ユスターシュの妻ジャネット・ドゥロにふりかかった災難(ユスターシュと喧嘩して街へ出たドゥロに、二人組の無骨者がつきまとって彼女を困らせた)に基づいて構想された作品。当時ドゥロが秘書として働いていた、カイエ・デュ・シネマ誌のオフィスにある金庫から盗んだカネを使って撮られたとの伝説がある。主人公はタフガイ気取りで品位を欠く、自堕落な生活を送る若者二人組だ。彼らは街をぶらぶらするうちに知り合った女性を口説こうとするが、なびいてこないので腹いせに彼女の財布を盗む。ヌーヴェル・ヴァーグ映画的な街なかでのゲリラ撮影を活用しながらも、ここでのパリは生きづらい寒々しく退屈な街へと変貌しており、登場人物の「リアルな」描出ともども新世代作家の台頭を印象づける。
ベルナデット・シラクは、夫ジャック・シラクを大統領にするため、常に影で働いてきた。ようやく大統領府であるエリゼ宮に到着し、自分の働きに見合う場所を得られると思っていたが、夫やその側近、そして夫の広報アシスタントを務める娘からも「時代遅れ」「メディアに向いていない」と突き放されてしまう。だが、このままでは終われない。参謀の“ミッケー”ことベルナール・ニケと共に、「メディアの最重要人物になる」という、華麗にして唯一無二の“復讐計画”をスタートさせる!
舞台はスイスの山中に建つ古いホテル。ここの持ち主だった祖父母に育てられたヴァランタンが、ホテルが取り壊されると聞いて記憶をたよりにやってくる。今は無人と化したホテルの中を歩きながら、彼は少年時代の懐かしい記憶の数々を思う。あこがれの“世界一の美女”や女性歌手とピアノ弾き、魔術師、思い出話がいつも面白かった祖母。少年ヴァランタンにとって大人たちの世界は素晴らしく魅力的なものだった。過去と現在が交錯するホテルで、シュミットがつむぎ出す夢幻的な舞台がいま始まる。
17世紀のスイス、グリソン州独立の最大の英雄であるイェナチュは、宿敵ポンペウスを殺し、権力を手中に入れた。しかし、数年後には“謎の人物”によってイェナチュもまた殺された──。現代の記者、クリストフはイェナチュの墓の発掘を指揮した人類学者トブラーとのインタビューの仕事を引き受けた。トブラーは一風変わった人物で、イェナチュに取り憑かれている。やがて、ポンペウスの暗殺のあった城に、末裔の老嬢プランタを訪ねた帰路、クリストフは不思議なことにイェナチュに出会う。既視体験(ルビ:デ ジャ ヴュ)に悩まされるクリストフは謎を究明するべくもう一度城に向かうも、何とそこでポンペウス暗殺の現場を目撃。そして、ポンペウスの美しい娘ルクレツィアの姿を発見し…。
マリーは35歳。夫のフランソワと結婚して12年、2歳になるポールと3人で暮らしている。マリーは夫を愛しているが、セックスに満足できない日々が続いていた。ある朝、彼女は仕事の営業で見知らぬ男の家をノックして中年のアフリカ系アメリカ人のビルと知り合う。ビルの風変わりな性格と逞しい肉体に好奇心をそそられ少しでも長く一緒にいたいと考え、恥じらいながらも全裸になるマリー。情欲の疼きに勝てず不倫関係を持ち、マリーは何回もエクスタシーに導かれる。家に帰って何事も無かったように過ごすが、いつもと違う愛撫に気づいた夫はマリーに詰めよる。マリーは全て話し、家族は崩壊の道へと進み始めるが・・・。
ヴィクトリアは刑事事件専門の30代のバツイチ弁護士で、二人の娘の子育てに奮闘しているシングルマザー。家の中は猥雑で、ベビーシッターが居着かない。彼女は洞察力があり皮肉屋だが現在、感情的に崩壊寸前の状態。精神分析のセラピーを受けたり、占い師に運勢を見てもらっている。ある日友人の結婚式で、ヴィクトリアは古い友人のヴァンサンと以前担当した薬物事件の依頼人サムに出会う。その翌日、ヴァンサンが恋人の殺害未遂容疑で逮捕される。無実を証明できるのは被害者の飼い犬ただ一匹。ヴァンサンに頼まれて仕方なく弁護を引き受けたヴィクトリアだったが、その一方で、元夫のSNS上での迷惑行為に対応したり、なぜかサムを住込みのベビーシッター兼助手として雇うことになったり、彼女の人生に数々の波乱が巻き起こる…!
