映画監督の柾木は親の遺産を食い潰し引きこもり続けていた。友人・池内の誘いで出かけた舞台で女優・芙蓉と出会い、創作意欲を取り戻すが、その想いは次第に狂気へと変わり歪んだ愛の物語を紡ぎ始める。
結婚を前提に彼氏と同棲中ながら、最近倦怠期を感じているOL・莉花(水端あさみ)。そんなある日、米国支社から転勤してきた既婚男性・南美のサポート役を上司から任される。知的で自由な雰囲気を漂わせる彼の魅力に、莉花は次第に惹かれていく――。やがて南美から「好きだ」というまっすぐな想いを告げられ、急展開に戸惑う莉花。不倫への罪悪感で揺れる中、彼の自宅に招かれると目の前に現れたのは微笑む南美の妻・菜々子だった・・・。
19歳の若手女優マリア・シュナイダーは新進気鋭の監督ベルナルド・ベルトルッチと出会い、『ラストタンゴ・イン・パリ』で一夜にしてトップスターに駆け上がる。しかし、48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンは彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落としていく。
クランク・イン前日の映画会社を舞台に、様々な人物が入り乱れ繰り広げられる人間悲喜劇。97年に上演された橋口監督のオリジナル戯曲を映画化!
傷ついた心が癒えない女、それを見守る男。都市をさまよいながら、瑞々しいタッチで描かれる「愛」。『息もできない』で世界を震撼させたヤン・イクチュン監督珠玉の短編。
非常事態に突入した現在、一室に閉じ込められた8+1人の50年間の物語。職と性と暴力のリサイクル、山本政志監督製激毒寓話。
放課後、高校の体育館の隅に集まる演劇部の真琴、悠、芽依は、オスカー・ワイルド作「The Happy Prince(幸福な王子)」を翻訳、舞台化しようとしている。3人は各々翻訳してきた台本の読み合わせをしながら、幸せとは何か考える。
仏師として立ち行かず、見世物小屋の生人形制作で糊口をしのぐ亀八。興行で立ち寄った土地 の名士から、不治の病におかされた娘を美しいまま写した人形制作を依頼される。一度も家の外 に出たことのない椿と、興行で土地を転々とする亀八、二人は次第に惹かれ合うが、人形の完成 が近づくにつれ、椿の身体は動かなくなっていく。
30代のクラリスは、闘争心旺盛で無鉄砲な女性警官だ。彼女はモー・デュベリー死亡事件の調査を命じられる。モーは50代の夫ジャン・デュベリーの目の前で崖の頂上から転落し、ジャンは何もできなかった。事件はすぐに事故として処理される。しかし一週間後、謎の目撃者がジャンが妻を突き落としたのを見たと主張する。上司の反対を押し切り、クラリスは独自に捜査を進める。毒のある魅力を持つ男、ジャン・デュベリーの秘密を暴き、この奇妙な事件の真相を明らかにするためなら、彼女はどんな手段も厭わない。ジャンは本当に無実なのか?
