テレクラでアルバイトをしながら飄々と今を生きる女、トーコ。ある時、メジャーデビュー寸前の人気バンドのギターヴォーカル、よっくんと出会う。背伸びをしない自然体なトーコの魅力にハマっていくよっくんだが、いざ大事な話をしようとすると、トーコはハミングではぐらかす。奥底に、つかみどころのないトーコが存在する。子どもの頃に傷ついた心。人を信じられない心。小さな闇を持つトーコに翻弄されるよっくんとその仲間たちを描いた、青春群像劇。
コンビニのアルバイト店員・志村イトは、失踪した幼馴染みを追って幼少期に住んでいた都営団地へと向かう。そこの老朽化したエレベーターに乗り、この世界とよく似ているが全く違う異世界=パラレルワールドへ降り立つ。そこで彼女は現実の世界から消えてしまった人々と再会するのだが――
竹中時雄(48)は脚本家を生業としているが、仕事への情熱を失い、妻のまどか(47)との関係も冷え切り、漠然と日皮を過ごしていた。ある日、時雄の作品の大ファンで脚本家を志しているという横山芳美(21)が仕事部屋に押しかけ、弟子にしてくれてと懇願する。時雄は芳美の熱心さに根負けする形で師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするなかで芳美の物書きとしてのセンスを感じるとともに、彼女に対し、恋愛感情を覚え、公私共に充実した時間を得るようになる。だが、そんな日閃もつかの間、芳美の彼氏で同じく脚本家を目指しているという田中秀夫(20)が上京してくるというのだ。嫉妬心と焦燥感に駆られ、強く反対する時雄だったが・・。
出会いと別れが交錯する命の現場で紡がれる「わたしたち」の物語――舞台は九州・熊本の看護師養成機関。幼い頃に母親を病気で亡くした学生、木津川あかねは、大学を中退した幸助、元居酒屋店員の俊夫、シングルマザーの玲子ら様々な事情を抱えた仲間と学内演習に励んでいた。そしてついに迎えた病院での実習。古村という患者の担当となり、病状の深刻さに戸惑いながらも交流を深めていくあかねだったが、その矢先、あかねの些細なひと言が原因で、古村が心を閉ざしてしまう……。それまで日々の実習や実習記録の提出に追われ、看護とは何かを見失っていたあかね。だが古村の葛藤に触れ、大切なのは、患者の本当の苦しみに寄り添うことだと気づいた彼女は、古村の願いを叶えようとする――。
脳腫瘍で余命半年と宣告された元殺し屋のレクイエム。だが、仲間のジョニーには真実を告げず、これまで通り借金の取り立てで日銭を稼ぐ生活を続けようとしていた。一方、ロンドン市内の瀟洒な家に妻と12歳の娘エルシーと暮らす株式ブローカーのジェームズは、ヨーロッパ最大のヘロイン商人で“公爵”と呼ばれる男から借金をしたことから窮地に陥っていた。人身売買にも手を染める公爵はエルシーに目をつけ、男女3人のチンピラにジェームズを襲わせ、エルシーを拉致しようとしていた。そこに偶然、借金の取り立てに現れたレクイエムだったが、エルシーを救わなくてはならないと使命に駆られる。公爵とは関わるなと釘を刺されるが、レクイエムはエルシーを守り抜こうと暴走していく。
23年前にロシアへ出稼ぎに行ったまま行方がわからなくなっていたザールクが、キルギスの村に帰ってきた。家族や村人たちは記憶と言葉を失った彼の姿に動揺するが、そこにザールクの妻であるウムスナイの姿はなかった。周囲の心配をよそに、ザールクは村にあふれるゴミを黙々と片付ける。そんなザールクに、村の権力者による圧力や、近代化の波にのまれていく故郷の姿が否応なく迫る。
急速な西洋化と経済発展が進む1990年代前半の台北。企業を経営するモーリーは、自分の会社の経営状況も、婚約者アキンとの仲も上手くいかずにいる。モーリーの会社で働く親友チチは、モーリーの仕事ぶりに振り回され、恋人ミンとはケンカが絶えない。そんなモーリーとチチの2人を中心に、同級生・恋人・同僚など10人の男女が2日半という時間の中で織りなす人間模様を描き、心に空虚感を抱える彼らが自らの求めるものを見いだしていく姿を映し出す。※デジタルレストア版となります。
埼玉県川越市を舞台に、一人暮らしの老職人とクラブシンガーを名乗る謎の女性との交流を映し出すヒューマンドラマ。ある日、アンティーク照明の修理店を営む藤吾のもとに、20年前に行方をくらました藤吾の息子・耕輔の子をお腹に宿しているという洋子が現れ……。
東京郊外で倉庫作業で働きながらただ漠然と日々を過ごす真司。唯一の趣味は本を読むことでよくノートに自分の気持ちを書いている。そんな真司だが過去に一度だけ原田茉耶という女性と付き合っていた。彼女とはうまくいっていたのだがある日突然別れ話を真司の方から切り出してしまう。真司は茉耶に言えない過去をもっていた。児童養護施設で育った真司はその時の経験で強烈な劣等感を感じていた。別れ話の数日後二人は台北に来ていた。事前に予約していた台北旅行。茉耶は複雑な気持ちだったが真司に半ば強引に説得され行くことにした。楽しさと悲しみが入り混じった旅行をする二人。茉耶は不意に涙し「だって私ずっと一人なんだもん」と気持ちを吐露してしまう...
