1950年代後半のフランクフルト。ナチス戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーのもとに逃亡中のナチス親衛隊中佐・アイヒマン潜伏に関する手紙が届く。アイヒマンの罪を法廷で裁くため、国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、その極秘情報をモサド(イスラエル諜報特務庁)に提供する。しかしドイツ国内に巣食うナチス残党による妨害や圧力にさらされたバウアーは、孤立無援の苦闘を強いられていくのだった・・・
ザ・ローリング・ストーンズ、ニルヴァーナ、U2、ジョイ・ディヴィジョン、ビョーク、メタリカ…世界最高のアーティストに愛される男――ザ・ローリング・ストーンズ、U2、ジョイ・ディヴィジョン、ニルヴァーナなど世界最高のアーティストたちを撮り続けてきた最強のロック・フォトグラファー、アントン・コービン。カルチャー・シーンに大きな影響を与え続ける彼を4年に渡り完全密着したドキュメンタリー。U2、メタリカ、ルー・リード、ジョージ・クルーニーといった一流アーティストたちとの作品創りの様子など見所が満載。30年以上のキャリアで撮りためたポートレートも劇中にちりばめられ、その偉大さにあらためて圧倒される衝撃作。
スイスの人気創作レストラン”W”でソムリエとして働くドイツ人のハンナは、仕事も順調で充実した日々を送っていた。たった一つのことを除いては・・・。ハンナは上司であるオーナーシェフ、トーマスと不倫の恋をしていたのだった。そんなある日、シェフとしてスペイン出身のダニエルがやってくる。レストランでの慌しい一日を終えたハンナは、同僚のシェフ・ヒューゴと共にダニエルを食事に誘う。ダニエルと二人きりになった帰り道、会話が途切れた瞬間、ふいに彼女は酔った勢いでダニエルにキスをしてしまう!キス―。されどキス!たった一度のキスでも、ダニエルにとっては恋に落ちるのに十分だった!
アラブ系と非アラブ系の民族が紛争を続けてきた、スーダンのダルフール地方。1956年に独立し、スーダン政府のアラブ化が強まってからは、二つのグループの内戦がさらに激化する。アラブ系の攻撃は、非アラブ系の民間人にまでおよび、ジャンジャウィードと呼ばれる民兵組織が民間人を大量虐殺していく。そんな中、ダルフールの小さな村に、残虐な戦いの実情を調査するため、6人のアメリカ人ジャーナリストがやって来る。取材を終え、帰路に着く道中、彼らは武装したジャンジャウィードが村の方へ向かっていくのを目にし、戦いを食い止めようと村に戻る。しかし、ジャンジャウィードは彼らの訴えに耳を貸すことはなく、逃げ惑う村人を片っ端から銃で撃ちまくり、女性をレイプし、子供や赤ん坊までをも無残に殺害していく・・・!
貧しい家庭に生まれながらもジェシー・オーエンスは、中学時代から陸上選手として類い稀な才能を発揮していた。家族の期待を一身に背負ってオハイオ州立大学に進学。そこでコーチのラリー・スナイダーと出会い、オリンピックで金メダルを獲得するべく日々練習に励んでいたが・・・
最愛の妻ルースが死んだ。だが、90歳のゼヴはそれすら覚えていられない程、もの忘れがひどくなった。ある日、彼は友人のマックスから1通の手紙を託される。「覚えているか?ルース亡きあと誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―」2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、70年前に大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人の名は“ルディ・コランダー”。容疑者は4名まで絞り込まれていた。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴはたった1人での復讐を決意し、託された手紙と、かすかな記憶だけを頼りに旅立つ。だが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった―