喫茶店で彼氏と喧嘩をしていた美桜。親友・絵名の誘いがきっかけで、バイトを始める。新しい出会いを求めて始めたバイトだが、そこにはちょっぴりドジな先輩・陽斗がいた。個性豊かな客や仲間たちと共に成長していく美桜の姿と、それぞれの恋の物語。珈琲のように苦い恋が、今始まる。
彼氏の湊月と幸せな生活を送っていた花音。ある日、思いもよらないことを言われてしまう。一方、バイト先の先輩・琉生に片思いをしている陽葵。それぞれの恋の行方はどうなるのか?恋愛、親子愛、兄妹愛、友情…様々な愛の形を描いた物語。そして、待ち受けている衝撃の事実。“愛のある嘘”は存在するのか…
1938年、トリノでお針子として洋裁店で働く16歳の少女ジーニアは、画家のモデルとして生計を立てる3つ年上の美しく自由なアメーリアと出会う。アメーリアによって芸術家たちが集う新しい世界への扉を開かれ、ジーニアは大人の階段を上り始める。思春期真っただ中のジーニアと、既に自立した女性としてたくましく生きるアメーリアの2人が、互いの姿に自分の未来/過去を映しながら、徐々に惹かれ合っていく―
1970年、軍事独裁政権が支配するブラジル。元国会議員ルーベンス・パイヴァとその妻エウニセは、5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな暮らしを送っていた。しかしスイス大使誘拐事件を機に空気は一変、軍の抑圧は市民へと雪崩のように押し寄せる。ある日、ルーベンスは軍に連行され、そのまま消息を絶つ。突然、夫を奪われたエウニセは、必死にその行方を追い続けるが、やがて彼女自身も軍に拘束されてしまい…。
山本政志監督の最新作にして、ワークショップ”シネマ☆インパクト”発信の最終作品。「bar DUDE」に集まるユニークな客達とスタッフとその家族、計36人による三日間のちょっとイカれた群像劇。登場人物全員が生き生きと描かれ、軽快な笑いをちり混ぜたハートウォーミングな佳作。
元夫・由紀夫の失踪から 6 年半。保険金受け取りまで半年に迫った持田佳奈(斎藤千晃)と現在の夫・持田孝明(卯ノ原圭吾)は、保険金が入ることを疑わず、将来の計画を立てている。不倫をしている孝明は、会社を辞め、不倫相手・岸本あゆみ(実倉萌笑)らと設立するベンチャー企業に出資することにしていたが、ある日、佳奈がたまたま入った居酒屋で、由紀夫に瓜二つの男(宮本聖矢)に遭遇。真っ青になる二人だが、追い討ちをかけるように、あゆみは、佳奈はそもそも本当に生命保険をかけているのかと孝明の気持ちを試す。さらに孝明は、怪しむ居酒屋の店長(米元信太郎)に、あゆみといるところを見られてしまい…果たして、「倉田」というネームプレートをつけた男は、由紀夫なのか?二人は保険金を受け取れ、孝明は不倫がバレずに、保険金を出資に使えるのか?
「セーラー服と機関銃」「ションベンライダー」の異才・相米慎二監督の代表作。台風の接近に伴って、少年少女たちのやり場のない感情が高ぶってゆく様を、瑞々しく描き出す。東京近郊のある中学校、夜のプールではしゃぐ5人の女子中学生は、友達をからかい半分で溺死寸前まで追い込んでしまう。一見平凡に見える中学生たちが抱える行き場の無い不安定さは、台風で学校に閉じ込められたことによって、狂気へと走り出す。
心を病んだ母のもとに育ち、幼いころに引き裂かれた姉妹ホンとラン。姉のホンは祖母に引き取られ、妹のランは母と共に生活することになるが、母の死を機に20年ぶりに再会。互いに幼いころの出来事や、離れ離れになった成長過程で心に傷を負い、亡き母や家族のわだかまりを持ったまま、奇妙な同居生活が始まる。ある朝、ホンが目を覚ますとそこにランの姿はなく、その失踪から数年後、ランの遺体が日本で発見されたという知らせが届く。仕事も家庭も放り出して日本に向かったホンは、初めて訪れた街を彷徨いながら、亡き妹が生きた証を辿る。妹のルームメイトに案内された生前二人が住んでいた部屋、そこに残された日記、見覚えのある懐かしい白のサマードレス...そして日記に綴られていた内容からあぶり出された男。異国の地で妹の幻影を追い続ける中、まるで残像の様に浮かび上がるランの謎めいた微笑みと眼差しの先に、姉は何を思い、何を知ることになるのか―
不眠症に悩まされている無職の青年 平岡修二。彼は謝礼の10万円を目当てに、失踪した20代女性「小川翠」を探し続ける。徐々に彼女に意識を占領されていく修二。「なぜ翠は“尋ね人”となってしまったのか」そこには悲しすぎる過去があった。
