山あいの小さな村。唯一の医師として人々から慕われていたひとりの医師が失踪した。警察がやってきて捜査が始まるが、驚いたことに村人は、自分たちが唯一の医者として慕ってきたその男について、はっきりした素性を何一つ知らなかった。やがて経歴はおろか出身地さえ曖昧なその医師、伊野の不可解な行動が浮かびあがってくる――。
第二次世界大戦終了後、元東海軍司令官・岡田資中将は、名古屋空襲時における一般民衆への無差別爆撃を実行した米軍搭乗員処刑の罪に問われ、B級戦犯として裁判にかけられた。岡田中将の弁護人であるフェザーストンと相対するバーネット検察官、裁判長のラップ大佐をはじめ、裁判を行うのは戦勝国アメリカ。そんな中、岡田中将は、自己の信念を曲げることなく、すべての責任は指示を下した自分にあると主張。法廷闘争を法における戦い「法戦」と呼び、飽くまで戦い抜こうと立ち向かう。部下を守り全責任を負う覚悟を見せる岡田中将の潔い姿は、次第に、敵国の検事や裁判官をはじめ法廷内にいるすべての人を魅了し心動かしていく・・・・・・。
1968年メキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクサー・森岡栄治(武田真治)。その後プロに転向したが、1975年網膜剥離によって引退を余儀なくされる。妻・和江(紺野まひる)との間に治子(藤本七海)と和則をもうけていたが、仕事も続かず、和江がスナックで働いて生活を支えていた。ダメな父親の姿しか知らないの治子は、バレエのレッスンを心のよりどころにしていた。栄治は用心棒をした縁で、ヤクザの親分が世話してくれたボクシングジムの会長をつとめることになる。しかし栄治の兄・忠利(山崎邦正)が金の無心に来たり、和江が店の客に送ってもらうのを目にした栄治が相手を殴ったりと、生活は良くならない。そんな日々に嫌気がさした和江は、子供たちを置いて家出してしまう。その数日後、治子が拾ってきた猫のハシゾウが死ぬ。そのとき治子は、初めて栄治の涙を見る。それから栄治の愛人になったホステスの裕子(広末涼子)が、一緒に暮らし始める。借金まみれだった忠利から株券を預かった栄治は、偽造有価証券発行、詐欺未遂の容疑者として逮捕される。証拠不十分で釈放されるが、父や裕子と子供たちの間には、微妙な変化が訪れる。昭和天皇の崩御した日に治子の祖父も他界し、時代は昭和から平成へ移り変わる。栄治は和則と共にジムでボクサーを育て、日本チャンピオンを輩出。治子は子供のころからの夢だったバレエ教室の先生になった。そんなある日、治子の元に、栄治がガンであるという知らせが入る……。
大河・長江の景勝の地、三峡。舞台はそのほとり、二千年の歴史を持ちながら、ダム建設によって伝統や文化も、記憶や時間も水没していく運命にある古都。16年前に別れた妻子に再会するため、山西省からやってきた炭鉱夫サンミンと、2年間音信不通の夫を探すシェン・ホンの2人を軸に描かれる、時代のうねりに翻弄されながらも日々を精一杯に生きる市井の人々の「生」の物語。
余命数年と宣告され、自暴自棄になった宮野真奈美はインターネットの自殺サイトを見て、集団自殺を考える。だが、集まったメンバーは好き勝手なことばかり言っていっこうに自殺する気配がない。ひとりで死のうとした その、サイトの管理人・妙田が現われ、「ある人を助けてくれたら苦しまずに死ねる薬をあげる」と奇妙な交換条件を出すのだった。迷いながらも承諾した真奈美は、紹介された長田と一緒に、とある田舎町を訪れる。そこは、長田が15年間帰れなかった故郷だった・・・。
韓国の人気作家による同名のベストセラー小説を、『パイラン』『力道山』のソン・ヘソン監督が映画化した感動ドラマ。主演は『ベイビー・ブローカー』のカン・ドンウォンと『小さな恋のステップ』のイ・ナヨン。3人の人を殺した死刑囚と、生きる望みをなくして3度も自殺を図った元歌手を演じている。
東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。事故だったのか、事件なのか。裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。
かつて絶世の美人娼婦として名を馳せた、その気品ある立ち振る舞いは、いつしか横浜の街の風景の一部ともなっていた。“ハマのメリーさん”人々は彼女をそう呼んだ。1995年冬、メリーさん突然姿を消した。自分からは何も語ろうとしなかった彼女を置き去りにして膨らんでいく噂話。いつのまにかメリーさんは都市伝説のヒロインとなっていった・・・。2006年ミニシアターながら口コミで大ヒットした噂の作品がリリース!
