朝、美優が目を覚ますと、隣にいるはずの光希がいなかった。いつもふざけている光希のイタズラだと思ったら、夜間運転の事故で亡くなっていた。それ以来、誰もいない部屋で壁を叩く音が聞こえたり、美優の周りで殺人事件が起き始める。霊感の強い美優は、何か関連性があるのではないかと思い先輩の小西に相談する。光希とは正反対の真面目な好青年で、親身になってくれる小西に美優は惹かれて行くのだった。しかしそんな時、イタズラかの様に光希が姿を現した。美優に未練があり、地縛霊として戻ってきたと言う。また楽しい同棲生活が始まるが、霊との同棲生活は楽しいだけではなかった―。
若者が都会に出て行き、活気を失った地方の町に、奇妙なヘルメットを持った神崎が現れた。ヘルメットの力で町は活気づき、神崎は町長から町にとどまって活性化するよう依頼される。ただ神崎には謎めいた過去があり、彼が町に来た本当の理由を知る者は誰もいなかった。
妹島和世。金沢21世紀美術館やルーブル美術館ランス別館などを手がけ、建築界のノーベル賞とも称されるプリッカー賞を受賞した建築家。彼女は大阪芸術大学アートサイエンス学科新校舎の設計・建築にあたり大切にしたことを3つ挙げている。一つは、建物が立つ「丘」に合せた外観であること。それは周辺の環境と美しく調和する、有機的なフォルムを導き出した。さらに、建物が「開かれている」こと。様々な方向からの出入りでき、様々な方向への視界が確保できるような、内と外との自然なつながりを実現した。そして、そこが人々の「交流の場」となること。まさに、誰もが立ち寄れる、見晴らしのいい丘の上の「公園」である。その構想から完成までの、3年6か月という時間を追ったドキュメンタリー。一人の建築家の一つの建築に向き合う姿を鮮明に描き出している。監督・撮影は、ル・コルビジェ、丹下健三など数々の建築物を撮影してきた写真家ホンマタカシ。90年代に妹島と出会い、それ以来妹島建築を撮影してきた。その彼の映像の力が、妹島の作品を通して「もう一つの作品」を作りあげた。
昭和18年、太平洋戦争が激化するなか、日本は「漫画奉公会」を設立し本格格的国策へと乗り出していた。ある日、一人の老人が内務省の検閲課に呼ばれ、促されるまま自らの華やかな過去を語り始めた。この老人こそが、奉公会の会長であり、かつて“近代漫画の父”と呼ばれた北沢楽天その人であった。若かりし頃、友人とともに切磋琢磨を誓い合った楽天は、福沢諭吉の誘いで時事新報社に入社する。これからの日本の新聞絵は、着眼点の低いポンチ絵ではなく「漫画」というれっきとした表現方法のひとつして定着させよう奮闘する楽天。ところが、思い通りにいかない日々。「時事漫画」のヒットにより一躍時代の寵児となった楽天は、卓越した風刺センスと確かな画力で次々と新しい表現方法に挑戦し、成功への道を突き進んでいく。美しい妻も娶った彼は、漫画家としての地位を不動のものにした。しかし明治43年、大逆事件が勃発、かつての友人が関係していることを知る。時代は確実に移り変わろうとしていた。風刺とは何か?自分の本当に描きたいものは何か?やがて黒く強大な時代の渦が、楽天や漫画はおろか、日本全体をも飲み込んでいくのであった―。
デコトラのイベント会場で鷲一郎(哀川翔)と欽太(柳沢慎吾)率いる浅草メンバーは、龍太(水野勝)たち不良トラッカーチームとダンスバトルになってしまう。そこの会場に来ていた演歌歌手、すずめ(剛力彩芽)に鷲一郎は一目惚れ、すずめは別れた父親を捜しているとのこと。鷲一郎は、根っこからの世話好きお節介、惚れた弱みも含めデコトラの仲間たちの応援もあり、父親探しの旅に出る。そんな鷲一郎とすずめを結婚させるために、欽太と龍太は作戦を練るのだが・・・。
苦しくも楽しい日々を送る、片思い中の女子高生。多忙な日々に神経をすり減らす、役者志望の青年。あどけない初恋を謳歌する、小学生カップル。孤独と罪悪感から目を背ける、ひきこもりのニート。あてのない旅を続け自由を享受する、5人の若い男女。一見無関係な人々の運命が交差する不思議な7日間。
人里離れた郊外の廃工場にやってきた撮影クルーたち。低予算映画ながら雰囲気のある大きな廃工場でのロケが実現し、意気揚々とする一同は、順調に撮影を進めていくが、実はその廃工場には、人のはらわたを集める猟奇殺人鬼「はらわたマン」が眠っていた。眠りから覚めたはらわたマンは、ひとりまたひとりと撮影クルーを血祭りにあげていき……。
大学生活最後の夏の思い出を作るため、一台の小さな車で森にやってきた男女4人組。電波も通じない外界と隔離された環境に羽目を外して楽しむ彼らだった…が、突如として森中に響き渡る悲鳴。忍び寄る恐怖の足音。ここはかつて、精神病棟からの脱走者によるチェーンソー惨殺事件という都市伝説が囁かれた死の森だったのだ。姿の見えない謎の殺人鬼から逃げ惑う中、偶然にもキャンプをしている若者たちに出くわす。彼らに助けを求め行動を共にするも、一人、また一人と命を落としていってしまう。果たして、地獄の孤島と化したこの森から生きて帰ることはできるのか…!
