ニューヨークの地下には忘れ去られ廃墟となった地下鉄とインフラのトンネルが広がっている。そこは暴力とドラッグがはびこる無法地帯となり、危険で廃退した世界となっていた。エンジェル(ダニー・トレホ)は圧倒的な暴力で地下社会を制圧し君臨する存在だったが、元警官のジェイクが地下トンネルのパトロールを始めたことに加え、若いドキュメンタリー映像作家のチェルシー(キンガ・フィリップス)がカメラを持ち込み取材を始めたことでバランスが崩れ始める。エンジェルは地下社会を引き裂こうとする”外の世界”に対して宣戦布告し、壮絶な男達の闘いが幕を開ける。
若い頃ミス・ブルターニュだったベティーだが今では60歳を過ぎた未亡人で、レストランを営んでいる。ある時、彼女は、タバコを切らしていることに気づいて、客も従業員も気難しい母親も放って、タバコを買いに出かける。しかし、タバコ屋のシャッターは閉まっていて、タバコを手に入れることができない。彼女の愛人は若い娘の元に走ってしまっていたし、職場や母のところに戻る気も起きない。彼女は気晴らしにドライブを続けることにするが……。
写真家デボラ・アンダーソンはポルノ女優の真の姿に光を当てるため、アメリカのポルノ業界で活動する16人のトップ女優にインタビューを敢行する。その多方面における活躍とは裏腹に現代社会では好奇の目にさらされているポルノ女優達。彼女達はカメラの前で出生や家族やセックス観、そして“ポルノ女優”という仕事について赤裸裸に語り始める。一人の“女性”として生きる彼女達の真実の姿が明らかになっていく・・・。
無口で孤独な殺し屋・レオンの元に、家族を惨殺された少女マチルダが助けを求めてやってくる。奇妙な共同生活の中で、二人は徐々に心を通わせていくが・・・
金輪国王妃とその従兄弟は共謀し、国を乗っ取ろうと企む。二人は王の証である“王印”を渡すよう国王に迫るが、それは第三王女が持っていた。無限神術を身につけた武術の達人である王女は、弟子や師匠に協力を求め、さらに国中の武闘家を集めるが・・・。
1972年11月17日ロンドン。事件は起こった。貧しい家庭で育ったバーバラ。彼女は大富豪のブルックスと結婚する。一人息子、アントニーを授かり、憧れの上流階級の幸せを実感する日々。だが数年後、突然夫のブルックスに捨てられる―。ニューヨーク、パリ、カダケス、マジョルカ島、そしてロンドン。居場所をなくしたバーバラはアントニーと各国を彷徨う。世間から取り残された二人だけの生活。何かが少しずつ、だが確実に狂い始め、物語は衝撃の結末へ・・・・・・。
真面目でしっかり者のエマと、自由奔放で恋多き男デクスター。はじめて会話を交わした時から魅かれあうものを感じながら、恋人ではなく友達の関係を選んだ2人。エマは心の奥にデクスターへの想いを秘めて、親友として毎年“7月15日”を過ごしていく。それぞれの人生を歩み、すれ違いを繰り返しながらもデクスターを想い続けるエマ。そんなある年の“7月15日”、エマはデクスターから違う相手との結婚を告げられる。そしてさらに積み重なる“7月15日”。運命の日が2人に近づいていた・・・。
パリのホテルにこもって最新作を執筆中の小説家と、作家志望の若き愛人。ローマ滞在中のイタリア嫌いのアメリカ人と、娘を奪われて人を信用できない女。ニューヨークのホテルで客室係として働きながら、現代アーティストの元夫から息子を取り戻そうとする元女優。一見、何の接点もないようなエピソードが、クライマックスに向けて衝撃的なかたちで交差していく。3つの物語が一つに重なるとき、思いも寄らない真実が浮かび上がり、ラブストーリーを超える愛と絆が観る者の胸を締め付ける。
26歳のペトリは、彼女にフラれたことをきっかけに、モノで溢れた自分の部屋には幸せがないと感じ、自分の持ちモノ全てをリセットする”実験”を決意する。ルールは4つ。「1:持ちモノ全てを倉庫に預ける。2:1日に1個だけ持って来る。3:1年間、続ける。4:1年間、何も買わない。」毎日、モノを1つ選ぶたびに、自分自身と向き合うペトリ。「人生で大切なものは何か?」、究極の”シンプルライフ”から見えてくる。
