時は慶長十九年・春。桜舞う駿府城にて、甲賀忍者・風待将監と伊賀忍者・夜叉丸による凄まじい御前試合が繰り広げられていた。その頃、齢七十三歳の徳川家康は悩んでいた。徳川家三代目の跡継ぎとするのは暗愚の兄・竹千代か、聡明な弟・国千代か?混乱を極める世継ぎ問題に決着をつけるべく、甲賀卍谷衆頭領・甲賀弾正と、伊賀鍔隠れ衆頭領・お幻にそれぞれの精鋭十人対十人の忍法殺戮合戦の結果、どちらか生き残ったほうにそれを賭けるという厳命が下された!!そして、非情な忍法闘争の幕が開けるのだった・・・。
駿府城にて「不戦の約定」が解かれ、弾正とお幻が相打ちとなったその頃、甲賀と伊賀の国境にある土岐峠にて落ち合う二人の若き男女がいた。弾正の孫・甲賀弦之介と、お幻の孫・朧。かつてそれぞれの祖父と祖母がそうであったように、愛し合い、祝言を間近に控えていた二人は、「長き宿怨を断ち切り、両家に和睦を。」と誓い合う。しかし家康からの忍法闘争の命が記された人別帖が、伊賀組十人衆・雨夜陣五郎、蓑念鬼、小豆蝋斉、蛍火、朱絹たちの手に渡り、開戦が知られるところとなる・・・。
伊賀鍔隠れの里に向かう弦之介一行。幸福な未来を夢見て、ささいな喜びに幸せをかみしめる朧。だがその裏では、伊賀十人衆が彼らを率いる薬師寺天膳の指揮のもと、いち早く甲賀殲滅のために動き出していた。そして星占いによって異変を予知し、いまだ戻らない弾正と将監の行方を案じて駿府へと急ぎの駕籠を飛ばしていた甲賀組十人衆のひとり、地虫十兵衛と、巻物を携え駿府から戻る風待将監を相手に、凄惨な忍法闘争が始まるのであった。
甲賀の地虫十兵衛と風待将監が伊賀の天膳たちによって討たれ、甲賀組に渡るはずの巻物は燃やされた。その晩、伊賀・お幻屋敷では、弦之介達を迎えての宴が催されていた。だが、朧以外に彼らを歓迎する者などいるはずもなく、殺意渦巻く周囲の空気に気づき、警戒しながらも、無邪気にはしゃぐ朧に心和む弦之介。その場を和ませるため、二人で祝言の日のためにと密かに練習していた『和睦の舞』を披露する。そして夜更け、その秘術を使って雨夜陣五郎は弦之介を、朱絹は丈助を討つべく動き出すが・・・。
伊賀屋敷にて、供の丈助の姿が突然見えなくなったことを不審に思いながらも、朧を不安にさせまいと明るく振舞う弦之介。甲賀卍谷では頭領不在の留守を預かる十人衆の室賀豹馬、如月左衛門、霞刑部、陽炎たちが戻らない仲間たちの身を案じ集まっていた。中でも弦之介を密かに想う陽炎は、朧への嫉妬に身を焦がす。そこへ天膳率いる伊賀十人衆たちが卍谷に奇襲をかけようと迫っていた。だがそれに気づいた豹馬の指揮のもと、甲賀忍者達がそれを迎えうつが、圧倒的な伊賀十人衆たちの力の前に、多くの者達が犠牲となる。
兄・左衛門に命じられ伊賀へ偵察に向かっていた甲賀十人衆のひとり、お胡夷。だが卍谷襲撃から戻る天膳たちと出くわし、奮闘するも囚われの身となってしまう。伊賀の突然の襲撃に困惑する甲賀十人衆の面々。真実と弦之介の無事を確かめるべく左衛門、刑部の二人が様子を伺いに伊賀へ向かうことになり、その途中、弾正に奪われた巻物を探していて遅れをとった夜叉丸と遭遇する。天膳の声色を使って罠にかけようとする左衛門だが、夜叉丸から「不戦の約定」が解かれたという驚くべき事実を聞き・・・そしてその頃、伊賀鍔隠れの里では、いまだ戻らない愛しい夜叉丸を思い胸騒ぎに震える蛍火の姿があった。
伊賀屋敷の塩倉では、蝋斉が囚われた甲賀十人衆のひとり、お胡夷に人別帖に名のある他の甲賀忍者たちの秘密を聞き出すべく、尋問を始めていた。蝋斉の恐ろしい尋問に恐怖するお胡夷・・・だが、彼女の吸血能力により、逆に蝋斉は倒される。そこへ今度は陣五郎がやって来て、お胡夷の豊満な肉体の罠に欲情、のしかかるもまたもその吸血能力に捕らえられる。その頃夜叉丸に変化した左衛門は伊賀屋敷へ潜り込み、婚約者の蛍火でさえも欺くことに成功。弦之介の無事とお胡夷の居所を聞き出し、お胡夷救出に塩倉へ向かうが・・・。
ついに天膳から「不戦の約定」が解かれたことを告げられ、驚愕の朧。その頃塩倉では、囚われのお胡夷が吸血能力で陣五郎を倒そうとしていたが、塩に溶ろけた陣五郎に逃げられてしまう。その能力に驚きつつも、脱出を試みるお胡夷。しかしそこに今度は念鬼が現れる。今度は罠をかける間もなかったお胡夷は、やむなく手近にあった小刀で念鬼に斬りつけるが、かなわず羽交い絞めにされる。それでも吸血能力でなんとかたちむかおうとするが。そして妹の身を案じ、塩倉へと急ぐ左衛門が駆けつけたとき・・・。
左衛門、刑部により「不戦の約定」が解かれていたこと、祖父・弾正、十兵衛、将監、丈助、お胡夷の仲間たちが次々と討たれていたことを知るところとなった弦之介。そんな弦之介たちを帰すまいと、殺気立ち彼らを取り囲む伊賀忍者たち。だが底知れぬ弦之介の迫力に警戒する天膳は攻撃の指示をためらう。そこへ朧も駆けつけ、闘いをやめるよう嘆願するも、しびれを切らした念鬼の命によって下忍たちが突撃する。ついに発動する弦之介の恐るべき必殺術・・・!
弦之介は伊賀を去り、悲しみにくれる朧。天膳たちはお幻亡きいま我らを率いて闘うは朧の役目と恫喝し、迷った朧はかつてお幻に渡された「闇七夜の秘薬」で両目を塞いでしまう。そして駿府城。徳川家康、柳生宗矩、服部半蔵を前に、これまでの闘いを追い続けていた半蔵の息子・響八郎がその過程を報告する。
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