単線列車の走る長閑な田舎。50歳独身のタカシには、夢も仕事も家もない。認知症の叔父の介護を条件に、本家に居候させてもらっている身だ。叔父が亡くなり、その息子のミツアキが帰ってくる。幼馴染のショウも交え、再会を果たす旧友三人。叔父の釣り堀を営みながら、楽しく過ぎていくタカシたちの生活。そんな頃、東京からある一家が引っ越してくる。田舎でのナチュラルライフに憧れ、古民家カフェ開業を夢見る一家。彼らはタカシの住む美しい茅葺の本家に目を付ける。タカシたちの平穏な日常は、徐々に崩れ始めていく。
雑居ビルの4階に位置したデリヘル。バブルを彷彿とさせるような内装の部屋で、さまざまな女性が肩を寄せ合って客待ちをしている。入店したばかりのカノウはそれを見て、小学生の頃にクラス会でやった『カチカチ山』を思い出す。みんな可愛らしいウサギにばかり夢中になる。嫌われ者のタヌキになんて目もくれないのに。
終戦直後、アメリカ軍の支配下にあった東京。瓦礫となった街で生きるためにアメリカ兵相手に体を売る女性たちがいた。家族や夫の命を奪ったアメリカ軍人を相手にする行為を人びとは蔑み、彼女たちはパンパンガールと呼ばれていた。孤児になった者、夫を失った者など、戦争によって行くあてがなくなった女たちが寄り添いながら、明るく前向きに力強く生きていく姿を描いていく。
2020年5月公開予定の映画『女たち』のメイキングドキュメンタリー。2020年7月、コロナ禍の真っ只中何度も中止が噂された映画「女たち」の撮影が強行された。予算は足りず記録的長梅雨にも悩まされ、運に見放されたが如くの最悪の条件の中、主演女優たちは奇跡の名演技を見せる。そしてその圧倒的演技はこの映画を傑作へと押し上げた。何故その最高の演技が生まれたのか…その秘密に迫る。
幼い頃に両親を亡くし、育ててくれた祖父をも失った波(清水尋也)は、祖父のある言葉だけを胸にしまい世界から心を閉ざしていた。しかし、志村(門下秀太郎)と長岡(田中偉登)と出会い、次第に心を通わしていく。高校最後の思い出に、三人はヒッチハイクで北を目指す旅に出て、忘れがたい時を過ごす。そんな中、波が忽然と姿を消してしまい、歯車が大きく狂い出す。あれから4年の月日が経とうとしていた……。波は何故、そして一体どこへ?それぞれがもがき苦しんだ果てに、掴んだ景色とは……?
物語は、スケーターの溜まり場(タコス屋)から始まる。「俺たちでさ、スケートチーム作らね!」「名前つけてさ」「THRASHERってあんじゃん」「俺らは世界をぶっ壊す!CRASHERだ!」4人のたわいもない会話から、CRASHER(クラッシャー)というスケートチームが生まれる。各地のスケートスポットやイベントに繰り出すCRASHER。勢いある4人の活動はSNSを通じて、スケーターたちの間で徐々に広まっていった。しかし、当たり前のように一緒だった彼らの歯車は、リョウとケイが憧れのスケートブランド「ELEMENT」から勧誘された事をきっかけに脆く崩れ始める。スポンサーがついた事に最初は一緒に喜んでいた二人だったが、周囲からの注目が集まっても純粋にスケートと向き合い徐々にチャンスを掴んでいくリョウに対して、ケイは、夜の街へと繰り出すようになる。父親からの暴力、SNSの炎上、仲間たちからも離れ、ケイは一人暗闇へと追い詰められて行く。まるで光と影のように別々の道へと進んでいくリョウとケイ。世界戦への切符を決める大会が開催される中、それぞれが抱える切なる思いが明らかになっていくー。
高校時代に水泳部として共に切磋琢磨し合い、25歳となった坂井学、福井利明、辻岡光司、倉持綾、山下ゆかりの5人。7年ぶりに再会した彼らであったが、高校時代に親の事情で三浦の街を離れざるを得なかったゆかりをめぐり、学と福井は感情を露わにし言い争いになる。夢、恋愛、運命に翻弄されながら大人になった彼らは、何を選択し、それぞれの人生をどう生きていくのか。
人気若手アナウンサーの国江田計は極端に裏表の激しい性格。王子と称される完璧な外面とはうらはらに「愚民め」が心の口癖の強烈すぎるもうひとつの顔を持っている。そんなある日、取材で知り合った映像作家の都築潮と再会するが、幸い都築はくたびれたジャージにマスクの男があのアナウンサーの国江田計とは気づかない。とっさに「オワリ」と名乗った計は、行きがかり上怪我をした都築の仕事をしばらく手伝うことに。いやいやながらはじまった協力関係だったが、計は唯一自分を偽らずにいられる潮との空間を好ましく感じ始める。一方で潮は取材で顔を合わせるアナウンサー・国江田計の立ち振る舞いに惹かれ……物語は計・オワリ・潮の奇妙な三角関係へと発展していく。
小野寺学園の理事長兼生徒を務める真琴。「淫戯をつくして真琴をおとし、嫁にした者を次期校長にする」という先代理事長の遺言により学園中から狙われていたこともあったが、ボディーガード兼恋人の金太狼の活躍により平穏な毎日を取り戻していた。そんなある日、教諭生徒ともに問題児ぞろいの小野寺分校・川加羅分校からの刺客が送り込まれる!真琴への辱め、金太狼への誘惑、恐ろしい罠の数々…真琴と金太狼はおのれの恥技で彼らに打ち勝つことができるのか!?そして敵の本当の目的とは…!?
