アイルランド、労働者階級の街・ダブリン。この街に生まれたら、成功する道は3つしかない。プロサッカー選手、プロボクサー、ミュージシャン―。そんなダブリンで、本物のソウルミュージック・バンドを作ろうと広告を出したジミーの元に集まった若者たち。彼らのバンド“ザ・コミットメンツ”は実力も性格もてんでバラバラ。練習場所にも事欠くが、やがて困難や挫折を乗り越えて、次第に彼らの魂(ソウル)の音楽を作り上げていく。
1900年頃のオーストリア・アルプス。孤児の少年アンドレアス・エッガー(イヴァン・グスタフィク)は渓谷に住む、遠い親戚クランツシュトッカー(アンドレアス・ルスト)の農場にやってきた。しかし、農場主にとって、孤児は安価な働き手に過ぎず、虐げられた彼にとっての心の支えは老婆のアーンル(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)だけだった。彼女が亡くなると、成長したエッガー(シュテファン・ゴルスキー)を引き留めるものは何もなく、農場を出て、日雇い労働者として生計を立てる。その後、渓谷に電気と観光客をもたらすロープウェイの建設作業員になると、最愛の人マリー(ユリア・フランツ・リヒター)と出会い、山奥の木造小屋で充実した結婚生活を送り始める。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった・・・。第二次世界大戦が勃発し、エッガーも戦地に召集されたもののソ連軍の捕虜となり、何年も経ってから、ようやく谷に戻ることができた。そして、時代は過ぎ、観光客で溢れた渓谷で、人生の終焉を迎えたエッガー(アウグスト・ツィルナー)は過去の出来事がフラッシュバックし、アルプスを目の前に立ち尽くす―。
病気の子供の治療費と生活費を稼ぐため、宝石店で販売の仕事をするジェン。ギャンブル漬けの夫は働かず、仕事と子育てを一人で担う忙しい日々を送っていた。そんなある日、高校時代の友人リカが店を訪れる。高級品を身に纏い、気前よく宝石を購入するリカ。そんなリカを羨ましく感じるジェン。リカは昔からいつでもジェンに優しく、困ったときは頼ってほしいと言ってくれる。その晩、ジェンは閉店後の店内で、店長に強姦されそうになる。何とか逃げ出すも仕事を失ったジェンに、リカは羽振りの良い仕事を紹介すると言う。子供のために、リカの紹介してくれた仕事を始めるジェンだったがー。
唐の時代、深刻な干ばつに見舞われ司天台のガオ・シェンヤオが雨乞いの儀式を執り行うが、儀式によって恵みの雨ではなく大量の油が降り注ぎ千の頭の悪魔が出現、儀式に参加した多くの人が襲われ副官であるルオ・ハも惨殺される。ガオは過去に江南の地で起きた水猿による未解決事件を解決した実績をもつ死刑囚ドグに調査を依頼、ドグは調査の間だけ死刑を免れ釈放されることに。監察御史のリン・チェンユエや大理寺少卿チー・ドーダオと共に調査に乗り出したドグは、卓越した知識と推理力で事件にチョウセンアサガオの毒が使用されたことに辿りつき、その流通ルートが夜市であることを突き止める。だが、再び千の頭の悪魔が現れ、ルオの妻であったシャン・イェが死亡、彼女を訪ねてきた妹ホワ・レイも捜査に参加したいと申し出る。夜市を裏で仕切る謎の女イェ・ティエンズーからチョウセンアサガオの毒の売人の情報を聞き出すことに成功し、事件の真相へと近づくも、次々に浮き彫りとなる事件とそれに関わる人物たちの闇と秘密、そして、陰謀。そして、それはドグも例外ではなかった。果たして、ドグは事件を解決出来るのか!?