愛か巨悪か、勝利はどちらの手に――話題作に次々と出演しているニコラス・ホルト待望の主演最新作!アメリカで天才自動車泥棒として暗躍していたケイシーはドイツ・ケルンに渡り、マフィアのもとで働いていた。そんな時に偶然クラブで出会ったジュリエットと恋に落ち、病気の彼女を救うため大きな賭けに出る。その計画は実業家にして麻薬王のハーゲン・カールから大量の麻薬が積まれたトラックを奪うというものだった。簡単で、稼げると思われたこのミッションはジュリエットが人質にとられたことで、絶体絶命の状況に――
少女エマは、華やかな結婚生活を夢見て医師チャールズ・ボヴァリーと結婚する。しかし静かな田舎町での生活と退屈な夫の存在は、次第に彼女の心に暗い影を落としてゆく。やがてエマは美しい青年レオンに惹かれてゆくが、思いは実ることなく彼は去っていってしまう。再び孤独になったエマは、資産家のマルキと出逢う。エマを気に入ったマルキは彼女を口説き始め、彼の振る舞いに憧れを抱いたエマはついには体を許してしまい・・・
サムは自分の名前もわからず地下鉄で意識を取り戻し混乱していた。警察には指名手配犯として拘束されそうになり、辛くも逃げ延びる。サムはポケットに入っていたショップカードのレストランへ辿り着き、逃げ込んだトイレでノートを発見する。そこには「これを読んでいる君が、このノートを読むべき正しい人であってほしい。僕は自分の記憶がなくなる前に、このノートを書いている。右の頬骨に金属プレートが入っていたら、君は僕なんだ。」から始まる走り書きが残されていた。サムは同じく記憶を失くして警察に追われている少女ララと出会い、自分たちが置かれている状況を理解しようと奔走する。ノートを読み進めていくうちに、コーポレーションX社という青少年更生施設と、X社が扱うリハビリプログラムの存在が浮かび上がってきて――。
雑種犬に重税を課すという悪法が施行された、ある街。13歳のリリは理解のない父親によって愛犬ハーゲンを捨てられてしまう・・・。必死でハーゲンを救うべく探し回るリリ、そして主人を失ってしまったハーゲンは安住の地を求めて街を彷徨う。人間に捨てられ、裏切られてしまった、かつての“人類最良の友”。ハーゲンは虐げられてきた施設の犬たちを従えて人間に対して反乱を起こすのだった・・・。
独裁政権に支配される国。ある日、クーデターが起こり、老いた独裁者は幼い孫と共に逃亡を余儀なくされる。彼は多くの罪なき国民を政権維持のために処刑してきた冷酷な男だった。変装で素性を隠しながら、独裁者と孫は海を目指す。二人が逃亡の旅で目の当たりにする驚きの光景とは―。自らの過去の罪に追われる独裁者と孫の衝撃的な結末とは―。
ベルリンに暮らす10歳のジャックは、6歳になる弟のマヌエルの世話や家事で毎日忙しく過ごしていた。まだ若いシングルマザーの母は、恋人との時間や夜遊びを優先し、兄弟の面倒をみようとしない。そんなある日、マヌエルをお風呂に入れようとしたジャックは、お湯の温度を調整するのを忘れ、弟に火傷を負わせてしまう。この事件をきっかけにマヌエルは知り合いの家に、ジャックは養護施設に預けられることになるが、ジャックは、施設になじめない。そして母に会う為に待ち続けた夏休みが来るが、迎えが3日後になるとの電話が入る。既に我慢の限界をこえていたジャックは、施設を飛び出して家に帰るが、母は不在でカギもない。行方をくらました母を捜すべく弟を迎えに行ったジャックは、兄弟二人でベルリン中を駆け回るのだが…。
不世出の才能に恵まれながらも、破滅型の異端児だったパガニーニがいかにしてヨーロッパ随一のアーティストへと上りつめたのか?そのカリスマ性に群がる女性たちと放蕩の限りを尽くしていた男が、なぜ一人の女性に魂を奪われたのか?そして純粋すぎる愛の思いがけない行方とは?いま、パガニーニのドラマティックな生涯に秘められた真実が明かされる!
精神科医のヘクターは、美人でしっかり者の恋人クララと一緒に、ロンドンで何一つ不自由のない生活を送っていた。しかし、毎日患者たちの不幸話を聞き続けていくうちに、自分自身の人生も価値の無い物のように思えてきてしまう。「幸せって、なんだろう…?どこにあるんだろう?」ヘクターは答えを求めて、旅に出ることを決意する。イギリスを旅立ち、中国からチベット、アフリカ、そしてアメリカへ。行く先々でとんでもないハプニングに巻き込まれながらも、彼は各地で出会った幸せのヒントを手帳に書き記してゆく。はたして旅の終わりにヘクターは愛と幸せを見つけ出すことができるのだろうか―?