わんぱく少年花田一路はある日トラックと衝突する事故に逢い、それ以来幽霊が見える不思議な能力が身についた。さらに「自分が本当の父親だ」と名乗る幽霊まで現れた。花田家に隠された秘密とは・・・
22年間に起こった不幸な出来事によって父親を失った三姉妹。その出来事によって生まれた傷痕を心に抱えたまま成長した彼女たちは、現在それぞれの愛の問題に直面している。そんな彼女たちの母親は、ある秘密を抱えていた。
80分しか記憶がもたない天才数学博士と家政婦とその10歳の息子。驚きと歓びに満ちた日々が始まった。不慮の交通事故で、天才数学者の博士は記憶がたった80分しかもたない。何を喋っていいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。それが、他人と話すために博士が編み出した方法だった。相手を慈しみ、無償で尽くし、敬いの心を忘れず、常に数字のそばから離れようとはしなかった。その博士のもとで働くことになった家政婦の杏子と、幼い頃から母親と二人で生きてきた10歳の息子。博士は息子を、ルート(√)と呼んだ。博士が教えてくれた数式の美しさ、キラキラと輝く世界。母子は、純粋に数学を愛する博士に魅せられ、次第に、数式の中に秘められた、美しい言葉の意味を知る―。
橋本香織(伊藤歩)は東京の出版社から福岡のタウン誌に異動を命じられる。ある日、投稿はがきに「昭和30~40年代に、下関の映画館にいた幕間芸人を探して欲しい」というものがあった。香織は心惹かれ、その映画館<みなと劇場>を取材する。上映の幕間に物真似をみせる“幕間(まくあい)芸人”安川修平(藤井隆)が劇場にいたが、解雇後は音信不通となった。取材を進めていくうちに、自分と父親との関係を見直すこととなっていく。
ペルシャ絨毯を通じて生まれた心の交流を描いた日本・イラン初の合作映画。飛騨高山とイランのイスファハンを舞台に、子供同士のほのかな恋を織り交ぜながら、2つの国の文化の壁や国民性の違いを乗り越えてゆく人々の姿を詩情豊かに丁寧に描いており、心温まる人間ドラマが感動を誘う。
1960年代の激動の韓国。大統領官邸“青瓦台”のある孝子洞で理髪店を営む平凡な男ソン・ハンモ。美しい妻とかわいい息子に囲まれて幸せな日々を送るソンだったが、ふとした事件をきっかけに大統領の専属理髪師に選ばれる。これによって思いがけずも、ソンは権力をめぐる政争の渦に巻き込まれてしまうのだった…。
都内の2DKのアパートで大好きな母親と幸せに暮らす4人の兄妹。しかし彼らの父親はみな別々で、学校にも通ったことがなく、3人の妹弟の存在は大家にも知らされていなかった。ある日、母親はわずかな現金と短いメモを残し、兄に妹弟の世話を託して家を出る。この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちだけの『漂流生活』が始まる・・・・・・。
春野家の家族はそれぞれ心にモヤモヤとした悩みを抱えていた。長男ハジメは片思い、妹の幸子はときどき巨大化した自分を見てしまうことにとまどっていた。母親の美子は仕事復帰に悩みを抱え、父親は妻に取り残されたような感じを抱く。そんな春野家に美子の弟アヤノが帰省。彼はある決心をして帰ってきたのだが・・・。
1997年7月7日。下関と釜山の間で行われた親善陸上大会に出場した郁子は、一人の韓国人の男の子と出会い、淡い恋をする。「来年の夏、この大会で再会しよう」携帯もメールも無い時代、日本と韓国が今ほど親しくなかった時代。郁子の初恋を何とか実らせたいと奔走する真理、巴、玲子の3人の胸にも、いつの間にか郁子の切ない想いが住み着き、そして奔流のようにあふれ出す---。
自分を“K-PAX星”からやって来た異星人だと称する男プロートが病院に送られてくる。彼の治療に当たるのは精神科のパウエル医師。初めは戯言と思っていたパウエルだったが、驚いたことにプロートは、専門家より宇宙に詳しく、また神秘的な力を備えていた。
パリのレストランでギャルソンとして働く初老の男アレックスは20年前に妻と別れ、いつも女性たちからは放っておかれない魅力を醸し出す洒脱な男。レストランの給仕長として仕事も熱心で頼りがいもあり同僚たちからも慕われている。不器用で奥さんと別居している同僚のジルベールを居候させる気の良さも持っている。そんなアレックスの夢は父の遺産で海辺の土地に遊園地を作ること。ある日昔の知り合いで英語教師をしている女性クレールと再会、アレックスは夫との離婚を控えたクレールに惹かれていくが・・・。
