私ってズレてる?完璧のようにみえていた映画監督ジョヴァンニの人生。順調なキャリア、傍にはプロデューサーの妻、溢れんばかりの新作のアイディア。でも、そう思っていたのはジョヴァンニだけだった!チネチッタ撮影所で新作の撮影が始まると、畳みかけるようにジョヴァンニを災難が襲う。女優は大嫌いなミュールを履いてきた上に演出に口を出し、プロデューサーは詐欺師だったと判明、妻には突然別れを告げられる!映画は完成するのか?家族の愛をとり戻せるのか?変化の激しい時代に、ちょっと取り残されて、戸惑うジョヴァンニが見つけた人生で本当に大切なこととは?チネチッタ:ヴィスコンティ「ベリッシマ」フェリーニ「甘い生活」ウィリアム・ワイラー「ベン・ハー」「ローマの休日」など数々の名作が生まれたローマの映画撮影所。現在までに3000作以上が撮影され90以上の作品がアカデミー賞にノミネートされている。
盲目の青年モハメド・アリはある夜、姉と一緒に歩いているところをチンピラたちに絡まれる。その時、アリが強烈なパンチを彼らにお見舞いした瞬間をボクシング・トレーナーのアカシュは見逃さなかった。彼は有望視していた弟子に見限られたばかりで、次の逸材を探す必要に迫られていた。インドに盲目のボクサーはいない。しかしウガンダやタイなどには性別を問わず視覚障害を持つボクサーが存在する。さらにはインドにもそういったハンデを背負いながらも活躍するアスリートがいることを知ったアカシュは、アリをボクシングに誘う。父は乗り気だったが母は猛反対。実は昨年、サッカー界がアリを誘ったが、まったく上手くいかなかった痛恨の過去があった。
かつては注目されていた小説家の荒木は知り合いの女性と飲みに行ったり、日々題材を探して街を歩いていた。ある日帰宅すると、別れた筈の恋人が現れて、うんざりした荒木は部屋を出て行く。そんな荒木を他所に地球はいつも通りに回っている。妹の就職祝いのため、久方ぶりに帰省するつくしとその彼氏。母とは喧嘩別れして以来の再会であったが、思わぬ来訪者が現れる。仲睦まじい夫婦の真二と陽子は妊活を始めると、ある事実が発覚する。真二は真相を確かめようと、故郷である宇和島へ旅立とうとする。その頃、決意を新たにした荒木は執筆を続けていくが、自身の現状を反映したかのように小説もまたこんがらがり、停滞していくのであった・・・
加山睦郎はかつてピンク映画を撮っていたが、今は妻の千恵と幼い娘を養うため小さなAV製作会社を経営している。刺激ばかりを求められるAV業界に肌が合わなくなってきていた矢先、睦郎は学生時代に撮影した未完の8mm映画を偶然発見する。そして「また自分で映画を撮りたい。あの頃の自分に戻ってみたい。」という衝動に駆られる。
童話作家のチョ・ヨンヒは、妻を亡くして以来、喪失感に苛まれ、妻が絵を描いていた想い出の部屋に行くと過呼吸の症状を起こし、長い間その部屋に入ることができずにいた。ある日、その部屋から妙な音が聞こえ、ヨンヒが勇気を出してドアを開けると、部屋は天井から水漏れしていて、そこにはヨンヒの子・ジェインが密かに隠していた子猫が住んでいた。ジェインは猫を飼わせてほしいと父に頼み込み・・・
人気高校教師で市長の妻でもあるエヴァ。在留移民センターで母国語を教えるエヴァは、シリアから難民として来たアミールと出会う。アミールの才能を見出したエヴァは、強制送還されかけたアミールに自身の空き部屋を使うように促す。アミールは在留が認められることになるが、同居することになったエヴァは次第にアミールと情熱的な関係となり・・・
田舎のとある高校。生徒の一人「安積桃奈」は、不完全燃焼だった高校生活を振り返っていた。そこで桃奈が思い立ったのが、所属していたダンス部での「卒業イベント出演」だ。しかし、それを元ダンス部のメンバーに話すも、皆なかなか良い返事をくれない。さらに、担任の「中尾円佳」にも相談するが、事を荒立てたくない学校側は協力的ではなかった。それでも何とかイベント出演を実現しようと孤軍奮闘する桃奈を祖母だけは応援をした。祖母はいつでも桃奈の強い味方だった。やがて、反対していた元ダンス部のメンバーたちも桃奈の熱意に心動かされてゆく。そしていよいよイベント出演が迫ってきた。しかしその時……思いもよらぬ出来事が桃奈を襲うのだった。
サラはプラハの陸軍司令部で秘書として働いている魅力的な女性。権威的な母親の影響で、サラは他人と積極的に関わることなく周囲を観察することで孤独を埋めていた。そんな時、凛々しく、優美で、柔和な表情のマルティンに出会い、サラは瞬時に魅了される。二人のつながりは徐々に深まっていくが、マルティンはサラに秘密があることを打ち明ける・・・
ユリは工場勤務の傍ら、農学を学んでいる。工場の上司は彼女と恋に落ちる。ユリは彼に誠実な関係を望むいっぽう、前パートナーとの間に子どもがいる事実を隠している。やがて彼女の秘密は明らかになるのだが、上司は子どもの存在を受け入れるだけの心の準備ができておらず……。