1971年。農家の娘デルフィーヌは、家族の束縛から離れ、経済的にも自立するためにパリに移り住む。ある日、偶然乗り合わせたバスで、女性解放運動家のキャロルと出会い、ふたりは情熱的な恋に落ちる。しかし、デルフィーヌの父親が脳卒中で倒れ、デルフィーヌは実家に戻って母親の農場を手伝うことになり、キャロルはデルフィーヌを追って農場で一緒に暮らすことを決めるが・・・
パリの高級ホテルの支配人であるフェリックスは、パンデミック期間中に秘密のビジネスを始めることを決意する。それは特別な顧客の為にホテルの一室に若く綺麗なエスコートを送り込むことだった。時には顧客の話し相手になったり、時には一緒にお風呂に入り、そして時には存分にセックスを楽しんだり、その一室では美しいモデルたちによる最高級のおもてなしが行われる。やがて様々な事情や欲望を持った顧客とモデル達に複雑な関係性が生まれていき・・・
赤い旅団のメンバーであるアドリアーナ・ファランダ(ダニエーラ・マッラ)は、プロレタリア革命は成功すると強く信じ、愛する娘と離れ、運動に身を投じている。1977年に起きた大学の経済学部長襲撃事件にも実行犯として関与し、誘拐前のモーロを尾行するなど積極的に活動するも、モーロ誘拐の肝となる活動には参加させてもらえないことに不安も覚えていた。一方で赤い旅団は、誘拐に成功したことで入団を希望する人間が増え、活動は順調にいっているかのように見えた。しかし、メンバー間で、モーロの処遇をどうするかで意見が激しく紛糾していき、アドリアーナも追い込まれていく。モーロ誘拐の事件現場に急行した、妻エレオノーラ・モーロ(マルゲリータ・ブイ)を待っていたのは、銃弾が多数撃ち込まれた、見るも無残な夫の車と、血を流して倒れている護衛の姿、そしておびただしい数のマスコミだった。家を訪れる議員たちは、彼女にもっともらしく慰めの言葉を掛けていき、形ばかりの抱擁を求めてくる。子供たちと共に家に籠り続けていたある日、モーロからの手紙が届く。しかし、ザッカニーニをはじめ、政府は赤い旅団との交渉に応じず、エレオノーラは憤慨する。4月30日、赤い旅団から電話がかかり、すぐさま大統領に連絡をとるが、またも真剣に取り合ってもらえず、失望し涙するエレオノーラ。そして、あるシスターからモーロを見たという証言を聞き、藁にも縋る思いで現場に向かうのだが…。5月8日、目隠しをされた神父が、赤い旅団のアジトとなっている暗いビルの中へと入っていく。さらに隠し部屋に入っていくと、そこにはアルド・モーロの姿があった。約55日ぶりに赤い旅団以外の人間と会ったモーロは、「ここで初めて人の顔を見ます」と神父に語りかけ、強く手を握り、告解を始めるのだった。そして翌5月9日、モーロは目隠しをされ車のトランクに乗せられる。コッシーガのもとには、カエターニ通りで不審な車両が発見された、と緊急無線が入る。
1978年、イタリア。戦後長らく政権を握っているキリスト教民主党の党首アルド・モーロ(ファブリツィオ・ジフーニ)は、共産党との連立政権を実現させるべく奔走していた。これは冷戦下で西側と共産主義が手を取ることを意味していたために、国内外問わず、激しい反発を受ける。無論、党内のモーロと対立する右派系の派閥からの批判も非常に強く、モーロと旧知の仲であるバチカンの教皇パウロ6世(トニ・セルヴィッロ)にも苦言を呈される。それでもモーロは交渉を続け、連立政権の話はまとまった。そんな最中の3月16日、アンドレオッティ内閣(ファブリツィオ・コントリ)の信任投票のため、議事堂に車で向かうモーロは、道中で、極左テロ組織「赤い旅団」に襲撃され、そのまま誘拐されてしまうのだった。モーロ襲撃・誘拐が判明してすぐに、議会では緊急会議が開かれる。指揮を執るのは、内務大臣フランチェスコ・コッシーガ(ファウスト・ルッソ・アレジ)。彼はモーロを父と慕い、モーロ救出に全力を注ぐことを決意、辞表まで準備する。ほどなくして、赤い旅団からモーロの写真とともに犯行声明が届く。すぐさま、ローマに巨大な包囲網が張られ、徹底捜索が敢行。コッシーガの号令と共に、省内に大規模な通話傍受センターが開設され、日夜、イタリア中の通話が監視されることに。しかし大きな手掛かりは掴めず、コッシーガも精神的に参り、疲弊していく。そして誘拐から14日目の3月29日、旅団に囚われているモーロから手紙が届くのだった。それは事実上の裏取引を持ち掛ける内容で……。バチカンの教皇パウロ6世も、モーロ誘拐に衝撃を受け、救出の策を練っていた。信者に向かって、アルド・モーロのために祈ろうと強く呼びかけ、モーロ解放のために身代金として200億リラを用意する。「アルドは大事な友である」と、司祭を通してアンドレオッティ首相に掛け合うが、首相から話を聞いた将軍たちは「血が流れる」と口々に大反対。一方で各党の党首たちは、概ね、賛成を表明。政府内の足並みは揃わず、また肝心の身代金を渡そうとしていた相手が、どうやら詐欺師であることが判明する。パウロ6世のモーロ救出構想は振り出しに戻り、教皇は、赤い旅団のメンバーに直接語りかけることにする。
ジェーンが40歳の誕生日に、自身の30歳の誕生日を回想する間、アニエス・ヴァルダの伝説の女性への尽きることのないイメージがヴィヴィッドに展開する。その空想は、犯罪映画の妖婦、サイレントシネマの凸凹コンビ、モンローのように男たちのファンタジーの対象である女性、よくあるメロドラマの恋人たち、西部劇のカラミティ・ジェーン、ターザンのジェーン、そしてジャンヌ・ダルクへと、ジェーンのイメージを自由自在に拡張させていく。アニエスはまるで自身が画家でもあるかのように、ジェーンを名画の中に息づかせることも忘れない。一方で綴られるジェーンの日常のスケッチ。そこにはセルジュ・ゲンズブールや娘たちとの時間も織り込まれる。そのどれもが、シャイで大胆で逞しく、危うくて儚くて美しい、ジェーン・バーキンの魅力を余す事なく切り取った、アニエスによる私的な肖像画になっている。