FMラジオ局のディレクターであるたまき(広末涼子)は、深夜の担当番組の打ち切りが決定し落ち込んでいた。そんなとき、彼女は自分にラジオの楽しさを教えてくれた少年太郎(神木隆之介)のことを思い出す。1977年、函館の病院に交通事故で入院した13歳のたまき(福田麻由子)は、1つ年下の太郎と出会い意気投合するが……。
たかしは、逆上がりのできない小学四年生である。クラスには5人の逆上がり落伍者がいる。先生は「これは、人生の勉強だ。助け合って、困難に打ち勝て」と励ますが、たかしは首をかしげる。その人生ってなんだ?たかしの父と母、それぞれの子供時代の想い出が、現在と重なり合う。父は女子高生とカラオケBOXにたてこもり、母はその篭城を撃破する。いとこの夏子はヘアヌードモデルになる。たかしから見渡す大人たちの人生。彼の疑問は迷宮に入り込む。どうして大人は子供みたいになるんだろう。どうして人はいなくなるんだろう。どうしてともこのことを考えると胸がドキドキするんだろう。どうして涙がこぼれるんだろう。
広島にある寂れた居酒屋『まめすけ』でバイトしているフリーターの杉山末子(37)は、夢もなければ恋人もいない冴えない日々。他人や世の中に一人毒づくのが唯一のストレス発散だが、このまま自分の人生、大して良いことなんかないんだろうと、退屈な日々を過ごしていた。そんな末子の前に、新人バイトとして現れた山根朔人(24)は、広島大学に通いながら、コミュ力抜群のインフルエンサー。容姿も淡麗、末子と違い明るく、一見、充実しているように見えるが、惰性の恋愛ごっこ、虚勢を張った毎日に、どこか虚しさも覚えていた。『まめすけ』で出会った末子と朔人は、性格や考え方も全く異なるタイプ。出会った初日から対立関係となるが、そんな二人はひょんなことから、車椅子の老人集団による若い男へのリンチ現場を目撃する。どうして良いか分からず逃げるだけの二人の前に現れたのは、アコ(18)という謎の少女。
とある小さな田舎町の父子家庭で育った女子高生の優子。彼女は、何か決断をする事が大の苦手。派手な出来事が起こる事も大の苦手。何も起こらない時間、つまり「普通」が彼女にとって一番心地良いのだった。父親は男手ひとつで、一般家庭と同じように優子の事を大事に育ててきた。しかし、父親は「普通」の親とは違う顔があった。それは、ヤクザを生業にしているという事。そして父親の取り巻きの組員たち。娘を溺愛していたり、いい歳して大学受験に挑んだり、親の介護に苦しんでいたりと、どこか憎めないヤクザばかり。彼らも優子に対して常に優しかった。やがてヤクザ稼業は、時代と需要が遠のいてしまった事で、シノギが大幅に減少してしまい、組は存続の危機に陥っていた。クラスメイトや世間に対して、若干後ろめたい気持ちがありつつも、それなりに楽しく毎日を過ごしていた優子だったが、ほんの些細な出来事の連鎖によって、少しずつ彼女の「普通」が崩れはじめる。
台湾パビリオンのコンパニオンに抜擢された少女(ジュディ・オング)は、かつて母と自分を助けてくれた“名も知らぬ台湾の恩人”を探すため、広大な万博会場を駆け巡る。未来への熱気ときらめきに満ちた会場では、華麗な歌とダンスのミュージカル要素が物語を彩り、追跡劇は次第にサスペンスとアクションへ加速。少女は人波をかき分け、次々とパビリオンを巡りながら、記憶の糸をたどって“あの人”の正体に迫っていく。
医師ロメオ(アドリアン・ティティエニ)には、イギリス留学を控える娘エリザ(マリア・ドラグシ)がいる。彼には愛人サンドラ(マリナ・マノヴィッチ)がおり、家庭は決してうまくいっているとは言えない。ある朝、ロメオは車で娘を学校へ送っていくが、校内に入る手前で降し、彼女は徒歩で登校することに。しかし白昼人通りもあるなかで、エリザは暴漢に襲われてしまう。大事には至らなかったが、娘の動揺は大きく、留学を決める翌日の卒業試験に影響を及ぼしそうだ。これまで優秀な成績を収めてきたエリザは、何もなければ合格点を取り、大学で奨学生になれるはずだった。ロメオは娘の留学をかなえるべく、警察署長(ヴラド・イヴァノフ)、副市長、試験官とツテとコネを駆使し、ある条件と交換に試験に合格させてくれるよう奔走する。しかしそれは決して正しいとは言えない行動で、ついに検察官が彼の元へやってくる…。
東テキサス州の小さな町で暮らすドンナ・マーティンは、親を必要とする子どもたちの存在を知り、夫のマーティン牧師と共に里親制度の現状に向き合う。深刻な虐待やトラウマを抱え、誰にも引き取られない子どもたちが多くいることを知った二人は、教会の家族たちに養子縁組を呼びかける。やがて22の家庭が立ち上がり、合計77人の子どもたちを迎え入れるという前例のない取り組みへと発展。小さなコミュニティが示した揺るぎない愛と行動が、弱い立場の子どもたちに希望をもたらしていく。