ビート・ミュージックのファンである若者たちは、うだつの上がらない日々を工場での労働に費やしている。ユリは不良青年のうちのひとりと婚約しているのだが、とあるミュージシャンと恋に落ちた。ギグを開くという彼とともに、ユリは小旅行へ出かける。しかし嫉妬深い婚約者と彼の不良仲間たちは執拗にふたりを追いかけ……。
マーガレットは、昼はフライトアテンダント専門学校で英語教師として働きながら、夜は煌びやかな東京の歓楽街に身を置いていた。過去のトラウマから逃れるように東京へやってきたものの、生きる意味を見失っていた彼女は、夜な夜なその場限りの男とマゾヒスティックなセックスをすることで、かろうじて生きる実感を保っていた。そんなある日、彼女は魅力的なヤクザ、カズと出会い、衝動的に彼と体を重ねる。言葉を交わさずともマーガレットの欲求を察したカズとの、この上なく幸福なセックスによって、マーガレットは強く彼に惹かれていく。カズの住む危険な世界としきたりが二人の関係を阻んでもなお、何度もラブホテルで逢瀬を重ねる二人。しかし、ある時カズが突然姿を消してしまい、動揺したマーガレットは必死に彼を探すのだが…。
1893年、ピエールとマルトは画家とモデルとしてパリで出会う。ブルジョア出身のピエールは謎めいて型破りなマルトに強く惹かれ、二人はともに暮らし始める。田舎に家を見つけ社交的な世界から遠ざかり、クロード・モネなど限られた友人との交流を除いては半ば隠遁生活の中で絵画制作に励むピエール。マルトをモデルにした赤裸々な絵画は評判となりピエールは展覧会で大成功をおさめる。1914年第一次世界大戦が始まった夏、仕事で毎週パリに赴くピエールに不安がつのるマルト、終戦間近にはパリのアトリエでピエールのモデルになっている美術学校生ルネと出くわす。なぜかマルトはルネを気に入り3人の関係は複雑なものに・・・。
高飛込のチェコ選手権で優勝し、オリンピックの代表に選出されたアンドレア・アブソロノバ。しかし、練習中に脊椎を損傷し、スポーツ選手としてのキャリアを強制的に終了させられてしまう。失意のどん底にいたアンドレアだったが、恋人の影響でポルノ業界に入り込む。アンドレアは持ち前の美貌と完璧なボディでリア・デ・メイとして一躍有名なポルノ女優になるが・・・
ウェブカムセックスで小遣いを稼ぐジャナ(17)ドラッグ中毒に気づいていないエミー(18)ドラッグを売りながら愛を探すジョイ(17)ロサンゼルスに住むことを夢見ているアビー(16)大胆で刺激的な生き方をするベルリンに住む4人の少女たちのリアルなポートレイト。
雨宮省吾は自身の想像の産物であるイマジナリー娘・佐知と、かれこれ十余年いつも一緒である。ある日、省吾は〆切を守らない東雲茉莉の元に原稿を取りに行く。そこで何やら訳あり気な女・笠原まひると出会う。まだまだ暑い夏の日のちょっとした出来事。
この手に自由を、消せない愛を――。戦後ドイツ、男性同性愛を禁じた刑法175条のもと、ハンスは繰り返し投獄される。同房のヴィクトールは彼を嫌悪していたが、いつしか互いを想い尊重する絆が生まれる。「愛する自由」を求め続けた男の20年を描く、静かな衝撃作。第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞。
ある生徒と教師の関係を巡る噂が広まった。渦中の教師は。その街で不可解な失踪をした少女の第一容疑者として疑われることに。
犯罪が横行する街で市長として選出された1人の男性。彼と彼の家族が報復のターゲットとなる。
留置場でバンドのライブを行い、警察官らしくない言動の多い徹(筒井道隆)が刑事に昇進。ある日、連続窃盗事件の被害者・恵美子(清水美那)に事情を聞くが必死に何かを隠そうとする彼女に興味を抱き、徹はストーカーまがいの行動をとり始める。そんなころ、同じ独身寮で生活する中野(忍成修吾)が殺害現場に遭遇する。芥川賞作家・高橋三千綱の短編小説「ハロー・マイ・ラブ」を映画化した青春ドラマ。人との関りを欲しながらもうまく関ることができない現代の人間像を、『蕨野行(わらびのこう)』の脚本を手がけた渡辺寿監督がみずみずしいタッチで描き出す。筒井道隆が主役を務め、デビュー作『バタアシ金魚』のカオルの十数年後ともいえる浮遊感のあるキャラクターを演じきった。さらに遠藤憲一、本田博太郎、不破万作ら日本映画きっての個性派が脇を固めている。
写真が好きだがしっくりしたものが撮れない高校3年生の景はある日、遠い存在と思っていた同級生の遊から映画づくりに誘われる。遊が撮りたい映画は「絵描きの男の子と落ち着きのない女の子が『時間の流れない世界』を目指して旅をする」という物語。友人のアリサ、海、二郎も集い、撮影が始まる。共に創作をする喜び、ほのかな恋心、過去の行き違い...さまざまな思いを抱える彼らの関係が、映画づくりとともに移り変わっていく―繰り返す彼らの夏が辿り着くラストシーンとは?
