1953年3月5日。スターリンの死がソビエト全土に報じられた。モスクワ郊外で発見されたスターリンの国葬を捉えた大量のアーカイヴ・フィルムは、同時代の200名弱のカメラマンが撮影した、幻の未公開映画『偉大なる別れ』のフッテージだった。そのフィルムにはモスクワに安置された指導者の姿、周恩来など各国共産党と東側諸国の指導者の弔問、後の権力闘争の主役となるフルシチョフら政府首脳のスピーチ、そして国父の死を嘆き悲しむ幾千万人の人の顔が鮮明に記録されていた。人類史上最大級の国葬の記録により、スターリンが生涯をかけて実現した社会主義国家の真の姿を明らかにする。
1930年、モスクワ。8名の有識者が西側諸国と結託しクーデターを企てた疑いで裁判にかけられる。この「産業党裁判」はスターリンによる見せしめ裁判で、撮影された法廷はソヴィエト最初期の発声映画『13日(「産業党」事件)』となった。だが、これはドキュメンタリーではなく架空の物語である―発掘されたアーカイヴ・フィルムには無実の罪を着せられた被告人たちと、彼らを裁く権力側の大胆不敵な共演が記録されていた。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像が加えられ再構成されたアーカイヴ映画は、権力がいかに人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるか描き出す。
ベルリン郊外。真夏の陽光を背に吸い寄せられるように群衆が門を潜っていく。辺り構わずスマートフォンで記念撮影をする家族。誰かの消し忘れた携帯からはベートーヴェン交響曲第五番「運命」の着信音が鳴り響く。ここは第二次世界大戦中にホロコーストで多くのユダヤ人が虐殺された元強制収容所だ―――戦後75年、記憶を社会で共有し未来へ繋げる試みはツーリズムと化していた。私たちは自らの過去にどのように触れたらよいのだろうか。ドイツ人小説家・W.G.ゼーバルト著書「アウステルリッツ」より着想を得て製作した、ダーク・ツーリズムのオブザベーショナル映画。
地球の核が震えるような、不穏な【音】が頭の中で轟く―。とある明け方、その【音】に襲われて以来、ジェシカは不眠症を患うようになる。妹を見舞った病院で知り合った考古学者アグネスを訪ね、人骨の発掘現場を訪れたジェシカは、やがて小さな村に行きつく。川沿いで魚の鱗取りをしているエルナンという男に出会い、彼と記憶について語り合ううちに、ジェシカは今までにない感覚に襲われる。
ソヴィエトのとある秘密研究所では、年老いた天才科学者レフ・ランダウのもとで、科学者たちによる「超人」を作る奇妙な実験が行われている。だがキューバ危機の後、フルシチョフ時代を経て、スターリンが築き上げた強固な全体主義社会の理想は崩れはじめ、かつては徹底的に管理されていた人々の風紀は乱れ、腐敗していた。しかし、そんな堕落を上層部が許すはずもなく腐敗を正すために、KGBのウラジーミル・アジッポが派遣される。彼は所長に「昔なら黙って銃を渡したが幸い時代が違う。いますぐ辞表を書くがいい」と迫り、彼自身が新所長に就任する。こうして研究所を監視下に置いたアジッポは、次第に特別実験グループと呼ばれる被験者の若者たちと親しくなっていく……。
夫のウソが原因で離婚訴訟中のソプラノ歌手ジョーン。ある晩、彼女は家に戻ると、空き巣被害に遭い家中を荒らされていた。動揺するジョーンは、偶然手にした番犬貸し出し業のチラシに藁をも掴む思いで電話をかける。すると彼女の前に現れたのは、番犬デュークを連れた中年男ハリーだった。そんなハリーもまた、女たらしでカネにルーズな性格が災い、妻に愛想を尽かされ夫婦仲は冷めきっていたところだった。
さつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は、鈴の音に導かれるように、長い橋の下に広がる河原で出会った。恋に落ち、付き合うまでに時間はかからなかった。等には3つ下の弟・柊(佐藤緋美)がいて、柊にはゆみこという恋人(中原ナナ)がいた。初めて4人で会ったときから意気投合し、自然と一緒に過ごす時間が増えていく。食事をしたり、ゲームをしたり、ゆみこが気になっているという〈月影現象〉について「もしも現実に月影現象が起きたら、誰に一番会いたいか?」を語りあったり。何気ないけれど穏やかで幸せな日々が過ぎていくなかで、別れは前触れもなくやってきた。等とゆみこが死んだ──。深い哀しみに打ちひしがれるさつきと柊。愛する人を亡くした現実を受け止めきれず、ショックで食べることも忘れ、ひたすら走るさつき。そんなさつきを心配しながら、ゆみこの制服を着て何かを感じようとする柊。それぞれの方法で哀しみと向きあおうとしていた。ある日、2人は不思議な女性・麗(臼田あさ美)と出会い、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく。そして、以前みんなで語り合った〈月影現象〉に導かれていく。もう一度、会いたい、会いに来てほしい──。その現象とは、満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない、という不思議な現象だった……。
<壮大な3部作第一章> 環境破壊が止まらず、もはや地上は住めないほど汚染された。人類は地下開発を目指し、その労働力として人工生命体マリガンを創造する。ところが、自我に目覚めたマリガンが人類に反乱、地下を乗っ取ってしまう。それから1600年──遺伝子操作により永遠と言える命を得た人類は、その代償として生殖能力を失った。そんな人類に新種のウイルスが襲いかかり、人口の30%が失われる。絶滅の危機に瀕した人類は、独自に進化していたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に、生徒が激減したダンス講師の“主人公”が名乗りを上げる。地下へと潜入し、〈死〉と隣り合わせになることで命を実感した主人公は、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。今、広大な地下世界の迷宮で、クセ者ぞろいのマリガンとの奇想天外な冒険が始まる!