文化大革命の混乱の中で青春時代を過ごしたミン・ワンは、アメリカへ移住し、あらゆる困難を乗り越えて世界的に知られる眼科医となる。そんなある日、継母によって視力を奪われた盲目の孤児が彼の前に現れる。少女を救うため奮闘する彼は、封じ込めてきた祖国での辛い記憶と向き合い、若き日に培った不屈の精神を再び呼び起こしていく。過去の傷と現在の使命が交差する中、彼は少女の“光”を取り戻すための挑戦へと踏み出す。
美大生の青年アドナンは夏のあいだ、叔父の洒脱な自宅で留守番をするためにニューヨーク・ブルックリンにやって来る。同時にギャラリーでインターンを始めるが、そこで展示されているのは、去年の夏、彼が出会った奇抜な刺繍アーティストの作品だった。過去と現在が交錯し始めるなか、官能と創造の出会いの連なりが、アドナンの日常の輪郭を曖昧にしていく。
妻に去られ、カウンセラーの職も失ったデイブ。故郷へ戻った彼は、叔母パティの家で暮らしながら、保守的なキリスト教系大学の非常勤講師として再出発する。ある日デイブは、地元のLGBTQサポートグループが、ホームレスの若者向けシェルター開設のため資金集めを行っていることを学長から聞かされ、その実態を探るためグループへの潜入を命じられる。大学ではキリスト教の教義に基づき、同性愛を否定する教えを説く一方、グループ内ではゲイを装って潜り込むデイブ。しかし、そこで出会った人々、とりわけ亡き兄の遺志を継いで活動するリーダーのアリッサと交流を重ねるうちに、彼の中で長年抱いてきた偏見や価値観が、少しずつ揺らぎ始めていく。
30歳間際の自称・映画監督の太郎。大分県で行われる映画祭に入選を果たし意気揚々と現地に向かうも、作品を厳しく批判されてしまい意気消沈。映画祭のパーティーをすっぽかしてフラフラと隣町の豊後大野へ向かうと、そこで太郎の映画を観ていた未希という不思議な女性と出会い、一泊二日だけの小さな旅をすることに。正体不明ではあるが、明け透けな性格の未希に映画づくりに自信を持てない自分をさらけだし、ほのかな恋心も抱き始める太郎だったが…ふたりがたどり着く、旅の結末は?
ソウルを旅する謎めいたフランス人女性イリス。フランス語の個人レッスンをしている彼女は、生徒たちの家を渡り歩くが、あまりに風変わりな教え方に、人々はみな戸惑うばかり。レッスンが終わると、彼女は年下のボーイフレンドの家へと帰っていく。イリスは何をしに韓国へやってきたのか。なぜフランス語を教えているのか。韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩に触れるなかで、徐々に彼女の謎に満ちた日常が浮かび上がっていく。
演劇祭が間近に迫るソウルの女子大学。校内の恋愛スキャンダルの穴埋めをするため、テキスタイルアーティストであり、講師として働くジョニムは、有名な俳優で舞台の演出も手がける叔父のシオンを臨時の演出家として招聘する。演劇祭に向け寸劇作りがスタートするが、学生たちの恋愛事件の余波や、先輩の大学教授とシオンとの新たな恋の予感など、10日の間にさまざまな出来事が巻き起こる。
ある二人の人物が、二つの家でそれぞれに過ごす一日。ひとりは、友人の家に居候する休業中の女優サンウォン。もうひとりは、小さなアパートで一人暮らしをする詩人のホン・ウィジュ。彼らのもとには将来への不安を抱く若者たちが訪れ、さまざまな質問を投げかける。そんな折、サンウォンの友人の飼い猫がふと姿を消して──。交わりそうで交わらない、二人の一日が静かに並走していく。
詩人のドンファは、恋人ジュニを家まで送り届けた際、玄関先で彼女の父と鉢合わせ、思いがけずジュニの家族と一日を過ごすことになる。初めはぎくしゃくしていたが、ジュニの家族に家や近所を案内され会話を重ねるうちに少しずつ距離を縮めていく。やがて一家が揃う夕食の席で、勧められるまま酒を口にするうち、緊張から酔いが回り、次第に気まずい雰囲気が漂いはじめる。
苦しい過去に囚われ、自己破壊へと傾いていく少年ネイト・ウィリアムズ。高校教師スタン・ディーンは、彼が車中生活を送り投獄されていることを知り、保釈金を払い引き取る決断をする。善意から始まった行動は、ネイトの心を蝕んできた暗い秘密と向き合う闘いへと変わり、二人は互いの限界に迫られていく。ネイトが絶望の淵に沈む中、ディーン先生は彼を救うためにどこまで踏み込む覚悟があるのか、自らの信念を試されることになる。やがて二人の絆は、過去の闇を越えようとする希望の光となり、壊れかけた少年の未来を取り戻すための最後の支えとなっていく。