日光二社一寺への参道入口にある実在の人気カフェ「本宮カフェ」を舞台に、カフェを経営する大場嘉門とその家族を中心に、町の人々や日光を訪れる人々など、人と人が織りなすヒューマンコメディ。嘉門の名前は、父の大場馨が「大バカがおる」と若い頃にからかわれたのだが町を変えるのは「大馬鹿もんだ」という深い意味に感動して息子に嘉門と名付けたのだった。そこへ現れる謎の女性――。「日の光る処の輪の中にそれはある」、嘉門はその女性が残した謎の言葉の意味を探して回る。輪王寺門跡(宝田明)はそれを見守る。
日光二社一寺(日光東照宮・日光山輪王寺・日光二荒山神社)への参道入口にある「本宮カフェ」。オーナーの大場嘉門(スネオヘアー)は、娘やスタッフにカフェを任せて趣味の写真を撮りに毎日フラフラと出掛けている。そんな中、アルバイト店員の遠藤奈々(万登香)は仕事が終わると、ベランダ席でギターを弾きながら歌の練習をしている。ミュージシャンになる夢を抱く彼女は、地方から出てきたが、なぜか東京へ行かずに日光に居つき、カフェのバイトが休みの日は路上で弾き語りをしたりしている。そんな彼女をカフェの仲間や常連客たちも応援し、奈々もひたむきに音楽を続けているが……。
「お母さん絶対だよ?絶対に迎えに来てね」児童養護施設に預けられる幼い姉の松平香(西尾まう)と弟の松平勇人(勇翔BOYS AND MEN)はすぐに母親が迎えに来ると思っていたが、母が迎えに来ることはなかった。年齢で養護施設を退園した香と勇人は、二人で母親を探しながら社会の片隅で懸命に生きていた。ある日、育った養護施設の廃園が決まり、閉園式の手紙が二人の手元に届いた。閉園式でかつての仲間、佐藤良太(辻本達規BOYS AND MEN)、渡辺洋介(本田剛文BOYS AND MEN)、西川光(平松賢人BOYS AND MEN)と再会する。プロのダンサーを目指して施設の庭で夜、ダンスの練習をしていた5人だったが、生きていくためにいつの間にか夢を追いかけるのをやめていた。しかし、光だけはインディーズのダンスグループで夢を追いかけていた。ダンスグループ「SOMEDAYS」に初めてのオファーが入り、自分たちのように喜んだ香たちだったが、そのグループは仲間割れで解散してしまっていた。「だったら俺たちが一緒にやってやるよ!」良太の一言で即席の「SOMEDAYS」が(再)結成された。
事故で視力を失った西村芳則(木村知貴)は、小さな港町で、ときに伯母(内田春菊)に面倒を見てもらいながら生活している。かつて同じ通りの家から一緒に通学していた同級生の大畑(高見こころ)は、東京で役者をしながら、理想と現実の狭間で憂鬱なときを過ごしていた。ある日、西村は大畑と偶然再会する。町にはゆっくりと陽が落ち、そこで暮らす人々はそれぞれの帰路に着く。窮屈で、美しい、その町を眺める二人は、その景色にそれぞれの記憶と想像を重ねる。
1989年、冬。中学教師・甘利田幸男は、北の地に降り立った。隠し持った真の目的はアレを味わう事。だが赴任から一年以上経つもアレが献立に登場する事は無い。相変わらず給食のために学校へ行き、食のライバル粒来ケンと毎日密かにしのぎを削っている。一方、新米教師の比留川愛はそんな甘利田に憧れを抱き、近くにいたいと願っていた。そんな頃、忍川中学が給食完食のモデル校に選定される。忍川町では町長選挙を前にして、政治利用に使われようとしていたのだ!不穏な空気を察知した甘利田は、おいしい給食を守るために立ち上がる!そんな中、アレとの頂上決戦の幕が上がろうとしていた。
シングルマザーのアルマに育てられるクレメンとピーターは親友のように仲の良い兄弟。無口なクレメンにとって、兄のピーターは世界の半分以上を占めるほどに大きな存在だ。しかし、クレメンを包んでいた優しい日常は、兄ピーターの初めての恋人、華麗なソニアの登場によって急激な変容を遂げてゆく。彼女にベタ惚れするピーターの眼中には、もはやクレメンの姿はない。生まれて初めていだく感情の渦に叩き落とされ、追い詰められたクレメンは、やがてある計画を実行に移そうとする…
腕ききのネオン職人だった夫ビルが亡くなった。古き佳き時代のガラス管のネオンを愛した夫。妻メイヒョンは後悔していた。かつてSARSが香港を襲ったとき、夫にネオンの仕事を廃業させたことを。ある日メイヒョンは、「ビルのネオン工房」と書かれた鍵を見つける。もう10年前に廃業したはずなのに。昔の工房へ行ってみると、そこには見知らぬ青年がいた。名前はレオ、夫の弟子だという。ビルの死を伝え、工房を閉めると告げるメイヒョン。レオは、師匠にはやり残したネオンがある、それを完成させるまでやろうと説得する。メイヒョンは、夫がやり残したネオンを探しだし、完成させることを決意する。ネオン作りの修行を始めるメイヒョン。一方、ひとり娘からは、香港を離れて海外へ移住すると打ち明けられる。はたして夫の最後のネオンの行方は?