浮気調査専門の探偵、町木は、調査の最中、たまたま内偵を進めていた麻薬取締官たちの容疑者逮捕に邪魔され、その証拠をなき物にされてしまう。町木は、その捜査を指揮していたマトリの女、未菜に逆恨みし、彼女のスキャンダルを突き止める。だが、その証拠写真は世に出ることなく、握り潰された。一方、未菜は、その写真をきっかけに捜査から外された。未菜は、写真を撮ったのが、町木ではないかと考え、町木を尾行しはじめる。町木は、知人のマスターの紹介で、新たな仕事で人捜しを進めていた。ディトレードで財をなした岡が、昔付き合っていた恋人の蘭(元アイドル)を捜していた。町木は見事に居場所を突き止めるが、蘭はクスリを打たれて殺され、町木はその死体の横で裸の姿で目覚めた。驚く町木。その時、未菜と部下の杉山がその場所に突入してきた。殺人の疑いをかけられる町木だったが、その直後、予想もつかない展開になっていく。
1986年の春、チェルノブイリ原子力発電所が爆発し、ミミという少女がフィンランド西部の小さな村にやってくる。周囲に馴染めないミミはマリーアに友達のフリをして欲しいとお願いする。たちまち二人は強く惹かれ合い、まばゆい青春を謳歌する。20年後、病気の母を看病するために故郷に戻ったマリーアは、あの夏の思い出を蘇らせていく―
監督アルノー・デプレシャンと俳優マチュー・アマルリックのナレーションで物語は始まる。本作は11章立ての構成。リュミエールによる映画の発明に始まり、現在に至るまで、映画界の先駆者たちに触れながら100年を超える映画史が語られていく。そして、映画少年ポール・デダリュスの登場。ポール・デダリュスはデプレシャンの『そして僕は恋をする』(96)と『あの頃エッフェル塔の下で』(15)でマチュー・アマルリックが演じた主人公ポールと同じだ。デプレシャン監督が生涯をかけて歩んできた映画人生をポールの成長に投影して、幾多の名画とともに辿っていく。
大学生のベンジー、営業マンのノエルとその恋人ケイラは、一つ屋根の下で、下宿生活を送っていた。ベンジーの密かな楽しみは、床に空けた穴からケイラの入浴を覗き見ることだった。そんなある日、新しい下宿人マイエットが現れると、平穏だった3人の関係は壊れ始める。お互いに一目で性的に惹かれ合ったノエルとマイエットは、ケイラに隠れて肉体関係を持つようになる。ケイラとのセックスに満足できないノエルにとって、マイエットは最高のセックスフレンドだった。一方マイエットは、身体だけを求めるノエルに苛立ちを募らせていた。そんな中、ケイラが二人の関係を知ってしまう。傷ついたケイラは、ベンジーに慰めを求めるのだが―。
現代の東京。東京タワー近辺では、夢見がちなオタク青年・ケンが、バーチャル空間の東京タワーで、とある女性と運命的な出会いを果たす。しかしその出会いは、現実の幼馴染との関係を劇的に変えていくことになる。新宿では、映画監督を志す学生・カレンが映画制作のために高額なビデオカメラを父に無心するが、父があるカメラを手に入れたことで、親子の関係に大きな変化が訪れる。そして、お台場では、帰国したばかりのダンサー・リヒトが、余命3ヶ月と診断された親友を救うため、幼馴染である5人の仲間と協力し、高額な手術費を工面しようと奔走する。果たして、リヒトをはじめ、東京のさまざまな街で生きる主人公たちは、迫りくる試練に抗い、それぞれの「愛」を最後まで貫くことができるのか――。
大学恒例のゼミコンのテーマ発表の日。聖学長が今年のテーマに選んだ「愛」が、教授陣や学生たちを困惑させる。愛なんて抽象的すぎると具体的なところから進めようとする成績優秀な海田ゼミ。何だかよく分からないけどちょっと面白いかもと、珍しく興味を見せる落ちこぼれの遠山ゼミ。それぞれの思いや事情を抱えながらも、学生たちは自分なりのアプローチで愛について模索していく。そんな中で仲間の一人に起こった事が、学生たちに思いがけない変化をもたらし....