山梨県富士五湖周辺には、数多くの廃村がある。北に位置する“呻母村(うめくぼむら)”もその一つ。 [EP1]心霊系動画配信を生業にしている、おなりぃ(田中達也)は、心霊スポット巡りと称して呻母村に向かう。そこで村を守る祠から、祀ってあった“ひとがた”を盗む。その日から誰も彼を見ていない。 [EP2]同じ頃東京の霊媒師・皆川(三浦清光)にも、かつて訪れた呻母村の呪いが連鎖し始める。ある日皆川のもとに何者かから“ひとがた”が送られてくる。彼の能力では敵うはずもなかった。 [EP3]ダークツーリスト、ミフユ(瀬田佳奈子)は、山梨のとある事件があった場所をひとり取材していた。やがて森で迷う。そして彼女は、決して見てはいけないものを見てしまう。そこが呻母村とも知らずに…。全く関係性のない三人の運命が、その村に辿り着く。
ガミ(キム・ミニ)は、5年間の結婚生活で一度も離れたことのなかった夫の出張中に、ソウル郊外の3人の女友だちを訪ねる。バツイチで面倒見のいい先輩ヨンスン、気楽な独身生活を謳歌する先輩スヨン、そして偶然再会した旧友ウジン。行く先々で、「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉を執拗に繰り返すガミ。穏やかで親密な会話の中に隠された女たちの本心と、それをかき乱す男たちの出現を通して、ガミの中で少しずつ何かが変わり始めていく。
通勤電車の座席取りをめぐり「伝説の中間管理職」流星課長が今日も跳ぶ!2004年実写版「キューティーハニー」につながるような、庵野秀明のローテク特撮愛がつまった快作。
アメリカ・ニューヨーク。生まれた時から知らず知らずのうちにツキに恵まれていた27歳のフランク。ある日、質店で小切手を換金した際に、店主から「何か買え」と言われたフランクは、興味がなかった1ドルの宝くじを1枚購入。するとその後、なんと賞金額620万ドルの宝くじの最終候補50人に選ばれる。一方、フランクの父親はギャンブルに浸り金をスッてばかり。どうやらギャングに1万ドルもの借金をしていることが判明し、フランクは最終候補者になった夜、ある一大決心をする。
ある日、ジファンのもとに差出人不明の一通の手紙が届く。その封筒の中には“逢いたい”と一言だけ記された1枚の写真が入っていた。ジファンの中で懐かしい思い出が蘇る――。5年前の夏、ジファンはバイト先の喫茶店で親友同士の女の子スインとギョンヒと出会った。3人は友だちとして付き合い始め、かけがえのない日々を過ごすようになる。しかし、スインとギョンヒは突然ジファンの前から姿を消してしまったのだ…
YouTubeで恐怖動画を配信する人気チャンネル「ホラータイムズ」が一般からの参加者を募り、コンジアム精神病院への潜入を計画する。“402号室の呪い”など数多くの都市伝説を生んだこの心霊スポットの内部をくまなく探索し、その模様をライブ中継しようというのだ。「ホラータイムズ」の主宰者ハジュンを隊長とする7人の男女は、いくつものカメラやドローン、電磁検出器といった機材を現地に持ち込み、深夜0時に探索を開始。100万ページビューを目標に掲げるハジュンが仕掛けた用意周到な“演出”も功を奏し、サイトへのアクセス数は順調に伸びていく。しかし院長室、シャワー室と浴室、実験室、集団治療室を探索するうちに、ハジュンの想定を超えた原因不明の怪現象が続発。やがて悪夢の迷宮と化した病院内を泣き叫んで逃げまどうはめになった隊員たちは、世にもおぞましい“402号室の呪い”の真実に触れることに......。
過去のある男レッドは、愛する女性マンディと人里離れた場所で静かに暮していた。しかし、マンディに固執する狂気の集団によって、彼女は炎につつまれレッドの目の前で惨殺される。怒り狂ったレッドは、オリジナルの武器を携え復讐に向かう。しかし、彼の前には、得体のしれない姿をしたバイク軍団が立ちはだかった-。
浅草レビューのスター水木蘭子の舞台を見物に行った三文小説化小林紋三はその帰り道、奇妙な光景に遭遇します。子供の身体に大人の頭、“一寸法師”が切り落とされた女の生腕を運んでいたのです。そんな時、紋三は美しい人妻百合枝から、義理の娘が姿を消したので、明智小五郎を紹介して欲しいと頼まれます。ところが、明智の話では水木蘭子もまた失踪したというのです!こつ然と姿を消す美女たち。やがて次々と起こる猟奇事件。でも、それはまだ事件の発端にすぎませんでした・・・。