銭湯の女主人・かなえは、夫・悟が突然失踪し途方に暮れる。なんとか銭湯を再開すると、堀と名乗る謎の男が「働きたい」とやってきて、住み込みで働くことになり、二人の不思議な共同生活が始まる。一方、友人・菅野に紹介された胡散臭い探偵・山崎と悟の行方を探すことになったかなえは、夫の知られざる事実を次々と知ることに。悟、堀、そして、かなえ自身も心の底に沈めていた想いが、徐々に浮かび上がってくる-。
急逝したガブリエルの死を悲しむ父ホルヘ。最愛の息子の死に納得できない彼は、ガブリエルのSNSを調べ、通話履歴からセバスチアンという男とのビデオ通話を試みる。息子との関係を尋ねるホルヘに、セバスチアンは元恋人だと告げる。息子がゲイだという衝撃の事実に動揺した彼は、ガブリエルの死を知り悲しむセバスチアンを激しく罵倒してしまう。2週間後、セバスチアンに言われた言葉が気になり眠れなくなったホルヘは、息子の本当の姿を知るべく、ボリビアを離れニューヨークのセバスチアンの家を訪れる。アポイントもなしにセバスチアンの家を訪れたホルヘは、再び激しい口調で詰問するが、興奮のあまりその場で昏倒してしまう。
舞台はメキシコ・オアハカ州の小さな村。アニマス・トルハーノ(三船敏郎)は貧しい農夫。働き者の女房(C・ドミンゲス)に45人の子供の世話と畑を任せっきり、自分は酒と博打の日々を送る。年に一度の村祭りを取り仕切るマヨルドーモに選ばれるのがこの男の宿願だが、それには、財力はもちろん人望だって欠かせない。アニマスは金を得ようとするが、神頼みがモットーで、女房の残した銀貨を片手に小博打にうつつを抜かす酒びたりの怠け者には、とうてい運は廻ってこなかった。女房の哀願に耳を貸し、珍しく製酒工場で働くアニマスだったが、工場主の息子が自分の娘に手を付けたのを見て、たちまち鍬を持ち出して大立ち回り。町の留置場に送られる。そこでも出獄する受刑者が磁石を拝んでいたら運が向いてきたというのに騙され、磁石と自分の毛布を交換。今まで拝んでいたマリア像を引き吊り降ろして、磁石を拝むアニマスであった。一方、アニマス一家はけなげに働いて金を稼ぐ。しかしその金も、出所したアニマスが持っていってしまう。たまに金を掴むことがあっても、その金は博打か、娼婦カテリーナに巻き上げられるかであった。遂に悪魔に魂を売ったと宣言して、怪しげな黒魔術の儀式を始めるアニマスだったが、結果は飼っていた鶏を騙し取られただけであった。女房の苦労は絶えない。アニマスの娘がつくった赤子を引き取りにやってきた工場主が、慰謝料を受け取れと言ってきた。一生かかっても拝めない大金である。その金でマヨルドーモになろうとするアニマス。司祭は肩書によってアニマスが成長するかどうか変化を見たいと、彼をマヨルドーモに選ぶ。祭りの日、着飾ったアニマス一家が誇らしく町を歩く。しかし金持ちに孫を売りつけて、マヨルドーモになったと人々は彼を嘲笑するのだった。ショックを受けるアニマス。そしてアニマスの金目当てに再び近づいてきたカテリーナをアニマスの女房が刺してしまう。アニマスはようやく自分の愚かさに気づいて、女房の代わりに警察に自首するのだった。
1981年、アイルランドの田舎町。大家族の中でひとり静かに暮らす9歳の少女コットは、赤ちゃんが生まれるまでの夏休みを遠い親戚夫婦のキンセラ家のもとで過ごすことに。寡黙なコットを優しく迎え入れるアイリンに髪を梳かしてもらったり、口下手で不器用ながら妻・アイリンを気遣うショーンと子牛の世話を手伝ったり、2人の温かな愛情をたっぷりと受け、一つひとつの生活を丁寧に過ごしていくうち、はじめは戸惑っていたコットの心境にも変化が訪れる。緑豊かな農場での暮らしに、今まで経験したことのなかった生きる喜びに包まれ、自分の居場所を見出すコット。いつしか本当の家族のようにかけがえのない時間を3人で重ねていく―。
ぼくはNYで透明人間になった…幸せを掴むために祖国ペルーを捨て、ニューヨークの片隅で不法に暮らすデュラン一家。母ラファエラはウェイトレスをしながら二人の息子を女手一つで育て、息子のポールとティトも語学学校に通う傍ら、配達員をしながら家計を支えていた。不法滞在者である彼らにとって現実はあまりにも厳しく、お金の問題に加えて見つかれば国外追放されてしまうという恐怖が常に付きまとっている。市民権もなく何の力もない自分たちを「透明人間」と呼び、息をひそめて生きていた。二人はある日学校で、神秘的な魅力を放つ美女・クリスティンと出会い、恋に落ちる。しかしクリスティンはコールガールという一面を隠し持っていた。一方、母ラファエラは、ウェイトレスの生活に疲れ果てた時、客の白人男性に声をかけられる。恋なんて葬り去っていたラファエラだが、安定を約束するという口車にはまってしまい、自分たちのアパートを提供して男と一緒にチキンフード店を開業する。それぞれが恋に落ち、辟易していた毎日に<希望>を見出したかのように思えたのだが…。NYという大都会で出会う人々の欲望と心の闇が次々と露になり、母子3人は最も恐れていた事態に直面し、引き裂かれてしまう。仕事を抱えながら息子たちを必死に探すラファエラ。果たして、母子3人は再会することができるのか?