鈴木大洋は、フグとタコで有名な愛知県の離島・日間賀島に住む高校三年生。幼少期から「4代目」と呼ばれて育ち、中学生まではそのことに何の疑問も持たなかったが、島外の高校で友人と交わるうち、島独自の文化や風習、「4代目」が決定づけられていることに疑問を抱くようになる。いつものように旅館の手伝いをする大洋は、名古屋から来た女子大生、松田凛空・佐野晴香との出会いを通じ、「自分の将来はこれでいいのか?」という気持ちに駆られるようになり・・・。
18世紀デンマーク。貧窮にあえぐ退役軍人ルドヴィ・ケーレン大尉は、貴族の称号をかけて荒野の開拓に名乗りをあげる。それを知った有力者フレデリック・デ・シンケルは自らの権力が揺らぐことを恐れ、あらゆる手段でケーレンを追い払おうとする。ケーレンは自然の脅威とデ・シンケルの非道な仕打ちに抗いながら、デ・シンケルのもとから逃げ出した使用人の女性アン・バーバラや、家族に見捨てられた少女アンマイ・ムスと出会い、家族のように心を通わせていく。
先祖代々の広大な土地を持つオズワルドは妻のマリアと幸せな生活を送っていた。ところが裏では、妻は夫を顧みず、淫蕩の限りを尽くしていた。しかも元恋人アレッシオと再会したことで、彼女は以前にも増して愛欲の世界に溺れていく。それでもオズワルドは妻を許していたが、美しい女性クラウディアと出会ったことで一変。夫との関係に悩む彼女とオズワルドは次第に惹かれ合うことに…。ところがすべては巧妙に仕組まれた罠だった。
大学を卒業したマリオは担当教授のマッシモと、叔父のオズワルドが住む屋敷に招かれた。妻のマリアを亡くし、跡取りがいないオズワルドはマリオを後継者として考えていたのだ。広大な屋敷には叔父とメイドのテレザ、マリアに良く似た妹のカルロッタが住んでいる。ある夜、物音がした亡き叔母の部屋を覗いたマリオ。そこでは美しい女性がエロティックな儀式に興じていた。当惑するマリオだが、次第に淫らな世界に引き込まれていく。
ホアンの夢は闘牛士になること。ある日、闘牛の訓練を積んでいると、ドンナ(シャロン・ストーン)という名家の令嬢と出会う。ドンナはホアンを自室に招き入れて挑発するが、彼女にとってはただのゲームにすぎず、ホアンの自尊心をいたぶった挙句に冷たく放り出してしまう。時は経ち、今や花形マタドールとなったホアン。名誉と栄光を手に入れたが、ドンナのことは忘れられない。そんな時、再び彼女からの誘惑がやってきた…。
すべてにおいて屈折し、狭量で、尊大な美術教師が取るに足らぬと思っていた土地に、何を見つけ出すのか――トルコ東部、雪深いインジェス村の学校で美術を教えるサメット。教師というだけで、村人たちから尊敬され、お気に入りの女生徒セヴィムにも慕われている。しかし、ある日、、同居している同僚のケナンと共に、セヴィムらに“不適切な接触”を告発される。同じ頃、美しい義足の英語教師ヌライと知り合う。夏、念願叶って転任が決まり、この田舎村から去ろうとするとき、雪で覆われ続け、春の陽を浴びることなく突然に強い陽を浴び、黄色く枯れた草を踏みしめるサメットは、その枯草になにを見つけ出すのだろうか......。プライド高く、ひとりよがりで、屁理屈を並べ、すぐにキレて、周囲を見下す、“まったく愛せない”のに“他人事と思えない”主人公サメット。人と自分を比べ、他者をやりこめようとするサメットの姿は、現代社会のどこにでも見つけることができる。主人公サメットとディズダル演じるヌライが繰り広げる人生論のやり取りは、12分を超える圧巻のシーン。「世界のために何ができる?」の問いに、「正義は絵空事」とうそぶくサメット。しかし、そのあとの展開に誰もが驚くだろう。予測不可能さ、アンビバレントさ......人の心の不可思議がそのまま提示されるとき、映画と現実の境界は失われ、新たな映画体験を味わうのだ。
麻薬と殺人が日常と化した国境近くの小学校。子供たちは常に犯罪と隣り合わせの環境で育ち、教育設備は不足し、意欲のない教員ばかりで、学力は国内最底辺。しかし、新任教師のフアレスが赴任し、そのユニークで型破りな授業で、子供たちは探求する喜びを知り、クラス全体の成績は飛躍的に上昇。そのうち10人は全国上位0.1%のトップクラスに食い込んだ!