バルセロナの舞台女優クラウディア(80)は末期がんの罹患者。癌は脳に転移し、錯乱や半身麻痺と自我の喪失が近づくなか、彼女は安楽死を選択する。クラウディアは子育てよりも舞台優先で生きてきた。お茶目な女優妻を支え、今なお愛してやまない夫フラビオ。永縁なる夫婦は、共に旅立つことを決め、デュオ安楽死 を決意する。ところがスペインで安楽死はできるがデュオ安楽死はできない。ふたりはデュオ安楽死ができるスイスへ行く決意をする。一方、母の病を機に同居を始める末娘のヴィオレッタ。長男長女は家庭を持ち実家に寄り付かない。ヴィオレッタは母に兄姉を合わせる目的で、両親の結婚記念パーティーを企画。しかしパーティー前夜に両親が決めたデュオ安楽死に気付き、ヴィオレッタはパーティーで思わず打ち明けてしまい、久しぶりの家族再会は修羅場と化す。「最期に聞きたい死のプレイリストのご準備を」 子供たちは父の考えに賛成しない。長女は母の操作と決めつけ喧嘩する始末。しかし父の意志は 固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、最後の旅の出発がにわかに訪れるのだが―。本作は両親の終幕を題材にしているが、不思議と暗さを感じない。むしろ家族のユーモアあふれるセリフ回しに、それを忘れてストーリーに没頭してしまう。本編の一部は、家族の心情を母の職業だったミュージカル調で表現し、本筋と見事に融合。最後まで自分らしく生きた母の終末期。欧州で急激に増えるデュオ安楽死。なぜ増加傾向にあるのか。その一つの答えを本作で垣間見る。
とある州立病院の外科病棟に出勤したフロリアは、プロ意識が強い看護師だ。人手不足が常態化している職場はただでさえ手一杯だが、この日の遅番のシフトは普段以上に過酷だった。チームのひとりが病気で休んだため、フロリアはもうひとりの同僚と手分けして26人の入院患者を看て、インターンの看護学生の指導もしなくてはならない。それでも不安や孤独を抱えた患者たちに誠実に接しようとするフロリアだったが、患者の要望やクレーム、他の病棟からひっきりなしにかかってくる電話、緊急のナースコールへの対処を迫られ、とてもひとりの手には負えない苦境に陥っていく。やがて極限の混乱の中、投薬ミスを犯して打ちひしがれたフロリアは、さらなる重大な試練に直面することに……。本作の企画はスイスの女性監督ペトラ・フォルペが、ドイツ人看護師マデリン・カルベラージュの著作に目を留めたことから始まった。そこに記された看護師の日常業務の激しさに引き込まれ、心を奪われたフォルペ監督は、実際の病院での入念なリサーチを実施。病院が直面している現実をリアルに描くことはもちろん、ひとりの看護師の視点を採用することで、このうえなく濃密なスリルと臨場感がみなぎる映画を完成させた。私たち観客は鑑賞中、同時多発的に複数の作業を強いられ、絶え間なくトラブルに見舞われる主人公フロリアの立場と同化し、看護師という職務の苛烈さを体感することになる。またフォルペ監督は“可哀想な患者”や“迷惑な患者”といった一面的な描写を避け、さまざまなルーツを持つ入院患者それぞれの人間性や複雑な事情をきめ細やかにあぶり出す。たった一日の遅番シフト8時間に焦点を当てた物語でありながら、驚くほど豊かな奥行きを獲得した本作には、生と死の狭間に置かれた人々の切実な感情が息づいている。
若くして妊娠した女性を支援する施設で共に暮らす5人の少女。彼女たちは頼る人を持たず、家族との関係、貧困など、さまざまな問題を抱えている。「ひとりじゃ育てられない」「嬉しいと思いたいのに」――戸惑い、悩み、なるべき家族像を見いだせないまま、母になる少女たち。押し寄せる孤独感に飲み込まれそうになっても、時に誰かに寄り添われながら、それぞれが歩むべき道を選び取っていく……。自分たちなりの「愛」を選択していく少女たちの真っすぐな瞳から目が離せない、希望に満ち溢れた傑作がついに日本上陸。
小説家とセックスワークの狭間で漂流する25歳マックス、青春の体温。ロンドンに住み、将来を嘱望されている若い作家志望のマックス。彼はデビュー作となる長編小説をリアルなものとするために、“セバスチャン” という名前で男性相手のセックスワークの世界に足を踏み入れる。職業を通して体験する未知の世界。様々なクライアントと接していく内に、マックスとセバスチャンの境界線を次第に見失っていく…。
2020年4月。売れない俳優の北島タツロウ(34)は、コロナ禍で唯一決まっていた出演作が白紙になる。暇を持て余した彼は、中古で2万4千円の珍本を購入する。伝説の地下演出家アン・W・トッテヤゴ著の演技指南書で、「役者を狂わせる禁書」と噂される一冊である。北島は半信半疑でその風変わりなメソッドを実践していくが・・・萱野孝幸監督長編映画『津田寛治に撮休はない』のスピンオフ作品ともとれる萱野ワールド新作映画!