主宰する<文学伝習所>の生徒が書いた小説を、舌鋒鋭く批判する。その生徒たちや親友の埴谷雄高らと自宅の応接間で酒席を催す。旅回りの芸人に扮し、<津軽海峡冬景色>に乗って舞台でストリップを披露する。文壇バーでピアノの鍵盤を叩き躍る――作家・井上光晴のそんな姿を、映画は点描してゆく。そして伝習所に通う女生徒たちは、頬を紅潮させながら、「先生」とのアバンチュールを仄めかす……。かかりつけ医から勧められ井上は、東大病院外科の門を叩く。診察室でレントゲン写真を指し示しながら医師は、井上がS字結腸ガンであると告知する。それでも井上は文学伝習所の講義や講演で全国各地を回り、野間宏と「部落解放文学賞」の選考に当たる。そして幼少時を過ごしたという佐世保の元炭鉱町・崎戸を訪れるなど忙しい日々を送っている。ふたたび井上は、東大病院で検査を受ける。ガンはさらに進行していた。1/4だけ肝臓を残し、患部を摘出する手術を提案する担当医師。井上は手術を受けることを決める。手術当日、開口された井上の腹からガン細胞に冒された肝臓が、手際よく摘出されてゆく。病後の経過を確認するため、井上光晴の病室を訊ねる医師。井上の腹部を縦に貫く縫合の跡が痛ましい。親友・埴谷雄高、元恋人の瀬戸内寂聴が、病床の井上の見舞いに訪れる。 生前に井上が墨書した島の地図を手に原は、井上の故郷・崎戸に向かう。炭鉱夫に給料が支払われる「受け銭」の日。色鮮やかなチョゴリで身を飾り、鉦や太鼓で踊りながら海辺を練り歩く、韓国人の娼婦たち。その一人が初恋の相手である。あるいは早くに父親を亡くし、極貧の少年時代を過ごした。井上の親戚縁者に取材し、戸籍謄本にまであたる。調査が進むに従ってこれらの井上のことばの真偽、さらに“嘘から出たまこと”の在り処が明らかになってゆく。
兵庫県神戸市兵庫区荒田町。色褪せたジャンパーを着た中年男が、シャッターを上げていた。看板には“キケン”なメッセージがびっしり、大書されている。バッテリー・中古車修理店店長にして“天皇にパチンコ玉を撃った男”奥崎謙三の登場である。 兵庫県養父町。太田垣家の婚礼、媒酌人を務める奥崎が、居並ぶ親類縁者・長老達の前で祝辞を述べる。「花婿ならびに媒酌人、共に反体制活動をした前科者であるがゆえに実現した、類稀なる結婚式でございます」天皇誕生日当日。「神軍平等兵奥崎謙三」「田中角栄を殺すために記す」「ヤマザキ、天皇を撃て!」「捨身即救身」……奥崎の物騒な宣伝車は公安によって行く手を阻まれる。車に立てこもって演説をぶつ奥崎。「自宅屋上に独居房を作ろう」。そう思い付いた奥崎は、その実寸を測るため、神戸拘置所に向かう。静止する職員を罵倒する奥崎。「ロボットみたいな顔しやがって!」「人間ならば腹立ててみよ!」 喪服の黒いスーツ姿に正装した奥崎は、ニューギニアで亡くなった元独立工第36連隊の戦友達の慰霊に出発する。“神軍”の旗をなびかせて疾駆する街宣車。広島・江田島町。同年兵・島本一等兵の墓前で、島本の母・イセコをニューギニアにお連れすると約束する奥崎。兵庫県浜坂町に、ジャングルで餓死した山崎上等兵、次いで南淡町に、毒矢で狂死した田中軍曹、と奥崎の慰霊行脚は続く。 終戦から23日後、36連隊ウェワク残留隊内で隊長・古清水による2名の部下銃殺事件が起こった。その真相究明のため奥崎は、かつての上官たちの家を次々、アポなしで襲撃してゆく。その追求の果てに“究極の禁忌(タブー)”が日々の営みの一部となっていた戦場の狂気が、生々しく証言されることになる――。
全裸の臨月の女性が、こちらを真っ直ぐ見ている。今は「元妻」となった武田美由紀を、正面・背中、そして横から捉えた、原一男によるスチール写真だ。原は返還前後の沖縄に降り立ち、武田を訪ねる。彼女は「すが子」と呼ばれる女と暮らしていた。「何も言えんのか」「テメエの事も分からんのか。はっきりしないじゃないか。何で嫌気さしたんか」「うるせえクソガキ」ひたすらすが子を罵倒する、武田の姿がそこにはあった。原の訪問が決定的な亀裂を走らせたのか、二人の生活は終わりを迎える。在沖縄米軍基地から解放された黒人たちが陽気に踊る<バー銀座>。そこに、見事なアフロヘアに長くてカールしたつけまつ毛の14歳の少女・チチがいる。彼女は黒人との子どもを妊娠していた。武田は言う。「解放感より戦慄感の方がずっと強い。私生児に徹しきるよ、野性児にするぞ。そんなガキがいいさ」「これは二年前からの約束だけど、私がひとり出産するところを原くん、フィルム撮っといてね。アンタに出産の場面を見せたいのさ」そう武田は言い放つ。東京に戻った原のもとに、武田からの手紙が届く。沖縄の男との子どもを妊娠しているという。原はふたたび沖縄に飛んだ。