トランシルバニアの森で、エリートの狩猟隊が地元の住民を誤って撃ち殺し、残されたことで恐ろしい事態に陥る。
裕福な夫婦が、若い売春婦暴力を振るわれている現場を目撃し救い出すことを決意する。田舎の家に彼女を泊めるが、予期せぬ出来事が家庭の平和を乱す。
タームは出家した兄のティーに会うために旅に出て、ドンシンタム島の寺院にたどり着いた。タームは、ティーが前の僧院長を殺して逃亡したという噂を聞くが、ティーが人を殺すことができるとは思えない。この村でタームは身寄りが無く、寺に住んでいる純粋な青年、テと知り合った。この村では“ポープー”という人の形をした像が信仰されていた。またこの島では人が死ぬと遺骨の一部を入れ、土の像(フンパヨン)を作って拝む習慣がある。ジェットはフンパヨンの作り手だ。タームは村人たちの信仰に疑問を抱き、村を守る霊的な存在というよりも、盲目的な迷信だと考える。ある夜、タームは怒りに任せて“ポープー”への供え物を壊してしまった。その後、恐ろしい出来事が次々と起こり、村は恐怖に包まれる。女性が行方不明になり、死人が続出し村人たちは怒りに燃える。闇夜に人の形をした“フンパヨン”像が森の中を彷徨う。人形師のジェットは呪文を唱えて、皆の身を守ろうとするのだった。
仏・マルセイユの自宅で回想録を執筆しているガルー。かつて外国人部隊所属の上級曹長だった彼は、アフリカのジブチに駐留していた。暑く乾いた土地で過ごすなか、いつしかガルーは上官であるフォレスティエに憧れともつかぬ思いを抱いていく。そこへ新兵のサンタンが部隊へやってくる。サンタンはその社交的な性格でたちまち人気者となり、ガルーは彼に対して嫉妬と羨望の入り混じった感情を募らせ、やがて彼を破滅させたいと願うように。ある時、部隊内のトラブルの原因を作ったサンタンに、遠方から一人で歩いて帰隊するように命じたガルーだったが、サンタンが途中で行方不明となる。ガルーはその責任を負わされ、本国へ送還されたうえで軍法会議にかけられてしまう…。
慶長3年、日本が朝鮮半島に出兵して7年。太閤・秀吉が没し、政権運営を引き継いだ五大老は全軍の撤退を通達する。要衝・順天を守る小西行長は、明軍に賄賂を贈って退路を確保しようとするが、朝鮮水軍を率いるイ・スンシンはこの機に乗じて日本軍を殲滅する決意を固めていた。包囲された小西軍の窮地に島津義弘率いる薩摩軍が救援に向かい、朝鮮・明の連合軍と日本水軍との最終決戦の火蓋が切って落とされる。
記録的な猛暑が襲った夏の日、人々のイライラは頂点に達していた。夫ソング(イ・ジェラク)から虐待を受けて団地(チャンミ・アパート)の広場に逃げてきた女性ジョンヒ(ハ・ユミ)。これを目撃した同じ団地の女性たちは、ジョンヒを助けようと加担し、勢い余ってその夫は、死んでしまう。やがて警官隊が出動し、彼女たちは、団地の屋上に籠城せざるを得なくなる。そして、女性の権利を守るための戦いが始まる。
私の体は 貴方だけのものじゃないの 北京から白河を隔てた燕交に住む夫婦 ユアン・ヨンとヤン・ファン。疫病による隔離措置で遠出を禁じられ、家事を繰り返すだけの日々に閉塞感を感じていたヤン・ファンは、夫の存在がありながらレストランのウェイター シャオ・ファンと衝動的に体を重ねてしまう。一方、覗き見や過度な自慰など特殊な性癖を密かに持っていたユアン・ヨンは、自室の覗き穴から寝室で情事に及ぶ2人の姿を見て、複雑な感情を抱きながらも「自分の妻が寝取られているところを見ていたい」という内なる欲望に目覚め、妻の不倫を咎めずただ静観するのであった。こうして始まった禁断の関係と3人の感情は、やがて穏やかだった日々には引き返せないほどに絡みあっていき、その行為も次第にエスカレートしていくのだが…。
歌手になる夢のためオーディションを控えるスンジン(イ・ジフン)。幼馴染たちと苦労して探した部屋で、引っ越し初日の夜を過ごそうとした瞬間、どこからか聞こえてくる女性の泣く声!声の正体は、防音がなされていない家のせいで、さまざまな方法で引っ越して来た隣人を追い出していたラニ(ハン・スンヨン)の妨害工作!しかし、スンジンは簡単に怯む相手ではなかった!壁を越えて行き来する奇想天外な騒音バトルの末に、大きな音を出すときは4時間ずつ交代制にする条件のもと、同居ではない同居が始まる。名前も顔も知らないお互いの日常を共有し、2人は徐々に微妙な感情を抱いていくのだが…。