メキシコのとある村。フアンは愛らしい子供と美しい妻ナタリアとともに何不自由ない恵まれた生活を送っていた。ところが、ある夜、赤く発光する“それ”が彼の家を訪問したときから、なにげない平和な日常が歪みはじめる。ヒカリと闇が互いに戯れるがごとく交わる世界の断片は、1発の銃声によって新たな位相に導かれていく。フアンの家に現れた“それ”はいったい何だったのか?禍をもたらす「悪魔」なのか、それともどこかに彼らを導こうとする「神」だったのか…。
新宿駅前で街頭劇を行う唐十郎。青年が紀伊國屋書店に入っていき、万引きで女店員に捕まる。青年は鳥男、女店員はウメ子。一方、酒場で性談義をする大鳥組の俳優たち。新宿の不穏な熱気は混沌と幻想を呑み込んでいく。
田満洲男は、親戚の中でも特別な存在であった輝道の死を知らせる電報を受け取り、親戚の律子を伴い、子供の頃過ごした島に帰る。その帰途、満洲男の意識は自分と律子、そして輝道を含む桜田家の一族の数奇な歴史を遡行していく。桜田家は元内務官僚で、一度は戦犯とされながらも復権した当主、一臣の独裁の下にあり、満洲男たちにとって祖父に当たる彼が、何人もの女に生ませた異母兄弟とその子供たちによって、複雑な人間関係が織り成されていた。満洲男は血縁が入り乱れた親戚たちに囲まれて、生活を始める。やがて一臣の強権的支配下にある桜田家にも時代のうねりが押し寄せる……。
大島渚最後のATG映画。素直子は父の婚約者でピアノの家庭教師でもある桃子と本土復帰直前の沖縄にやってきた。数ヶ月前、素直子は大村鶴男と名乗る沖縄の青年から手紙をもらい、自分たちは兄妹かもしれないというので、鶴男を訪ねて沖縄にやってきたのだった。下船した素直子はさっそく観光客に沖縄語を教えて金を稼ぐ青年と知り合い、親しくなる。実は彼こそが鶴男なのだが、彼は庭先で見かけた桃子を素直子だと勘違いしているので、二人はお互いに気づかないまま、すれ違いを繰り返していく。一方、沖縄人に自分を殺してほしいと、その相手を探す老人がいる反面、本土の人間を殺したいと願い、相手を探す男がいる。三世代それぞれの者たちの思いは交錯し、沖縄の青い空に溶け込んでいく……。
明治中期の北関東。兵隊帰りの豊次は、人力車夫の儀三郎の妻せきと亭主の留守に関係を持つ。儀三郎の目を盗んで情交を重ねる二人は、邪魔になった儀三郎を殺害する。やがてせきは儀三郎の幽霊を見るようになる・・・・・・。
1942年、ジャワの日本軍俘虜収容所。まだ夜が明けきらない薄闇の中、日本軍軍曹ハラは英国軍中佐ロレンスを叩き起こす。朝鮮人軍属が白人俘虜を犯すという破廉恥な事件が起きたため、ハラが独断で処分する立会い人として、日本語を自由に操るロレンスが必要だったのだ。そこに収容所長のヨノイ大尉の気合が響く。隙を突いて朝鮮人軍属は銃剣を自らの腹に突き立てる。ジャカルタの軍事裁判で英国軍少佐セリアズが裁かれている。彼に熱い視線を送るヨノイ。茶番の処刑劇を経て、セリアズは収容所に移送される。そして、それがすべての厄災の始まりだった……。
背中に悔いを背負った男、安田松太郎。彼は傷ついた天使に出会い、旅に出る。しかし、社会はそれを誘拐と呼んだ。――主人公の安田松太郎は、高校の校長を定年退職した厳格な教育者。しかし、幸せな家庭を築けず、アルコール依存症だった妻を亡くし、一人娘から憎しみをかっている。人生に悔恨を背負ったそんな初老の男が、一人の天使に出会う。松太郎が引越したアパートの隣室に母親と二人で暮らしている5歳の少女。ボール紙で作った擦り切れた羽根をいつも背中につけた地上の天使は、母親に虐待され、誰にも心を開けなくなっていた。不幸な少女の名は、幸。松太郎はある日、幸を救い出し、一緒に旅に出る。行く先は、松太郎の遠い記憶のなかにある心のユートピア。青い空に白い雲がぽっかりと浮かび、大きな鳥が悠然と空を舞う、ある山の頂だった。しかし、幸の母親は娘が誘拐されたと、警察に届け出る。捜査の網の目は次第に彼らを追い詰めていく・・・。
情緒溢れる町並みが、どこか時代から取り残された感のある愛知県瀬戸市。人のウワサがあっという間に広がりそうな片田舎で、43歳の警察官・友川と、15歳の中学生・陽子が恋に落ちた。警官でありながら拳銃をぶっ放して遊び、淋しい主婦とヨロシクやってしまう破天荒なおっさんだったが、知的障害を持つ陽子の兄・助政や、一人暮らしの老婆トヨといった、社会から疎外された人々に優しい目を向ける。そんなおっさんの自由だが一本筋の通った生き方が、胸に小さな傷を抱えた少女の心に安らぎを与え、孤独という心の穴を埋めていく。だが、ある事件をきっかけに二人の関係が周囲に知られてしまうことに。現実を突きつきつけられたおっさんと少女の愛の形を美しい映像でアヴァンギャルドに綴った奥田流抒情詩。
