
明治40年、不作のため困窮を極めた谷村家では、7つのおしんが奉公に出される事となる。初めは家族と離れる事に抵抗したおしんだが、母のふじがおしんを手元に残すために冷たい川に浸かり、お腹の子どもを堕胎しようとする姿を見て、おしんは奉公に出る覚悟を決めるのだった。最初の奉公先の中川材木店では、早朝から夜遅くまで、働き詰めの毎日を強いられた。女中頭・つねのきついしごきに耐えながら、おしんは我慢強く奉公を続けた。しかし店の財布から50銭銀貨がなくなり、盗みの疑いをかけられたとき、吹雪の中、黙って店を飛び出してしまう。山中で雪に埋もれていたおしんは、俊作という漁師に命を助けられる。山奥で松造爺と住む俊作に、読み書きや算術、ハーモニカなど、いろいろなことを教わり、満ち足りた時間を過ごした。やがて山に春が訪れて、俊作たちとの別れの日がやって来る。おしんは2番の奉公先となる酒田の米問屋・加賀屋の門を叩いた。木材店で仕込まれた根性を発揮して健気に働くおしんは、大奥様のくにから可愛がられた。加賀屋には跡取り娘の加代がいた。あるとき、加代の部屋にあった本がどうしても読みたくて、軽い気持ちで持ち出したおしんは「泥棒」と厳しく糾弾される。くにや加代との出会いから、いろいろなことを吸収して一段と成長したおしんだが、またもや居場所を失くしてしまうのか・・・。
夏、蓼科の別荘に避暑にやってきた老女優、蓉子。彼女をその別荘で迎えるのは農婦の豊子。もう30年もの間続いてきた光景だ。言葉は乱暴だが、仕事はきっちりこなす豊子に蓉子は信頼を寄せている。そして、今年の夏も、いつも以上にいろいろなことが彼女たちを待っていた・・・。豊子の娘あけみは、実は蓉子の亡き夫の子だという告白から、互いの心の中が変化していく・・・。
1879年、良家の長男として生まれ育った荷風。父の意向に反し、早くから文学の道を志した荷風は、やがて玉ノ井の娼家でお雪と出会う。世の中の底辺に生きながらも清らかな心を持つお雪に、荷風は運命的なものを感じ、57歳にしてついに結婚の約束をするが・・・。
70歳の安吉は、妻に先立たれ、40歳になる嫁ぎ遅れの長女・徳子と暮らしている。長男、次女は家を捨てたも同然で別居しており、躁鬱病の徳子だけが父の世話をしている。徳子は自分が婚期を逃したのも病気になったのも父のせいと言ってはばからない・・・。
17歳になったチンプは、兵役前のひとときを大いに楽しんでいた。タバコにお酒、バイクにギター。そして何より一番の関心毎は女の子。奥手のチンプにも遠くから想いを寄せる少女がいた。真夏の夜のダンスパーティー、初めてのキス、不器用な愛の告白。浮足立った毎日に、胸の鼓動は高鳴るばかり。しかし家では、父親が酒に溺れ、しびれを切らした母親は、ついに妹を連れて村を出てゆくのだった。
大正時代末期、広島の石内尋常高等小学校では、5年生の担任、市川先生(柄本明)が全力で生徒たちと向き合っていた。30年後、東京で売れない脚本家となっていた良人(豊川悦司)は、市川先生の定年祝いに出席。戦争をはさんで集まった同窓生それぞれの人生を目の当たりにした良人は、自身のふがいなさにがく然とする・・・。
1度見たらその個性的なキャラクターゆえに誰も忘れることのできない、戦後の日本映画界になくてはならない貴重なバイプレイヤーとして活躍した殿山泰司。自らを“三文役者”と称し、女と酒とミステリ小説を愛しつづけた彼のことを、みなは親しみを込めて“タイちゃん”と呼んだ。“タイちゃん”の半生は・・・。
22年間に起こった不幸な出来事によって父親を失った三姉妹。その出来事によって生まれた傷痕を心に抱えたまま成長した彼女たちは、現在それぞれの愛の問題に直面している。そんな彼女たちの母親は、ある秘密を抱えていた。
東京での結婚式を目前に控えたみゆき(田中美里)は、交通事故でケガをした婚約者の母親のため、震災の傷あとが残る能登へ向かう。都会と異なる田舎の生活、厳しい姑・松子(泉ピン子)の態度に戸惑うみゆきは、東京に帰ろうかと悩む。しかし、地震で被災しながらも懸命に生きる人々の姿に心を打たれた彼女は、あることを思いつき・・・。