大学を中退してゲームに興じる毎日を送る中国系タイ人の青年エム。スーパーで働いて家計を支える母シウと2人で慎ましく暮らしている。彼はゲーム実況でお金持ちになることを夢見ているが、視聴者は1日に数人のみで、将来への展望は描けないでいた。そんな中、父方の祖父を介護していた従妹ムイが、祖父の遺言によって豪邸を相続。それを聞いたエムは、自分も楽をして暮らしたいと画策する。エムには、一人で暮らす祖母メンジュがいた。中国の先祖祭である清明節に一家でお墓参りに行った時、メンジュは転倒してしまう。病院で診察を受けた結果、メンジュはステージ4のガンに侵されていることが判明。エムは不謹慎にも、メンジュから信頼され遺産を得ようと、彼女の介護人として一緒に暮らすことに。しかし、長年、早朝にお粥売りの仕事に出るなど、厳格に生きてきた気難しいメンジュに、エムは早起きすら出来ないありさまで怒られてしまう。メンジュの生活は、エムには馴染みがないことばかりで戸惑う日々だった。メンジュの娘でもあるシウも彼女と過ごすため、仕事のシフトを変更。夜勤明けでリハビリに付き添うが、2人はお互いに迷惑をかけないよう気を使い過ぎて、結果的に傷つけ合ってしまう。一方、投資で豊かな生活を送るメンジュの長男キアンは、長男の責任を果たそうと、メンジュに彼の家族との同居を提案。しかし、街を離れたくないメンジュは、お粥売りを休めないからと断ってしまう。ある日、エムとメンジュは長男一家と共に、棺桶の寄付ができる寺院を訪問。メンジュは家族みんなの幸せを祈ったのに対して、長男一家は自分たちのことだけを祈っていた。また、定職に就かず借金を抱えていた末っ子のスイは、メンジュの家を訪れてはこっそりお金を盗んでいたのだった。 利己的な家族に寂しさや孤独を覚えながらも、家族を想うメンジュを見て、エムの気持ちに変化が訪れる。そんなエムの姿に、メンジュも次第に心を開いていく。すれ違いながらもメンジュと絆を深めていったエムは、出来る限り彼女と一緒に時間を過ごそうと気持ちを新たにするのだった……。
8歳のネリーは両親と共に、森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。大好きなおばあちゃんが亡くなったので、母が少女時代を過ごしたこの家を、片付けることになったのだ。だが、何を見ても思い出に胸をしめつけられる母は、一人出て行ってしまう。残されたネリーは、かつて母が遊んだ森を探索するうちに、自分と同じ年の少女と出会う。母の名前「マリオン」を名乗るその少女の家に招かれると、そこは“おばあちゃんの家”だった――。
有名なヘアメイクドレッサーだったパット(ウド・キアー)は、老人ホームで静かな余生を送っていた。ある日、弁護士が訪ねて来て、街で一番の金持ちであった、かつてパットの顧客のリタ(リンダ・エヴァンス)が亡くなったという。リタは「死化粧はパットに頼んでほしい」と遺言書に残していた。リタへの複雑な思いと、現役を引退した現実から、一度は申し出を断わるパット。しかし本能に突き動かされるように、老人ホームを抜け出すのだった。パットは街の中心部までの長い距離を歩き続ける。かつての恋人デビッドの墓も訪ね、行く先々の人たちとの出会いを通し、リタの遺言を叶えてあげたい気持ちが芽生えいくが、彼の心は揺れ動いていく―。
90年代、ニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の女上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。日々の仕事は、世界中から毎日大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターを処理すること。しかし、心揺さぶられる手紙を読むにつれ、飾り気のない定型文を送り返すことに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナが電話を受けた相手はあのサリンジャーで…。