武田はすでに沖縄の男と別れ、ポールという黒人GIと同棲していた。男性による女性支配への反発、ポールへの不満を並べ立てる武田を前に、原はいら立ちを隠せない。「じゃあ要するにポールって人間が、好きなんだな?それならなんでそこに、黒人って問題が出てくるんだよ!!」「じゃあポールとの間に、白いガキが生れてくるか!!」武田にマイクを向けながら、原は泣いてしまう。その姿を見た武田は言う。「……なんで泣く?」現在の恋人・小林佐智子と一緒に原は、三度目の沖縄へ向かう。「武田さんとちゃんと対峙できなかったら、私はイヤなわけ」マイクを持ちながら小林はそう、武田に宣言する。「口だけは上手いからね、この男は」「アンタだけじゃないのに、これ(原)が寝た女は」「これと一緒に仕事することは、出来ないね」「まあいま惚れているアンタには、分かんないね」武田は原のダメさを列挙する。白いシーツの上で、武田が喘いでいる。カメラをかついだ原は腰を動かしながら、行為のさ中の彼女の表情を、撮りつづける。ゆっくり上下するカメラ――呆けた表情でカメラを、すなわち原に注がれた眼差しが、美しい。武田は沖縄を去ることを決めた。沖縄への想いを綴ったビラをAサインの女に配りたい。そう考えた武田は幼な子・零の手を引き、夜のコザを歩く。沖縄を離れる日がやってきた。武田は零を抱きフェリーに乗っている。錨が上がる、汽笛が鳴る、島が遠ざかってゆく。甲板で潮風に吹かれる母子。東京の原のアパート。いよいよ自力出産に臨む武田を、陣痛の波が襲う。畳の上にビニールと新聞紙が敷かれている。そして、あらたな命がこの世界にゆっくりと、誕生を告げる――。
車椅子から降りたCP者・横田弘が、自室を出て団地の外廊下をイザッて歩き始めた。団地から外に出ると、低い位置で進む横田の目を、まばゆい陽光が射抜く。大通りの横断歩道を四つん這いで渡ってゆく横田。不随意運動する首、四肢を使って、その姿はまるで喘いでいるようだ。信号が赤に変わり、横田の後ろを何台もの車が走りぬけてゆく。「怖かったよ」と告白する横田。その傍らで同じCP者である横塚晃一は、横田の冒険の始まりを撮影していた。カメラを持つその手は不自然に、くねるように曲がっている……。他者の視線のない場所から健全者たちの街頭へ、二人は飛び出した。横田・横塚が所属する「青い芝の会神奈川県連合会」メンバーたちは駅前でマイクを手に、脳性マヒ者の権利を主張する。その活動を支援する募金を投じる主婦・サラリーマン・あどけない子どもたち……。「なぜ募金をしたのですか?」原のインタビューに人々は答える。「私たちは五体満足だから、気の毒だなと思って」「先祖のお墓参りに行ってきた帰りだから」横田の自宅で酒を交わしながら、メンバーたちの赤裸々な性体験が語られる。「一回目は上手くいかなかった」「吉原に行って」「レイプみたいなもんだよね」。横田の乗った電車が駅に到着する。下車しようと戸口に向かい懸命に膝でイザる横田は、ホームへと転落してしまう。横田の自宅。青い芝の会メンバーたちの間で、議論が白熱している。これ以上の撮影は拒否するという横田を、メンバーたちは攻め立てる。そもそもこの映画の撮影自体に反対していた横田の妻の怒りが爆発する。彼女はカメラの向こうの原を罵倒する。新宿西口・地下構内。四肢と首を溺れるように、踊るように揺らしながら、横田はイザってゆく。メガネが落ちる、拾う、イザる。メガネが落ちる、拾う…… 週末で賑わう新宿の歩行者天国。チョークを手にした横田は、健全者の人垣にぐるりを囲まれている。横田は不自由な手でアスファルトに文字を、障害者である自身の“肉体の表現”を、刻み付けるのだった。
かつては演劇界の寵児だった演出家・彩乃。ここ数年は観客動員が伸び悩み、とことん追い込む演出が俳優から敬遠されている。舞台「完全なる飼育」の公演を2日後に控え、主演俳優が降板。代役も決まらず、彩乃が公演を諦め劇場を後にしようとした時、一人の青年・蒼が駆け込んでくる。オーディションを受けさせてほしいと懇願する蒼に、彩乃は“飼育”するように過酷な稽古を始めるが、やがて、その立場は逆転していく。
群馬県高崎市を舞台に高校の卒業式を終えてから始まる、5人の男女の数日間を描いた青春群像劇。幼なじみの美紀と寛子と優斗、クラスメイトの直樹と康太の5人は、高校を卒業してそれぞれが未来への夢や不安を抱えていた。そんな中、美紀の父親が進学のための入学金を持ったまま失踪してしまう。卒業パーティーの一夜をきっかけに衝突しあいながらも友情を育み、自らの人生の新たな一歩を踏み出していく物語。