香港返還の直前、20世紀末の東京・中央線で、沢山の人々が暴走し、愛が疾走する。高円寺が中国人に乗っ取られつつあるという設定のもと、日本人自警団と外国人グループの抗争が中央線、新宿などを舞台に恐ろしく巨大なスケールで展開される。
鬼才・園子温(『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』)の原点である初期作品集より6作品を収録。収録作品:「LOVE SONG」/「俺は園子温だ!!」/「愛」/「0cm4」/「父の日」/「ヴァギナ&ヴァージン」
25歳の森谷千波(小橋めぐみ)はごく普通のOL。しかし千波はそんな日常の生活に少なからず不満を感じていた。それは、彼氏の佳介(高橋一生)の仕事が忙しく2人で会う時間が急に減ってきていたから。佳介も気にかけており、今の仕事が落ち着いたら千波に結婚の意志を伝えようと考えていた。そんな折、千波の部署に新しい課長の桑村(保阪尚希)が赴任してきた。妻子ある40歳の桑村はスポーツマンタイプで甘く端正な顔立ちから、課のOLたちの憧れの的となる。桑村から食事に誘われた千波は「食事だけなら」と軽い気持ちで付き合う。佳介がいる千波にとって、桑村の左薬指で輝く結婚指輪が「この人には妻子がいるから」という安心感を与えていた。しかし、その日から2人の心と心が急速に近づき始める。そしてついに、2人の肌と肌が重なり合うときが訪れる。
愛慾と情痴、獵奇と狂氣、享樂と叫喚、そこは地獄と極楽がお互いに愛撫しあう場所。―屋根裏から覗き見たことは、誰にも話してはいけない――編集者の富岡奈緒子(嘉門洋子)は、おどろおどろしい作風でカルト的に人気を得ている今は亡き画家、郷田三郎の特集記事の取材で、彼が生前に身を寄せていた東栄館を訪れる。館はあたり一面の草原と雑木林に囲まれ、人の目を避けるようにひっそりと佇んでいる。郷田のファンである奈緒子は、館内に飾られている作品に興奮を覚え、次々とカメラのシャッターを切っていく。この館に住む住人は、主人の山根、病気療養中の青年・桜井、借金から逃げてきた阿久津夫妻と娘のマドカ、そして家政婦のカオリの6人で、奈緒子は彼らに生前の郷田のことを聞きだそうとする。だが、主人の山根以外の住人たちは、生前の郷田の話をしようとしない。翌日、桜井と散策中に郷田のことを問いただすと「絵のうまいただの精神病患者」と言い放ち、「あまり首を突っ込まない方がいい」とクギを刺し、その場から立ち去ってしまう。そんな時、マドカから郷田は屋根裏が大好きだったことを聞かされる。その夜、屋根裏に上がり“散歩者”となった奈緒子はこの館の秘密を知ることとなる・・・。
弁護士の夫を持ち、社会的にも経済的にも恵まれた生活を送る女、園子。何不自由ない毎日を過ごす彼女の前に現れた妖艶な女、光子。美術学校で出会ったふたりは、光子の提案によって奇妙な関係を結ぶ。それは光子の婚約を破談にするため、ふたりが同性愛であるかの如くふるまうこと。当初は戸惑った園子ではあったが、光子の神々しいまでの美しさに魅了され、園子の夫も巻き込んで次第に悦楽の迷路に彷徨いこんでゆく・・・。
勤め先の社長が夜逃げして無職になった健二、30歳。母は何年も前から行方知れず、父は辺鄙な土地でペンションを経営、妹は海外放浪中。ひとりで住んでいる実家の引き渡しが迫っているが、行くあてなどない。やりたいこともなく、無為に過ぎていく日々。そんな時、夏休み中の小学生男子3人組が水鉄砲や水風船で家に奇襲をかけてきた!健二はホースの水で応戦、闘いごっこの果てに3人組は健二を水魔人と名づけ、毎日のように家にやって来るようになる―。