“サメの噛み付き”から広がったウイルス「SHVID-1」により世界は荒廃した。選抜された科学者たちは老朽化した海底研究施設で、治療法を見つけ出すために日夜奮闘していた。遂に感染したサメから血清を作りだすことに成功し、万事解決に向かうと思われていたが、血清をめぐって科学者同士による権力争いが勃発。そんな中、研究施設の崩落が始まり、封じ込められていたサメも逃げ出してしまいー。
アジアを代表する歌姫。スクリーンを飾る人気女優。同性愛者であることをカミングアウトした1人の女性――。デニス・ホーの歩みを通じ、香港の今を活写した傑作ドキュメンタリー!2014年に香港で起きた「雨傘運動」。警官隊の催涙弾に対抗して雨傘を持った若者たちが街を占拠したこの運動に、1人のスーパースターの姿があった。彼女の名前はデニス・ホー(何韻詩)。同性愛を公表する香港の人気歌手である彼女は、この雨傘運動でキャリアの岐路に立たされていた。彼女は、中心街を占拠した学生たちを支持したことで逮捕され、中国のブラックリストに入ってしまう。次第にスポンサーが離れていき、公演を開催することが出来なくなった彼女は、自らのキャリアを再構築しようと、第二の故郷・モントリオールへと向かうのであった。スー・ウィリアムズ監督による長期密着取材によって浮かび上がるのは、香港ポップスのアイコンであった彼女が、香港市民のアイデンティティと自由を守るために声を上げる1人のアーティスト、そして民主活動家へと変貌していく様である。その物語は、歪な関係にある香港と中国を巡る過去30年間の情勢を見事に反映している。そして、2019年6月。香港で逃亡犯条例改正に反対するデモが起き、彼女は再び岐路に立たされた。数百万のデモ参加者が街頭に繰り出した時、彼女は催涙ガスと放水砲が飛び交う通りに立ち続け、デモ参加者を守ろうとする。そして、国連やアメリカ議会で香港の危機的状況について訴え、自由と民主主義を守ろうとする人々の姿を世界に発信していくのだった。自由を求める香港の人々の声が、デニス・ホーという存在に重なり、その願いが1つの歌となって響き渡る。映画の幕は閉じるが、香港の闘いはまだ終わっていない。
静かな町に引っ越してきたミンシク。彼は転校先の学校でイェジュと出会う。彼女は父親が起こしたある事件を理由に同級生からいじめを受けていた。当初はいじめに加担してしまうミンシクだったが、やがてイェジュに手を差し伸べてお互いの心の支えになっていく。ところがある問題が二人の前に待ち構えていたのだった――。
とある田舎町で小学校の教諭をしているスヒョクには秘密がある。彼の妻は毎夜、別の人間に変わってしまうのだ。このことが村中に知れ渡ると、村人は彼らの家に檻を取り付けてしまう。そしてある日、スヒョクの家に火が上がり、夫婦は焼死する。ひとりの刑事が調査の為に村を訪れると、宴会に招待され酒を飲み意識を失う。刑事はスヒョクの家で目を覚ますが、自分がスヒョクになっていることに気づき――。
1895年、キム・チャンスは王妃暗殺に加担したとされる日本人を殺害し逮捕される。死刑宣告を受けるチャンスだったが、収容者のほとんどが身に覚えのない罪で服役していることを知り、彼らの免罪を晴らすために読み書きを教えることに。ある日、キムと仲間たちは巨大な鉄道建設作業所に送られることに。そしてそこでは、想像を絶する試練が待ち受けているのだった――。
中世を舞台にした恋愛小説で大人気のベストセラー作家ジュリアは、幸せの絶頂で終わる自身の小説とは正反対に、実生活はアンハッピーエンドの恋ばかりを繰り返していた。そんな彼女にボルダリオ王国から、王子アダルウルフ3世の結婚相手を探すうえで協力してほしいとの要請があった。だが、初対面からプライドが高い王子とはなかなかウマが合わず、当然ながら一般女性と普通のデートをするにもどこかぎくしゃくして一苦労。そのうち期限が迫り、自分の殻を破れと諭したジュリアは一度クビにされかけるが、思い直した王子から再びコンビを組むことを承諾される。やがてジュリアは、彼のじくじたる過去の恋のいきさつを知るのだが…。