娘(シャルロット・ゲンズブール)が自宅の庭で開いたパーティーで、泥酔した同級生の少年ジュリアン(マチュー・ドゥミ)を介抱したマリー・ジェーン(ジェーン・バーキン)は、あろうことか15歳の少年に不思議な感情を抱く。ジュリアンもまた、40歳のマリー・ジェーンに恋愛感情を持っている。微妙な力関係の中、人目を盗んで密会を重ねる二人。そんなある日、二人がキスを交わしているところを、ルシーに目撃されてしまう。
不動産会社に勤めるジュリアンはカフェを経営する妻と息子と3人で暮らしている。アパートを探す25歳のアリスと会っていくうちに互いに惹かれ合い、イケないと分かりつつもアリスの魅力に逆らえず、肉体関係を持ってしまう。妻のマリーに隠して関係を続けてしまうが、アリスはマリーのカフェでバイトとして働くことになり・・・
パリ郊外の団地で暮らす、エキゾチックアニマル愛好家のカレブ(テオ・クリスティーヌ)はある日、珍しい毒グモを手に入れる。日々、スニーカーの転売で稼ぐカレブは、同じアパートに住むトゥマニから注文を受けたスニーカーを渡す。その直後、原因不明の死を遂げるトゥマニ。警察は謎のウィルスが発生していると判断し、建物は封鎖され住民たちは閉じ込められてしまう。その裏で、カレブの購入した毒グモが脱走し、猛スピードで繁殖し始めていて……。
有名人のスキャンダルを暴く妖艶で美しい女性写真家クレリア。金と権力に支配され、欲望とセックスが渦巻くいかがわしい世界に身を置くクレリアは、全く正反対の世界で生きる編集者のクレーヴに惹かれ結婚する。しかし、お互いの心の空洞を埋めるかのように、時も時間も忘れ激しく貪りあう2人の間に、ある日、1人の才能溢れる情熱的な写真家のネモが現れ・・・
ナポレオン政権下の1850年代のフランスの田舎の村。働き盛りの男たちはみなレジスタンス活動に明け暮れ、終いには投獄されてしまう。そして、女だけが残された。小麦を収穫してパンを作り、果物を摘み、牛から乳を搾る・・・女だけで平和な日々は続いた。しかし女たちは知っていた。このままでは村に「未来」がないことを。女たちは子孫を残すために、もし男がやって来たら、みなで共有しよう―と、秘密の約束をかわす。そこへ、ひとりの若い男がやって来た。若く健康なその男の素性はまったくわからないものの、男を村に引き留めるために、村1番の聡明な美しい女が世話係としてつくことに。美しい大自然の中、衣食住を共にしていくうちに、その女の生命力あふれるたくましさ、美しさに魅了された男は、密かに女と関係を持つ―。しかしその事実はすぐ皆が知ることとなる―。
人里離れた森の奥深くで父親と原始的な生活を送る少年マルコ。厳格な父親に森を出ることを禁じられ、外界との接触は一切ない。ヘッドホンで聴く音楽と、“葉っぱの子”の絵本に慰めを求める毎日だ。ある日、マルコは森の廃車で母親と暮らす同世代のミコと出会う。彼との交流はマルコの孤独を癒やしていった。だが父親の目を盗んでミコに会いに行くマルコに残酷な出来事が訪れる。父親の教えに従い、ミコを連れて“妖精”を探す旅に出るが、森の外ではウイルスが猛威を振るう危険で荒廃した社会がふたりを待ち受けていた。
フランクが目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。死んだはずの自分がなぜ生きているのか戸惑っているフランクの前にメリッサが現れる。彼女はかつて敵側でフランクを騙した人間のはずだった。しかし、今はフランクに魅かれ“アルファブリード計画”を潰すことに協力したいと言い出す。自分が死ねばすべてが終わると考えていたフランクだったが、メリッサに説得され再び動き出すことを決心する。真の敵”ワグナー”の情報を求め、バンコーペン医師と接触したフランク。しかし、フランクと会った直後にバンコーペン医師は暗殺されてしまう。自分と関係した人間が次々と殺されていくことに悩みながらもすべてを清算するため、フランクは最後の戦いに赴く。
2001年10月、アメリカ同時多発テロのひと月後。ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民のクルナス一家の母ラビエのもとに、19歳の長男ムラートからパキスタンのカラチに行くという電話が入る。トルコから妻を呼び寄せる前にイスラム教の信仰を確かにしたいから、と。その後5日間も連絡を寄こさないムラートを心配したラビエは警察へ。しかし、警察はムラートの行動を怪しんでいるようで協力してくれそうにない。3か月後、ラビエが帰宅すると家の前に報道陣が待ち構えていた。ムラートが刑務所にいると記者から聞かされ、動揺するラビエ。追い討ちをかけるように、“ブレーメンのタリバン”という見出しでムラートのことが新聞の一面で報じられる。そして翌月の2002年2月、ラビエは、検察官のシュトッカーにある事実を言い渡される。「息子さんはキューバのグアンタナモ湾にあるアメリカ軍の収容所に移されました」「何それ?なぜそんな地の果てに?」コーラン講座のためにパキスタンを訪れたこと、持ち物、そしてムスリムの男性であることを理由に、ムラートはタリバンだと疑われているというのだ。5月、ムラートから初めて手紙が届き喜ぶラビエ。その手紙を携え、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルト・ドッケの事務所を訪れる。急な訪問に困惑するベルンハルトだったが、手紙の送り元を見て表情が一変する。無事に協力を得られることになったが、そう簡単に事は進まない。ドイツの外務大臣はムラートがトルコ国籍であることを理由に難色を示し、トルコの法務大臣は直談判したにもかかわらず音沙汰無し。そんな中、ベルンハルトはラビエにあることを提案する。「アメリカ合衆国最高裁判所で政府を訴える集団訴訟に加わろう」ホワイトハウスに請願書を渡すため、ラビエはついにワシントン D.C.へ向かう――!
