舞台は1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム。大義のため英国政府の警察となるラーマ。熱い思いを胸に秘めた男たちが運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。彼らが選ぶのは友情か?使命か?
ホテルの部屋で恋人であるヤン・スジョン(イ・ウンジュ)を待っているキム・ジェフン(チョン・ボソク)。画廊を経営する彼は、テレビ番組のディレクターで、先輩でもあるクォン・ヨンス(ムン・ソングン)と一緒に展覧会を訪れた構成作家のスジョンと出会い、恋に落ちたのだった。酒を飲んだ後にスジョンから「お酒を飲む時だけ恋人になりましょうか?」と言われ、交際を始めたジェフン。スジョンとセックスをしようとしたジェフンは「初めてなの」という言葉を聞き、彼女が心を決める日を待っていた。一方、ジェフンからの電話を自宅で受けたスジョンも、2人のこれまでを振り返る。ジェフンと会った当時、スジョンは妻帯者であるヨンスとの苦しい恋愛の最中で、優しくスマートなジェフンに彼とは違う魅力を感じていた。
根本昌平は売れない映画監督。7年前に初監督作とその主演女優と結婚したことで話題にはなるものの、映画自体は大コケでそれ以来映画は一本も撮っていない。そんな昌平が夢中になれるのは洒落たシステムキッチンに自らが立って作るフランス料理だった。ある日、昌平が数年前にCM撮影で訪れた時に仲良くなったアラニア島の日系二世、パナポラ・ハンダ酋長から手紙が届く。商用で来日するため、4月1日の夜に自宅を訪ねたいという。しかし、聞いたところによるとアラニア島では友情の誓いとして妻を一晩提供する習慣があるらしい。悩んだ昌平は友人の脚本家藤沢へ相談すると、藤沢は新人女優を妻の替え玉にするシナリオを提案してきたのだった…
1845年。オレゴンの砂漠地帯を、白人の3家族が西へ向けて移動している。ミークという男が彼らを先導するが、予定の旅程をとうに過ぎても、目的地には辿りつかない。水と食料が尽きかけていく中、3家族は次第にミークへの不信感を募らせていく。途次、ネイティブアメリカンの男に出くわす。水の在り処を知っていると期待した一行は、彼を引き連れ、歩を進めていくのだが……。
身重の妻を持つマークは、旧友カートからの電話を受け取る。久しぶりに再会した彼らは、山奥へ秘湯を探しに行く。父親になることを恐れるマークと、そんな彼が遠い存在になることを恐れるカート。かつて青春時代をともに過ごしたふたり。昔話に花が咲く……とはならず、会話は一向に噛み合わない。ふたりの間には、深い溝ができてしまったのだ。ようやくたどり着いた秘湯で、互いの胸の内を探るが――。
コージーは母としての生活に不満を抱いている。誰かが自分の子供たちを引き取っていくこと、そうすれば彼女自身が新しい人生を始められるということを、延々夢想している。彼女の父は、地元の刑事。昼間から酒を浴び、たびたび銃を失くしてしまう。最近またどこかに置き忘れ、停職を食らってしまった。彼の銃を、リーという放蕩青年が拾う。ある日バーで出会ったコージーとリーは銃を手に、代わり映えの無い日々からの脱却を目論む。ひょんなことで殺人を犯してしまったと勘違いした彼らは、逃避行を開始。だがそれは、映画のような夢物語とは、かけ離れていて。
ロックデュオ「チカチーロンズ」のボーカル・信太はある日の対バンライブでギターの直也にドタキャンを食らわされる。路頭に迷う信太に救いの手を差し伸べたのはシンガーソングライターの月見ゆべしだった。売れない、金ない、時間ない、三十路同士の二人は共鳴し、やがて信太はゆべしのマネージャー・・・そして恋人となる。しかしメジャーに進出させたい信太と自分のスタイルを頑なに曲げないゆべしの溝は日に日に深まっていくばかりで…。