未来から来たタイムトラベラーのノーマンは、予期せぬ事故により過去の世界へ取り残されてしまう。正体を隠しながら生き延びる術を模索するものの、技術の乏しい時代でのタイムマシン開発は難航し、絶望が徐々に彼の心を蝕んでいく。些細な行動が歴史を変えてしまう恐怖から、人々との接触を避けていたノーマン。だがある日、食料の配達に訪れた新人配達員ジェニファーと出会ってしまう。その瞬間、激しい眩暈に襲われた彼は意識を失い、幻覚を見る。時間移動が未来と過去の双方に深刻な歪みを生じさせていることを悟ったノーマンは、自力での開発を断念。2年半にわたり封印していたAIアシスタント、アニーを起動させるが…。
ある日、空が裂け、世界は崩壊した―。裂け目からは異世界の“侵入者(ブレイカー)”が人類に襲いかかり、文明は滅び、わずかな生存者は荒廃した地で恐怖の日々を過ごしていた。かつて男達はブレイカーとの戦いに敗れ、人類の運命は女性に託されていた…その女性戦士の隊長役として本作で剣を握るのは、『バイオハザード』シリーズでアクション女優のトップスターとなったミラ・ジョヴォヴィッチ。本作では、異世界からの脅威に立ち向かう強き母を演じ、圧倒的存在感と卓越した剣さばきで“戦う女戦士”の完全復活を魅せつける!さらに、生き残りをかけた夫役のルーク・エヴァンスと娘との感動の家族愛を描いたヒューマンドラマも融合、壮大なSFサバイバル・アクションがここに誕生した!
スキャンダルで女優の仕事を失い、10年ぶりに故郷の熊本に帰ってきた梨枝(蓮佛美沙子)。彼女は、ドラマ部志望の若手ディレクター・咲(伊藤万理華)と共に“女優が生まれ故郷の熊本で素顔を見せる”密着ドキュメンタリー撮影に渋々挑むことに。女優復帰と希望部署への異動をかけて、それぞれ再起を図ろうとする2人だが、全くソリの合わない2人はたびたび衝突し、撮影は前途多難。 そして、なるべくこっそりと撮影をしたい梨枝の気持ちとは裏腹に、次々と現れる知人たち。やがて小さな町で噂が広まり、撮影のことを内緒で帰郷した梨枝の存在が家族の耳に入ってしまう。かつて、父・康夫(升毅)と大喧嘩の末、町を飛び出した梨枝。その父は今、がんに冒されていた。父の病状を知りながら、父を避けていた梨枝に怒り心頭の家族。果たして、ドキュメンタリー撮影の行方は?そして、梨枝と康夫の確執は……。
パリ郊外の小さなアパートに暮らすシングルマザーのモナは、発達に遅れのある30歳過ぎの息子ジョエルを女手ひとつで育ててきた。モナはショッピングモールのビューティ・サロンで、ジョエルは障がい者のための職業作業所で働いている。互いを支え合い、いたわりながら暮らしてきた二人。ところがある日、モナは、ジョエルと同じ施設で働くオセアンが彼の子を妊娠したと聞かされる。二人の関係を何も知らなかったモナは動揺し、母子の絆も揺らぎはじめる――
独り暮らしのカウボーイ、ローガンはクロスロード・マーケットでヒッチハイクをしていた女性を車に乗せ、高熱で咳込んでいた彼女を気遣い、自宅に招いた。落ち着いた環境の下で徐々に回復していく彼女は、やがて自分のことを語り出す。もともとはシンガー・ソング・ライターだったが、ルームメイトの死を殺人と疑ったことを機に旅に出たという彼女は、スマホも持たないシンプル生活ながら、夜になるとうなされるローガンに興味を抱く。やがて彼がアフガニスタンに二度出征し、PTSDを患った帰還兵であることを知る。彼女もまた自分の名前がジェーン、通称スターであることをローガンに告げた。ローガンも亡き母の思い出を語り出す。その後も2人は対話を重ね…。
1999年。あなたの本当の想いに触れて、僕は僕を知った。ざらついた記憶に宿る故郷の景色と、母の無償の愛――若くして恋人を亡くし未婚の母となったソヨンは、赤ん坊の息子ドンヒョンを連れてカナダのバンクーバー郊外へと移住する。ソヨンは工場で働きながら、言葉や文化の壁、人種差別に直面する日々の中、懸命に息子を育てていく。やがて16歳となったドンヒョンは英語名“デービッド”を名乗り、すっかりカナダでの生活になじんでいた。しかし、彼の心の奥底では自身のルーツ、特に一度も会ったことのない父親の存在への思いが次第に募っていく。そんなある日、二人に届いた衝撃的な知らせをきっかけに母と息子は初めて韓国へ帰郷し、悲しみの過去と対峙することになる――。