中学一年生の市川絆星は、同級生の倉持樹をいじめの末に殺してしまう。警察に犯行を自供する絆星だったが、無罪を信じる母親の説得により否認に転じる。少年審判は無罪に相当する「不処分」を決定し、絆星は自由を得るが、世間から激しいバッシングが巻き起こる。果たして、罪を犯したにも関わらず許されてしまった子どもはその罪をどう受け止め、生きていくのか。大人は罪を許された子どもと、どう向き合うのか。
バカボン一家は、長男のバカボンと、自由人のパパにママ、そして弟のハジメちゃんの4人家族。東京の片隅で、毎日楽しく暮らしている。ところが、そんな一家の元に、不審な男達が次々と現れるようになる。その正体は、暗黒組織・インテリペリ。彼らはなぜか“バカボンのパパの本名”を知りたがっており、あらゆる方法でパパに近づくが、パパに翻弄されるばかりで一向に本名を聞き出せない。そこでインテリペリの総帥・ダンテは、息子のバカボンからパパの本名を聞き出そうと目論む。「子供と仲良くなるには、子供が一番だ。…特別な子供がな。」そうして召喚されたのは、地獄へと堕ちた「フランダースの犬」の主人公、ネロとパトラッシュの魂だった!狙われたバカボンの運命は?そして、バカボンのパパの本名に隠された秘密とは?天才バカボンと暗黒組織とフランダースの犬による、未曾有の戦いが始まる…。
2003年、官僚を辞め、家族の猛反対を押し切って出馬した衆議院選挙。「政治家を笑っているうちはこの国は絶対に変わらない」と真っすぐに語る小川に惹かれ、撮影を始める。2009年に政権交代を果たすと「日本の政治は変わります」と目を輝かせた小川。しかし、安倍政権が始まると、その表情は苦悩に満ちていく。弱い野党の中でも出世できず、家族も「政治家には向いていないのでは」と本音を漏らす。そして2017年の総選挙では、まさかのドタバタ劇に巻き込まれていく…
【特典映像付き:本編終了後にメイキングをご覧頂けます。】 【ササノとカノン】大きな物音で目覚めるカノン。別れたササノが部屋を整理しに帰ってきていた。同棲を始めた時、「私たちは変わらない」そう思っていたのに些細なことで少しずつ“ズレ”を感じ、別れを選んだ二人。大学はオンライン授業になり、就職活動を控える中、将来を真剣に考えるカノンと楽観的なササノ。どうしてこうなったの?悪いのは彼なのか、私なのか。たぶん…。【川野と江口】サッカー部の川野とマネージャーの江口はビデオ通話をしていた。今頃、最後の大会を迎えているはずだったが、今年は自粛により中止に。努力が報われないまま、憂鬱な受験の話をしていた。通話を切ると川野のLINEにチームメイトから江口が東京へ引っ越すと知らされる。3年間チームと自分を支えてくれていた江口のことを思い、気づくと川野は自転車で走り出していたー。【クロとナリ】インテリアデザイナーのナリは彼氏のクロとなかなか連絡が取れず、直接家を訪ねる。インターホンを押すとクロが出迎えるも、玄関にはヒールの靴が。アリサと名乗る女性は編集の仕事をするクロの元同僚。オススメのDVDを届けにきたという。クロのことが大好きなナリは動揺を隠せずその場で言い合いになってしまう。こんなにも好きなのに......。
深夜、とあるマンション内のエレベーターホールで血だらけの女(紗希)が座り込んでいる。煙草を吸いながらスマホで誰かに電話している。その横には、意識朦朧とした血まみれの男(翔)が倒れている。その光景にカメラを向ける住人ら、慌ただしく無線を飛ばす警官たち。取調室、二人の刑事と虚ろな目をした紗希がいる。柔和で悲しげな表情を浮かべながら、翔との関係を話し出す。ふたりの出会いは2年前にさかのぼる。映画製作のスタッフで下働きをしていた紗希は、撮影現場で俳優の翔に出会う。連絡先を交換し、ほどなくしてふたりは、体の関係を持つまでになる。紗希は翔を愛し、借金を重ね、番組の製作費を盗んでまで翔に身も心も捧げていた。だが、そんな翔に「もう一人の女」の影が…事件に至るまでの全貌が明らかになるとき、女たちの狂った「純愛のかたち」を知ることになる…
西暦2030年、超高齢化社会となった日本において唯一、巣鴨だけが経済成長を続けていた。そんな中、巣鴨を訪れていた2人の若者(鈴木裕樹・高松信太郎)が、ひょんなことから重傷を負ってしまう。すぐに119番で救急車を呼ぶが、巣鴨消防署の対応は、なぜか『音声ガイダンス』だった…。一刻も早く救急車を呼ぶため、2人は複雑なガイダンスとの対決を余儀なくされる。
売れない夫婦漫才師・浅草スマイルのボケ担当・すみれ(川村紗也)が、交通事故で記憶障害に。相方である夫・マルオ(篠原篤)は、漫才のネタすらも忘れてしまったすみれと、もう一度舞台に立つことを決意。そこから一気にスターダムにのし上がり、鳴かず飛ばずだった日々が輝き出すのだが……。芸人としての死を恐れた先の決断に翻弄される、夫婦漫才師の儚く淡い物語。