ある夜、アメリアのもとに、長らく疎遠にしていた娘ベスから妊娠を告げる連絡が入る。だがその後、ベスは出産すると同時に亡くなってしまう。ベスの死に不審を抱いたアメリアは、代理出産で産んだ孫娘マティルダが、料理番組で人気のアレックスとグレース夫婦のもとにいる情報をつかむ。アメリアは夫婦の代理出産に関する情報をネットに流す一方で、窮地に陥ったグレースの前に現れ、マティルダの乳母として雇われることに成功。ほどなく、グレース夫婦が暮らす豪邸に住み込むことになる。数日後、アメリアは家政婦のソフィアからベスについての話を聞こうとしていた。しかしその夜、ソフィアは何者かに殺されてしまう。
俳優のキャスティングエージェント会社に勤めるティファニーは、挙式を目前に控えていた。しかし恋人のコリンにフラれて白紙状態に。さらに空いた式場の予約を仕事仲間でライバル関係にあるアンバーに横取りされたことで、プライドの高いティファニーは、式場にキャンセルはしないと言い放ってしまう。自分が結婚できないのに、アンバーだけが幸せな結婚をすることをどうしても許せないティファニー。コリンの顔を誰も知らないことをいいことに、しがない俳優をコリン代わりに起用。無名のニックをコリンに仕立てることに。しかしティファニーの性格をよく知り、日頃も意地悪をされていた腹いせとして、アンバーから仕返しをされてしまい…。
カップル専門のセラピーを行う人気カウンセラー、マルコム。人を惹きつける容姿とセレブリティな生活を送る彼には誰も知らない、誰にも知られてはいけないもう1つの顔があった。彼はセラピストの知識と直観力でセラピーに訪れたカップルの男性の浮気を見抜いては、“救世主”となって浮気を暴き、女性を救っていた。ある日、ザックという男を調査していたマルコムは、彼が愛人と一軒家に入っていくのを確認する。証拠撮影のためにその家に侵入したマルコムは、ザックと揉み合いになり彼を気絶させるが、その現場を愛人に目撃されてしまう。しかし、愛人は不法侵入した黒マスク姿のマルコムに怯えることなく、逆に彼を受け入れ誘惑するのだった。
“マディ”の愛称で親しまれるマデリン・スチュアート、当時18歳。炭酸飲料とチキンラップと目玉焼きが大好物で、とても明るく社交的な彼女は、ダウン症ながらも初のプロのファッションモデルとして、世界最大規模のNYファッションウィークで華麗に、そして誰よりも自信に満ち溢れながらランウェイをウォークしていた。その裏には、涙ぐましい母ロザンヌの献身的なサポートと、世界中を駆け巡る母娘の二人三脚の険しい道のりがあった。
売り上げが減少傾向にあるファッション誌“シー・マガジン”。同誌の美容コラムを担当する編集者のダーシーは、元カレでもある社長のブランドンから、例年は彼が担当してきた9月号の表紙を任される。それは15周年記念号にもあたる1年で最も大事な号とあり、ダーシーは気合十分。雑誌の命運を握る表紙の撮影を一流写真事務所のサイモンに依頼する。紹介されたのはニューヨーク・タイムズで次世代カメラマンとして注目されていたが、ある事情から故郷に戻っていて復職したばかりのネイトだった。しかしダーシーは、彼と独創的な表紙のアイデアをぶつけ合うもなかなか噛み合わずにいた。そんななか、婚約発表したブランドンに未練があると思われたくないダーシーは、ネイトを彼氏だとその場しのぎのウソをついてしまう。
スプリングフィールド45番街で複数の男女が殺害され、その生首が行方不明になるという事件が勃発。ピザの配達を装い、赤い車を駆る犯人は、次のターゲットとしてオリヴィアとチャックのカップルの住む部屋に侵入。オリヴィアを殺害しようとするが、彼女のとっさの機転で包丁に刺されて死亡する。2人は犯人の死体をバラバラにして密かに遺棄しようとするが、チャックが赤い車を動かしたことから警官の尋問を受け、やむなく警官を拉致して死体と同じ車のトランクに詰め込んでしまう。その後、知人のレックスに助けを乞うたチャックは、クラーク宛の小包をもらうよう指示されるのだが、これもまた理不尽な悪夢の連鎖の続きに過ぎなかった。