台北でミュージシャンとして成功するという夢に破れ、台湾最南端に位置する故郷・恒春に戻った青年・阿嘉(アガ)。無為に日々を過ごすうち、郵便配達の仕事があてがわれた彼は、宛先不明で未配達の郵便物の中に、今では存在しない住所“海角7号”宛ての小包を見つける。その中には、60年前、敗戦によって台湾から引き揚げる日本人教師が、愛しながらも別れなければならなかった台湾人女性を想って船上で綴った7通のラブレターが。しかし日本統治時代の住所を知る者は、今や誰もいなかった。そんななか、阿嘉は日本人歌手・中孝介を招いて催される町興しライブの前座バンドに無理矢理駆り出される。成り行きで監督役を任された売れない日本人モデルの友子とは衝突ばかり。小学生の女の子や80歳の老人という寄せ集めのメンバーでは練習もままならず、余計にやる気を失っていく阿嘉をよそに、刻々とライブの日は近付いていた・・・。
橋本香織(伊藤歩)は東京の出版社から福岡のタウン誌に異動を命じられる。ある日、投稿はがきに「昭和30~40年代に、下関の映画館にいた幕間芸人を探して欲しい」というものがあった。香織は心惹かれ、その映画館<みなと劇場>を取材する。上映の幕間に物真似をみせる“幕間(まくあい)芸人”安川修平(藤井隆)が劇場にいたが、解雇後は音信不通となった。取材を進めていくうちに、自分と父親との関係を見直すこととなっていく。
何事もチャレンジする前に「自分は・・・無理だ」とあきらめてしまう自己完結型童貞男・遼太郎、29歳。でも自分を変えるために、意を決して初めて風俗に行くが、緊張のあまり過呼吸になってしまう。そこで、純粋で人のために役立ちたい風俗嬢・かよにやさしく介抱されたことで、一目惚れし、初めて恋という感情に気付く遼太郎。人の良いかよにどんどん魅了されていく遼太郎は、なぜ彼女がこの仕事をしているのかに疑問を持ち始める。知れば知るほど、好きになればなる程、自分の中で芽生えた感情は恋ではなかった。多くの男を相手にしているという事実と嫉妬。どうすることも出来ない無力さを痛感するが、次第に遼太郎は男としての決心を行動に表していく・・・。
2007年3月26日。千葉県市川市のマンションから、ひとりの若い男が捜査員の追跡を振りきって逃走した。部屋のベランダに置かれたバスタブからは、行方不明になっていたイギリス人女性英会話講師の変死体が発見される。これが日本を震撼させた殺人犯・市橋達也の、2年7ヵ月に及ぶ逃亡生活の始まりだった。青森、四国、沖縄、名古屋、大阪、福岡――。行く先々で名前を変え、顔を変え、自らが犯した許され難い罪から逃げ続けた2年7ヵ月。謎に包まれていた空白の逃亡期間の真実が、映像で解き明かされる・・・・・・。
宝塚~西宮北口間を約15分で走る、えんじ色の車体にレトロな内装の、阪急今津線。その電車に、さまざまな「愛」に悩み、やりきれない気持ちを抱えながら偶然乗り合わせただけの乗客たちがいた。電車内という限られた空間で、それぞれの人生がほんのちょっと重なり合い、影響し合い、そして離れていく--。数々の出会いが重なり、そこに生まれる小さな愛の奇跡。勇気を持って踏み出せば、いつもとは違う景色が、人生が、そして素敵な出会いが“あなた”を待っている。
殺し屋稼家に疲れ果てた初老の男は、不動産屋に飛び込み、女係員に部屋探しを頼む。数々の殺してきた亡霊たちに追われるようにして、男は死に場所を求め、係員とともに部屋から部屋へと巡り歩いていく。部屋探しの二日目、男は係員に案内され、遂に理想の、窓から見える眺めだけが唯一の取り柄の部屋に行き着く。そこが男の死に場所だった。彼は拳銃の引き金を引き、椅子に座ったまま息絶えるのだった。
友人たちが出て行ってしまった田舎町で、3年目の浪人生活を続ける北史郎と友人の圭太。史郎は元旦の誕生日の直前、20歳が終わろうとする年の暮れに、さえない毎日を送る自分が嫌になり、圭太を誘って町を出る決心をする。そして圭太の気持ちをかきたてるために、高校時代に友人と製作し未完成に終わった映画『一塁』の続きを撮影することを提案するのだが・・・・・・。
第一部は、はっきりとした理由もなく怒り狂いながら逃げ続ける主人公の姿を描く。東京で撮影されたシーンのほとんどが走っている人をとらえていて、まるで焦げ付くような不安感を身体を通して伝えようとしているかのようだ。第二部はがらりと変わり、地方の町が舞台になる。苦悩する主人公が幸運を求め家を出て東京に出て行くまでの日々を描く。