熊本地震をきっかけにハンドボールを辞め、無気力に生きていた高校生のマサオは、SNSに投稿したかつての写真が思いがけずバズったことから生活が一変。「#ハンド全力」というハッシュタグを使い、廃部寸前の弱小男子ハンド部員達と、練習に励むフリをして、バズる写真やコメント作りに全力投球。次第に復興の盛り上げ役として注目され、全国からの”善意”を受け取り有頂天になるが…。
特撮を愛してやまない、新進気鋭の松本純弥監督が手がける特撮ムービー。制作に5年を費やした長編映画「さらば大戦士トゥギャザーV」は複数の国内映画祭で受賞後、池袋シネマ・ロサでの劇場公開も果たした、松本監督の新作「キョードライザー」。ゆるいコメディー要素とエッジを活かした展開で、子供だけではなく、大人も楽しめる、ご当地ニューヒーローの誕生!悪の怪人軍団に立ち向かう「市町村のオリジナルヒーロー」が、正義と悪の「ゆるーい」戦いで、市町村を応援する、ご当地コメディ作品!
2019年10月28日、監督・片渕須直は東京国際映画祭のレッドカーペットを、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の主演女優のんと歩いている。2016年11月に始まった映画『この世界の片隅に』の公開からの約3年。そこには、日本全国で行われた数多くの舞台挨拶、海外の映画祭への参加、そして『さらにいくつもの片隅に』完成に向けて、徹底的なリサーチと圧倒的なこだわりを持ってアニメーション制作に臨む監督の姿があった。
一代で財を成した輸入食品会社会長、篠崎善三(遠藤憲一)。傲慢で偏屈な性格が災いし、孤独な日々を送っていた。ある日、スリをしようとした女に「お前の100時間を100万円で買ってやる」と言い出す。彼女はホストに騙され300万円の借金を背負った孤独なキャバ嬢、山根沙織(松井玲奈)。こうして沙織は、篠崎が東京にいる娘にプレゼントを届けるという旅に、運転手兼荷物持ちとして同行することになるのだが…。
超人気店「レストランKAGAMI」はオーナーの料理への信条から、店では「私語・BGM禁止」などのルールを設ける頑固者、オーナーの加賀美晃志郎(原田大二郎)は世界的に著名な美食研究家でもある。 オープン2周年を迎える今日、妻・静子(大塚みどり)と共に店に向かうが、レストランに着いてみると……テレビで見たはずの行列が消えている! 中へ入ると従業員の姿もなく、「お待ちしておりました、加賀美様」と、顔色の悪い奇妙な出で立ちの男が一人現れる。
中学生の淡い恋心を描く『ナツヨゾラ』で映画初主演を務めたのは=LOVE(イコールラブ)の齊藤なぎさ。同じく映画初出演となる宮世琉弥とともに瑞々しい演技を見せている。『時々もみじ色』ではボクシングに熱中する主人公を鈴木伸之が務め、コーチ役のモロ師岡と絶妙な化学反応を見せた。『冬のふわふわ』で仕事に悩む主人公を好演したのは今注目の若手女優・飯豊まりえ。『桜咲く頃に君と』で余命わずかな妻を支える夫を演じた実力派俳優・市原隼人の涙を誘う迫真の演技は見逃せない。
2015年1月29日の夜明け前、モデル「雅子」は稀少がん闘病の末に旅立った。そのとき、夫である大岡大介は「夫婦として共に生きながら、モデルとしての雅子をほとんど知らないまま」だったことに気づく。自宅に積まれたままの「雅子」が登場した雑誌やビデオなどを片っ端から調べ、衝動のままに「雅子」を知る人々に、監督としてインタビューを重ねてゆく。数多くの関係者の言葉から、生涯プロフェッショナルのモデルとして貫き通した姿勢と、どんな時代も「身の丈の美しさ」を追求し続けた、一人の女性としての「雅子」の輪郭があらためて浮かび上がる。
栃木県大田原市在住の映画監督、ワタナベは「直井さん」なる人物と、ロックバンド「トリプルファイヤー」の楽曲を基にした映画を企画中。しかし、企画は一向に進まず、ワタナベは図書館や映画館を徘徊しつつ、友人に映画界の愚痴をこぼし続ける無為な日々を送っている。次第に映画製作へのフラストレーションを募らせていくワタナベ。やがて彼は現実とも、虚構ともつかない世界に足を踏み入れて行く...。
松木ひなの(14)は、自分の想いを書くことでしか表現できない中学生2年生。嫌なことを嫌とも言えず、クラスでのいじめは日に日にエスカレートしていった。そんなある日、逃げこむように入った保健室で、先生の進藤有紀(32)と会う。はじめて自分を受け入れてくれた有紀に、ひなのは少しずつ心を開いていく。しかし”あること”が発覚し、全てが崩れ去っていく......