ソウル郊外で両親と妹と共に暮らす28歳のケナ(コ・アソン)。大学を卒業後、金融会社に就職し、毎日片道2時間かけてソウル市内の会社に通勤している。仕事には関心がなく、上層部の顔色を伺う上司に辟易する日々。大学時代から長く付き合っている恋人のジミョン(キム・ウギョム)は、外国に行きたいと口にするケナに「自分が就職したら支える」と告げるが、ピントのずれた話をしがちなジミョンにケナは苛立つ。ケナは、ジミョンの家族との関係にも居心地の悪さを感じていた。だが、ケナの母は裕福な家庭で育ったジミョンとの結婚を待ち望み、折に触れて急かす。そればかりか、新しい部屋を購入するための費用もケナに出すように迫る。ケナが家族と暮らす小さな団地は老朽化が進み、再開発が予定されていた。地獄のような通勤、興味のない仕事、恋人との不透明な未来、古い価値観を押しつけてくる家族との息の詰まる日々ーー。「自分には落ち度がないのに、ここでは幸せになれない」。ケナは、韓国を抜け出すことを決意する。
「母ちゃんが歌える歌、いっぱい作ってくれ」信州に生まれ育った中山晋平(中村橋之助)は、少年時代に見た旅楽団のジンタに魅せられ、音楽の道に進むことを夢見る。18歳の時に、早稲田大学教授・島村抱月(緒形直人)の書生になる機会を得て、上京。書生の仕事をしながら苦学を重ね、3年後、難関「東京音楽学校」に入学する。借金を重ねながらも卒業した晋平は、抱月の劇団「芸術座」の劇中歌『カチューシャの唄』を作曲することに。看板女優・松井須磨子(吉本実憂)が歌った曲は演劇と共に大ヒットし、女手ひとつで育ててくれた母ぞう(土屋貴子)を安心させることができた。しかし、母が突然、病で倒れてしまう。故郷へ急ぐが、死に目に会えなかった。悲しみに暮れる中、母への思いを込め、二曲目の劇中歌『ゴンドラの唄』を生み出す……。
人生で一度も働いたことのない専業主婦・未知子が、スーパーで働き始め、トルコ旅行を目指して成長していく。同じ砺波市で生きる、元役者の花屋店長・千花、旅するインフルエンサー・ゆう。異なる生き方をする3人の女性が出会い、悩み、影響し合いながら自分らしく生きていく物語。
「夢も、自分のことも、見失いかけていた28歳の千奈津。そんな彼女の前に現れたのは、「千奈津の夢を叶えてくれる」という不思議な少年だった。なぞなぞを通じて、忘れていた大切な気持ちや、ありふれた日常の愛おしさに触れていく――。そっと心に寄り添う、優しさに満ちたファンタジー。2005年韓国プチョン国際ファンタスティック映画祭招待作品」
1957年、冬のウィーン。マックスはホテルの夜番のフロント係として、身元を隠して働いている。彼は戦時中、ゲットーの責任者として権力を振るうナチスの新鋭隊員だった。ある日、若手指揮者アザートンの妻ルチアがホテルを訪れる。実はルチアは、かつてマックスがゲットーで弄んだ少女だった。ルチアは思いがけない再会に驚きウィーンを去ろうとするが、アザートンはルチアを残して単身フランクフルトヘ飛び立ってしまう。
1940年8月、ベルリン。18歳のステラは、ブロードウェイでジャズシンガーとしてのキャリアを夢見ていた。戦争が激化し、ユダヤ人への圧力が高まる中、両親ともに国外脱出を切望していたが叶わず、ユダヤ人の両親を持つステラにとって、その夢は儚く消えていった―。三年後、ステラは軍事工場で強制労働を強いられていた。工場で始まったユダヤ人の一斉検挙からは、かろうじて逃れることができたのだが…。
世界遺産のトルコ・カッパドキアに佇むホテル。親から膨大な資産を受け継ぎ、ホテルのオーナーとして何不自由なく暮らす元舞台俳優のアイドゥン。しかし、若く美しい妻ニハルとの関係はうまくいかず、一緒に住む妹ネジラともぎくしゃくしている。さらに家を貸していた一家からは、思わぬ恨みを買ってしまう。やがて季節は冬になり、閉ざされた彼らの心は凍てつき、ささくれだっていく。窓の外の風景が枯れていく中、鬱屈した気持ちを抑えきれない彼らの、終わりない会話が始まる。善き人であること、人を赦すこと、豊かさとは何か、人生とは?他人を愛することはできるのか―。互いの気持ちは交わらぬまま、やがてアイドゥンは「別れたい」というニハルを残し、一人でイスタンブールへ旅立つ決意をする。やがて雪は大地を真っ白に覆っていく。彼らに、新しい人生の始まりを告げるように。