平和な学園に訪れた普段と変わらぬ日常。誰もが想像しえなかった。その日が悪夢の一日となることを…。学園カウンセラーであるジェシー(バートン)はその日、6日前に兄を交通事故で亡くした高校生イリーをカウンセリングするよう学園長のエディソン(ダンカン)から頼まれる。イリーは放課後に同級生たちから暴力を受けていたところをエディソンに発見されたのだ。同級生に関するおぞましいスケッチを描き、彼らに見せたのだという。暴力をふるった5人を音楽室に待機させ、カウンセリングを始めるジェシー。沈黙を通していたイリーだったが、次第に心を開き始める。彼は彼女に打ち明けた。学園の人気者だった自分の兄デヴォンを殺したのは実はあの5人であり、呪術師の手によって蘇った兄が彼らへの復讐を果たすために今ここに向かっているのだというー。兄を亡くした精神的ショックからパニックを起こしていると疑っていたジェシーだったが、その時婚約者である警官のトラヴィス(サワ)から電話がはいる。デヴォンの墓が掘り起こされ死体が消えていること、兄弟の母親が自宅で死んでいたこと、不審な老婆を見かけたこと―。ジェシーは胸騒ぎをおぼえる。イリーがロッカーに隠していた、スペイン語で書かれた黒魔術の本を開いてみるジェシー。そこに書かれていた不吉な予言。そして、次第に学園が不穏な空気に包まれていく・・・。全てはイリーの狂言なのか。それとも、彼の言うとおり、死者が復讐に訪れるのか。
若き日に自らの手で父親を惨殺、Boca do Lixo(ゴミ溜め)と呼ばれる腐敗した裏町に生きることを決意した男、イロイト。凶暴と堕落が共存する危険な世界で、ストリップバーを経営し、ドラッグ商売に手を染め、遂には警察とも手を組んで裏社会のボスまでのし上がっていく。40回以上もの逮捕暦にも関わらず、その力によって自由と成功を謳歌していた彼だったが、いつしか薬物依存症となり、彼の地位は音を立てて崩れ落ちていくのだった・・・。
東京の暴力団組員ヒロはある任務を命じられる。それは、便器の形をしたヘロインをばれることなく無事NYに運ぶこと。が、NYで彼はご当地ギャング同士の抗争に巻き込まれることに。その最中、ヒロは特殊部隊出身のギャング、マルコと出逢う。ひょんなことから、二人はその便器の真の価値を知ることに。値段にして数百億。ただし、日本の特殊な処方を使って、それを元のピュアなヘロインに戻せれば、の話。強靭な肉体を持つマルコ。空手の達人ヒロ。反発しながらもタッグを組み、命を狙ってくる数多くの追手たちと戦いながら、必死に処方箋を持つ人物を探す彼らだったが、互いに最大の弱点があった。マルコはヤク中、ヒロは女好き…。果たして、この奇妙な二人組は一獲千金の野望を成し遂げることができるのか?
米・ロス郊外に暮らすラクラン・マクアルドニックは、グリーンカードを持つスコットランド人。かつては人気UKバンド“CRANKS”のメンバーとしてスポットライトを浴びていた彼だが、現在は、昼は農場でオーガニック栽培した農作物を市場で売る農夫として、夜は往年のバンド曲を紹介する人気ポッドキャスト番組のDJとして、貧しくも穏やかな生活を営んでいた。ある夜、バーを出て家路に向かった彼は飲酒運転で連行される。取り調べが進む中、彼が昔犯したドラッグ歴が判明する。釈放金も弁護費用も払えないラクランは、遂には永住権の剥奪・祖国への強制送還の危機にまで追い込まれてしまう。米国に残るため、彼に残された選択肢はただひとつ。米国居住権保持者で、ラクランの身元を立証し代理人となってくれる近しい人物が必要だった。彼は、かつてのマネージャーや元妻、娘と再会するのだが・・・。
大学生になったエマは、大学寮での新生活を始める。彼女はひとつ秘密を抱えていた。幻影と幻聴。統合失調症と診断され薬が手放せないのだ。賑やかなキャンパスライフに心躍るエマだったが、ここでも自分を呼ぶ声に悩まされる。日ごとにその声は形を帯びていき、恐怖感に苛まれ続ける彼女は次第に一部の同級生から好奇と嫌悪の目で見られるようになる。だが、優しい仲間も得て、彼女は自分の病気と向き合おうと決意するのだった。ある夜、キャンパス内で封鎖されている病院跡から彼女を呼ぶ声を聴いたエマが建物に近づくと、ひとりの警備員から「決して近づくな」と強く警告される。警備員が去った後、興味本位で友人らと施設内に侵入したエマは暗闇に一人迷い込んでしまう。その間、友人たちは施設内焼却所に陳列されていた壺を誤って割ってしまい、舞い散る灰を吸い込んでしまう。その夜以降、彼らはコントロールできない何かに支配されていく。また、エマを呼ぶ声も明確さを増していく。遂に殺人事件が発生。実は、友人たちが吸い込んだ灰は、その施設内で人体実験の対象とされて焼き殺された精神病患者の遺灰だった。ヤツの狂気に操られ、彼らは次第に恐ろしい事態を引き起こしていく・・・。