バーチャリー・ユー社のCEOニールは、将来起こり得ることを科学的に示唆することのできる最新技術のプレゼンに躍起になっている。しかし、そんな彼の懐には拳銃が…。時は1年前に遡る。彼には2人の娘がいた。長女モニカは明るく社交的だが、大学生の次女マヤは繊細で内向的。そんなマヤが自殺したのだ。悲しみに打ちひしがれながら、ニールは妻のルーパやモニカに自殺の理由を問い詰めるが、全く見当がつかないでいた。しかし家政婦のディディによって、前年のクリスマスにマヤが帰省した際、とても悲しそうにしていたことを知る。思い立ったニールはマヤの大学へ赴き、ルームメイトらに聞き込みを開始するのだが…。
「本当に幸せになっていいのか……」13歳の時に友達の犯行で妹を亡くした新聞記者の月野木薫。結婚式も控え、友人・岡田の子供たちの世話を手伝い、幸せな日々へ期待を抱く一方、亡き妹に対する後ろめたい気持ちが募る。そんなある日、中学校の屋上から女子生徒が転落死する事件が発生。薫が突き止めた加害少女は、岡田の娘・茜だった。そして、転落し亡くなった少女と家族同然の付き合いだった香川晃は、薫の妹を殺害した過去を持つ元加害少年だった。少年期とは逆の立場でその悲しみを知ることになった薫と晃。運命に引き戻された二人は、26年ぶりに再会することに……
あるスーパーのATMで、現金を引き下ろした起業家に渡されたハートマーク入りの1ドル紙幣。その紙幣は起業家から酒店へ。そこへカネに困った男トムが強盗に入ったものの、慣れぬ言動を店主に見透かされ、1ドル紙幣とともに退散するよう諭される。トムには余命1ヵ月を宣告された病気の妻がいた。職を失い、医療費の支払いに苦悩していた末の強盗だったが、その後、警察に捕まってしまう。トムが手にしていた1ドル紙幣は担当刑事の手に渡り、彼は家に持ち帰ってしまう。その刑事の家には、ティーンの娘の友達が数名遊びに来ていた。そのうちの1人、手癖の悪いアンジーが帰り際に、その1ドル紙幣をくすねてしまう。さらにその1ドル紙幣は様々な人のもとを通り過ぎ、思いも寄らぬ人のもとへと渡る。
険しい山岳地帯160キロを走破するという過酷なウルトラマラソンに、医者のジムが参加登録した。事務局には彼の妻から「とても完走できる精神状態ではない」と連絡があったものの、ジムは半ば強引に出場し、走り出す。走りながら彼は、自分が担当している少女の患者ロビンのことを回想していく。難病に苦しむロビンは、ジムのことを頼りすぎるくらいに信頼していた。ジムもまたそんな彼女と真摯に対峙し続け、多くの秘密や悩みを打ち明けてもらえる間柄にもなっていた。しかし病魔は確実に彼女の体を蝕んでいく。走り続けるジムの耳に、いつしかロビンの声が聞こえてくるようになっていた。さらには彼女の姿が見えるようにもなり…。
1959年春、イタリア・エミリア=ロマーニャ州ピアチェンツァ。詩人で劇作家また蟻の生態研究者でもあるアルド・ブライバンティ(ルイジ・ロ・カーショ)は、芸術サークルを主催し、そこには多くの若者が集っていた。ある日、兄に連れられエットレ(レオナルド・マルテーゼ)という若者がやってくる。アルドが探していたクロナガアリをエットレが持ってきたことで、二人は初めて言葉を交わす。エットレにはデザインや絵画の道に進みたいという夢があるが、母親の希望で医学を学んでいることを知ったアルドは、「親に従う必要はない 産んでくれただけで十分だ」と諭す。博識で気さくに話しをしてくれるアルドにエットレは心惹かれ、芸術サークルに通うように。だが兄からは「あそこへは二度と行くな」「いずれお前も苦しむ」と理不尽な忠告を受けるのだった。
家族のしがらみから逃げてきたフリーター・辰巳ユリ、複雑な過去を背負い、女性に貢がせて生計を立てている中条紘、日雇の肉体労働で日々を過ごし、女性に対して愛情表現が不器用な石田鉄平、過去の事こそ話さないが「コーポ」の一角の部屋で怪しげな商売を営む初老の宮地友三。彼らは大阪の下町にある安アパート「コーポ」に住んでいる。ある日、コーポで暮らす同じ住人の山口が首を吊って死んでいるのを宮地が見つける。似た境遇で暮らす人間の死を目の当たりにして、ユリたちはそれぞれの人生を思い返し――。
ラジオ番組にエッセイを投稿するタクシー運転手、守島輝。一年前に亡くなった妻の生き写しと出会うことをきっかけに、彼は再び愛を欲し、夢を乱したー