劇団・月刊「根本宗子」の主宰者として、全作品の作・演出を手掛ける 根本宗子(ねもと・しゅうこ/1989年生まれ。東京都出身)。劇作家・演出家としての活躍はもちろん、2022年4月には初の小説『今、出来る、精一杯。』を上梓するなど多方面に大活躍。根本作品初となる映画化で、“映像化不可能”と思われていた2015年の舞台『もっと超越した所へ。』が、前田敦子・菊池風磨らが出演し2022年に公開、新作舞台『宝飾時計』も話題に。本作は“月刊「根本宗子」第17号『今、出来る、精一杯。』”の舞台映像を、2022年にユーロライブにて上映した話題作のBlu-ray化。月刊「根本宗子」旗揚げ10周年の記念公演として、当時23歳(2013年)の根本が書いた戯曲を、30歳(2019年)の根本が音楽劇として作り直した作品だ。音楽監督には、シンガーソングライターの清竜人(きよし・りゅうじん/1989年生まれ。大阪府出身。)を迎え、より多くの方に伝わる芝居へと進化させた。
一人暮らしの洋子はひょんなことから捨て猫のように公園にいたノコと出会う。ご飯を食べて、寝て、またご飯を食べて…一緒に過ごすうちに二人は次第に変わっていく。おいしい映画祭2023にて優秀賞、観客賞受賞作品
お笑いコンビ「Life record」の一輝と幸雄。芸歴22年目の二人は、未だに売れずに芸人を続けている。いつもの地下劇場でのライブ当日。いつまで経っても劇場に来ない幸雄に怒る一輝。幸雄の家に迎えに行くと、幸雄は引き篭もりを敢行していた。一輝は無理矢理に外に幸雄を連れ出すと、「漫才をやるぞ」と言い、誰もいない夜の公園で一方的に漫才を始める。次第に、漫才のネタではなく、お互いの本音が漏れ出して口論になっていく。
同じ日に精神病院に送られた25歳のスミョンとスンミン。スミョンは19歳の時に母が自殺したショックで精神を病み入院。一方、スンミンは世界的なパラグライダーの選手だったが、家族との遺産争いに巻き込まれ強制的に入院させられた。異なる背景を持つ二人の青年が出会い、次第に友情を育んでいく。やがて2人は病院からの脱出を企てて、心の自由を求めて奔走する。果たして彼らが自由になる日は訪れるのか・・・
20世紀初頭のローマ。教育者マリア・モンテッソーリは、娘の障がいを隠すため逃亡した高級娼婦リリと出会う。マリアの教育法により、リリは娘の意志と才能に気づき、母として変化。共鳴したリリは、男性社会で闘うマリアの夢に力を貸し、互いの人生を動かしていく。
ランニングマシーンで走りながらオンラインでセラピーを行う女性。疎遠になっていた実の妹から突然の電話。自分のトラウマが蘇る。
フードデリバリー配達員、シンガーソングライター、広告クリエイター、カメラマン……東京でもがく13人の若者たちの常を追った群像劇。「スパゲティコード」(解読困難なほど複雑に絡み合ったプログラミングコードの意)のようにこんがらがった彼らのドラマは、リアルタイムに更新され、解きほぐされ、やがて1本の線へと変化していく。倉悠貴、三浦透子、清水尋也、八木莉可子、土村芳、ゆりやんレトリィバァら多彩なキャストを通して映し出されるのは、まるで私たちの鏡像。誰かとつながりたくて、夢を諦められなくて、この街のどこかに居場所を探している――。エモーショナルな映像×リアルな心情が、共感を増幅。飾り立てた “キャラ”とは違う、本当の自分がここにいる。
盲目の青年モハメド・アリはある夜、姉と一緒に歩いているところをチンピラたちに絡まれる。その時、アリが強烈なパンチを彼らにお見舞いした瞬間をボクシング・トレーナーのアカシュは見逃さなかった。彼は有望視していた弟子に見限られたばかりで、次の逸材を探す必要に迫られていた。インドに盲目のボクサーはいない。しかしウガンダやタイなどには性別を問わず視覚障害を持つボクサーが存在する。さらにはインドにもそういったハンデを背負いながらも活躍するアスリートがいることを知ったアカシュは、アリをボクシングに誘う。父は乗り気だったが母は猛反対。実は昨年、サッカー界がアリを誘ったが、まったく上手くいかなかった痛恨の過去があった。
42 歳 独身 青森県弘前市出身。人生を諦めなんとなく過ごしてきた就職氷河期世代の在宅フリーター陽子(菊地凛子)は、かつて夢への挑戦を反対され 20 年以上断絶していた父が突然亡くなった知らせを受ける。 従兄の茂(竹原ピストル)とその家族と共に車で弘前へ帰ることに。しかし、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気を取られた茂の一家に置き去りにされてしまう。陽子は弘前に向かうことを逡巡しながらも、所持金がない故にヒッチハイクをすることに。しかし、出棺は明日正午。北上する一夜の旅で出会う人々―懸命に働くシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心暖かい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)。そして陽子の前に立ちはだかるように現れる若き日の父の幻(オダギリジョー)により、陽子の止まっていた心は大きく揺れ動いてゆく。冷たい初冬の東北の風が吹きすさぶ中、はたして陽子は明日の出棺までに弘前の実家にたどり着くのか・・・。