1930年代のパリ。少年サム・リオンは母親にサーカスの回転木馬に置き去りにされ、拾われたサーカス団で空中ブランコのスターになった。だが、事故で大怪我を負った彼は、サーカスを去り、事業を起こして清掃会社経営を成功させ、実業家として大成功を収めた。50代となったある日、様々なことに疲れたサムは、ヨットで単独大西洋横断に挑戦するが、大西洋上で行方不明となってしまう。2年後、死んだものと思われたサムを、元会社の従業員だった青年アルがアフリカで見つけるのだが…。
失われた時代をまっすぐ見つめる 最も勇敢な女性の物語1953年、自由を口にするものは政治犯としてすぐに捕まる時代。政治的弾圧が続く中、罪を課せられた者は思想改造および教育・更生のため緑島に収監されていた。連行された者たちは、名前ではなく番号に置き換えられ、囚人として「新生訓導処」に監禁、重労働を課せられる日々を余儀なくされた。純粋な心を持つ、絵を描くことが好きな高校生・余杏惠(ユー・シンホェイ)。ひとりの子どもが生まれて間もなく投獄された正義感の強い、看護師・嚴水霞(イェン・シュェイシア)。妹を拷問から守るため自首して囚人となった陳萍(チェン・ピン)。次々と迫る不条理に対しても思考は止めず台湾語、北京語、日本語などあらゆる言語を駆使しながら一日一日を生き延びようと過ごす人々。時の為政者は何をしてきたのか。考えることは罪なのか。これまで閉ざされていた歴史に、また一つ光が射す。
1995年の震災で多くの家屋が焼失し、一面焼け野原となった神戸・長田。かつてそこに暮らしていた在日コリアン家族の下に生まれた灯(富田望生)。在日の自覚は薄く、被災の記憶もない灯は、父(甲本雅裕)や母(麻生祐未)からこぼれる家族の歴史や震災当時の話が遠いものに感じられ、どこか孤独と苛立ちを募らせている。一方、父は家族との衝突が絶えず、家にはいつも冷たい空気が流れていた。ある日、親戚の集まりで起きた口論によって、気持ちが昂り「全部しんどい」と吐き出す灯。そして、姉・美悠(伊藤万理華)が持ち出した日本への帰化をめぐり、家族はさらに傾いていく――。なぜこの家族のもとに生まれてきたのか。家族とわたし、国籍とわたし。わたしはいったいどうしたいのだろう――。
ベストセラー作家であり、自ら出版社を経営している御祖 真。妻や3人の子供にも恵まれ充実した日々を過ごしていた彼には、誰にも言えない“秘密”があった。そんなある日、帰宅途中に胸の苦しみを感じた真は、外の空気を吸うために送迎車から降り、庭園を散歩する。そこでは結婚式が行われていた。娘の将来の花嫁姿を思い浮かべた矢先、激しい心臓発作に襲われその場に倒れてしまう。意識を失いかけた真の手には、トルストイ著『復活』が握られていた。緊急搬送された病院で医師から告げられたのは、無常にも“死の宣告”だった。
コールガールの仕事をアルバイト感覚で始めた女子大生の愛は、どこにも属さず、客を選ぶのも気分次第で一人気ままに仕事をしていた。ドアを開けるたびに出会う男たちの性的嗜好は様々、時に倒錯した変態的プレイを求められる。トラブルがあっても助けてくれる後ろ盾はなく、危険と隣り合わせだ。ある日、高級ホテルに呼ばれた愛は、客の贋作画商・間宮と出会う。間宮に気に入られた愛は、何度か呼び出されるうちにリッチなライフスタイルや刺激的なプレイを受けて、次第に惹かれていく…。
パキスタンで2番目の大都市、古都ラホール。保守的な中流家庭ラナ家の次男ハイダルは、現在失業中だ。家父長制の伝統を重んじる厳格な父からの「早く仕事を見つけて男児をもうけなさい」というプレッシャーを受けている。妻のムムターズはメイクアップアーティストの仕事にやりがいを感じ、家計を支えていた。ところが、ハイダルとトランスジェンダー女性のビバとの出会いと恋が、夫婦とラナ家の穏やかに見えた日常に波紋を広げていく――。