レコード契約を夢見る若手シンガーソングライターのフィンは、高校卒業後にホスピタル・クラウンのアルバイトに採用され、赤鼻をつけてフライトキャップ姿で“パイロット・ピート”と名乗り、自身の歌とギター演奏で入院中の子どもたちを楽しませようと奮闘。やがて9歳の末期患者ソフィアの個別セラピーを担当し始めるが、リンパ性白血病で手術を控えた彼女は心を閉ざし、初日は背を向けられてしまう。だが、歌声を生かして次第に交流を深め、趣味の絵画も再開したソフィアに笑顔を取り戻させることに成功。だが、自身の音楽活動はというと、まったくもって軌道に乗らず、親には進学を勧められる始末だった。そんななか、突如としてフィンは、有名音楽プロデューサーのオーディションを受けるチャンスを得る。
斜陽の一途にあるピンク映画業界。栩谷は監督だが、もう5年も映画を撮れていない。梅雨のある日、栩谷は大家から、とあるアパートの住人への立ち退き交渉を頼まれる。その男・伊関は、かつてシナリオを書いていた。映画を夢見たふたりの男の人生は、ある女優との奇縁によって交錯していく。
コロナ「禍」が徐々に現実のものとなり、まだ非常事態宣言が出されていなかったころ。壮年の舞台俳優の大谷は、同じ劇団に所属する草野・良太を伴って川原へと稽古に来ていた。「密」を避けて練習ができるのがそういったところしかないからだ。いつもと違う勝手にとまどう三人の会話はどこか滑稽ではあるが、内心これからへの不安と焦燥が隠し切れない。「果たして自分たちは役者であることを続けられるのか─」
バカンスのため家族で別荘を訪れたマウラと幼い2人の娘たち。しかし、あとから来るはずの夫ダンカンから、仕事が長引き合流できないとの連絡が入る。ピアニストとして全米ツアーのオーディションを控えるマウラにとって、今回のバカンスは大事な練習期間となるはずだった。やがてオーディションに参加できなくなった不満と、娘の世話の狭間でストレスを溜め込んだマウラに、双極性障害の兆候が表れ始める。そして躁状態となったマウラが目を離した隙に、娘の1人ボニーが骨折する大ケガを負ったことで、今度はうつ状態に陥ってしまう。その状況を知り、急遽別荘に駆けつけたダンカンに、安全を確保するためとの名目でマウラは娘たちから引き離され、離婚を突きつけられてしまう。
将来有望な競泳選手だったマットは、ある日突然、自殺を図る。誰もがショックを受け、遺された家族は悲劇の中からなんとか立ち上がろうとしていた。母親のサンディは大麻に手を出し、精神的な苦痛を和らげながらも次男ティムとのコミュニケーションを図ろうと尽力していた。しかし、自慢の息子マットの喪失から抜け出せない夫ベンは、誰も座らないマットの席のテーブルにも食事を用意することを主張、それに異を唱える家族に声を荒げる。さらにはサンディに内緒で仕事を休職、マットのことを想い公園で1日を過ごす有様だった。時が経ち家族の傷が癒えたかに思えた頃、サンディは18年間隠し続けていた家族の秘密をティムに告げる。
第二次世界大戦が終結し、ニュルンベルグ裁判が始まってまもない頃、米軍のスティーブ・アーノルド少佐はベルリン・フィルの名指揮者で元プロイセン枢密顧問官でもあったヴィルヘルム・フルトヴェングラーを、“腐ったドイツの象徴”として糾弾すべく、彼とナチスとの関係を調査するよう命令される。しかし楽団員などの証言では、彼は反ナチでヒトラーの面前での敬礼を拒否したこともあったという。さらにフルトヴェングラー本人も、多くのユダヤ人を国外へ逃したとして、ナチスの文化政策の責任は自分にはないと審問の際に言い張った。しかしイギリスが入手した極秘文書や第2バイオリン奏者の証言などから、彼の裏の顔が徐々に露わになっていく。
2歳の男の子ジョニーと車で旅するサラ。その数日間が断片的に時間を行き来しながら綴られる。ある2日目。サラはカバンに着替えを詰め込み、ジョニーを連れて車で家を出る。ルート66を走り続けたサラは、とあるモーテルに辿り着く。ある1日目。サラはジョニーと買い物に出かけたり家で遊んだりして過ごすが、時折寂しげな表情を見せる。ある3日目。旅を再開したサラは占い師を訪ねる。ある1日目。サラは旧友たちと夕食を囲む。その夜、サラはベッドに横たわりながら少女のホームビデオ映像を見ていた。ある3日目。荒涼とした街道で車が故障、サラは通りがかった年配男性の家に避難させてもらう。夕食後、サラは男の身の上話を聞き、彼女もジョニーについて語り始める。
2014年7月。ロシア国境近くにあるウクライナ東部ドネツク州グラボベ村。妊娠中の妻のイルカと夫のトリクは小さな家に住んでいた。突然、夫婦の住む家が爆破され、家の壁に大きな穴が出来てしまう。子供の誕生を心待ちにしていた彼らの穏やかな生活は一変。果てしなく続く「広大な大地」。その中にある「壊れた小さな家」。壁にあいた大きな穴から死の影が見え隠れする中、夫婦は徐々に親ロシア派と反ロシア派の対立に巻き込まれていくのだった。