1975年大晦日。レンゾ・ウェズが経営するクラブでは、盛大なパーティーが行われていた。影からその様子を伺う女性刑事ウォマックと相棒のデュプレ刑事。レンゾの裏の顔は、この地域一帯を支配する凶暴マフィアの首領(ドン)であった。過去に最愛のパートナーだったウィリアム刑事をレンゾ一味に惨殺された過去を持つウォマックは、レンゾのしっぽを掴むために決定的な証拠を追い続けていた。が、レンゾ一味のやりかたは巧妙かつ狡猾で、法的に逮捕する事がなかなか出来ない。ジレンマと憎しみとで苛立つウォマックは刑事という立場から次第に逸脱した行動をとるようになる。法に忠実であろうとするデュプレ刑事は彼女を制しようとするが、自分の婚約者があろうことかレンゾの姉であることを知り、愕然とする。一方、不動の地位を得たはずのレンゾは、次第に仲間でさえも次々と手にかけていくようになる。耐え兼ねた部下たちの心は離れていく。はたして、レンゾが向かう先にあるものとは―。
香港郊外の小さな島に辿り着いた殺し屋・ブルース。島を拠点に暗躍する巨大マフィア組織のボス・馬爺を暗殺した彼は、馬爺の頭部を鞄に詰め島を出ようとする途中でひょんなことから女性警官・ホリーと出逢う。彼女とともに訪れた食堂で強盗団と遭遇したブルースは彼らを一網打尽にする。台風に見舞われ島を出れなくなったブルースだったが、ホリーと警官たちからの熱烈な歓迎を受けそのまま警察署に留まることになる。大きな事件もないこの島の警官たちは皆ブルースを受け入れ、彼らはつかのまの楽しい時間を過ごす。ボスの死を知り、マフィア組織はブルースを追っていた。深夜の見回りで偶然に首なし死体を発見したホリーたちは手下たちに襲われるも、暗闇から突如現れたブルースらしき人影に救われる。一方、ブルースが警察と一緒に居ることを知った一味は警察署を襲撃するのだった。この一大事件に、本島から大勢の警察隊が島に上陸。ホリーたちを横目にブルースに殺人容疑をかける。マフィア組織と警察から追われる身となったブルースの、真の目的とは?三つ巴の戦いが今、始まる。
時は1910年代、中華民国初期。道教の第一名山“武当山”で500年に1度開かれる武術大会に参加するために娘・唐寧(シュー・チャオ)とこの地を訪れた、考古学者で武術家の唐雲龍(チウ・マンチェク)。彼の真の目的は、武当山の各所に隠されているという7つの秘宝と神剣を手に入れる事だった。同じく、武術大会出場を装ってこの秘宝を狙いに来た女性武術家の天心(ヤン・ミー)と協力関係を築くのだが、武当山を守る道長で、どこか邪悪な影を持つ白龍(デニス・トー)率いる武闘軍団に行く手を阻まれる。一方、唐寧は白龍の弟子・水合一(ルイス・ファン)と出逢い、互いに強く惹かれあうようになるのだが―。
ブエノスアイレスの州都ラプラタ。椅子のデザインで世界的に大成功をおさめたデザイナーのレオナルドは家族とともにクルチェット邸に住んでいる。それはアメリカ大陸で唯一、かの世界的建築家ル・コルビュジエが設計した私邸。まさに人生の成功の証である。ある朝、ハンマーの破壊音で目覚めたレオナルドは、見知らぬ隣家の住人ビクトルが我が家へ向けて窓を作ろうとしていることを知る。「ちょっと光を入れたいだけ」と言う強面のビクトル。何とか話し合いで解決しようとするレオナルドだが解決せず、騒音で気持ちは乱れ、仕事も上手くいかず、妻との間も崩壊寸前。一方、ビクトルはレオナルドに親しげに近づいてくる。怖れをなしたレオナルドはついに防犯用パニック・ボタンを設置するのだが・・・。
マレーシアの資産家・シブヤン家の息子プリンス・アマラ。養子である彼は、才能と人望を併せ持ち、一家の誇りでもあった。実の息子である弟プトラはそれが面白くない。プリンスが大企業の跡継ぎに任命され世間の注目の的となったとき、プトラの妬みは頂点に。側近らとともにプリンスを罠にはめ、彼を殺人犯に仕立て上げる。プリンスは地位、名誉、すべてをはく奪され、国民の非難と罵声を浴びることとなり、国外逃亡を余儀なくされるのだった。フランスに渡った彼に、アメリカ人ギャング・ベンが近づき、ある取引を持ちかける。めっぽう頭の切れるこの男の申し出に応じたプリンスは、ベンと、彼のボディガードと名乗る正体不明の殺し屋イスカンダールとともに裏ルートから自国に潜入する。はたして、彼はすべてを奪還できるのか?!