「セーラー服と機関銃」「ションベンライダー」の異才・相米慎二監督の代表作。台風の接近に伴って、少年少女たちのやり場のない感情が高ぶってゆく様を、瑞々しく描き出す。東京近郊のある中学校、夜のプールではしゃぐ5人の女子中学生は、友達をからかい半分で溺死寸前まで追い込んでしまう。一見平凡に見える中学生たちが抱える行き場の無い不安定さは、台風で学校に閉じ込められたことによって、狂気へと走り出す。
無口で孤独な殺し屋・レオンの元に、家族を惨殺された少女マチルダが助けを求めてやってくる。奇妙な共同生活の中で、二人は徐々に心を通わせていくが・・・
「何事もつつみ隠さず、タブーをつくらず、できるだけすべてのことを分かち合う。それが私たち家族の決まり」高度経済成長期に造られたニュータウンも今や「ダンチ」と呼ばれる集合住宅にすぎなくなっていた。京橋家の人々は“家族間では秘密をつくらない”という自分たちでつくったルールを守ることもできず、それぞれ誰にも言えない秘密を持っていた――。娘のマナは、学校をサボタージュし「ディズカバリーセンター」を呼ばれる巨大ショッピングセンターで時間を過ごし、時には見知らぬ男性とラブホテルに向かう。弟のコウもまた、学校に行っていないようだし、父・貴史は浮気に忙しく、長年の恋人・飯塚にストーカーまがいに付きまとわれたり、新しい恋人ミーナの若さに振り回されている。妻・絵里子もベランダのガーデニングに丹精を込めつつも、内心、母・さと子とのこれまでの関係に悩み、また、自分がかつてひきこもりの少女であった事実をトラウマとして抱え、生きている。ルールを言い出した彼女ですら、「わたしには、家族にたったひとつだけ秘密がある」――。ふとしたきっかけから、ミーナがコウの家庭教師として京橋家に乗り込んできた!“存在するはずのないお互いの秘密が暴露されはじめて・・・・・・・。
自称米軍パイロット、父はカメハメハ大王の子孫、母はエリザベス女王の双子の妹。ジェット機を操り世界各地を転戦。こんな嘘八百の経歴と巧みな変装で女たちから推定1億円を騙し取った男がいた。稀代の結婚詐欺師・クヒオ大佐と彼を取り巻く3人の女たちの人間模様、そしてあり得ない恋の結末。騙すことが愛なのか?騙されることが愛なのか?
吉原遊郭「玉菊屋」に売られて来た8歳の少女、きよ葉。女だけの世界で自分も遊女になっていくのが怖いと逃亡を試みるが即座に捕まってしまう。店番の清次は咲かないと言われた吉原の桜が「もし咲いたら」ここを出してやるという。トップ花魁・粧ひの挑発に乗せられ吉原一の花魁になる決意を固めたきよ葉は花魁街道まっしぐらに人気遊女への道を駆け上がっていく。ところがある日、きよ葉は客の惣次郎と激しい恋に落ちる。偽りの愛を売る世界に身をおきながら、唯一、真実の愛を感じられる瞬間に酔いしれるきよ葉。しかし、きよ葉をねたむ花魁・高尾の策略によって惣次郎との仲を引き裂かれてしまう。18歳になったきよ葉は、凄まじい人気を呼んで、誰もが憧れる花魁の座を勝ち得る。やがて身請けを申し出た大名・倉之助の登場で、吉原を出ることに。その当日、咲かないと言われた“吉原の桜”に奇跡が!それを目にしたきよ葉と清次は・・・。
芸能界の頂点に君臨するトップスターりりこ。しかし、りりこには誰にも言えない秘密があった。彼女は全身整形。「目ん玉と爪と髪と耳とアソコ」以外は全部つくりもの。整形手術の後遺症がりりこの身体を蝕み始め、美容クリニックの隠された犯罪を追う者たちの影がちらつく。さらには、結婚を狙っていた御曹司が別の女と婚約。生まれついての美しさでりりこの座を脅かす後輩モデルの登場。究極の美の崩壊と、頂点から転落する恐怖に追い詰められ、現実と悪夢の狭間をさまようりりこ。疾走の果てに、世の中を騒然とさせる事件へと繋がっていく・・・。
遂に一つになれた美貴(あいださくら)と秀一。今までの苦労を取り返すかのように、お互いを求め合うのだった。一方、美貴と秀一を羨む若葉(西野翔)、夏樹(夏川亜咲)、静(浅乃ハルミ)、あずみ(成瀬心美)は毎晩、秀一の部屋で飲み会を行うのだった。そんなある日、ふとしたことで夏樹が秀一と関係をしてしまう。運が悪いことにそれを美貴に見つかってしまい、美貴と秀一の関係は最悪に・・・。落ち込む秀一に優しく接するあずみ。そんなあずみも次第に秀一に引かれていく・・・。美貴、若葉たちの間に揺れる秀一・・・そしてついに半同棲生活が崩壊の危機に・・・。
彼女の美貴(あいださくら)と同じ大学に通う為、美貴の母親(倖田李梨)が経営するアパートに越してきた秀一。しかしそこは、某一流企業の社長秘書・若葉(西野翔)、国際線CA・夏樹(夏川亜咲)、女医・静(浅乃ハルミ)、女教師・あずみ(成瀬心美)たち美女だらけの楽園だった!?若葉たちは毎夜、秀一の部屋に押しかけ宴会三昧。美貴との半同棲生活を夢見ていたが、ままならない状況。しかも、秀一のモノが大きすぎて、美貴とのHもお預け状態。はたして若葉たちの誘惑に打ち勝ち、美貴と初Hをすることができるのか・・・。