第二次世界大戦時に記された祖父の日記を辿って、ソラは不可思議な宝の探索を始める。その頃、無言で後ろ歩みをするホームレス男が、彼女の住む街へと迷い込む。もしかしたら彼は、ソラと彼女の父親との凍結された関係を溶かす触媒となり得るのかもしれない。
女優を目指しながら、東京のバーでホステスとして働く30歳の主人公。恋人に裏切られて夢も崩壊した彼女は、5年間連絡をしていなかった実家へと帰省する。恋心を持っていた旧友との再会も果たすが、同時に受け止めたくない過去や事実が彼女の前に立ちはだかる。
高齢の男性たちの間で「死ぬほど上手」と評判の60代の売春婦ソヨン。そんな彼女はある日、生きる気力を失った常連客からある依頼を受けるのだった。
30歳を目前に控えたイジョンと母のスギョンは、ふたりで団地に同居している。若くしてシングルマザーとなったスギョンは幼い頃から娘に辛く当たり、そんな母に対してイジョンも長年積み重なった恨みを隠しきれずにいた。ある日、買い物に訪れたスーパーの駐車場で二人はいつものようにケンカになり、車から飛び出したイジョンを母スギョンが轢き飛ばしてしまう。スギョンは「車が突然発進した」と警察に説明するが、イジョンは故意の事故だと疑わず、母を相手に裁判を起こす。そんななかイジョンは、会社に新しく入社した同僚スヒの気遣いに触れ、彼女に癒しを求めるようになる。一方スギョンも、恋人ジョンヨルとの再婚の話が進んでいた。ようやくふたりはそれぞれの人生を歩むかに思えたがーー。
オレゴン州のポートランドにあるバーレスクハウス。そこでは様々な女たちが在籍していた。1人目はダニエル。サウスダコタ出身の彼女は、ヒッチハイクをしながら旅していたが、道中に出会ったレイニーに誘われバーレスクハウスで働き始める。やがてレイニーと恋仲になり、幸せな日々を送っていたが、思わぬ裏切りに遭う。2人目は、薬物依存症から立ち直ったばかりのサラ。彼女はポートランドに暮らす親友アンジーの家を間借りしながらバーレスクとして働いていた。ところがある夜、アンジーがひき逃げで亡くなり、情緒不安定になってしまう。3人目のエバは、黒人に対して若干の差別感情を持っていたが、ある日公園で黒人の少女に助けを求められたことで、意識の変化が生まれた。そして4人目のカイルは、気味の悪い男にストーカーされ続ける日々で…。
台風が吹き荒れるある日の夜、遺書を残し離島の絶壁から身を投げた少女。休職を経て復帰した刑事ヒョンスは、少女の失踪を自殺として事務処理するため島に向かう。少女の保護を担当した元刑事、連絡が途絶えた少女の家族、少女を最後に目撃した聾唖の女、彼らを通じて少女がとある犯罪事件の重要参考人だった事実を知ったヒョンスは、たった一人孤独で苦悩していた少女の在りし日に胸を痛める。捜査を進めていくにつれ、自身の境遇と似ている少女の人生に感情移入するようになった彼女は次第に捜査に深入りして行く…。
1995年、同性愛が違法でなくなってから2年後のアイルランド。同性愛者への差別や偏見が根強く残る田舎町で、自身がゲイであることを受け入れられない高校生・エディと、レズビアンであることを隠しているクラスメイトのアンバー。家族や同級生にセクシュアリティを悟られないように平穏に卒業を迎えるため、2人は“ニセモノの恋人”を演じることに!性格も趣味も全く違う2人だったが、ぶつかり合いながらも、悩みや夢、秘密を打ち明けるうちに、唯一ありのままの自分をさらけ出せる、かけがえのない存在になっていく。しかし、一緒に訪れた都会・ダブリンで、運命的な出会いによって新たな世界に触れた2人は、“理想的”だったこの関係にも終わりが近づいていることに気づいてしまい…。
白髪の美しく高貴な上品さを漂わせる女性・白石弥生(黒木瞳)が香水店で2つの香水を見せながら常連客を相手に語っている「世の中には似て非なるものがたくさんある」。一方、華やかなセレブ達が集まっているバンケットホールで派遣社員として奮闘する若林恵麻(桜井日奈子)。高卒の恵麻は、いつか正社員になって、一流の仕事を与えられることを目標に頑張っていたが、後輩の見習い女性への上司のセクハラ行為を抗議したことで職を失ってしまう。自暴自棄になった恵麻は、夜の街のスカウトマンに連れられ「魔女さん」と呼ばれる弥生の店に足を訪れ、その店を手伝うことになった。ある日、金木犀の香り漂う男性・横山蓮(平岡祐太)と巡りあう。弥生に授けられた言葉と香りによって自分の人生を切り開くのは自分自身だと気づかされ、天職を探し求めるように香料会社で働き始める恵麻。すっかり香りの世界に魅了されていく恵麻は、営業先で蓮と再会することに―。魔女の香水『Parfum de prières(パッファンドプリエール)』の力に後押しされるように懸命に未来を切り開いていく恵麻の運命は、果たしてどんな風に変わっていくのだろうか?!