仏・マルセイユの自宅で回想録を執筆しているガルー。かつて外国人部隊所属の上級曹長だった彼は、アフリカのジブチに駐留していた。暑く乾いた土地で過ごすなか、いつしかガルーは上官であるフォレスティエに憧れともつかぬ思いを抱いていく。そこへ新兵のサンタンが部隊へやってくる。サンタンはその社交的な性格でたちまち人気者となり、ガルーは彼に対して嫉妬と羨望の入り混じった感情を募らせ、やがて彼を破滅させたいと願うように。ある時、部隊内のトラブルの原因を作ったサンタンに、遠方から一人で歩いて帰隊するように命じたガルーだったが、サンタンが途中で行方不明となる。ガルーはその責任を負わされ、本国へ送還されたうえで軍法会議にかけられてしまう…。
交通事故で妻を失い、現在休職して痛めた脚のリハビリに励むサミュエル。週末に幼い娘を弟に預け、生前妻と二人で始めようと準備していた民宿を整理しようと一人山へ旅立つ。妻の遺品を整理し片付けている際に民宿の地下室で物音が聞こえ、外へ出るとそこにイタリアアルプスを越えフランスへ亡命しようと試みる女性チェレーと出逢う。危険な山越えを助けようと心に決めるサミュエルは亡き妻の温もりを彼女に感じていた。亡命者たちを執拗に追い立てる自警団(地元民)たちから逃れ、雪山を徒歩で踏破しようとする二人。やがて二人は国境付近で自警団たちに銃で狙われ絶体絶命な状況に陥る。
父親とパリで暮らす6歳のクレオは、いつもそばにいてくれるナニー(乳母)のグロリアが世界中の誰よりも大好き。お互いに本当の母娘のように想いあっていた2人だったが、ある日、グロリアは遠く離れた故郷へ帰ることに。突然の別れに戸惑うクレオを、グロリアは自身の子供たちと住むアフリカの家へ招待する。そして夏休み、クレオは再会できる喜びを胸に、ひとり海を渡り彼女のもとへ旅立つ…。
若くして結婚したセシリアは、ハンサムで優しい夫と何不自由ない生活を送りながらも、どこか満たされないでいた。ある日、山道で見知らぬ男たちから無理やりレイプされると、これまでにない快楽を覚えてしまう。これをきっかけに、長い間肉体関係を拒否していた夫に対し、セックスしたい衝動に駆られたことを告白する。さらに倒錯した性の世界へ足を踏み入れてしまったセシリアは、男女を問わず関係を持つようになり…。
教員資格を取得するため、ソルボンヌ大学で猛勉強の日々を過ごしているバランティーヌ。彼女は息抜きのためスキー場を訪れ、そこで若手音楽家のエドゥアールと知り合う。次第に彼に惹かれていくバランティーヌだったが、ある日エドゥアールが浮気がちなプレイボーイだと知ってしまう…。人気フランス人女優ソフィー・マルソーが恋に翻弄される女子大学生を演じたラブストーリー。共演はヴァンサン・ランドン。
19世紀のパリ。公爵夫人の孫娘エルマンガルドの縁談話が持ち上がった。相手は世にも美しい貴族の青年リノ。彼は容姿はもちろんのこと、家柄も立派で教養もあったが、ある秘密を抱えていた。それは10年もの間、娼婦ベリーニと愛人関係にあることだった。リノは公爵夫人にすべてを告白し、愛人と別れ、エルマンガルドと結婚するが、やがて彼らの関係は欲望渦巻く三角関係へと発展していく。
舞台は北フランスの港町ダンケルク。二度の離婚歴があり、セックスの快楽にしか充実を見出せない37歳の女性眼科医フレデリックは、友人の結婚披露パーティで28歳の青年クリストフと数年ぶりに再会し、恋に落ちる。情事を重ねる二人だったが、一方でクリストフは女遊びをやめようとせず、さらには遊び仲間のフィリップとホモセクシュアルな関係にある様子。深まる二人の溝は、やがて想像を絶する終焉に向かっていき…。
文学を愛する13歳の少女ヴァネッサは、50歳の有名作家ガブリエル・マツネフと出会う。彼は自身の小児性愛嗜好を隠すことなくスキャンダラスな文学作品に仕立て上げ、既存の道徳や倫理への反逆者として時代の寵児となった著名人だった。やがて14歳になったヴァネッサは彼と<同意>のうえで性的関係を結び、そのいびつな関係にのめり込んでゆく。それが彼女の人生に長く暗い影を落とす、忌むべきものになるとも知らず……。
地元の裏社会から逃れ、タイの美しいビーチへとたどり着いたフランス人の格闘家サムは、現地で出会った妻ミア、娘のダラと仲睦まじく暮らしていた。ホテルのポーターとして働く一方で、危険なムエタイのファイターとして賭け試合に出場するのも、すべて家族のため、いつか自分の店を持ちたいというミアの夢を叶えるためだった。しかし「FARANG(よそ者、外国人)」で、脛に疵を持つサムにとってそれさえ簡単な話ではなかった。焦ったサムは、同じフランス人の男ナロンからある仕事を引き受ける。成功すれば全てがうまくいく…。しかし、サムを待ち受けていたのは、想像もしなかった過酷で残虐な運命だった。
ヴィンセントはある日、職場で突然暴行を受ける。ケガが癒える間もなく、今度は別の同僚にも襲われたが、加害者たちは襲撃時の記憶がないと言う。「事件の原因は被害者の方にあるのでは」と疑われるヴィンセント。しかし彼に対して殺意を抱く者は後を絶たなくなり、見ず知らずの他人ですら命を狙ってくるように。「自分と目線が合った瞬間に、人々は襲いかかってくる」....終わらない襲撃の法則をかろうじて発見したヴィンセントは、生き残りをかけた<自衛>を開始する。