2092年、世の中は、化学の力で細胞が永久再生される不死の世界となっていた。永久再生化をほどこしていない唯一の死ぬことのできる人間であるニモは、118歳の誕生日を目前にしていた。メディカル・ステーションのニモの姿は生中継されていて、全世界が人間の死にゆく様子に注目していた。そんなとき、1人の新聞記者がやってきてニモに質問をする。「人間が“不死”となる前の世界は?」ニモは、少しずつ過去をさかのぼっていく――。9歳のニモの前には、3人の少女がいた。赤い服を着たアンナ、青い服を着たエリース、黄色い服を着たジーン。それぞれとの結婚を思い浮かべるニモ。ある日、学校帰りに自分の母親がアンナの父ハリーと密会しているのを目撃してしまい、ショックを受ける。そんな母の浮気を知ってか、両親は喧嘩ばかりするようになっていた。そしてある日、ニモは電車のプラットフォームで、母と電車に乗るか父と残るか、という選択の岐路に立たされることになるのだった。
二人の恋は、ひりつく夏の日差しのように、熱く燃えあがって終わりを告げた。けれどその想いは、互いの胸の中で一生消えはしなかった。気性が粗く、ギャンブル好きの老婆アウロラ。彼女は、なかなか会いに来ない冷たい娘の事を気に掛けながら、お手伝いのサンタと、何かと世話を焼いてくれる隣人のピラールを頼りに暮していた。ある時、病に倒れたアウロラは、自分に死が迫っている事を知り、突然ヴェントゥーラという男を呼んでほしいと言い出す。ピラールは訳も分からず、消息不明のヴェントゥーラ探しに奔走する。二人には、ある約束があったのだ。そして50年の時をさかのぼり、二人が若かりし頃に出会ったアフリカ-タブウ山の麓での、胸を焦がすような熱い記憶が甦る。
ブエノスアイレスで独り暮らしのマリアナとマルティン。近所に住んでいるが、まだ、互いのことを知らない。2人に共通しているのは、恐怖症があること。マリアナはエレベーター、マルティンは広場と人ごみ。建築家のマリアナは本業にはありつけず、ショーウインドウのディスプレイを手がけ、相手にするのはマネキンばかり。マルティンは家にこもるウェブ・デザイナー。つきあっていた女性が犬を預けたまま、米国へと旅立ち、暗い部屋に犬と一緒に残される。買い物はすべてネット。犬の散歩係もネットで調達。精神科医からは、広場恐怖症を克服するには、カメラを通して街や人をみるように、すすめられ写真をとりはじめる。マリアナも、4年間、一緒に暮らした恋人との別れから未だ立ち直っていない。頭の中も部屋の中も整理できず、片付けられない。段ボール箱には、荷物が入ったまま、昔、ひとりで暮らしていた部屋に戻ってきた。意中の人を探すのは、まるで「ウォーリーを探せ」そのままだ、と思う。どうしてもウォーリーを見つけられないページがある絵本が捨てられない。ブエノスアイレス。近くて遠い2人。今度こそ、と思いながら出会う相手とはうまくいかない。この状況から脱したい!と思いながら2人が実行に移したこととは…?
1941年10月19日、ドイツ占領下のフランス、 シャトーブリアン郡のショワゼル収容所。そこにはドイツの占領に反対する行動をとった者や共産主義者など、政治犯とされる人々が多く収容されていた。その中に占領批判のビラを映画館で配って逮捕された、まだ17歳の少年ギィ・モケがいた。その翌日、近くの街ナントで1人のドイツ将校が暗殺される。ドイツ将校でありながら、いずれも反ナチであるシュテュルプナーゲル将軍、シュパイデル大佐、エルンスト・ユンガー大尉の3人は、「犯人を早急に逮捕しないとベルリンは過度の報復を要求してくる」と危険を感じた。だが、司令部にやってきた駐仏ドイツ大使アベッツが告げたのは、「総統は報復として、収容所のフランス人150名の命を要求している」という冷酷な命令だった。一方、シャトーブリアン郡庁舎では、フランス人の副知事ルコルヌが、銃殺される人質のリストづくりを命じられ、ドイツ軍司令官は政治犯が多いショワゼル収容所から人質を選択することを決定する。そして、作成された人質のリスト。そこには、収容所で最も若いギィ、明日には釈放されるはずのクロード、リーダー格のタンボーらの名前があった・・・・・・。