1953年3月5日。スターリンの死がソビエト全土に報じられた。モスクワ郊外で発見されたスターリンの国葬を捉えた大量のアーカイヴ・フィルムは、同時代の200名弱のカメラマンが撮影した、幻の未公開映画『偉大なる別れ』のフッテージだった。そのフィルムにはモスクワに安置された指導者の姿、周恩来など各国共産党と東側諸国の指導者の弔問、後の権力闘争の主役となるフルシチョフら政府首脳のスピーチ、そして国父の死を嘆き悲しむ幾千万人の人の顔が鮮明に記録されていた。人類史上最大級の国葬の記録により、スターリンが生涯をかけて実現した社会主義国家の真の姿を明らかにする。
1930年、モスクワ。8名の有識者が西側諸国と結託しクーデターを企てた疑いで裁判にかけられる。この「産業党裁判」はスターリンによる見せしめ裁判で、撮影された法廷はソヴィエト最初期の発声映画『13日(「産業党」事件)』となった。だが、これはドキュメンタリーではなく架空の物語である―発掘されたアーカイヴ・フィルムには無実の罪を着せられた被告人たちと、彼らを裁く権力側の大胆不敵な共演が記録されていた。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像が加えられ再構成されたアーカイヴ映画は、権力がいかに人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるか描き出す。
ベルリン郊外。真夏の陽光を背に吸い寄せられるように群衆が門を潜っていく。辺り構わずスマートフォンで記念撮影をする家族。誰かの消し忘れた携帯からはベートーヴェン交響曲第五番「運命」の着信音が鳴り響く。ここは第二次世界大戦中にホロコーストで多くのユダヤ人が虐殺された元強制収容所だ―――戦後75年、記憶を社会で共有し未来へ繋げる試みはツーリズムと化していた。私たちは自らの過去にどのように触れたらよいのだろうか。ドイツ人小説家・W.G.ゼーバルト著書「アウステルリッツ」より着想を得て製作した、ダーク・ツーリズムのオブザベーショナル映画。
地球の核が震えるような、不穏な【音】が頭の中で轟く―。とある明け方、その【音】に襲われて以来、ジェシカは不眠症を患うようになる。妹を見舞った病院で知り合った考古学者アグネスを訪ね、人骨の発掘現場を訪れたジェシカは、やがて小さな村に行きつく。川沿いで魚の鱗取りをしているエルナンという男に出会い、彼と記憶について語り合ううちに、ジェシカは今までにない感覚に襲われる。
ソヴィエトのとある秘密研究所では、年老いた天才科学者レフ・ランダウのもとで、科学者たちによる「超人」を作る奇妙な実験が行われている。だがキューバ危機の後、フルシチョフ時代を経て、スターリンが築き上げた強固な全体主義社会の理想は崩れはじめ、かつては徹底的に管理されていた人々の風紀は乱れ、腐敗していた。しかし、そんな堕落を上層部が許すはずもなく腐敗を正すために、KGBのウラジーミル・アジッポが派遣される。彼は所長に「昔なら黙って銃を渡したが幸い時代が違う。いますぐ辞表を書くがいい」と迫り、彼自身が新所長に就任する。こうして研究所を監視下に置いたアジッポは、次第に特別実験グループと呼ばれる被験者の若者たちと親しくなっていく……。
夫のウソが原因で離婚訴訟中のソプラノ歌手ジョーン。ある晩、彼女は家に戻ると、空き巣被害に遭い家中を荒らされていた。動揺するジョーンは、偶然手にした番犬貸し出し業のチラシに藁をも掴む思いで電話をかける。すると彼女の前に現れたのは、番犬デュークを連れた中年男ハリーだった。そんなハリーもまた、女たらしでカネにルーズな性格が災い、妻に愛想を尽かされ夫婦仲は冷めきっていたところだった。
さつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は、鈴の音に導かれるように、長い橋の下に広がる河原で出会った。恋に落ち、付き合うまでに時間はかからなかった。等には3つ下の弟・柊(佐藤緋美)がいて、柊にはゆみこという恋人(中原ナナ)がいた。初めて4人で会ったときから意気投合し、自然と一緒に過ごす時間が増えていく。食事をしたり、ゲームをしたり、ゆみこが気になっているという〈月影現象〉について「もしも現実に月影現象が起きたら、誰に一番会いたいか?」を語りあったり。何気ないけれど穏やかで幸せな日々が過ぎていくなかで、別れは前触れもなくやってきた。等とゆみこが死んだ──。深い哀しみに打ちひしがれるさつきと柊。愛する人を亡くした現実を受け止めきれず、ショックで食べることも忘れ、ひたすら走るさつき。そんなさつきを心配しながら、ゆみこの制服を着て何かを感じようとする柊。それぞれの方法で哀しみと向きあおうとしていた。ある日、2人は不思議な女性・麗(臼田あさ美)と出会い、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく。そして、以前みんなで語り合った〈月影現象〉に導かれていく。もう一度、会いたい、会いに来てほしい──。その現象とは、満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない、という不思議な現象だった……。
<壮大な3部作第一章> 環境破壊が止まらず、もはや地上は住めないほど汚染された。人類は地下開発を目指し、その労働力として人工生命体マリガンを創造する。ところが、自我に目覚めたマリガンが人類に反乱、地下を乗っ取ってしまう。それから1600年──遺伝子操作により永遠と言える命を得た人類は、その代償として生殖能力を失った。そんな人類に新種のウイルスが襲いかかり、人口の30%が失われる。絶滅の危機に瀕した人類は、独自に進化していたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に、生徒が激減したダンス講師の“主人公”が名乗りを上げる。地下へと潜入し、〈死〉と隣り合わせになることで命を実感した主人公は、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。今、広大な地下世界の迷宮で、クセ者ぞろいのマリガンとの奇想天外な冒険が始まる!
ガミ(キム・ミニ)は、5年間の結婚生活で一度も離れたことのなかった夫の出張中に、ソウル郊外の3人の女友だちを訪ねる。バツイチで面倒見のいい先輩ヨンスン、気楽な独身生活を謳歌する先輩スヨン、そして偶然再会した旧友ウジン。行く先々で、「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉を執拗に繰り返すガミ。穏やかで親密な会話の中に隠された女たちの本心と、それをかき乱す男たちの出現を通して、ガミの中で少しずつ何かが変わり始めていく。
通勤電車の座席取りをめぐり「伝説の中間管理職」流星課長が今日も跳ぶ!2004年実写版「キューティーハニー」につながるような、庵野秀明のローテク特撮愛がつまった快作。
アメリカ・ニューヨーク。生まれた時から知らず知らずのうちにツキに恵まれていた27歳のフランク。ある日、質店で小切手を換金した際に、店主から「何か買え」と言われたフランクは、興味がなかった1ドルの宝くじを1枚購入。するとその後、なんと賞金額620万ドルの宝くじの最終候補50人に選ばれる。一方、フランクの父親はギャンブルに浸り金をスッてばかり。どうやらギャングに1万ドルもの借金をしていることが判明し、フランクは最終候補者になった夜、ある一大決心をする。
ある日、ジファンのもとに差出人不明の一通の手紙が届く。その封筒の中には“逢いたい”と一言だけ記された1枚の写真が入っていた。ジファンの中で懐かしい思い出が蘇る――。5年前の夏、ジファンはバイト先の喫茶店で親友同士の女の子スインとギョンヒと出会った。3人は友だちとして付き合い始め、かけがえのない日々を過ごすようになる。しかし、スインとギョンヒは突然ジファンの前から姿を消してしまったのだ…