1968年メキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクサー・森岡栄治(武田真治)。その後プロに転向したが、1975年網膜剥離によって引退を余儀なくされる。妻・和江(紺野まひる)との間に治子(藤本七海)と和則をもうけていたが、仕事も続かず、和江がスナックで働いて生活を支えていた。ダメな父親の姿しか知らないの治子は、バレエのレッスンを心のよりどころにしていた。栄治は用心棒をした縁で、ヤクザの親分が世話してくれたボクシングジムの会長をつとめることになる。しかし栄治の兄・忠利(山崎邦正)が金の無心に来たり、和江が店の客に送ってもらうのを目にした栄治が相手を殴ったりと、生活は良くならない。そんな日々に嫌気がさした和江は、子供たちを置いて家出してしまう。その数日後、治子が拾ってきた猫のハシゾウが死ぬ。そのとき治子は、初めて栄治の涙を見る。それから栄治の愛人になったホステスの裕子(広末涼子)が、一緒に暮らし始める。借金まみれだった忠利から株券を預かった栄治は、偽造有価証券発行、詐欺未遂の容疑者として逮捕される。証拠不十分で釈放されるが、父や裕子と子供たちの間には、微妙な変化が訪れる。昭和天皇の崩御した日に治子の祖父も他界し、時代は昭和から平成へ移り変わる。栄治は和則と共にジムでボクサーを育て、日本チャンピオンを輩出。治子は子供のころからの夢だったバレエ教室の先生になった。そんなある日、治子の元に、栄治がガンであるという知らせが入る……。
サンドラ(レア・セドゥ)は、夫を亡くした後、通訳の仕事に就きながら8歳の娘リン(カミーユ・ルバン・マルタン)を育てるシングルマザー。仕事の合間を縫って、病を患う年老いた父ゲオルグ(パスカル・グレゴリー)の見舞いも欠かさない。しかし、かつて教師だった父の記憶は無情にも徐々に失われ、自分のことさえも分からなくなっていく。彼女と家族は、父の世話に日々奮闘するが、愛する父の変わりゆく姿を目の当たりにし、サンドラは無力感を覚えていくのだった。そんな中、偶然、かつて友人だったクレマン(メルヴィル・プポー)と再会。知的で優しいクレマンと過ごすうち、二人は自然と恋に落ちていくが……。
舞台俳優・西潤一はミュージシャンの神崎優衣と路上パフォーマンスを通じて出会う。お互いの過去や秘密を語り惹かれ合うふたり。順調な表現活動も束の間、しばらくして西は自らの記憶力が低下していることに気が付く。そしてあるすれ違いをきっかけに、西は優衣の前から姿を消す。優衣は彼の行方を求め続けていくなかで、西のことを知るという”記憶代理人
中年になり自分が不治の病であることを知ったドンは、長年疎遠になっていた兄・チュンを日本・柳川への旅に誘う。柳川は北京語で「リウチュアン」と読み、2人が青春時代に愛した女性「柳川(リウ・チュアン)」と同じだった。20年ほど前、チュンの恋人だったチュアンは、ある日突然、姿を消してしまったが、今は柳川で暮らしているという。誰にも理由を告げずに消えた彼女の存在は、兄弟の中で解けない謎になっていた。ドンとチュンは、柳川でついにチュアンと再会するが…。
韓国で古本屋を営むジェムンは、店の常連である不思議な少女ソダムの誘いで福岡を訪れることに。そこには、大学時代1人の女性を愛したことから仲たがいしたままの親友ヘヒョがいた。20年ぶりに再開する二人の中年男に一人の少女が加わり、福岡の路地をそぞろ歩き会話を重ねる。そのうちに、三人は現実と夢のあわいのような、不思議な体験へと誘われていく。
鳴かず飛ばずのアマチュア詩人のユンヨン(パク・ヘイル)は、先輩の元妻ソンヒョン(ムン・ソリ)とあいまいな関係を続けている。ある日、2人は思い付きで、ユンヨンの母の生まれ故郷である小さな港町・群山へ旅に出ることにする。群山で彼らが泊まった民泊の主人(チョン・ジニョン)は、日本の福岡で生まれ育った韓国人で、今は自閉症の娘(パク・ソダム)と暮らしている。彼らは親子に好奇心をそそられ、やがてソンヒョンは主人に、ユンヨンは娘に惹かれていく…。旅から戻ったユンヨンは、保守的な父親、中国朝鮮族のメイド、美しい薬剤師に出会う。彼らと触れ合ううちに、デジャヴの感覚を経験するユンヨン。彼にとって群山の町は、旅の目的地であると同時に、新しい旅の始まりでもあったのだ。
高校生である息子ギテが死んだ。息子の死に納得がいかなかった父親は、息子の机に保管されていたクラスメイトのトンユンとヒジュンとともに映った写真を発見する。学校を訪ねた父親だったが、二人のうち一人は転校し、もう一人はギテの葬儀に参列していなかったことに違和感を覚える。ギテの死に二人が関わっているのではと考えた父親は、ギテと一番仲の良かったトンユンの転校先を探し始めるが――。