独身男コルベインは子持ちの未亡人ソルヴェーイグに惹かれ、彼女も彼に惹かれている。しかし、村中がこの恋の発展を興味津々で見守るなか、なんと、馬同士の愛が先を越してしまう。果たして、彼らの複雑化してしまった四角関係のゆくえは・・・・!?アイスランドの美しくも過酷な大自然を舞台に繰り広げられる、人間と馬との予測のつかないストーリー。交差する悲劇と喜劇。そしてその結末は・・・・。
福ちゃんは、かなりワケありの住人たちが集まる「福福荘」に住む塗装職人。昼間は仕事で汗を流し、夜はアパートの住人どうしのトラブルを解決、休日には近くの河原で趣味の凧あげに精を出す、そんな毎日を送っている。だれにでも親切をふりまく人気者の福ちゃんだが、恋愛には奥手で、実はかなりの女性恐怖症…。なにかと福ちゃんを気に掛ける親友のシマッチがせっかくセッティングしてくれたお見合いの場も台無しにしてしまう…。
世界遺産に登録されたモロッコ北部の町、テトゥアン。26歳のマリクは定職にも就かず、2人の悪友アラールとスフィアンと、悪事で手に入れた金で遊び暮らしていた。そんなある日、酒場のダンサーでドゥニアという女性と出会い恋に落ちる。だが、彼女は売春婦の仕事もしていて、彼女を人生の裏街道から救うには金が必要だった。彼女が働いている店に麻薬密売の容疑で警察の手が入り、ドゥニアが逮捕されたことを知ったマリクは、かねてより恨みを抱いていた義父を麻薬密売人として警察に売り、代わりにドゥニアを釈放してもらう。ところが、これをきっかけにマリクは担当のデバス警部から情報屋として働くように命じられる。
1970年代のアルゼンチンで、世間から身を隠すようにして海辺のボロ屋でひっそりと生きる1組の母子。けれども7歳の少女セシリアには、なぜ自分たちがそうした生活を送らなければならないのか、その理由がよく分からない。ある日彼女は、軍人が教室に参列した学校の作文の授業で、軍に入隊した親戚が死んだことを素直に書き綴った文章を先生に提出する。その晩、それを知った母親は、思わず血相を変えて家を飛び出し…。
パリのホテルにこもって最新作を執筆中の小説家と、作家志望の若き愛人。ローマ滞在中のイタリア嫌いのアメリカ人と、娘を奪われて人を信用できない女。ニューヨークのホテルで客室係として働きながら、現代アーティストの元夫から息子を取り戻そうとする元女優。一見、何の接点もないようなエピソードが、クライマックスに向けて衝撃的なかたちで交差していく。3つの物語が一つに重なるとき、思いも寄らない真実が浮かび上がり、ラブストーリーを超える愛と絆が観る者の胸を締め付ける。
吸血鬼のアダム(トム・ヒドルストン)はギターをはじめ弦楽器なら何でも自在に弾きこなすミュージシャンとしてアンダーグラウンド・ミュージック・シーンで活躍している。しかしここ近年の自己破滅的な人間たちの振る舞いにアダムは抑鬱を抱えていた。そんなとき恋人イヴ(ティルダ・スウィントン)がデトロイトに住む彼の元を訪れる。もちろん、彼女も吸血鬼で2人は何世紀も愛し合い、生き続けてきた。久々の再会もつかの間、イヴの破天荒な妹エヴァ(ミア・ワシコウスカ)が突然2人に会いにやってきて3人の運命は、ゆっくりと変わり始める・・・。
1830年パリ。貴族の家系の子息オクターヴは自堕落な毎日を送っていたが、父親が亡くなったのを機に派手な生活をやめることに。その頃出会った年上の未亡人ブリジットに強く魅了されるが、彼女は若くて情熱的なオクターヴを恐れて距離を置こうとする。だがいつしかブリジットはオクターヴの愛情が本物だと知り、2人は愛し合うように。やがて相手を思う気持ちが強過ぎるせいか、2人は落ち着いた心境になることができず・・・・・・。
アンは雑誌記者。パリ市街に、夫と二人の息子たちと何不自由なく暮らしている。彼女は今、女子大生の援助交際についての記事を執筆中で、そのために2人の若い女性へのインタビューを敢行していた。取材を受けた女性たちは、一見売春婦とは思えぬごく普通の可愛らしい若者たち。しかし、それぞれに異なる事情から、様々な男たちに体を委ねていた。アンは自分とは別世界の人間だと思っていた彼女たちの、赤裸々かつ官能的な体験談に耳を傾けるうちに、自分の中にも【欲望】が密やかに眠っていることに気づき始める。