YouTubeで恐怖動画を配信する人気チャンネル「ホラータイムズ」が一般からの参加者を募り、コンジアム精神病院への潜入を計画する。“402号室の呪い”など数多くの都市伝説を生んだこの心霊スポットの内部をくまなく探索し、その模様をライブ中継しようというのだ。「ホラータイムズ」の主宰者ハジュンを隊長とする7人の男女は、いくつものカメラやドローン、電磁検出器といった機材を現地に持ち込み、深夜0時に探索を開始。100万ページビューを目標に掲げるハジュンが仕掛けた用意周到な“演出”も功を奏し、サイトへのアクセス数は順調に伸びていく。しかし院長室、シャワー室と浴室、実験室、集団治療室を探索するうちに、ハジュンの想定を超えた原因不明の怪現象が続発。やがて悪夢の迷宮と化した病院内を泣き叫んで逃げまどうはめになった隊員たちは、世にもおぞましい“402号室の呪い”の真実に触れることに......。
浅草レビューのスター水木蘭子の舞台を見物に行った三文小説化小林紋三はその帰り道、奇妙な光景に遭遇します。子供の身体に大人の頭、“一寸法師”が切り落とされた女の生腕を運んでいたのです。そんな時、紋三は美しい人妻百合枝から、義理の娘が姿を消したので、明智小五郎を紹介して欲しいと頼まれます。ところが、明智の話では水木蘭子もまた失踪したというのです!こつ然と姿を消す美女たち。やがて次々と起こる猟奇事件。でも、それはまだ事件の発端にすぎませんでした・・・。
メキシコのとある村。フアンは愛らしい子供と美しい妻ナタリアとともに何不自由ない恵まれた生活を送っていた。ところが、ある夜、赤く発光する“それ”が彼の家を訪問したときから、なにげない平和な日常が歪みはじめる。ヒカリと闇が互いに戯れるがごとく交わる世界の断片は、1発の銃声によって新たな位相に導かれていく。フアンの家に現れた“それ”はいったい何だったのか?禍をもたらす「悪魔」なのか、それともどこかに彼らを導こうとする「神」だったのか…。
新宿駅前で街頭劇を行う唐十郎。青年が紀伊國屋書店に入っていき、万引きで女店員に捕まる。青年は鳥男、女店員はウメ子。一方、酒場で性談義をする大鳥組の俳優たち。新宿の不穏な熱気は混沌と幻想を呑み込んでいく。
田満洲男は、親戚の中でも特別な存在であった輝道の死を知らせる電報を受け取り、親戚の律子を伴い、子供の頃過ごした島に帰る。その帰途、満洲男の意識は自分と律子、そして輝道を含む桜田家の一族の数奇な歴史を遡行していく。桜田家は元内務官僚で、一度は戦犯とされながらも復権した当主、一臣の独裁の下にあり、満洲男たちにとって祖父に当たる彼が、何人もの女に生ませた異母兄弟とその子供たちによって、複雑な人間関係が織り成されていた。満洲男は血縁が入り乱れた親戚たちに囲まれて、生活を始める。やがて一臣の強権的支配下にある桜田家にも時代のうねりが押し寄せる……。
明治中期の北関東。兵隊帰りの豊次は、人力車夫の儀三郎の妻せきと亭主の留守に関係を持つ。儀三郎の目を盗んで情交を重ねる二人は、邪魔になった儀三郎を殺害する。やがてせきは儀三郎の幽霊を見るようになる・・・・・・。
1942年、ジャワの日本軍俘虜収容所。まだ夜が明けきらない薄闇の中、日本軍軍曹ハラは英国軍中佐ロレンスを叩き起こす。朝鮮人軍属が白人俘虜を犯すという破廉恥な事件が起きたため、ハラが独断で処分する立会い人として、日本語を自由に操るロレンスが必要だったのだ。そこに収容所長のヨノイ大尉の気合が響く。隙を突いて朝鮮人軍属は銃剣を自らの腹に突き立てる。ジャカルタの軍事裁判で英国軍少佐セリアズが裁かれている。彼に熱い視線を送るヨノイ。茶番の処刑劇を経て、セリアズは収容所に移送される。そして、それがすべての厄災の始まりだった……。