大学の同級生マイケル、ジョン、クリスチャン、レヴィの4人は卒業後に地元で働いていたが、毎日同じことを繰り返すばかりの生活にうんざりしていた。ある日、職場での待遇に不満が爆発したマイケルとジョンが仕事を辞めてしまう。思い描いていた順調な人生とは違う今の境遇に不満を募らせた4人は、人生をもっと楽しむために銀行強盗で大金を獲得する計画を立て始める。入念な準備の末、小さな銀行に押し入ったマイケルたちは警察の追跡を振り切り銀行強盗に成功。手にした大金に味をしめたマイケルたちは、さらなる大金を狙って大きな銀行に狙いをつけるが、クリスチャンのミスによって警官たちと銃撃戦になり、レヴィが撃たれてしまう。
廃工場で管理人を務めるラニは、息子の手術費用に困っていた。夫は弟夫婦に有り金すべてを貸し、土地の権利も渡そうとしていて口論となる。夫と喧嘩したままラニが工場に向かうと、怪しい4人の男がいた。椅子に座って写真を撮るだけで1000ルピー渡すと言われたラニは、息子の手術に必要な30万ルピーならやってもいいと答える。男たちは渋々受け入れ、ラニはトラックの荷台上に用意された椅子に座った。男たちが機械を操作すると、ラニは少し離れた場所で目を覚ます。立ち上がると、近くには自分に似た女性が歩いていた。そっと彼女を追うと、それは15分前の自分で、自身が椅子の上で突然消えてしまう光景を目撃。訳が分からず車に戻ると、夫は死亡していて…。
【つながれた少年】森の中に捨てられた、長いロープでつながれた少年ソロモン。ひとりぼっちになった彼には、3つのルールが課せられていた。1つ目は“狩りの獲物は必ず2つ、森の分と自分の分を狩ること”。2つ目は“心が折れて限界だと感じたら、大好きな歌を歌うこと”。そして最も大事な3つ目のルールは、“ロープを手放さないこと”。成長して青年となったソロモンは、森の中で自分以外の気配を感じ、ロープを長く伸ばし森の奥へと進むのだが…。【漂流】妻を殺した男は、遺体を小さなボートにくくりつけ、それごと海へと沈めてしまう。晴々とした気持ちで港へと帰ってきた男が振り返ると、乗って帰ってきたヨットの後ろに沈めたはずのボートが漂っていて…。
恋愛小説家のグレイスは、3部作小説3作目の締切が10日後に迫るなか、行き詰まっていた。次作がヒットしないとエージェントから契約解除すると告げられているが、いいアイデアが出ない。物語のモデルとなった元カレと恋に落ちた場所で書くことを勧められたグレイスは、LAから故郷の田舎町に帰省。母親からちょうど次の金曜日は5年に一度の“ブルームーン舞踏会”だと教えてもらう。翌日、グレイスは会場の古い館へ。そこで小説のアイデアを練っていると、旧友のヘザーから館を壊してショッピングモールの建設計画があると知らされる。さらには元カレのショーンとも再会。建築学博士号を取得し、歴史的価値を評価して館を守る仕事をしている彼に、グレイスは協力することになるのだが…。
1948年、『ニューヨーカー』誌上に発表した短編「くじ」が一大センセーションを巻き起こした後、新しい長編小説に取り組んでいたシャーリイ(エリザベス・モス)はスランプから抜け出せずにいた。小説の着想の元になったのは、ベニントン大学に通う18歳の少女ポーラ・ジーン・ウェルデンが突如として消息を絶った未解決の失踪事件。同じくベニントン大学教授である夫のスタンリー(マイケル・スタールバーグ)は、引きこもってばかりいるシャーリイを執筆へ向かわせようとするがうまくいかない。ある日、そんな二人のもとへ一組の夫妻が居候としてやってくる。文学部でスタンリーの助手として職を得たフレッド(ローガン・ラーマン)は、妻のローズ(オデッサ・ヤング)とともにバーモント州の学園都市へ移住を計画していた。新居が見つかるまでの間、無償で部屋と食事を提供する代わりに家事や妻の世話をしてほしい―ースタンリーに半ば強引に言いくるめられた夫妻はシャーリイとスタンリーと共同生活を送ることに。他人が家に上がり込むことを毛嫌いしていたシャーリイだったが、自分の悪態にも挫けずに世話を焼こうとするローズを通じて、次第に執筆のインスピレーションを得るようになる。一方、ローズはシャーリイのカリスマ性に魅入られ、いつしか二人の間には奇妙な絆が芽生えていく。しかし、この風変わりな家に深入りしてしまった若々しい夫妻は、やがて自分たちの愛の限界を試されることになるのだった……。