高校卒業が間近となった新潟の高校に通う学生たち。それぞれの夢、希望、悩み、葛藤を胸に、残りわずかな高校生活を過ごしていた。芸能事務所からスカウトされ、歌手になることを夢見てきた愛佳。古町芸妓への内定を得たが、彼氏に打ち明けられずにいる弥生と、最近何かを隠し、自分を避けるようになった弥生の様子に頭を抱える亮介、コロナ禍の影響で工場が倒産、その影響で不登校となり、新潟に引っ越してきた真衣、若者が自分のやりたいことに蓋をしていくしかない大人の作り上げた社会に声を上げようとする学、実家の味噌蔵を世界に発信していくため海外の大学を目指す由香―――。様々な状況に置かれ、人生の岐路に立つ若者たちが、卒業を前に、各々の悩みを解決していきながら、一歩前進していく学生たちの青春群像劇。
11歳のマリアは、湖に隣接する広大なゴミ集積場の近くで、母親のリリベスと共にゴミ収集をしながら暮らしているリリベスは、街の組織と取引をし、飼い犬を売って生計の足しにしようとするが、不測の事態により取引ができなくなってしまう。トラブル解決のため、リリベスはリサイクル施設にマリアを預け、ひとり街へと出かけていく。「すぐに戻る」という母の言葉を信じて待つマリアだったが、母は何日経っても戻らない。マリアは戸惑い、混乱し、言葉にならない怒りを募らせていく。
父親の再婚と継母の妊娠で家に居場所がなくなった少女ホープ。セクシーモデルに憧れる彼女はかつてベビーシッターだったペイジと連絡を取り合い、親には内緒でハリウッドへと向かう。ペイジと合流したホープが連れて行かれたのは、仮住まいだと言うホテルの一室。部屋の中にはペイジの友人デスティニーと男がいたが、ホープを見ると2人とも出て行ってしまう。翌朝、二日酔いの重い頭を持ち上げ起きたホープ。スマホを確認するが、父親からの連絡はなかった。自分の娘が家出をしたことに興味がない事実に傷つきながらも、次第とハリウッドの華やかなで自由な生活と、ペイジとの快楽に身を委ねるのだが…。
二本目にして最後の長編監督作。題名はランボーの同名の詩から採られている。ペサックで心優しい祖母と二人暮らしをしていた13歳の少年ダニエルが、やがて母が継父と住むナルボンヌに移住し、経済事情から学業を諦めて二輪車販売・修理店で見習いとなる物語には、ユスターシュの少年時代の記憶が多分に投影された。作家によれば、「自分の映画はどれも最初から社会ののけ者の中に身を置く」一方、本作だけは「ある子どもの、普通の生活から脱落者の境遇への移行」を描いている。主題の一つは、聖体拝領の日に初めて異性を意識した経験に始まる、ダニエルの性的な成長だ。半ば様式的な演出が施されたこの寡黙な映画は、繊細なカラー撮影と相まってユスターシュ作品中例外的な輝きを放ち続けている。
『ママと娼婦』『ぼくの小さな恋人たち』と併せて、ユスターシュの自伝的三部作を形成する一本。ゴダール提供による『男性・女性』(66)の未使用フィルムを使って撮られた。主演も『男性・女性』のレオー。舞台となるのは、クリスマス・シーズンの仏南西部ナルボンヌ。貧しい青年ダニエルは、モテるためのダッフルコート欲しさにサンタクロースの扮装をして街角に立ち、写真撮影のモデルを務める仕事を引き受ける。やがて彼は、変装した方がナンパに好都合であることに気づくが……ヴォイスオーヴァーを活用して定職のない若者の冴えない日々を描きつつ、やがて彼の滑稽な日常が悲哀へと、期待が幻滅へと転調する語り口が絶妙。ナルボンヌ生まれの国民的歌手シャルル・トレネに捧げられている。
新聞配達員で心優しい独り者の中年男性・志朗は、ある夜、若者たちのオヤジ狩りに遭っていた町工場の社長・阪本を成り行きで助ける。翌日、復讐に燃える阪本に「一緒に悪ガキたちを退治しよう」と誘われ、断りきれずオートバイ用のプロテクターで防備して坂本に同行。またしても偶然が重なり、不良少年たちを懲らしめることに成功する。「オヤジ狩りの少年たちが返り討ちにあう」という新聞記事にもなり、密かに思いを寄せている喫茶店の女性店員ユキにも高評価を得たことから、志朗はヒーローとして立ち上がることを決意する。