背中に悔いを背負った男、安田松太郎。彼は傷ついた天使に出会い、旅に出る。しかし、社会はそれを誘拐と呼んだ。――主人公の安田松太郎は、高校の校長を定年退職した厳格な教育者。しかし、幸せな家庭を築けず、アルコール依存症だった妻を亡くし、一人娘から憎しみをかっている。人生に悔恨を背負ったそんな初老の男が、一人の天使に出会う。松太郎が引越したアパートの隣室に母親と二人で暮らしている5歳の少女。ボール紙で作った擦り切れた羽根をいつも背中につけた地上の天使は、母親に虐待され、誰にも心を開けなくなっていた。不幸な少女の名は、幸。松太郎はある日、幸を救い出し、一緒に旅に出る。行く先は、松太郎の遠い記憶のなかにある心のユートピア。青い空に白い雲がぽっかりと浮かび、大きな鳥が悠然と空を舞う、ある山の頂だった。しかし、幸の母親は娘が誘拐されたと、警察に届け出る。捜査の網の目は次第に彼らを追い詰めていく・・・。
情緒溢れる町並みが、どこか時代から取り残された感のある愛知県瀬戸市。人のウワサがあっという間に広がりそうな片田舎で、43歳の警察官・友川と、15歳の中学生・陽子が恋に落ちた。警官でありながら拳銃をぶっ放して遊び、淋しい主婦とヨロシクやってしまう破天荒なおっさんだったが、知的障害を持つ陽子の兄・助政や、一人暮らしの老婆トヨといった、社会から疎外された人々に優しい目を向ける。そんなおっさんの自由だが一本筋の通った生き方が、胸に小さな傷を抱えた少女の心に安らぎを与え、孤独という心の穴を埋めていく。だが、ある事件をきっかけに二人の関係が周囲に知られてしまうことに。現実を突きつきつけられたおっさんと少女の愛の形を美しい映像でアヴァンギャルドに綴った奥田流抒情詩。
「セーラー服と機関銃」「ションベンライダー」の異才・相米慎二監督の代表作。台風の接近に伴って、少年少女たちのやり場のない感情が高ぶってゆく様を、瑞々しく描き出す。東京近郊のある中学校、夜のプールではしゃぐ5人の女子中学生は、友達をからかい半分で溺死寸前まで追い込んでしまう。一見平凡に見える中学生たちが抱える行き場の無い不安定さは、台風で学校に閉じ込められたことによって、狂気へと走り出す。
無口で孤独な殺し屋・レオンの元に、家族を惨殺された少女マチルダが助けを求めてやってくる。奇妙な共同生活の中で、二人は徐々に心を通わせていくが・・・
「何事もつつみ隠さず、タブーをつくらず、できるだけすべてのことを分かち合う。それが私たち家族の決まり」高度経済成長期に造られたニュータウンも今や「ダンチ」と呼ばれる集合住宅にすぎなくなっていた。京橋家の人々は“家族間では秘密をつくらない”という自分たちでつくったルールを守ることもできず、それぞれ誰にも言えない秘密を持っていた――。娘のマナは、学校をサボタージュし「ディズカバリーセンター」を呼ばれる巨大ショッピングセンターで時間を過ごし、時には見知らぬ男性とラブホテルに向かう。弟のコウもまた、学校に行っていないようだし、父・貴史は浮気に忙しく、長年の恋人・飯塚にストーカーまがいに付きまとわれたり、新しい恋人ミーナの若さに振り回されている。妻・絵里子もベランダのガーデニングに丹精を込めつつも、内心、母・さと子とのこれまでの関係に悩み、また、自分がかつてひきこもりの少女であった事実をトラウマとして抱え、生きている。ルールを言い出した彼女ですら、「わたしには、家族にたったひとつだけ秘密がある」――。ふとしたきっかけから、ミーナがコウの家庭教師として京橋家に乗り込んできた!“存在するはずのないお互いの秘密が暴露されはじめて・・・・・・・。
自称米軍パイロット、父はカメハメハ大王の子孫、母はエリザベス女王の双子の妹。ジェット機を操り世界各地を転戦。こんな嘘八百の経歴と巧みな変装で女たちから推定1億円を騙し取った男がいた。稀代の結婚詐欺師・クヒオ大佐と彼を取り巻く3人の女たちの人間模様、そしてあり得ない恋の結末。騙すことが愛なのか?騙されることが愛なのか?