12歳のダルバは父親と2人暮らしで、子供なのに化粧をして大人の女性のような服装で生活をしている。ある晩、突然警察が家に押しかけ、ダルバは父親から連れ去られ児童保護施設に保護される。ダルバは新しいルームメイトのサミアやソーシャルワーカーのジェイデンと親しくなるにつれ、父親と分かち合っていた愛情と信じていたものは、自分が思っていたようなものではなかったことを次第に理解していく。ジェイデンやサミアの助けを借りながら、ダルバの新しい人生が始まる。
パリの店舗やルイ・ヴィトンなどの高級ブランドとのコラボレーションが話題の人気パティシエ、ヤジッド・イシュムラエンの自伝書を元に映画化された感動のサクセス・ストーリー。登場する全てのスイーツの監修もヤジッド本人が務めた。またオーディションで映画初主演を射止めたのはTikTokで660万人のフォロワーを持つ映像クリエイターとしても活躍する俳優リアド・ベライシュ。
フェリックスは遊園地を経営する孤独なオーナー。出会いのない生活の中に突然、謎めいた女ローラが現れる。過去を隠し、どこか影を宿した彼女に彼は惹かれてゆく。二人は順調に愛を育んでいるように思われたが、ある日ローラが突然失踪する。フェリックスが彼女を見つけ出すと、ローラは自分が男に追われており彼を殺してほしいと頼むのだが。。。。
イヴァンは人気女優のシャルロットを妻に持つスポーツ記者。いつもファンにちやほやされる彼女と映画のラブシーンにやきもきさせられているが、二人の間には固い固い絆がある。ある日撮影でロンドンに出かけたシャルロットを訪ねてイヴァンも撮影現場を訪れるが、そこは彼の想像とはかけ離れた世界だった。シャルロットと共演男優の仲に疑心暗鬼になった彼は、妻の行動を理解しようと演劇グループにも参加してみるが。。。
イスラエルの諜報機関モサドが、ハマス幹部を暗殺する事件がドバイで発生。暗殺を実行した諜報員の男はモサドのやり方に反発し組織を辞める。12年後―男は女ボス・ヴィクトリアの命令で1200万€相当のダイヤモンドを運ぶミッションを請け負うことに。アメリカ人のパスポートを盗み、デイヴィッドと名乗りはじめる。車でバルセロナへ向かう道中を共にするのは、美女ドライバーマリア。マリアには素性を知られずにミッションを遂行するデイヴィッドだったが、美しく聡明で博識なマリアに恋をしてしまう。しかし、ヴィクトリアはマリアの信用性を疑い、バルセロナについたらマリアを殺すように言い渡す。苦悩を抱えたまま、一夜を共にしたデイヴィッドとマリア。しかし次の瞬間、マリアが突如デイヴィッドを殺そうと襲い掛かる。この美女は一体何者なのか?そしてデイヴィッドに近づいた目的はー!?
アルジェリア、サハラ砂漠。そこに佇む一軒の雑貨店。そこはマリカという女性が一人で営んでいる。ほとんどの営業時間中に客が来ることはなく、ネコと共に時間を過ごす。たまにトラックの運転手や旅人がやってくるとコーヒーやおやつを提供して、他愛もない世間話に興じる。日が暮れると、砂漠の真ん中の雑貨屋に灯されるろうそくだけが光を放つ。そして彼女は自分の人生を語りだすのだった。そんなマリカの日常生活を、カメラは時に鮮やかに時に幻想的に捉え続ける。
青年ラキブの父は刑務所に、兄は海外に出稼ぎに出ている。彼は、インドネシアの田舎町で何世紀にもわたり一族で仕えてきた、退役した将軍フルナが所有する空き屋敷で、たった一人の使用人として働くことになる。フルナはラキプに対して立場を超えたように親身に接し、父親代わりの存在となりつつあった。ラキブ自身もフルナのアシスタントとして、仕事と生活の中で天職を見出す。そして、地元の首長選挙に立候補した将軍の選挙キャンペーンが始まり、二人の運命も大きく動き出す。
黒髪のアンヌとブロンドのロールは、カトリック系の厳しい寄宿学校に通いながらも、ボードレールの「悪の華」等の暗黒文学に耽溺する15才の美しい少女。彼女たちは学校が長い休暇に入ると、悪魔崇拝儀式を取り行い、悪の道を突き進む事を誓う。親の目を盗んでは放火や窃盗、動物虐待、また大人の男を誘惑したり、残酷な行為を繰り返していた。やがて悪行はエスカレートし、追い詰められた彼女たちは永遠に一緒に居られる場所を求め、破滅的な決意をする…。
ハンガリーの荒涼とした田舎町。天文学が趣味の郵便配達員ヤーノシュは、音楽家の老人エステルの身の周りを世話している。エステルは18世紀の音楽家ベルクマイスターを批判しているようだ。ある日、町の広場に移動サーカスと見世物である巨大クジラがこつ然と姿を現す。住民たちは「プリンス」と名乗る扇動者の声にあおられるように広場に集まり、やがて町中に破壊と暴力が充満していく。※デジタルレストア版となります。
その夜、一人の若者が地下鉄のホームから線路に転落する。運転士のレオは、なんとか電車を急停車させ最悪の事態を回避したかに見えた。しかし、若者は銃で撃たれ重症を負っており間もなく息を引き取る。驚くべきことに、彼は疎遠になっていたレオの息子・ユーゴだった。警察は、ユーゴが凶悪な強盗事件に関与していたとして捜査を始めるが、父親であるレオの経歴は謎に包まれていた。