役者のジェイクは、映画の撮影のためオハイオ州・シンシナティを訪れる。子役時代から活躍してきた彼はちょっとした有名人だが、私生活は薬物依存ですっかり破綻していた。撮影現場でも酒とドラッグに溺れ、監督が監視役をつけるほど。それでも夜になると目を盗み、地元の若者たちのドラッグパーティーに参加するなど、行動は一向に改まらない。薬物に依存してしまうのは、本当の自分を誰にも理解されない寂しさからだとジェイクは語るが、その言葉は周囲には届かない。そんなある日、モーテルで出会ったプランドンとともにハイになった彼は、停泊中のボートを盗むという騒動を起こし、逮捕される。度重なる問題行動に、監督やスタッフたちはついに呆れ果ててしまう。
亡き母を偲ぶため、クリスと息子のジョンは山へ向かっていた。しかしジョンは、父とは別に一人で頂上を目指すことを決める。川に花束を手向けた後、山道を歩いていたクリスは、危うく車とぶつかりそうになる。運転していた中年女性のジュリーが動揺している様子を見て、クリスは彼女を安心させようとお茶に誘い、次第に親しくなっていく。定年退職後、鬱々とした日々を送っていたジュリーは、クリスとジョンの言葉に背中を押され、山歩きを始めるようになる。一方、食堂で働くウェイトレスのケイトはあと1週間で街を離れることに。忙しさから山歩きができなかったことを悔やみ、仕事を休んで急きょ山に登り始める。そんな彼女に親友のアシュリーが付き添う。5人はそれぞれの思いを抱いて山登りを始めるが…。
売れない役者でゲイのレオナルドは、仕事も恋も思うようにいかず、人生の波動を整えようと悪戦苦闘中。誕生日を明日に控えた彼は、しばらく音信不通だった元カレのクリストから突然のメッセージが届き、期待と不安が入り混じる中、何とか自分を変えようと奮闘する。クリストから復縁を求められたらきっぱり断るつもりでいたが、実際にできるか怖くなり心を落ち着かせるため10分間の瞑想をしようとしていた。しかし、姉オルラがクリスマスツリーを持ってやってきて、なかなかそれも果たせない。そこでヨガ・トレーナーのサヴァンナの家に赴き、ようやく目的達成。さらには重要な役のオファーも舞い込んできた。その勢いに乗せ、いよいよクリストに会おうとするが…。
群馬県高崎市でラーメン店を営む真人は、突然亡くなってしまった父の遺品から1冊の古いノートを見つける。そのノートには真人が10歳の時に亡くなったシンガポール人の母が書いた料理のレシピや写真などとともに、さまざまな思い出が込められていた。真人は忘れかけていた過去を埋めるためシンガポールへと旅立つ。
ジョージアに暮らす元教師のリアは、行方不明になったトランスジェンダーの姪、テクラを探すため、テクラを知るという青年アチとともに、トルコ・イスタンブールへと旅立つ。しかし行方をくらませたテクラを見つけ出すのは想像以上に困難だった。やがてリアは、トランスジェンダーの権利のために闘う弁護士、エヴリムと出会い、彼女の助けを借りることに。なぜテクラはジョージアを離れたのか。東西の文化が溶け合い異国情緒あふれるイスタンブールを舞台に、テクラを探す旅を通して、リア、アチ、エヴリム、3人の心の距離が、少しずつ近づいていく――。
かつて“ロデオ界の伝説”と呼ばれたジョー・ウェインライトは、怪我と孤独を抱えながら娘サリーと孫コディと静かに暮らしていた。だが、コディの命を救うには高額な手術が必要だった。ジョーは限界を超えて再びブルライディングの世界へ戻る決意を固める。老いた体、恐怖、過去の痛みを抱えながら挑む最後の大会〈ラスト・ロデオ〉。仲間や宿敵との再会を経て、ジョーは真の「勝利」が何かを見つめ直していく。それは家族のために立ち上がる勇気そのものだった。激しい闘牛の中、彼が掴むのは栄光か、それとも約束のフィールドでの永遠の安らぎか――
修学旅行の前日。セミ(パク・ヘス)は、教室で不思議な夢を見た。胸騒ぎを覚えたセミは学校を抜け出し、想いを寄せるハウン(キム・シウン)の病室へと走る。自転車との衝突で脚をけがしたハウンは、修学旅行を諦めて入院中なのだ。ところが、ふいに見てしまったハウンの手帳の一言に、セミの視線が止まる。“フンババにキスしたい”。夢のせいで不吉な予感から逃れられないセミは、一緒に修学旅行に行こうとハウンを必死で説得し、ビデオカメラを片手に何とか旅費を工面しようとする。しかしどこか煮え切らないハウンの態度に、セミの抑えていた感情がついに溢れ出す。心に秘めてきた想いを、今日こそ伝えたい。焦るセミと、ある事情を抱えるハウン。お互い言葉にならない気持ちを抱えたまま、2人だけの夜が訪れた――。