吉原遊郭「玉菊屋」に売られて来た8歳の少女、きよ葉。女だけの世界で自分も遊女になっていくのが怖いと逃亡を試みるが即座に捕まってしまう。店番の清次は咲かないと言われた吉原の桜が「もし咲いたら」ここを出してやるという。トップ花魁・粧ひの挑発に乗せられ吉原一の花魁になる決意を固めたきよ葉は花魁街道まっしぐらに人気遊女への道を駆け上がっていく。ところがある日、きよ葉は客の惣次郎と激しい恋に落ちる。偽りの愛を売る世界に身をおきながら、唯一、真実の愛を感じられる瞬間に酔いしれるきよ葉。しかし、きよ葉をねたむ花魁・高尾の策略によって惣次郎との仲を引き裂かれてしまう。18歳になったきよ葉は、凄まじい人気を呼んで、誰もが憧れる花魁の座を勝ち得る。やがて身請けを申し出た大名・倉之助の登場で、吉原を出ることに。その当日、咲かないと言われた“吉原の桜”に奇跡が!それを目にしたきよ葉と清次は・・・。
芸能界の頂点に君臨するトップスターりりこ。しかし、りりこには誰にも言えない秘密があった。彼女は全身整形。「目ん玉と爪と髪と耳とアソコ」以外は全部つくりもの。整形手術の後遺症がりりこの身体を蝕み始め、美容クリニックの隠された犯罪を追う者たちの影がちらつく。さらには、結婚を狙っていた御曹司が別の女と婚約。生まれついての美しさでりりこの座を脅かす後輩モデルの登場。究極の美の崩壊と、頂点から転落する恐怖に追い詰められ、現実と悪夢の狭間をさまようりりこ。疾走の果てに、世の中を騒然とさせる事件へと繋がっていく・・・。
可憐な独り暮らしを営む老女アン。ショッピングモールで泣いていた少女アリスに声をかけたことがきっかけで、アリスは度々アンのアパートを訪れるようになる。実はアリスは婦人の厚意を利用していたのだが、10代少女特有の魅力にひかれたアンは彼女に母のような愛情を持ち、彼女の自慢でもある美しい蝶の標本が並ぶ「蝶の部屋」を見せるのだった。だが、アリスが別の婦人とも同様の関係を築いていることを知ってショックを受けた時、アンの心に長年封じてきたある感情が再び芽生え始める。そしてアリスの身に不幸が襲いかかる。
1951年ベトナム、サイゴン。浪費家の家長の家に雇われ、田舎から奉公にやってきたムイは10歳の少女。家には働き者で優しい母と3人の甘やかされた息子たち、孫娘を亡くしてから引きこもっている祖母がいた。ムイは、年老いた先輩奉公人のそばで働きながら、料理と掃除を習い一家の雑事を懸命にこなしていく。ある晩、家長が一家の蓄えを持って消えてしまい、家族は苦境に陥る。そしてムイは、長男が連れてきた友人クェンに出会い、淡い恋心を抱くようになる・・・。10年後、美しく成長したムイは、音楽家になったクェンの家に奉公に出る。恋人がいながら、クェンはムイの献身的愛情と花に対する嗜好に気付きはじめて・・・。
レイは今夜もまた颯爽と渋谷のネオン街に消えていく。SMクラブへ御出勤だ。レイのお客はオジサンが多い。みんな、レイにぶたれ、いじめ倒されるのを夢見て此処にやってくる。ボンテージ姿の女王様レイはオジサンたちにとって天使だ。彼女は昼間は小さな劇団の役者の顔を持つ。夜の女王様を演じることは、昼の役者の勉強にも役立つのだ。ホテトル嬢として働くアユミは、年齢よりも若く見えることを売り物に、客からお金を取り、心の中で舌を出す。結婚資金の為に、せっせと貯金をしている。目下、医者のタマゴと同棲中だ。浪人中の彼と今日も日がなセックスしながらパズルをする。このふたりが出会い、意気投合し、無軌道にもみえる生活が描かれる間合いに、“なんとなくだけども面白い”ふたりの青春が浮かびあがる・・・。