2555年――地球は終末の危機に瀕していた。人類を救うため、一人のタイムトラベラーが立ち上がる。彼に課せられた使命は2022年に戻り、世界を変えた“ある事件”を阻止し、歴史を変えること。しかし、歴史の改変を阻止すべく、時空警察の追手が迫っていた…。果たして、男は未来を変えることは出来るのか。
30代半ばの哲学教授マルタンは妻と別居中で執筆活動も上手くいかず、すべてに行き詰まっていた。ある日、17歳の少女セシリアと知り合い、彼女に惹かれたマルタンはすぐに肉体関係を持つ。セックスの時に燃え上がる彼女にのめり込んでいくが、普段のそっけない態度や、別の男とも関係を持ってしまう自由奔放な行動に苦悩する。そして自分の理解を超えた状況に相対して、マルタンは常軌を逸した行動を取り始める・・・
コロナ禍でロックダウン中のパリの実家に帰った労働法の弁護士ベラ。しかし、父親が熱を出して泊まれなくなったベラは、友人のアパートで寝ることに。慣れない状況で不安と突然の孤独の中、少しずつ落ち着きを取り戻したベラは、モンペリエで待っている恋人に嘘をついてパリに留まることを決める。そんな中、友人の知人のサムと出会ったベラは、不注意から頭に怪我をしてしまい、サムに助けを求める。そこからふたりの距離は自然と縮まり、孤独を埋め合うように激しく身体を重ねていく・・・
23年前にロシアへ出稼ぎに行ったまま行方がわからなくなっていたザールクが、キルギスの村に帰ってきた。家族や村人たちは記憶と言葉を失った彼の姿に動揺するが、そこにザールクの妻であるウムスナイの姿はなかった。周囲の心配をよそに、ザールクは村にあふれるゴミを黙々と片付ける。そんなザールクに、村の権力者による圧力や、近代化の波にのまれていく故郷の姿が否応なく迫る。
シチリアに住む老人マッテオには、イタリア全土に散らばって暮らしている5人の自慢の子供たちがいた。毎年夏には必ず子供たちはシチリアに帰ってくるが、今年の夏に限っては誰も姿を見せなかった。そこでマッテオは自分から子供たちを訪ねて驚かせてやろうと思い立つ。電車でイタリア全土の子供たちに会いに行く旅に出たマッテオはまずナポリの学校に勤めるアルヴァーロに会いに行くが、一向に連絡が取れない。ローマで議員秘書のカニオに会いに行くも、忙しそうで話が出来る状態ではなかった。その後、通行人の勘違いから警察の世話になったところ、モデルのトスカがやってくる。マッテオはトスカの広い自宅に泊まらせてもらい、ファッションショーを観賞しに行くが、彼女にも何か悩みがあるようだ。次に打楽器奏者のグリエルモに会いに行くと、次の公演があるのですぐに旅立つと話されるが、時折見せる作り笑いに公演の話が嘘だと気付く。旅の途中で団体旅行のシニアグループに会い、半日その団体と行動を共にして、食事やダンスパーティに参加して素敵なマダムとの心和むひとときも経験するマッテオだった。最後に幸せな家庭を築いたはずのノルマの家に行くが、孫の話を聞いて悪い予感が的中する。夜中に街を彷徨うマッテオの元に5人の子供たちが幼少時の姿で現れ、一人一人が隠していた真実を語っていく。ナポリ。ローマ、フィレンツェと旅する老人の目に映ったものは果たして何だったのだろうか・・・。旅を終えて、我が家に戻ったマッテオは、妻の墓前で旅の報告をして子供たちの近況を伝えるのだった。子供たちは、みんな元気だった、心配ないと。
著名なジャーナリストの父親ジャン・ファレルの勲章の授与式に出席するために、米国のスタンフォード大学に行っている青年アレクサンドル・ファレルがパリに一時帰国した。空港には迎えのタクシーが父の計らいで用意されていたが、父は自分の明日の授与式や仕事のことで忙しく電話にも出ない。父の家で彼を暖かく迎えてくれたのは家政婦だけだった。母のクレール・ファレルはフェミニストを支援するジャーナリストで、ラジオの討論番組に出たり、本の執筆もする有名人だ。クレールは夫と別居、新しい恋人のアダムの家に引っ越したので、アレクサンドルは母の住まいの夕食に呼ばれてそこでアダムの娘ミラを紹介される。ミラはNYの大学に行くのだという。アレクサンドルが学生時代の友達との集まりに行くので、出掛けるのでミラも同行する。翌朝、アレクサンドルは突然警察の家宅捜索をうけ、告訴された。ミラがアレクサンドルにレイプされたと告訴したのだ。警察の取り調べに対してレイプではない、同意があったと答えるアレクサンドル。ミラの供述とは大きく違う。突然の息子のレイプ犯容疑でショックを受ける両親。二人の供述は平行線のまま裁判に。誰が正しいのか、何が正しいのか、真実は一つなのだろうか。アレクサンドル、ミラ、彼らの両親の弁論、誰もが今までの良識を覆されるような裁判を受けとめることになるのだった。
アフリカ各地の難民を乗せたボートが、水も燃料も底を尽き、いつ死んでもおかしくはなかった。だが、ある時、遠い水平線に一隻の豪華ヨットを発見し、助けを求める。難民のひとり、ワエルたちの予想に反し、ヨットに乗るヴラッドらは彼らを温かく迎え入れ、邸宅がある小島へと招待される。しかし、ヴラッドらセレブたちには、ある目的があった。歓迎の晩餐の後、ワエルたちが目を覚ました先には、銃を構え、彼らを獲物にしようとするヴラッドたちの姿が。武器を持たされたワエルたちは、どこから襲ってくるか分からぬハンターたちと血で血を洗うサバイバルをはじめる。24時間の狩りから生き残り、約束の地、欧州へと行くことができるのは誰なのか?