可憐な独り暮らしを営む老女アン。ショッピングモールで泣いていた少女アリスに声をかけたことがきっかけで、アリスは度々アンのアパートを訪れるようになる。実はアリスは婦人の厚意を利用していたのだが、10代少女特有の魅力にひかれたアンは彼女に母のような愛情を持ち、彼女の自慢でもある美しい蝶の標本が並ぶ「蝶の部屋」を見せるのだった。だが、アリスが別の婦人とも同様の関係を築いていることを知ってショックを受けた時、アンの心に長年封じてきたある感情が再び芽生え始める。そしてアリスの身に不幸が襲いかかる。
ブラジルの亜熱帯地帯、マングローブに囲まれたエスピリトサント。まるで文明から切り離されたようなこの極貧の村に暮らす住民たちは、泥沼から貝類を捕獲してなんとか生計を立てていた。が、徐々に水質汚染の波が押し寄せ、漁業が壊滅状態に追い込まれてしまう。生活苦にあえぐ村人たち。感染は人体にも影響を及ぼし、村人の皮膚はただれ、膨れ上がっていく。悪夢はそれだけではなかった。悪臭漂う泥沼の中から突如、恐ろしい容貌のゾンビが襲いかかってきたのだ。次々と感染、増殖していくゾンビたち。一人、また一人と無残に殺されていく村人…。臆病だった男ルイスは恋人を守るため、小さな手斧とライフルを手に、ゾンビと対決する。はたして、カオスと化したこの湿地帯で、二人は無事生き延びることができるのだろうか…。
1448年、世宗30年。朝鮮の新たな兵器開発を恐れた明は、火砲研究所を極秘裏に襲撃。火砲研究所の都監(トガム)であるカソンは、新型の火薬兵器「神機箭(シンギジョン)」の開発に関するすべてを記した「銃筒謄録(チョントンドゥンノク)」を隠し、ひとり娘のホンニを安全な場所へ逃がすと、自ら完成間近の「神機箭」とともに命を絶ってしまう。襲撃計画が失敗に終わった明は、大規模な使臣団に見せかけた武装勢力を急遽派遣。消えた「銃筒謄録」とホンニの行方を追うが…。
高句麗、新羅、百済の三国間の紛争が絶えなかった西暦660年、韓国の歴史にその名を残す「黄山ヶ原の戦い」。唐と手を組んだ新羅軍はユシン将軍のもと五万の兵を率いて、永遠のライバルであるケべク将軍率いる五千の百済軍と戦いを繰り広げるが、意外にも苦戦を強いられる。百済軍有利の戦況のなか、最後の決着をつけるためユシン将軍は奇策を講じ、ケベク将軍に襲い掛かる。はたして勝者はどちらなのか!?
片想いの相手を探しに韓国へ交換留学生としてやってきた純子。彼女が滞在するゲストハウスのオーナーはとても親切で、用意されたご飯も美味しく、至れり尽くせりの素敵なところだと思っていたのだが、客の勧誘に血眼になったオーナーが純子に提供した部屋は、なんとオーナーの息子が使っている部屋だった!!こんなところには住めない!とすぐに代わりの滞在先を探そうとした純子に対して、オーナーはせっかくのお客を手放したくなくないがために、息子のジョンマンからネイティブの韓国語レッスンが無料で受けられるというオプションを提案するのだが・・・。純子の希望溢れる韓国生活は、一体どうなってしまうのか!?