世紀末に咲いた、病的純愛物語。少女は、誘拐犯の愛情を受け入れた・・・。 ・・・気がついた時、クニコ(小島聖)は見知らぬアパートの一室にいた。毛布の下は、全裸。手には手錠が掛けられ、足首は紐で縛られている。次第に記憶が蘇ってくるクニコの前には、中年男がいた。そう、放課後のランニング中、この男から襲われたのだ。「助けてっ!」叫ぼうとするクニコの口を、その男、岩園貞義(竹中直人)がふさぐ。かつて強引な結婚に失敗して心に傷を負った岩園は、「完全な愛」を求めてクニコを誘拐。監禁して、彼女の「飼育」を開始しようとしていた。
これが最後の手品!!時代遅れのマジックを披露する老手品師タチシェフは、かつての人気をすっかり失い、場末のバーでドサまわりの日々。ある日、スコットランドの離島に流れ着いた彼は、やっと電気が開通したばかりの片田舎のバーで、貧しい少女アリスと出会う。
天才的なドライビングテクニックを持つ寡黙な“ドライバー”(ライアン・ゴズリング)は、昼間は映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手という2つの顔をもっていた。ある晩、仕事を終えたドライバーは、同じアパートに暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)と偶然エレベーターで乗り合わせ、一目で恋に落ちる。次第に親しくなっていく2人だったが、ある日、アイリーンの夫スタンダード(オスカー・アイザック)が、服役を終え戻ってきた。アイリーンは、ドライバーに心を残しながらも家族を守る選択をし、ドライバーも一旦は身を引き、家族から距離を置く。しかし、ある晩、ガレージで血まみれで倒れているスタンダードを発見。服役中の用心棒代として多額の借金を負ったスタンダードは、マフィアから妻子の命を盾に、強盗をするよう脅されていたのだ。絶体絶命のスタンダードは、ドライバーに助けを求め……。
『Helpless』『EUREKA ユリイカ』で国内外での評価を不動のものにした青山真治。その二作に続く“北九州サーガ”の集大成的作品が『サッド ヴァケイション』である。小説家としても活躍する青山自身の同名小説をベースに、全編北九州ロケを敢行した意欲作。2007年制作。
『マルティナは海』のビガス・ルナ監督が、女を手玉に取りのし上がろうとする男の成功と破滅をシリアスかつコミカルに描いた情熱のドラマ。スペインを代表する演技派俳優、ハビエル・バルデムと映画デビュー作となるベネチオ・デル・トロが共演。不動産業で成功し、ビルのオーナーになることが目標のベニト。彼は愛人を使って仕事を有利にしたり、銀行家の娘と結婚して融資を得ようとしていた。女を踏み台にして仕事を続けていた彼は、念願のビルの建設がかなった。しかし、そんな彼を悲劇が襲う…。
『おっぱいとお月さま』などで知られるスペインの巨匠、ビガス・ルナ監督がスペインの片田舎を舞台に描く6人の男女の愛憎渦巻く官能ドラマ。ハリウッド進出前のペネロペ・クルスが主演し、アンナ・ガリエナ、ハビエル・バルデムら豪華キャストが共演。