ソウル市内で小さな写真館を営む青年ジョンウォンは、難病を抱え余命わずかを宣告されていた。そんなある日、交通警官のタリムが写真の現像を頼みにやって来たことから、ふたりは毎日顔を合わせるようになり他愛もない話をしては一緒に過ごす時間を楽しんでいた。次第に惹かれ合うふたりだったが、思いを伝えられないままジヨンウォンは入院してしまい――。
生まれは大阪。名は哲矢(森田哲矢)。職業お笑い芸人。大阪での単独ライブの合間に立ち寄った店は古着好き、アメカジ好きにとって夢のような場所だった。物欲で悶絶する哲矢。ふと手にした極上レアなスウェットをきっかけに店員のナナ(花梨)と急接近!?そこにナナの叔父である六(ロク:光石研)がやってきて哲矢と古着を奪い合い、果てはナナを挟んで珍妙なつばぜり合いまで!古着と恋、そしてお笑い。芸人・哲矢はそれぞれにどんな恋文を送ったのだろうか。
遠山雄大(片岡千之助)は、地味で友達も少なく、学校生活もパッとしない高1男子。ある日、学校をサボっていたところ、酔っ払った洋食店の主人・桑原猛(的場浩司)にぶつかり、足を怪我させてしまう。雄大は買い出しなどを手伝うため洋食店に通いだし、隣人の千鶴(筒井真理子)は二人の様子に興味津々。やがて高校の「うどん部」が現れるが、彼らはやたらと一生懸命で…。ちょっぴりメンドウな人々が、うどんをこねたり、理屈をこねたり。荘厳な富士山の麓で繰り広げられる、アツくてメンドウな青春物語です。
★女子ボクシング映画に登場したニューヒロインは、崖っぷちのシングルマザー!娘と二人で、慎ましくも静かに暮らす真名美は、ある日家庭裁判所に呼び出された。女子ボクシングに打ち込む真名美たちの経済状況が悪く貧困状態にあり、娘を義母が育てるべきだという行政の判断に押され気味だ。そんな中、正義感の強い真名美は職場で理不尽な目に遭っている同僚を庇ったことで失業してしまい窮地に陥る。だが、周囲の支えにより新たに老人介護施設での仕事を得るが、そこである事故を起こしてしまい、娘と一緒にいられない状況になってしまう。娘を取り戻すためには、ボクシングの試合に勝ってファイトマネーを得て、生活を立て直すしかない。最強のチャンピオンへの挑戦―。もう真名美には試合に勝って奇跡を起こすしかなかったが。。。
クリスマスまで間もない時期。何をやってもツイてないアメリカ人のケインは、母親の家系の英国船長の資産を相続する権利があることを知らされ、イギリスのコーピングウェル村へ赴くことに。資産とは、古い教会とその土地。管理する村民で強欲な老人スリーに、資産の売却を持ちかけられ、一時はそれに承諾しようとしたケインだったが、不思議な少年ディギティと出会ったことを機に、売却の話を先送りにする。一方、村では年に2回、教会で祭りが催される伝統があることから、村民たちはスリーとは別に教会を守るために資産を買いたいとケインに相談していた。しかし教会の地下に宝が隠されていることを知ったスリーの悪手により、ケインは調印を余儀なくされるのだが…。
ジャックは妻のカーラと結婚して12年。子宝にも恵まれ幸せに暮らしていた。そんな彼は隠れゲイだったが、セラピストに指摘されても認めず、バイセクシュアルと言われるのを毛嫌いし、夫であり父親でいたいと考え完璧に隠してきた。そんなある日、ゲイバーでピートという男性と運命的な出会いを果たしたジャックは、その日のうちに彼の家に行き、深い仲になっていく。一方のピートは、男に裏切られ傷つくのを恐れるかのように、真剣なつき合いができず別の男とも肉体関係を持っていた。そんなことも知らず、妻にバレぬよう様々な口実を作り、デートを重ねていくジャックは、ピートにどっぷりと溺れて行く。
19歳の女子大学生カーラが実家を離れて住むようになり、まもなくして連絡が途絶えてしまった。心配する両親は愛娘の友人や知人らとコンタクトを取ってみるが、まったく行方がわからない。やむなく警察に通報し、捜索に訪れたブライトビル刑事に娘について聞かれた母マリー。カーラは有能な陸上選手として活躍、しかし数年前に自身が乳ガンを患ったことで、娘に学業と看病の両立をさせてしまい、いつしかオリンピックの夢を諦めていたことを切々と語っていた。そんな事情を聞きながらブライトビル刑事は、失踪当日のカーラを目撃していたことに気づく。だが、そのことを両親に告げず捜査を続けていた。そして失踪から5日目。ついにカーラの居所を突き止めるのだが…。
大学卒業後、大阪・堺市で銀行マンとして働く山田良一(平岡祐太)にある日、故郷の金沢でれんこん農家を営む母から「父親が脳梗塞で倒れた」と電話が入る。父・竹市(綿引勝彦)が倒れたことにより、畑を引き継ぐか売却か二択を迫られる良一。結婚を考えている恋人、凛(大久保麻梨子)のこともあり、なかなか決断できない。戸惑いながらも父に代わって畑へと向かう良一の姿に、不安と苛立ちを募らせる凜。一方、農林水産省かられんこん農家の視察として神野恵子(栗山千明)が金沢へとやって来るのだった。