雑誌の募集広告で知り合った男と女。お互いの名すら告げない条件で、毎週木曜にいつものカフェで待ち合わせ、いつものホテルの一室で肉体関係を持つ。彼らはそれを『ポルノグラフィックな関係』と名付けた。しかし、それぞれの感情が肉体だけの快楽では満たされなくなったことから、ふたりの関係に変化が生まれて・・・
パリのリセ(高校)の4人の同窓生のブリュノ、アラン、モモ、レオンが卒業後数年ぶりに産院で再会した。4人の親友だったトマジのガールフレンドソフィーが子供を出産しようとしているのに立ち会うためだ。待合室で4人が思い出すのは、トマジと自分たちのリセでの最後の1年のこと。75年のパリのリセ、モンテスキュー校。学園闘争がフランス全土に燃え上がっていた頃。彼らは何か行動したいと思いながら、実は女の子とのセックス願望で頭がいっぱいのそんな悪ガキたちだった。ある日バーバラという魅力的な女の子がロンドンから英語のアシスタントとしてやって来た時から、急に授業に熱心になった。デモへの呼びかけの討論で、レオンはなぜデモに行くかを話し合うべきだと主張するが、ほかの4人は女の子が行くなら俺も、というのが本音。ブリュノはトマジと夜の町へ。ドラッグを売人から買い、その友達で謎の男に連れられ、秘密のアパルトマンへ案内され、そこはドラッグ常習者たちのたまり場だった。デモの当日、広場を占拠して意気上がるが、機動隊の催眠ガスで蹴散らされる。ブリュノはトマジを援軍につけて、バーバラの家へ。彼女に誘われてキスを交わし、ベッドインするブリュノ。翌日、そのことを知ったアラン、モモ、レオンには、これまでの人生で最大のショックだ。内申書会議があり、トマジは決定的な問題児扱いで落第決定だったが、数学教師の力説のおかげで試験の結果次第ということに。バーバラの帰国の日。ブリュノは素直になれず見送りに行けなかったが、トマジに尻を叩かれて駅に着いた時には、列車は出発していた。受験直前の模擬試験の日。トマジはドラッグでラリって学校に現れて騒ぎを起こし、退校処分に。ひとりよろよろと去るトマジを、ほってはおけないとソフィーが追った……。再び産院での朝。無事に生まれた女の子を抱くソフィーを見守る4人。父親のトマジだけはそこにいない。「来週また来よう、だけど久しぶりに会ったのだから」と、彼らは近くのカフェに笑いながら去る。そんな彼らをトマジは空の上から見守っているようだった。
主人公の女性クロエは夏のヴァカンスに行くあいだ愛猫グリグリを誰に預けたらいいのか悩んでいる。ルームメイトのゲイの青年ミシェルは彼氏と別れたばかりでそれどころじゃないし、管理人はもう何匹も預かっているから無理だと言うし。そこで人づてに紹介されたのが、近所のお人好しの猫好きのおばあさんマダム・ルネ。ところが休暇から帰ってくると、グリグリは行方不明に。ルネはご近所の老婦人ネットワークにこの情報を流し、みんなおせっかい半分で熱心に協力してくれるが、手がかりはない。またルネは夜に猫を探すための護衛役にと、アラブ系の青年ジャメルを紹介してくれる。ちょっと頭は鈍いが善良なジャメルは、クロエに恋して一生懸命猫を探す。クロエのもう一つの悩みは恋人のいないこと。ミシェルの見立てでちょっと女らしいドレスで夜のバーに出かけると、今度は変な男たちに言い寄られて逃げ帰る始末。ミシェルの新しい恋人クロードが二人の所に転がり込んできたので、彼女はますます居心地が悪い。一方クロエは以前から街ですれ違って密かに好意を抱いていた青年とついに話をする。実はドラムを叩いて近所迷惑になっている張本人なのだが、恋をすればそれもカッコよく見えてくる。だが彼と寝た直後、恋人らしい女性から電話があって、がっかりして冷めてしまう。マダム・ルネが風邪で寝込んだのでお見舞いに行くと台所のオーブンの後ろで猫の声が!なんとグリグリだった。やっと猫が帰ってきて嬉しいクロエ。クロエの隣人で男ヤモメの画家、ベルカントが引っ越しをすることに。荷物運びを手伝いながら、クロエは彼がずっと自分に好意を抱き、自分の絵まで描いていたことを知る。近所のカフェでのささやかな送別会のあと、クロエとベルカントは再会の約束をしてお別れのキスをした。
様々な人種が住むフランスの団地。アシタンはある朝目覚めると、窓の外が“闇”で覆われていることに気が付く。その“闇”に物を投げ入れると物体は消滅し、体が触れるとその部分が鋭利な刃物で切られたように消えてなくなってしまう。原因不明の“闇”のせいで、建物の中に足止めされる団地の住民たち。徐々に正気を失っていく彼らの間に争いごとが起こり始める中、彼らが選んだ“生きるため”の方法とは!?
