詐欺を得意とする辛雲歌(しんうんか)は、朝廷の捜査機関から逃れるために爻(こう)国の辺境にある冬夜城を訪れる。ところが、北燕から送り込まれたスパイを捕まえようとしていた特別組織「潜渊司(せんえんし)」の作戦を妨害してしまい、彼らの水牢に閉じ込められてしまう。そこへ現れたのは、鎮疆王(ちんきょうおう)の跡継ぎである世子・秦唳行(しんれいこう)。辛雲歌は、容赦のない秦唳行の態度におびえながらも、助かりたい一心で“昭華公主”を装うが……。
水牢で辛雲歌(しんうんか)は、巧みな詐術を駆使して自分こそが“昭華公主”だと信じ込ませようとする。しかし秦唳行(しんれいこう)はそれを逆手に取り、逆に辛雲歌に「公主」を演じ続けるよう命じる。しかも秦唳行が見せたある光景が、辛雲歌の価値観を大きく揺さぶることに。辛雲歌は危険を感じて金元宝(きんげんぽう)とともに天満楼へ逃げ込むが、そこも静かに見えて不穏な空気がただよう。一方、金元宝は思わぬところで刑部の捜査官・柳司霆(りゅうしてい)に出くわしてしまう。天満楼で追手を逃れようとする辛雲歌に対して、秦唳行はすでに手を回していた。そんな中、秦唳行と柳司霆は市中で鉢合わせし、辛雲歌の身柄をめぐって激しい言い争いのすえ剣を交えることに。そのころ辛雲歌は、数人のごろつきに絡まれ危うくひどい目に遭いそうになるが……。
絶体絶命の辛雲歌(しんうんか)を助けたのは楽平笙(らくへいしょう)だった。秦唳行(しんれいこう)と柳司霆(りゅうしてい)は互角の戦いを続ける中、柳司霆は今回の捜査の目的を明かす。救われた辛雲歌は楽平笙に礼を述べるが、そこに秦唳行が現れ、先のごろつきたちを容赦なく処刑する。その姿に辛雲歌は衝撃を受けるとともに、秦唳行と楽平笙の間に因縁を感じ取る。王府に戻った辛雲歌に、翌日公主として城を巡るよう秦唳行が命じる。一方、楽平笙は“昭華を殺せ”という不吉な指令を受け取り、苦悩に陥る。 さらに怪しい笛の音とともに、狂乱した街の人々が辛雲歌を襲撃。秦唳行は辛雲歌をかばって重傷を負うが……。
激戦の末、深手を負った秦唳行(しんれいこう)を辛雲歌(しんうんか)は見捨てず救い出す。ふたりは互いに対する見方をわずかに改め始める。また辛雲歌は金元宝(きんげんぽう)との再会を果たすが、柳司霆(りゅうしてい)は執拗に彼女を逮捕しようと狙い続けていた。辛雲歌は秦唳行に楽平笙(らくへいしょう)のことを尋ねるが、秦唳行はあまり近づかないように釘を刺す。いっぽう柳司霆は街の人々が狂乱した原因を突き止めようとするが……。
楽平笙(らくへいしょう)と天心は、ともに北燕の出身であることで意見が対立する。楽平笙は爻(こう)国と北燕の溝をなんとか埋めたいと願うが、天心はこれ以上首を突っ込むなと説得。しかしそこへ再び謎の人物が現れる。時を同じくして秦唳行(しんれいこう)は、水源に毒が混入されるという情報を得ていた。辛雲歌(しんうんか)は王府に残り、侍女から秦唳行の過去を知らされる。十年前、北燕の侵略によって冬夜城は血の海と化し、王府は大火に焼かれ、秦唳行の母后は火災の犠牲となり、父王は正気を失ってしまった。以降、秦唳行は家国の仇を抱えながら冬夜城を背負い続けてきたという。これを聞いた辛雲歌は、彼に対して複雑な思いを覚え始める。そのとき、またあの怪しい笛の音が響き……。
辛雲歌(しんうんか)は、自分が秦唳行(しんれいこう)にとってただの駒だったと知り深く傷つく。そもそも公主役を演じることには同意していたが、真実を知らされていなかったことに失望し、ふたりの間に再び亀裂が走る。だが秦唳行は「必ず守る」と訴え続け、なんとか辛雲歌の心を取り戻そうとする。城を出ようとしていた辛雲歌も、秦唳行の背負ってきた苦しみを思うと逃げ出せなくなり、王府に留まることに。ふたりの心は少しずつ近づいていく。 一方その頃、天心が北燕人である事実が露呈し、潜渊司(せんえんし)の周烈らは楽平笙(らくへいしょう)と天心を包囲する。楽平笙は天心だけでも見逃してほしいと懇願するが……。
辛雲歌(しんうんか)は秦唳行(しんれいこう)を慰めるうちに、彼と楽平笙(らくへいしょう)の幼少期の関係や、楽平笙の正体が北燕の王子であることを知って驚く。十年前の悲劇で、秦唳行の両親も楽平笙の両親も同じように命を落としたのだ。あまりの無情さに胸を痛める辛雲歌は、秦唳行との絆をさらに深める。そして“昭華公主”として振る舞い、民衆を落ち着かせる。しかし長引く混乱により、冬夜城の人々の北燕に対する憎悪は頂点に達していた。やがて楽平笙も恨みの矛先を向けられることになり……。
珠玉(しゅぎょく)が捕縛され、冬夜城は一時的に安堵を迎える。秦唳行(しんれいこう)は珠玉を利用して北燕の内情を聞き出そうとするが、彼女は頑なに北燕への忠義を貫き口を割らない。そこで秦唳行はある計画を思い立つ。 秦唳行は花蘭珊(からんさん)に近づいて自分の推測を確かめようとするが、彼女は騙されて娼館に売られた辛い過去を語る。一方、金元宝(きんげんぽう)と柳司霆(りゅうしてい)は賭場で大負けし、辛雲歌(しんうんか)に叱られているところへ秦唳行が戻ってくるが、辛雲歌は彼から妙な香りがすることに気づき……。
迎冬節の夜、辛雲歌(しんうんか)と秦唳行(しんれいこう)は互いをこの世で最も大切な存在と感じ始める。そんなふたりは、花蘭珊(からんさん)と楽平笙(らくへいしょう)に出くわすが、そこで辛雲歌は花蘭珊の衣から同じ香りを嗅ぎ取り、秦唳行との関係を怪しむ。そのころ花蘭珊と楽平笙は珠玉(しゅぎょく)を暗殺するための罠を仕掛け、華やかな花火が打ち上がると同時に北燕の刺客が潜渊司(せんえんし)の水牢を襲う。辛雲歌と秦唳行が駆けつけたときには刺客はすでに倒され、珠玉を逃がす余地はなかった。珠玉は秦唳行がわざと漏らした嘘の情報だったと知るが、すでに手遅れで、やむなく秦唳行に協力する道を選ぶが……。
秦唳行(しんれいこう)は柳司霆(りゅうしてい)とともに北燕への進攻について協議するが、柳司霆は兵力不足を理由に京城からの援軍を待つべきだと主張するが、秦唳行は「一度も援軍など来たためしがない」と反論する。そのとき柳司霆は、鎮疆王(ちんきょおう)と爻(こう)国の先帝にまつわる噂を思い出す。秦唳行は冬夜城を救うため、独断で北燕を攻めようとする。しかしそれは皇命に背く重大な罪。たとえ自らを犠牲にしても城の民を守ろうという決意だった。そこに楽平笙(らくへいしょう)と花蘭珊(からんさん)の陰謀がついに動き出す。
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