襟加、萌花、祐介の3人は大学で映画サークルに所属し、彼らの近くでは演劇サークルや音楽サークルも活動している。卒業を前に最後の映画製作をする3人だったが、モラトリアムの終わりが近づく中で夢か現実かの間で揺れ動き、少しずつ自分たちの居場所が離れていくのを感じ始めていた。
中学生の息子を連れて、母は寂れた町の漁港を目指す。そして、その道中、さながら人生の様に母子の前には様々な選択が現れる。しかし、劇中で提示されるのはその選択肢だけであり、母子が「どちらを」選んだのかは示されない。やがてふたりは生き別れていた父が働く漁港にたどり着くのだが・・・。映画史上類を見ない表現が評価され、2018年カンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に出品された異色作。
フリージャーナリスト・真月蓮とは暴走族時代からの腐れ縁の覇神会新宿支部長・舘川竜士は、七年の刑期を終えて府中刑務所を出所した兄弟分の鮫尖凌嗣を出迎えた。その放免祝いの席で謎の刺客の襲撃を受ける鮫尖。そこに颯爽と登場する蓮。スクープの匂いを嗅ぎつけ、舘川をずっと尾行していたのだ。やがて、鮫尖の命に一千万円の懸賞金が懸けられていた事を突き止めてきたのは、戦後の動乱期から現在もなお、闇社会の頂点に君臨する謎の黒幕(フィクサー)――四代目『龍帝』・紫咲ルナであった。
戦後の動乱期から現在もなお、闇社会の頂点に君臨すると伝えられる謎の黒幕(フィクサー)――『龍帝』のネタを聞きつけたフリージャーナリスト・真月蓮は、何とかスクープにするため、『龍帝』の正体を追っていくが、やがて新宿侵攻を企む在日中国系黒社会「九頭龍」の陰謀に巻き込まれてしまう…。
カラダを武器にスクープを狙うギャル系フリージャーナリスト・真月蓮は、謎の変死を遂げた先輩ジャーナリスト・赤城晃一が遺した取材ネタを追っていくうちに、新宿・歌舞伎町に巣喰う半グレ集団のアジトに辿り着いた。事件の真相を追及する蓮の命をも奪おうと襲い掛かる半グレ集団に截拳道の技が炸裂!何と、蓮の正体はかつて“伝説のレディース”と恐れられた暴走族・亜琉輝魅甦(アルテミス)の初代総長であった。そして、そこに現れた黒幕の正体は意外な人物であった…。
『東京』――あなたはその響きに何を感じますか?天国?それとも――地獄?『東京女子』というドキュメンタリー映像の撮影に協力する、由美(秋本帆華)、順子(咲良菜緒)、京香(大黒柚姫)、美奈子(坂本遥奈)の4人。由美は女優、順子はバンド、京香は漫画家、美奈子はダンサー。夢を胸に、不安や失敗に立ち向かうも、ついに限界を迎えてしまい…!熱演!熱唱!熱誠!熱…狂!?TEAM SHACHIが送る、情熱体当たりドキュメンタリー映画!これこそ、本当のドキュメンタリーだ!!