マラソン大会の日に合わせて、女子寮と男子寮の若者たちが対決する。町の通りを息を切らして走る。最後は海の近くで一人の女主人公にとっての奇跡的な出来事で幕を閉じる。
中野区のアパートに一人暮らしをしている鈴木桂子は、数年前に亡くなった父親の遺骨を火葬場からこっそり盗みだし、自分の部屋に置いている。1日が24時間であり、確実に1日は終わり、明日がやって来ると改めて考えた桂子は、21歳最後の3週間を着実に生きようとするのだった。
過疎地に暮らす、代々刀工を営む一家の下に東京から美大生たちがやってくる。知的障害を持つ兄妹や見習い工は彼らと馴染めず、この溝はやがて様々な事件を巻き起こす。
売れない演歌歌手・赤城麗子(室井滋)は“NHKのど自慢”出場を機に歌手としての自信を取り戻した。持ち歌「おしどり涙」が少しは売れて気を良くした赤城と須貝マネージャー(尾藤イサオ)のふたりは新たに雇った付き人・高橋里美(竹内結子)を連れ、新曲の営業と慰安旅行を兼ねてハワイにやってきた。仕事といっても一晩だけ女子プロレスの前座で歌うだけ。あとはビーチに、買い物に、とリゾート気分でやって来たのだが・・・・・・。
年がら年中旅回りの売れない演歌歌手・赤城麗子。訪れた次の営業先は、麗子の故郷・群馬県桐生市だった。しかし、久しぶりの故郷はいつもと雰囲気が違っていた。それもその筈、町に「NHKのど自慢」がやってくるのだ!父の店で予選出場ハガキを偶然手に入れた麗子は、大勢のお客の前で歌ってみたいという願望から密かに予選に出場する。予選会場に集まったのは何をやってもうまくいかない中年男、歌手を夢見る女子高生、遠くに引っ越してしまう孫を励ましたい老人・・・そして訪れた本番の日、出場者たちはいろんな想いを胸にマイクを握る・・・。
未来の理容師、美容師を育てるために夢を持って専門学校の教壇に立っている久沙江。学生たちも未来の自分に思いを馳せて夢を抱いている・・・、はず!?ハサミを使ったカットの技術に自信が持てなくて不登校ぎみの学生、複雑な家庭環境に思い悩み授業に身が入らない学生。奮闘努力の甲斐あって久沙江はそんな彼ら、彼女らを立派に巣立たせることができるのだろうか?教壇に立ちながらも悩む久沙江、そんな時人と人との「絆」が悩む久沙江に教育とは何か、という事を教えてくれる。
暴力団の若頭と、愛人との間に生まれた少女・結。同級生達からの凄惨ないじめ、父親に隷属する母親、父親からの歪んだ愛情・・・すべてに耐えきれず、結は逃げるようにして家を飛び出す。——そんな様子を、陰からじっと見つめている男がいた。男の名前は設楽。恋愛も生き方も、すべてが不器用な中年ヤクザ。「この子を助けなくては・・・」結に心酔した設楽は、奇妙な高揚感と使命感のうちに、彼女を廃墟の一室に誘拐・監禁してしまう。食事を与え、服をぬがせ、髪を染め・・・男は時間をかけて、結を自分の理想の女に飼育していく。両手両足の自由を奪われ、自分の過去を知る男から飼育される奇妙な生活。結は徐々に抵抗する力を失い、やがて服従しはじめる。やがて二人の間に生まれる禁断の愛の行方とは・・・。
妻に先立たれ、男手一つで娘を育ててきた中年サラリーマン・片倉健。彼を乗せたマレーシア行きの飛行機は、嵐でマレーシアの僻地に緊急着陸することになり片倉は慌てて機内から、クアラルンプール近郊の村で教師をする縁に電話で宣言する。「お父さん、縁の結婚なんて絶対認めてないからなー!!」なんとか無事、マレーシアに降り立った片倉だったが、見知らぬ空港では、バスにもタクシーにも乗せてもらえず。あげく財布をスられ一文無しに。このままでは、縁の結婚式に駆けつけられなくなる。・・・そんな時、ド派手な龍の装飾が施された巨大トラックが現れ、トラック運転手の中国人のモウリス・マーこと通称メリーと共に、クアラルンプールを目指すことになる。健とメリーは、はたして無事にたどり着くことできるのか?!