同級生のほのか(朝日奈あかり)に思いを寄せつつも、ほのかの後輩・彩(恵けい)と付き合っている佐倉圭太。ある日圭太は、ほのかが男と仲良く歩く姿を見てしまい、ほのかへの思いを断ち切ろうとする。実は男は大学のミスコンの実行委員で、ほのかにミスコン出場を勧めていたのだが、ほのかは自分の代わりに彩を推薦する。ほのか、圭太、そして彩の三人の想いが交錯する中、彩はミスコンで優勝。喜びを共有し、誤解の解けた圭太とほのかは、ついに互いの気持ちを確かめあうが・・・。
さえない大学生の佐倉圭太。彼女もいないままにすごしていた彼が、同級生の美女・栗宮ほのか(朝日奈あかり)と運命的な出逢いを果たす。ほのかに想いを伝えられないまま、ひょんなことから後輩の穂波彩(恵けい)と付き合うことになる。しかも彩はほのかの後輩だったのだ!ほのかを想いながらも彩に振り回される圭太。友達の結婚式のために上京してきた従姉・純(星野あかり)の悪巧みもあり、ほのかに想いを告げようとするが、逆にほのかに彩を頼まれる始末・・・。果たして3人の恋の行方は!?
さえないサラリーマンの黄味島忠。偶然から上司の佳那と付き合うことになる。だが、会社では相変わらず佳那にしかられてばかり。家に帰ってからはうって変わって佳那に甘えられる日々だった。そんなある日、黄味島の連絡ミスから佳那の大事な取引先から契約を打ち切られてしまう。ひたすら謝る黄味島だが、佳那は「上司と部下でしかない」と切り捨ててしまう。黄味島はミスを挽回しようと頑張るが・・・。佳那は新任課長の黒崎との間に揺れる。黄味島も同僚の桃山さんやランパブの紫苑との間に揺れ動く・・・。すれ違う黄味島と佳那の気持ち。ついに二人は大喧嘩をしてしまうが・・・。
就職浪人のためフリーターをしている黄味島。ある日、引越しのアルバイト中に訪れた先の美女・佳那(原紗央莉)とふとしたことから一夜の関係を持ってしまう。その数日後、就職試験を受けたイズノスポーツの面接会場に佳那は面接官としていたのだった!黄味島は戸惑いながらも試験に臨む。なんとか、イズノスポーツの社員となった黄味島。同僚で大学の後輩・桃山(桜木凛)や同じ途中入社の茶谷らに囲まれ社会人としての一歩を踏み出す。そして上司はあの引越しの夜の佳那だった。偶然の出遭いに運命を感じるもなかなか切り出せない黄味島。茶谷と遊びに行ったランパブ嬢の紫苑(かすみりさ)とも酔った勢いから関係を持ってしまう。翌朝、紫苑の部屋を出てびっくり・・・。なんとお隣は先日引越しをした佳那の部屋だった。
OLの山内しおりは、前の住人らしき“三浦玲子”宛の手紙がマンションのポストに入っていることに気付く。好奇心から手紙を開けてみると、そこには「君に会いたい、愛している。」と書かれていた。後日届いた手紙には「今日、久しぶりに会いに行きます。」と書いてあり、恐ろしくなったしおりはインターネットで“三浦玲子”を検索する。すると、三浦玲子は1年半前に起こった未解決ストーカー殺人事件の被害者だった・・・。
パリのホテルにこもって最新作を執筆中の小説家と、作家志望の若き愛人。ローマ滞在中のイタリア嫌いのアメリカ人と、娘を奪われて人を信用できない女。ニューヨークのホテルで客室係として働きながら、現代アーティストの元夫から息子を取り戻そうとする元女優。一見、何の接点もないようなエピソードが、クライマックスに向けて衝撃的なかたちで交差していく。3つの物語が一つに重なるとき、思いも寄らない真実が浮かび上がり、ラブストーリーを超える愛と絆が観る者の胸を締め付ける。
26歳のペトリは、彼女にフラれたことをきっかけに、モノで溢れた自分の部屋には幸せがないと感じ、自分の持ちモノ全てをリセットする”実験”を決意する。ルールは4つ。「1:持ちモノ全てを倉庫に預ける。2:1日に1個だけ持って来る。3:1年間、続ける。4:1年間、何も買わない。」毎日、モノを1つ選ぶたびに、自分自身と向き合うペトリ。「人生で大切なものは何か?」、究極の”シンプルライフ”から見えてくる。
70歳の安吉は、妻に先立たれ、40歳になる嫁ぎ遅れの長女・徳子と暮らしている。長男、次女は家を捨てたも同然で別居しており、躁鬱病の徳子だけが父の世話をしている。徳子は自分が婚期を逃したのも病気になったのも父のせいと言ってはばからない・・・。