テレビ局のニュースキャスター、ハン・ギョンベの息子サンウが、ある日突然姿を消した。そしてかかってくる誘拐犯からの悪夢のような脅迫電話。警察はありとあらゆる手段を尽くして捜査を行うが、誘拐犯はあざ笑うかのようにその捜査網をかいくぐり、執拗に脅迫電話を掛けては次から次へと新しい接触方法を指示する。緻密な手法により正体をつかませない誘拐犯、その唯一の手掛かりは脅迫電話の声のみ。感情がなく、鳥肌が立つくらい冷静な“あいつの声”だけだった。
医師のクァン(アンドリュー・リン)は、誰もがうらやむ美人の妻メイワ(キャンディ・ロー)と豊かではないが、円満な生活を送っていた。クァンは喘息のメイワのそばに居るため、出世を諦めて細々と診療所を経営していた。事業に成功した周りの友人は、出世・富・女を手に入れており、彼を哀れむ。ある日、クァンはメイワとピクニックに出かけたが、崖から滑り落ちたクァンをわざと助けず、見殺しにしてしまう。妻から解放され、自由になったと思ったクァンは、女遊びを覚え、墜落していく。そしてクァンの周りで次々と怪奇現象が起こり始める・・・。
未亡人のチン(マギー・シュウ)は、娘のリン(サリー・ライ)とともに、格安のアパートに移り住む。生活苦を余儀なくされたチンにとって、またとない破格の物件である。だが娘のリンにとっては、ただならぬ気配を感じる、居心地の悪い家であった。夜警の仕事を見つけ、夜間勤めるチン。その間、リンは一人で家にいる。怪しい雰囲気に耐えながらも、朝を待ち続けるリン。突然、濡れた少年と白化粧の女の影が、彼女の前に現れ、そして消えてゆく。さらにこの現象は、チンにも影響を与え始めるのである。二つの影が現れる理由。それはこの家に隠された、ある惨劇と関わっていた。
かつては黒社会ともつながっていたチョンとその妻が経営する香港のゲストハウスには、子持ちの売春婦スージー、怪しげな商売を営むトニー、うさんくさいヤクザのコンジャイなど曲者揃いの面子が滞在している。ある日、一人の日本人女性がやってくる。名は澪(しらたひさこ)。音信不通となった双子の姉・浅を探しにやって来たのであった。映画スターを夢見て一年前にここにやってきた浅だったが、突然行方知れずとなっていた。彼女と瓜ふたつの澪を見間違えた住人たちの表情には、驚きというよりも戦慄が浮かんでいた・・・。
ぐっすりと眠る恋人コーディに寄り添ったアートは、彼女が意識を失っていることに気づく。病院に運び込まれたコーディは過剰な薬物の服用により昏睡状態だった。恋人コーディを救うためアートは顔なじみのハーベイに会い、彼が以前見つけた「タイムマシン」に乗り込む。半信半疑のアートだったが、試しに「コーディが病気になる前へ」と唱えてみる。すると次の瞬間、彼はある学校の体育館にいた。そしてそこにはなんと元気なコーディの姿があった。タイムトリップに成功した彼は現在のコーディを救うべく、過去のコーディとの接触を試みるが・・・。
台北でミュージシャンとして成功するという夢に破れ、台湾最南端に位置する故郷・恒春に戻った青年・阿嘉(アガ)。無為に日々を過ごすうち、郵便配達の仕事があてがわれた彼は、宛先不明で未配達の郵便物の中に、今では存在しない住所“海角7号”宛ての小包を見つける。その中には、60年前、敗戦によって台湾から引き揚げる日本人教師が、愛しながらも別れなければならなかった台湾人女性を想って船上で綴った7通のラブレターが。しかし日本統治時代の住所を知る者は、今や誰もいなかった。そんななか、阿嘉は日本人歌手・中孝介を招いて催される町興しライブの前座バンドに無理矢理駆り出される。成り行きで監督役を任された売れない日本人モデルの友子とは衝突ばかり。小学生の女の子や80歳の老人という寄せ集めのメンバーでは練習もままならず、余計にやる気を失っていく阿嘉をよそに、刻々とライブの日は近付いていた・・・。