ハリウッド女優のスー・チーが憧れの男を刺激的に誘惑!スタイル抜群のその裸体を惜しげもなく晒し演じた激しいベッドシーンが話題の官能恋愛ドラマ!!富裕実業家のカオ・ワン・ティン(ホー・チョンホン)は、青年時代に無数の賞を獲得したゴルフ選手で、「ゴルフ王子」と呼ばれていた。しかし今はスポーツ会社の経営がうまく行かず、株を売りにだそうとしていた。会長の座を狙っていたキャリアウーマンのジェニー・ウー(リー・リーリー)は、秘密裏にカオの悪い噂をマスコミに流し、カオを経済的に追い込むように仕向けた。何も知らないカオは困り果てた末に、ジェニーに経済支援を願い出る。その出来事をきっかけに二人は恋人関係となった。ちょうどその時、カオの息子チャーリー(林挺生)は新聞記者のササ(スー・チー)に好意をよせており、ササもその愛を受け止めているようにみえた。しかし、ササの目的はチャーリーを使って父親カオに接近し、憧れていた彼の独占インタビューを取ることだった。二人はインタビューをきっかけに親密になり、二人は恋人同士になるのであった。しかしカオとササの関係に気づいたジェニーは、カオとの別れが決定的となった後、腹いせにチャーリーに真実を暴露してしまう・・・。
グリーンリーヴズ・エンタテインメントは、仙台で活動する弱小芸能プロダクション。しかし最後の所属タレントに逃げられ、社長の丹下は次の手としてアイドルユニットの結成を思い立つ。丹下の無茶振りにしぶしぶ街に繰り出しスカウトを始めたマネージャーの松田は、公園で一人歌を口ずさむ少女に出会う。その素晴らしい歌声に思わず声をかけるのだが、彼女は「アイドル」という言葉に表情を曇らせ、逃げるように立ち去ってしまう。その少女こそかつて国民的人気アイドルユニット『I-1クラブ』のセンターを務めながらも、ある事情で脱退した元アイドル、島田真夢であった。
愛の真実を探り出す!!物語はフランス西海岸に浮かぶ小島、モンサンミシェルで幕を開ける。アメリカからやって来たニール(ベン・アフレック)は、そこでマリーナ(オルガ・キュリレンコ)と出会い、互いに深く愛し合うが、アメリカへ渡り、オクラホマで生活を始めたふたりの幸せな時間は長く続かなかった。マリーナへの情熱を失い、やがて幼なじみのジェーン(レイチェル・マクアダムス)に心奪われるニール。そして、彼との関係に苦悩するマリーナはクインターナ神父(ハビエル・バルデム)のもとを訪れる。愛とは何か?愛は彼らの人生を変え、破壊し、そして彼らを新たな人生に向き合わせる。
短編映画『FREE』を撮影するため渡米した弓削智久と須賀貴匡は、サンフランシスコからラスベガスまで4000キロに及ぶ旅を敢行。途中、台本に沿ってシーンを撮影するのに飽き足らず、旅で出会った人々に「人生で一番大切なものは何?」とインタビューを開始する。ゴールまで3日というある日、二人はスタッフとはぐれ、道に迷ってしまう。
楽しかった夏休みも終わり、心機一転、新学期がスタート!!・・・と思いきや、生徒はみんなどこかそわそわ。原因は掲示板に張り出された1枚のポスター。「ねぇねぇ、ポスター見た?」「見たよー。どうしよっかな~?」「私、もう応募しちゃった」「えーズルい~」と、学園のそこかしこで話題になっていたのは、アイドルオーディションの募集告知。夢に掛ける想いはそれぞれ違えど、スポットライトを浴びる日を夢見る超絶学園の乙女たち―。大事件が起きるわけではないけれど、ちょっと心がざわついた日々の、青春のひとコマを切り取ります。
記憶に残るメロディが、ふたりを優しく包み込む。--ある日、家具職人として働く聡介(郭智博)は、結婚を前提に付き合っていた恋人(菜葉菜)に突然別れを告げられる。そんな折り、神戸から大学時代の友人知加子(山口尚美)が上京してきて、2人はまるで学生時代に戻ったかのように同居生活をスタートさせる。聡介はマイペースな彼女に翻弄(ほんろう)されながらもそれを楽しんでいたが・・・・・・。