高城久夫(出合正幸)と佐野容子(竹島由夏)は殉職した中本(野村宏伸)の意思を受け継ぎ、警備会社エステックの一員として日々奮闘していた。そんな中、一人の女性が訪ねてくる。依頼をしてきたのは中国の工作員に追われていると話す女(山崎真実)だった。高城を筆頭に警護チームが組まれ、女性の警護が始まる。女性を匿うため人里離れたキャンプ場にやってきたが、すぐに脅威対象の工作員がキャンプ場に向かったとの情報が入ってくる。子供連れの家族、仲の良さそうな夫婦、若者たちのグループ、どこに工作員が紛れているかわからない。一般客もやってくるこの場所を、高城はなぜ選んだのか?緊張が続く中、最初の犠牲者が発見される…。
老舗の銭湯で働く藤綱一果と月島有朱。藤綱一果は、高校時代の友人 神木流星と高校振りに奇跡の再会を果たす....。30代目前の男女の恋愛模様を繊細に描いたラブストーリー。
匂いに敏感なひのき(17)は、亡くなった父が残した全国のミニシアターで観た映画の感想が書かれたノートを見つける。ある映画館だけ場所がわからず、匂いのメモや、感想だけが書かれていた。コーヒー豆の焙煎店を営んでいた父が残したコーヒー豆を配りながら、父の巡った映画館へと旅にでるひのき。薄れていく父の匂いと、場所のわからない映画館を探しながら、ひのきは少し、大人になっていく。
ひとりご飯、ひとり映画、ひとり旅……ひとりで生きる。ソロ活好きで気ままなシングルライフを楽しむ、カリスマ塾講師で人気インフルエンサーのヨンホ。出版社の有能な編集長だけれど、ひとりでいる事が苦手で恋愛に関しては妄想癖のあるヒョンジン。シングルライフと観光地がテーマのエッセイ「シングル・イン・ザ・シティ」シリーズの作家と編集者として出会ったふたりは、ライフスタイルも価値観も何もかもが違い、本をめぐって事あるごとに対立するが、企画が進むにつれ一緒に過ごす時間も悪くないと思い始める…。
高校3年生、みんなが進路について焦るなか、上京して演劇の世界に行くことを夢見るサト(片田陽依)は今日も認知症の祖母のシズ(福井裕子)の介護のため、演劇部の練習中に早退する。サトとシズと父の3人暮らし。大変ながらも仲良く暮らしているのだが、最近「旅行」と言って一人でやたらとどこかにシズが行きたがる。危ないと止めるサト、そしてシズがハワイ旅行に行くことが長年の夢だったとわかる。そんな中で、次第にシズの体の状態が悪くなっていくことを告げられたサトは、家族の最後の思い出になるかもしれないと、逗子での『擬似ハワイ旅行』を企画する。
母親と母親の恋人の家で暮らしていたシャラ。しかし、シャラは同居させてやっていることを楯に、カラダの関係を迫る母親の恋人のことを嫌悪していた。母親に言えないストレスを抱えたシャラは、自身の体を傷つけることで心を慰めていく。ある日、恋人から暴力を受けたことで我慢の限界を超えた母親に連れられ、家を飛び出したシャラ。母親が体を売りながら各地を転々とする生活を続ける2人はやがてロサンゼルスに辿りつき、母親がリハビリ施設で一緒だった男キャップの家に間借りする生活が始まる。キャップの息子ジェイミーとの触れ合いで落ち着きを取り戻したシャラだったが、生活費を稼ぐためと母親から言われるままカラダを売り始める。
ある日、宝石店に強盗に入ったサミー。その帰りに乗ったバスで隣り合わせたシングルマザーのケイティに惹かれ、その日のうちに彼女が勤めるイタリアン・レストランまで足を運び、熱烈なアプローチをする。そんな情熱的なサミーにケイティも引かれて2人は恋仲に。だがサミーは、ギャングの父のもとに生まれ、昔、多額の借金をしたことからボスの言うがまま犯罪に手を染めてきた過去だけは、ケイティには明かせずにいた。やがて2人は結婚するが、ケイティの2人の連れ子のうち、レイチェルだけはいつになってもサミーに反発していた。しかしある日、ケイティが突然の事故で死亡してしまう。母を失った2人の娘にサミーは向き合うことになっていくのだが…。