夏休みが明けた頃、東京から新潟の山あいの高校に転校してきた宮沢真理(石橋杏奈)。都会で育った真理は、昔のままの木造校舎や雄大な自然の風景がとても新鮮で、安らぎを感じていた。ある日、見馴れない制服を着た美しい少女、岡部梨絵(竹富聖花)と出会う。神秘的な目でじっと真理を見つめる梨絵は、「帰ってきたの?」と言い、不意に口づけをする。呆然と立ち尽くす真理。気がつくと梨絵はその場から消えていた。それから真理と梨絵は不思議な交流を重ねていく。 やがて真理は、豊かな自然や友人、町の人々に囲まれて、傷ついた心を癒していくが・・・。
東京での結婚式を目前に控えたみゆき(田中美里)は、交通事故でケガをした婚約者の母親のため、震災の傷あとが残る能登へ向かう。都会と異なる田舎の生活、厳しい姑・松子(泉ピン子)の態度に戸惑うみゆきは、東京に帰ろうかと悩む。しかし、地震で被災しながらも懸命に生きる人々の姿に心を打たれた彼女は、あることを思いつき・・・。
一徳は事業に失敗し、生きることに絶望して東京をさまよっていた。古びた零戦模型を見つめていた下町のおもちゃ屋で不思議な少女と出会い、一徳の運命が動き始める。一徳は詐欺まがいのリフォームの仕事を得て福島にたどり着く。健人は原発事故で避難を余儀なくされた高校生。不思議な少女・凛は両親が離婚し、父のふるさとである福島へやって来た。福島で再会を果たした一徳に凛はこう告げる。「一徳は前世私たちの息子だった、そして健人は父、私は母だった。今、私たちを呼んでいる人がいる・・・そのために生まれ変わってここに集まった」彼らをずっと待っていたのは、戦争以来ひとりぼっちで生きてきた妹・百合子だった。
若き日に自らの手で父親を惨殺、Boca do Lixo(ゴミ溜め)と呼ばれる腐敗した裏町に生きることを決意した男、イロイト。凶暴と堕落が共存する危険な世界で、ストリップバーを経営し、ドラッグ商売に手を染め、遂には警察とも手を組んで裏社会のボスまでのし上がっていく。40回以上もの逮捕暦にも関わらず、その力によって自由と成功を謳歌していた彼だったが、いつしか薬物依存症となり、彼の地位は音を立てて崩れ落ちていくのだった・・・。
東京の暴力団組員ヒロはある任務を命じられる。それは、便器の形をしたヘロインをばれることなく無事NYに運ぶこと。が、NYで彼はご当地ギャング同士の抗争に巻き込まれることに。その最中、ヒロは特殊部隊出身のギャング、マルコと出逢う。ひょんなことから、二人はその便器の真の価値を知ることに。値段にして数百億。ただし、日本の特殊な処方を使って、それを元のピュアなヘロインに戻せれば、の話。強靭な肉体を持つマルコ。空手の達人ヒロ。反発しながらもタッグを組み、命を狙ってくる数多くの追手たちと戦いながら、必死に処方箋を持つ人物を探す彼らだったが、互いに最大の弱点があった。マルコはヤク中、ヒロは女好き…。果たして、この奇妙な二人組は一獲千金の野望を成し遂げることができるのか?
米・ロス郊外に暮らすラクラン・マクアルドニックは、グリーンカードを持つスコットランド人。かつては人気UKバンド“CRANKS”のメンバーとしてスポットライトを浴びていた彼だが、現在は、昼は農場でオーガニック栽培した農作物を市場で売る農夫として、夜は往年のバンド曲を紹介する人気ポッドキャスト番組のDJとして、貧しくも穏やかな生活を営んでいた。ある夜、バーを出て家路に向かった彼は飲酒運転で連行される。取り調べが進む中、彼が昔犯したドラッグ歴が判明する。釈放金も弁護費用も払えないラクランは、遂には永住権の剥奪・祖国への強制送還の危機にまで追い込まれてしまう。米国に残るため、彼に残された選択肢はただひとつ。米国居住権保持者で、ラクランの身元を立証し代理人となってくれる近しい人物が必要だった。彼は、かつてのマネージャーや元妻、娘と再会するのだが・・・。
大学生になったエマは、大学寮での新生活を始める。彼女はひとつ秘密を抱えていた。幻影と幻聴。統合失調症と診断され薬が手放せないのだ。賑やかなキャンパスライフに心躍るエマだったが、ここでも自分を呼ぶ声に悩まされる。日ごとにその声は形を帯びていき、恐怖感に苛まれ続ける彼女は次第に一部の同級生から好奇と嫌悪の目で見られるようになる。だが、優しい仲間も得て、彼女は自分の病気と向き合おうと決意するのだった。ある夜、キャンパス内で封鎖されている病院跡から彼女を呼ぶ声を聴いたエマが建物に近づくと、ひとりの警備員から「決して近づくな」と強く警告される。警備員が去った後、興味本位で友人らと施設内に侵入したエマは暗闇に一人迷い込んでしまう。その間、友人たちは施設内焼却所に陳列されていた壺を誤って割ってしまい、舞い散る灰を吸い込んでしまう。その夜以降、彼らはコントロールできない何かに支配されていく。また、エマを呼ぶ声も明確さを増していく。遂に殺人事件が発生。実は、友人たちが吸い込んだ灰は、その施設内で人体実験の対象とされて焼き殺された精神病患者の遺灰だった。ヤツの狂気に操られ、彼らは次第に恐ろしい事態を引き起こしていく・・・。