殺し屋組織「アルファ」のウッズマンは、どんな事も待たない殺し屋だ。腕はプロとして一流、コルト22口径を自在に操る。そんな彼がひょんなことからデリヘル嬢の「あさひ」を呼んだ。だが、思うようになかなか来ない。果たして…。
町田カオルの子供を身ごもったサチ。だがカオルは認知してくれない。そんなサチを励ます親友ケイとジャスミン。今日はみんなで旅行に出かけた。一方で、カオルはサチ暗殺のために刺客を放った
ある日、中学生の星野葵は自分と家族が醜い宇宙人の怪物だと知る。彼女と弟の雄太はそのことを知らないまま育った。両親がずっと隠していたから。怪物はおぞましい姿をしている。彼らは薬を使って人間の姿に化けていた。その薬がなぜか葵にだけゆっくりと効か なくなっていく……
「あぁ、見えてない。それがどうした?」視覚がなく、光すら感じたことのない全盲の加藤秀幸は、ある日映画を作ることを決める。加藤は、映画制作におけるさまざまな過程を通して、顔や色の実体、2Dで表現することなど、視覚から見た世界を知っていく。また、加藤と共に製作する見えるスタッフも、加藤を通して視覚のない世界を垣間見る。見えない加藤と見えるスタッフ、それぞれが互いの頭の中にある“イメージ”を想像しながら、SF短編映画がつくられていく。《演出上の都合により、冒頭約10分間は音声のみとなります。また、終盤にエンドロールが一度出ますが、その後もドキュメンタリーは続きます。最後までお楽しみください。》
ロシア連邦軍を辞め、シベリア抑留者だった祖父の祖国・日本を訪れた元狙撃兵の小野寺(末長敬司)は、ロシア大使館職員ザセーキナ軍曹(延命聡子)に拉致され、自分の元部下であるダディコフ大尉(十管業之助)から、ある秘密の任務を与えられる。それは「特殊作戦の最中に同僚を殺害し、目撃者の美少女・梨沙(吉岡里帆)を連れて脱走した元自衛官・本田(沢大洋)の監視」という、何とも奇妙な任務だった。
片田舎の病院に怪我をして入院した 14 歳の陽(小松未来)。彼女はいつも優しく接してくれていた看護師の弥生(桜井ユキ)に対し、特別な感情を抱き始めていた。だが退院の日、弥生が突然看護師を辞めたことを知る。1 年後、陽は買い物の帰り道で偶然弥生と再会する。そこにいたのは、過去の優しい面影はなく、男たちに身体を売ることで生計を立てている弥生だった。再会後、学校にも家にも居場所がない陽は、吸い寄せられるように弥生に近づくー。
主人公の亜希は、子供のころから野球を愛する兄の背中を追いかけ少年野球でプレイしていた。中学校までに部活で男子に交じってプレイしていたが、高校に入り野球の道が閉ざされてしまう。そんな高校2年生の夏のある日、甲子園で活躍する同じ学校の男子野球部を見て、居ても立っても居られなくなって創部に向けて動き出す。
ミニマムボディーの女王様“雨宮留菜”が潜入捜査官に変身。過激派はにかみグラドルとして大人気の彼女が体当たりの演技に挑戦する。水着やエナメルスーツでも隠しきれないIカップバストに目が釘付けになること間違いなし!女優として開花する彼女の新たな才能は必見です!!
必ず戻って来ると約束して娘を残し戦地に赴いた父。戦争が終わり、娘の元へと帰って来た父親であったが、戻ってきたのは彼の魂だけだった。娘と二度と会えぬ現実に気が付く父親の前に蝶が羽ばたいた時、会えるはずのない親子に奇跡が訪れる。
幼くして母を亡くし、二人で暮らす父と娘。母のいない少女に父親が贈ったギフトは母親代わりとも言えるロボットだった。少女はやがて父をも亡くし、生きる希望を失っていた。そんな彼女に蝶が舞い降りた。「彼女に笑顔を取り戻させたい」。人間の感情を宿したロボットが選んだ行動とは?
出産を目前に命を落としかけた妊婦の前に死神が現れる。死神が命を奪う直前にタカヤの曲が流れ、奇跡の蝶が出現する。与えられた時間はわずか30分と30秒。彼女は無事に赤ちゃんを産むことが出来るのか……。
病気で飼い犬を失ったことを理解できない幼い少女。愛犬を探し続ける少女に父親は雲の上で楽しく過ごしていると伝える。飼い犬への思いを絵手紙に描いて凧に結んで空に飛ばした。いつまでたっても返信がなく悲しみに暮れる少女の前に蝶が羽ばたく……。
幼き頃からずっと一緒だった夫婦に訪れた突然の別れ。愛する妻を失い生きる希望を失った鉄道の運転士である夫を元気づけようと長年連れ添ってきた飼い犬が奮闘するのだが……。
チェリストのアイカとピアニストのタカヤ。音楽家で恋人同士の二人は、「いつか二人の音楽で、世界中の人々を感動させたい……」と、夢を追いかけていた。アルバイトをしながら曲作りに没頭するタカヤと、彼を見守るアイカ。しかし、「エンジェルサイン」というチェロとピアノの二重奏曲を作り上げた直後、タカヤは帰らぬ人となってしまう。アイカが、チェロのみで演奏する「エンジェルサイン」。やがて、その曲は世界に広まっていき……。
元女優と去勢された男(カストラート)、ゲイとアル中の作家。ある夜、出会った4人の女と男は東京を脱出したやがて女は去勢された男を選んだ。しかし、不能の男は女を充たしてやることができない。それでも女は男を愛していた。その時、男は……。本作は“ジャパニーズ・ピンク”として海外の映画祭で絶賛を博したサトウトシキが一般映画の初進出した作品で、エロティシズムの海のダイヴする女と男の愛を官能的な映像美で描いている。