とある高校で教師として働く阿川久兵衛。その高校の女子生徒、仁科奈々実。この2人、実は親子だった。久兵衛は七海が小さい頃に離婚。七海は高校進学と同時に母親の海外赴任が決まり、久しぶりに父親と暮らすことに。父親と一緒に暮らした記憶がほとんどない七海は、デリカシーのない父との二人暮らしに嫌気が差している。一方父久兵衛も、突然の娘との共同生活に戸惑っている。久兵衛が同じ高校の教師である和香に想いを寄せていることに気付いた奈々実は、ついに反発し家出を決意。友人数名と、奈々実の母の実家である祖母・都子の家を目指す。一方の久兵衛は和香の力を借りつつ、奈々実を追って都子の家を目指す。都子の家で合流した一同。個性的な都子とその友人と過ごす中で打ち解け合い、お互いを解り合う物語
昆虫の飼育や標本などを趣味にしている義肢制作者のマルコスは、幼い頃に起こした事故により、大人になった今もそれがトラウマになっている。そんなある日、彼の研究室の家主でもある雇い主アギーレが急死。それはマルコスが飼っていた毒アリが飼育ケースから抜け出し、彼に?みついたからだった。マルコスは遺体を極秘に処理しようとするが、現状を知らず常に口うるさい悪友ペドロの対応に追われ四苦八苦。ちょうどその頃、彼は少年フリオの右腕義肢の制作にも従事していた。一方で、当時の事故で両足をなくして精神も壊れて久しい母に、心を痛め続けていた。さらには外では、ゾンビ映画の撮影が行われていた。そこでマルコスは髪を紫に染めた映画スタッフのアナと親しくなるのだが…。
ジョニーの父は“シャドウ”と呼ばれたボクシングの元チャンピオン。勝利をつかんだことで治安が悪く貧しく荒れた下町から抜け出し、妻と息子ジョニーと暮らしていた。だが借金を抱えてしまった上に妻が癌になり、大金が必要になったことから保険金を得ようと、自死してしまう。残された妻とジョニーは仕方なく父が生まれ育った町に戻り、祖母と暮らし始める。ジョニーは早速、地元の不良たちに目をつけられるが、ジコという男に助けられる。「ギャングになって町の一員になる」というジョニーに対し、ジコは「自分の人生を高めろ」とボクシングを猛トレーニング。父シャドウの血を受け継いだジョニーはメキメキと腕をあげ、タイトルマッチに挑む。
かつて天才子役として名を馳せたパトリックは、未成年との性的虐待疑惑で引退同然に追い込まれる。ほぼ引きこもりで酒に溺れ、抗不安薬が手放せない生活を送っていた彼は、自宅で演技の個人指導をしながら過去の名声で細々と食いつなぐも、家賃滞納で退去を迫られていた。そんな中、姉アニーに連れ出され、姪っ子が演じる「ロミオとジュリエット」を渋々観劇。しかし彼は姪っ子よりもロミオ役を演じていた17歳の少年ジェレマイアの才能に惹かれ、彼の個人指導を買って出ることに。母子家庭のジェレマイアに無償で演技指導を行い始めたパトリックは、彼の心の傷にも触れて通じ合い、師弟関係を深めていく。だが指導に熱中し、演技の流れでキスしたことから強く拒絶され…。
スペイン人のカルロスは家族を代表して、母の親友イサベルの娘の結婚式に参列するよう強要まがいに頼まれる。そこで、地元サッカー・チームの監督を解任されたばかりで落ち込んでいる友人のゴンサロを伴いニューヨーク、正確にはNY対岸にあるニュージャージー州ニューアークのガリシア人が多く住むという“リトル・ガリシア”へ赴くことに。カルロスの魂胆は、ゴンサロを自分と偽らせて式に出席させ、自身はかつての恋人と、その間に生まれた未だ見ぬ娘に会うことにあった。ゴンサロはイサベルらにバレることなく合流を果たすが、何と直前になって式は先方の心変わりで中止の通告。一方、カルロスも知らされていた住所に元恋人は住んでおらず…。
2036年の荒廃したカリフォルニア。人里離れた山奥で孤独に暮らすアレクサンダーは、謎の男からの手紙を受け取る。そこには「弟よ、帰ってこい」と書かれていた。しかし兄のエドウィンはやむなく人を殺し、村の掟で10年前に処刑されたはずだった。まさかと思いながらも、その言葉に何か真実を感じたアレクサンダーは、雪深い荒野を越える過酷な旅に出る。そして遂に故郷へたどり着くと、そこにはかつてのように賑わう村があり、兄が妻のケイトや村人たちと幸せに暮らしていた。戸惑いつつも再会を喜び合うが、兄は処刑直前にアレクサンダーの手引きで逃げ延びていたと言い、自身の記憶との違いに混乱する。