犯罪の増加に手を焼く東京都は、警察の手が回らない軽犯罪を取り締まるため、善良な一般市民だけを選出し、犯罪検察組織「市民ポリス」を誕生させた。選ばれた市民には、任期の1ヶ月間、身分証でもある覆面と、麻酔銃が与えられる。そんなある日、家庭でも仕事でも居場所をなくしていた気弱なサラリーマンの芳一に、69人目の市民ポリスに任命するとの通達が。最初は任務を恐れ逃げ回ってばかりの芳一だったが、仕事で立ち寄ったコンビニで働く美少女・桃との出会いが、彼の運命を180°変えてしまう。桃はマジメな芳一の優しさに心動かされ、誰にも話したことがないという、ある相談を持ちかけたのだ・・・。
レイは今夜もまた颯爽と渋谷のネオン街に消えていく。SMクラブへ御出勤だ。レイのお客はオジサンが多い。みんな、レイにぶたれ、いじめ倒されるのを夢見て此処にやってくる。ボンテージ姿の女王様レイはオジサンたちにとって天使だ。彼女は昼間は小さな劇団の役者の顔を持つ。夜の女王様を演じることは、昼の役者の勉強にも役立つのだ。ホテトル嬢として働くアユミは、年齢よりも若く見えることを売り物に、客からお金を取り、心の中で舌を出す。結婚資金の為に、せっせと貯金をしている。目下、医者のタマゴと同棲中だ。浪人中の彼と今日も日がなセックスしながらパズルをする。このふたりが出会い、意気投合し、無軌道にもみえる生活が描かれる間合いに、“なんとなくだけども面白い”ふたりの青春が浮かびあがる・・・。
お笑いコンビ「房総スイマーズ」。“交換日記”をしなければ、解散せずにすんだのかもしれない・・・。売れるために始めた“交換日記”のはずだった―。田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)が高校卒業後に目指したのは「お笑い」の世界。千葉県出身の元水泳部ということでコンビ名は“房総スイマーズ”。しかし現実は厳しく、結成12年、30才も目前、売れる気配は一向にない。そんな時に甲本から発案されたのは「交換日記」!交換日記は次第にお互いの本音に迫り、2人は再び夢に向かって走り出していく。そして全てを賭けお笑いコンテスト“笑軍”に挑むのだが・・・。
アンは雑誌記者。パリ市街に、夫と二人の息子たちと何不自由なく暮らしている。彼女は今、女子大生の援助交際についての記事を執筆中で、そのために2人の若い女性へのインタビューを敢行していた。取材を受けた女性たちは、一見売春婦とは思えぬごく普通の可愛らしい若者たち。しかし、それぞれに異なる事情から、様々な男たちに体を委ねていた。アンは自分とは別世界の人間だと思っていた彼女たちの、赤裸々かつ官能的な体験談に耳を傾けるうちに、自分の中にも【欲望】が密やかに眠っていることに気づき始める。
猫好きのイラストレーター・ハルが出会う風変わりで愛おしい人々、そして、すれ違う猫たちとのゆるやかな毎日。猫好きに絶大な人気を誇るエッセイをベースに、ユーモラスでちょっぴり切ない傑作が誕生!人も猫も みんないつかはいなくなってしまうから---古本屋でアルバイトをしているハルは、イラストレーターの卵。バイトが終ればお寺の境内に駆けつけて、集まってくる猫たちを眺めるのが日課のハルは、時間の許すかぎり猫をそっと追いかける“猫ストーカー”なのです。恋愛話ばかり報告してくる同僚の真由子、寡黙なご主人とちょっと口うるさい奥さん、それから子供のいないご主人夫婦に飼われた猫のチビトムがバイト先のいつもの顔ぶれ。そののどかな毎日に、思わぬ波風が立ってしまいます。古本屋のご主人がかつての恋人に贈った詩集が、売り物としてお店に戻ってきて、奥さんが機嫌を損ねたのです。ご主人に話しかけられても、返事もせずにチビトムをかまい続ける奥さん・・・チビトムもちょっぴり迷惑そうです。そんなある日、チビトムは姿を消してしまいます。拠り所だったチビトムを失って取り乱した奥さんは、ご主人に食って掛かります。そして、奥さんもまた姿を消してしまったのです・・・。
オチてオチてオチまくれ!「オチキ」に嵌った人間たちによる魂の愚行録(ダークエンタテインメント)。人気上昇中のミュージシャン・サクラは、気の緩みから妊娠が発覚してしまう。しかし実は複数人との交際をしていたサクラは誰が妊娠相手なのか分からない・・・・・・。一方、芸能スカウトマン・成瀬は、所属タレント・はな子を妊娠させてしまう。所属タレントを妊娠させてしまう失態により、事態はドンドン最悪に・・・・・・。妊娠をきっかけに「オチキ」に入る男女。「オチキ」と気づかない二人は、ただひたすらもがき続けていく・・・・・・。