1975年大晦日。レンゾ・ウェズが経営するクラブでは、盛大なパーティーが行われていた。影からその様子を伺う女性刑事ウォマックと相棒のデュプレ刑事。レンゾの裏の顔は、この地域一帯を支配する凶暴マフィアの首領(ドン)であった。過去に最愛のパートナーだったウィリアム刑事をレンゾ一味に惨殺された過去を持つウォマックは、レンゾのしっぽを掴むために決定的な証拠を追い続けていた。が、レンゾ一味のやりかたは巧妙かつ狡猾で、法的に逮捕する事がなかなか出来ない。ジレンマと憎しみとで苛立つウォマックは刑事という立場から次第に逸脱した行動をとるようになる。法に忠実であろうとするデュプレ刑事は彼女を制しようとするが、自分の婚約者があろうことかレンゾの姉であることを知り、愕然とする。一方、不動の地位を得たはずのレンゾは、次第に仲間でさえも次々と手にかけていくようになる。耐え兼ねた部下たちの心は離れていく。はたして、レンゾが向かう先にあるものとは―。
遥か昔、地上の争いに嫌気がさし、空に移り住んだ人たちがいた。彼らはそこを「ソラ」と呼び、この星とともに悠久の時を過ごしている。そんな安らぎに生きる彼らの中にも地上に興味を持つ者がいるらしい。今回もまたひとり、地上に天使が舞い降りて来た。彼女の名はレイカ。しかし、彼女は任務として嫌々やって来たまで。彼女の目的は、地上で行方不明になったもうひとりの天使ルナを見つけ、ソラに連れて帰ること。一方天野マコトは普通の女子高校生。文化祭に向けて自主映画を撮ろうとしているが、いったい何を撮るべきか思いつかない。そんな折、文才があるという転校生がマコトの前に現れる。彼女の名はレイカ。レイカに自主映画の脚本を頼もうとするマコト。そんなマコトに向かって、自分はあなたをソラに連れて帰るためにやってきた天使だと告げるレイカ。はたしてレイカは無事ルナをソラに連れて帰る事ができるのか?
可憐な独り暮らしを営む老女アン。ショッピングモールで泣いていた少女アリスに声をかけたことがきっかけで、アリスは度々アンのアパートを訪れるようになる。実はアリスは婦人の厚意を利用していたのだが、10代少女特有の魅力にひかれたアンは彼女に母のような愛情を持ち、彼女の自慢でもある美しい蝶の標本が並ぶ「蝶の部屋」を見せるのだった。だが、アリスが別の婦人とも同様の関係を築いていることを知ってショックを受けた時、アンの心に長年封じてきたある感情が再び芽生え始める。そしてアリスの身に不幸が襲いかかる。
ブラジルの亜熱帯地帯、マングローブに囲まれたエスピリトサント。まるで文明から切り離されたようなこの極貧の村に暮らす住民たちは、泥沼から貝類を捕獲してなんとか生計を立てていた。が、徐々に水質汚染の波が押し寄せ、漁業が壊滅状態に追い込まれてしまう。生活苦にあえぐ村人たち。感染は人体にも影響を及ぼし、村人の皮膚はただれ、膨れ上がっていく。悪夢はそれだけではなかった。悪臭漂う泥沼の中から突如、恐ろしい容貌のゾンビが襲いかかってきたのだ。次々と感染、増殖していくゾンビたち。一人、また一人と無残に殺されていく村人…。臆病だった男ルイスは恋人を守るため、小さな手斧とライフルを手に、ゾンビと対決する。はたして、カオスと化したこの湿地帯で、二人は無事生き延びることができるのだろうか…。
かつては黒社会ともつながっていたチョンとその妻が経営する香港のゲストハウスには、子持ちの売春婦スージー、怪しげな商売を営むトニー、うさんくさいヤクザのコンジャイなど曲者揃いの面子が滞在している。ある日、一人の日本人女性がやってくる。名は澪(しらたひさこ)。音信不通となった双子の姉・浅を探しにやって来たのであった。映画スターを夢見て一年前にここにやってきた浅だったが、突然行方知れずとなっていた。彼女と瓜ふたつの澪を見間違えた住人たちの表情には、驚きというよりも戦慄が浮かんでいた・・・。
年上の男との包み込むような穏やかな愛の生活―年下の男との激しい愛欲―どちらも私を満たし、そして心を乱す・・・だって、愛してるの。 妻子ある年上の作家・慎吾と、長年一緒に暮らしている知子。慎吾は妻のいる家と知子の家を週にきっちり半々、行ったり来たりしている。妻と別れて欲しいと考えたこともなく、知子はこの平穏な生活に、自分が満足していると思っていた。しかしある日、木下涼太が訪ねてきて、知子の生活は微妙に狂い始める。涼太は昔、知子が結婚していた頃、どうしようなく恋に落ち、夫と子供を捨て駆け落ちをした男だった。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太と再び関係を持ってしまう。そして涼太の知子を求める情熱はやがて、知子が心の底に仕舞い込み、自分自身も気づいていなかった本当の気持ちを揺さぶり起こしていく。