ある夜、警察に止められた一台のトラック。運転席には負傷し、女装をした男。荷台には十数匹の犬。“ドッグマン”と呼ばれるその男は、半生を語り始めた―。犬小屋で育てられ暴力が全てだった少年時代。トラウマを抱えながらも、犬たちに救われ成長していく中で恋をし、世間に馴染もうとするが、人に裏切られ、苦しめられ、深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた男は、犬たちと共に犯罪に手を染めてゆくが…。
フランス人夫婦アントワーヌとオルガはスローライフに夢を抱き、緑豊かな山岳地帯スペイン・ガリシア地方の小さな村に移住する。しかし、ある出来事をきっかけに地元の村人たちと敵対関係が激化していき……。
製薬会社フィンザーでSNSマーケティングを担当するアリスは、不倫相手の同僚との密会後、夫の元へと深夜に家路を急いでいた。道中人里離れたガソリンスタンドに立ち寄ったが店内に従業員の姿はない。仕方なく店を出ようとしたその時、突然どこからか銃弾が飛んできて腕を負傷、スマートフォンも撃ち壊されてしまう。彼女が戻らないのを心配し、店内に入ってきた不倫相手も背後からの狙撃の餌食となり死亡。唯一の外との通信手段となるトランシーバーで、応答した男に助けを求めだが、その男こそが自分の命を弄ぶスナイパーだと分かり、窮地に追い込まれパニックに陥るアリス。なぜ彼女は狙われるのか……?助けを呼ぶ手段もない、逃げ場もない絶体絶命の状況の中、目的の分からない残虐無比なスナイパーとの悪夢のような一夜が幕を開ける…。
第二次世界大戦の最中、結婚式をあげたばかりのアントニオは極寒のロシア戦線に送り込まれる。次々と仲間たちが倒れてゆく中、彼を救ったのは地元の娘マーシャだった。時は流れ、帰らぬ夫を待ち続けるアントニオの妻、ジョバンナはモスクワへと旅立つ。遠い異国の地で愛する夫を捜すジョバンナがたどり着いたのは、マーシャと結ばれ家庭まで持っていたアントニオの家だった…。全編に流れる哀愁を帯びたテーマ曲も人気の作品。
19世紀初頭、フランス社交界でドン・ファンとしての名も高いシャルル伯爵は、世間を避け叔母の別荘に身を寄せていた。そこにいたマチルドの美しさに惹かれたシャルルは、彼女に接近する。マチルドの夫はイギリスに行っていたが、次第にシャルルに惹かれていく自分に気づく。そんなある日、シャルルの愛人だったフローラが別荘を訪れる。彼がマチルドを愛し始めていると気付いたフローラは、嫉妬心から二人の仲を裂く行動に出る。
ある夏の日、フランス北部の荒れた地区を舞台にした映画が企画され、地元の少年少女を集めた公開オーディションが開かれる。選ばれたのは、異性との噂が絶えないリリ、怒りをコントロールできないライアン、心を閉ざしたマイリス、そして出所したばかりのジェシーの4人のティーンエイジャーたち。出来上がったシナリオは、彼ら自身をモデルにした物語だった。主役は問題児ばかり。波乱に満ちた映画撮影がはじまるー。
イ・チャンドン監督作品の本質と真実に迫る、タイムトラベルのような本作は、『ペパーミント・キャンディー』にインスパイアされ、現在から過去へ、作家として過ごした日々、そして幼少期と、イ・チャンドンの芸術的原点へと遡っていく。また、彼の作品に出演した俳優や、共同脚本家のオ・ジョンミとの制作についても描かれる。さらに、各作品のロケ地の現在の姿も映し出される。
キアラと夫アントワーヌは大西洋の島に住んでいる愛情深い夫婦。20年間一緒に漁師として支え合って働いてきた二人は、ある日、若い見習いマクサンスを雇う。裕福な家庭で育ったマクサンスに漁師という厳しい仕事は向いていないと思っていたキアラだったが、マクサンスは意欲的に仕事を習得していく。若く、逞しく、魅力あふれるマクサンスに情熱的に惹かれはじめるが、マクサンスはキアラよりはるかに年下ということが、隣人たちの噂や敵意を呼び起こし・・・
生態系が壊れてしまった地球。一部の富裕層のみが城塞都市“シタデル”に暮らし、ほとんどの貧しい人々は危険な外の世界で僅かな資源を奪い合うように生活していた。そんな外の世界に寝たきりの父と二人で暮らす13歳の少女ヴェスパーは、ある日危険な森の中で倒れている女性カメリアを発見する。シタデルの権力者の娘であるという彼女は、共に墜落した飛行艇に乗っていた父親を探してほしいとヴェスパーに頼み込むのだが…。
友人のジェフをかばい、無実の罪で10年間刑務所に収監されていたフランクは、深い後悔に苛まれていた。出所したものの医師から脳腫瘍で余命1年であると告げられたのだ。残された時間があと僅かと知り、フランクは自らの人生にケリをつけるため動き出す。服役中に知り合ったバンコーペン医師の治療法の実験体になることを了承。さらに町の治安を乱すギャングのマリクら一味の排除に乗り出すことに。病のせいで情緒不安定になりながらも自作のマスクを着け、次々とマリクの配下を力でねじ伏せていくフランク。一方、謎のマスクの男の正体に気づいたマリクは、フランクの友人を人質にフランクを呼び出すのだが…。