ぐっすりと眠る恋人コーディに寄り添ったアートは、彼女が意識を失っていることに気づく。病院に運び込まれたコーディは過剰な薬物の服用により昏睡状態だった。恋人コーディを救うためアートは顔なじみのハーベイに会い、彼が以前見つけた「タイムマシン」に乗り込む。半信半疑のアートだったが、試しに「コーディが病気になる前へ」と唱えてみる。すると次の瞬間、彼はある学校の体育館にいた。そしてそこにはなんと元気なコーディの姿があった。タイムトリップに成功した彼は現在のコーディを救うべく、過去のコーディとの接触を試みるが・・・。
オリンピック誘致の候補地として挙げられ、それに伴い撤去される方向で検討が進められていた大阪・通天閣。起死回生をねらい経営陣が倉庫から取り出したのはかつての人気者・ビリケン像。像と共に眠りから覚めた神様が東奔西走してもたらすご利益が評判となり、かつての勢いを取り戻した通天閣だったが、些細なことから肝心の神様は通天閣から追い出されて一転流浪の身に。超能力を失った神様は小学生・清太郎や心優しい学童保育の月乃先生と出会い、ビリケン像のもとに戻ろうとするが・・・。
1951年ベトナム、サイゴン。浪費家の家長の家に雇われ、田舎から奉公にやってきたムイは10歳の少女。家には働き者で優しい母と3人の甘やかされた息子たち、孫娘を亡くしてから引きこもっている祖母がいた。ムイは、年老いた先輩奉公人のそばで働きながら、料理と掃除を習い一家の雑事を懸命にこなしていく。ある晩、家長が一家の蓄えを持って消えてしまい、家族は苦境に陥る。そしてムイは、長男が連れてきた友人クェンに出会い、淡い恋心を抱くようになる・・・。10年後、美しく成長したムイは、音楽家になったクェンの家に奉公に出る。恋人がいながら、クェンはムイの献身的愛情と花に対する嗜好に気付きはじめて・・・。
レイは今夜もまた颯爽と渋谷のネオン街に消えていく。SMクラブへ御出勤だ。レイのお客はオジサンが多い。みんな、レイにぶたれ、いじめ倒されるのを夢見て此処にやってくる。ボンテージ姿の女王様レイはオジサンたちにとって天使だ。彼女は昼間は小さな劇団の役者の顔を持つ。夜の女王様を演じることは、昼の役者の勉強にも役立つのだ。ホテトル嬢として働くアユミは、年齢よりも若く見えることを売り物に、客からお金を取り、心の中で舌を出す。結婚資金の為に、せっせと貯金をしている。目下、医者のタマゴと同棲中だ。浪人中の彼と今日も日がなセックスしながらパズルをする。このふたりが出会い、意気投合し、無軌道にもみえる生活が描かれる間合いに、“なんとなくだけども面白い”ふたりの青春が浮かびあがる・・・。
私、忘れない。私、あきらめない。私、もう待てない。落合妙子(黒木瞳)は、新潟のデザインスクールを卒業後、母の勧める縁談を嫌い上京、高校時代の友人白石由美(萬田久子)の勤める設計事務所に入社した。妙子はそこで親切にしてくれるインテリアデザイナーの水上康夫(古尾谷雅人)に一目惚れするが、康夫は由美のフィアンセだった。だが、妙子の康夫への一途な想いは日を追って激しくなるばかり、康夫と由美が結婚してしまっても、まだ諦めることが出来ない。ここで引き下がってしまっては、あまりに虚しすぎる。惨めすぎる。やがて、妙子の康夫への“略奪の愛”の計略が開始される―。
幕末の動乱期、京都に新撰組さえ恐れる若き薩摩の侍がいた。彼の名は中村半次郎。人並み外れた度胸の良さと剣の腕で西郷隆盛に重用され、志士たちからは慕われ、脱藩覚悟で公家の暗殺を目論んでいた薩摩の永山弥一郎や、敵対していたが理解のある長州の鮎川小次郎と肝胆相照らす仲となる。やがて幕府との間で戊辰戦争が起こり、半次郎は永山らと数々の武勲をたて明治新政府の陸軍少将まで上りつめるも元勲たちの腐敗ぶりに憤慨し、大久保利通との権力闘争で敗れた西郷と共に故郷・薩摩へと下野する。その頃、近代化を急ぐ新政府による不平士族の弾圧に薩摩の不満は頂点に達していた。半次郎は不利を承知で西郷を擁して反政府の旗を掲げる決意をし、五十年ぶりの雪が桜島を覆った日、一万三千の薩摩軍を率いて東上した・・・。
夜ふかしのあなたにゾクッとする話を― 家電メーカーのコールセンターに勤めるひかりは、製品には関係なく罵詈雑言を浴びせるような酷いクレーマーにも、ひたすら謝り続けるような地味で真面目な社員。しかし上司との不倫という秘密を抱えていた。その日も後輩に頼まれ、頻繁に電話してくる中年女性、宮脇和世からのクレーム対応に疲れ果てて帰宅すると、ふと隣の部屋の表札が“宮脇和世”である事に気付く・・・。