平凡な銀行員シュブロトは家族で唯一の働き手。ある時シュブロトの妻アロティは、(主婦は家にいるべきという)慣習と義父の反対を振り切って訪問販売員としての職を得る。アロティは仕事で順調に評価され自信と経済的自立を手にするが、その状況を受け入れることができない夫は妻に離職を迫る。レイ監督が初めてネオリアリズモへの挑戦を試みた作品であり、物語は1955年当時のコルコタの日常を描く。貧しい下層・中流階級を襲う社会経済的な苦悩に焦点を当て、それを主人公女性の自立を通じて表現している。【ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品】
かつては注目されていた小説家の荒木は知り合いの女性と飲みに行ったり、日々題材を探して街を歩いていた。ある日帰宅すると、別れた筈の恋人が現れて、うんざりした荒木は部屋を出て行く。そんな荒木を他所に地球はいつも通りに回っている。妹の就職祝いのため、久方ぶりに帰省するつくしとその彼氏。母とは喧嘩別れして以来の再会であったが、思わぬ来訪者が現れる。仲睦まじい夫婦の真二と陽子は妊活を始めると、ある事実が発覚する。真二は真相を確かめようと、故郷である宇和島へ旅立とうとする。その頃、決意を新たにした荒木は執筆を続けていくが、自身の現状を反映したかのように小説もまたこんがらがり、停滞していくのであった・・・
加山睦郎はかつてピンク映画を撮っていたが、今は妻の千恵と幼い娘を養うため小さなAV製作会社を経営している。刺激ばかりを求められるAV業界に肌が合わなくなってきていた矢先、睦郎は学生時代に撮影した未完の8mm映画を偶然発見する。そして「また自分で映画を撮りたい。あの頃の自分に戻ってみたい。」という衝動に駆られる。
熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。
「あした、授業参観いくから」「えっ…」同じ会話が五つの家庭で繰り返される実験的短編映画。坂口則子(片岡礼子)は実直な中学英語教師。担任のクラスには様々な生徒がいる。両親が共働きで優等生の光。母を亡くしたが明るい性格の亜輝菜。裕福だが怠惰な一馬。母がだらしないので家事を担うゆかり。荒っぽい父におびえる涼太。授業参観の日、教室に親子の想いが交錯する…。
毎日は、ちょっと嬉しかったり、ちょっと悲しかったりの繰り返し。青春はまさに微熱…。女子高生のみずみずしいひと夏の物語を、映画初主演の堀田真由が繊細に演じる。17歳の若菜は、なにかと遠慮がち。家族や友達と平和に過ごしているが、時に微妙な温度差を感じて悩んでしまう。見えない進路、家族の期待、気になる元カレ。悩みを打ち明けられるのは、SNSで知り合ったOL・みずほさんだけで…。ぼくらのレシピ図鑑シリーズ第1弾ひょうご加古川編。
都会での生活に疲れた真琴(水戸かな)は、嫁募集の広告をきっかけに漁師の修二と見合いをして小さな漁村へ嫁いできた。慣れない土地と暮らしに戸惑いながらも、海のある日常や漁師仲間たち、そして姑の優しさに次第に心をほぐされていく。しかし漁の不調や田舎ならではの価値観の違いから、夫との関係は少しずつきしみが生じていく。そんな時、村役場に勤める直也と趣味の読書の話題から言葉をかわすようになる・・・。
第一次世界大戦後のコペンハーゲン。お針子として働くカロリーネは、アパートの家賃が支払えずに困窮していた。やがて勤め先の工場長と恋に落ちるも、身分違いの関係は実らず、彼女は捨てられた挙句に失業してしまう。すでに妊娠していた彼女は、もぐりの養子縁組斡旋所を経営し、望まれない子どもたちの里親探しを支援する女性ダウマと出会う。他に頼れる場所がないカロリーネは乳母の役割を引き受け、二人の間には強い絆が生まれていくが、やがて彼女は知らず知らずのうちに入り込んでしまった悪夢のような真実に直面することになる…。
人気高校教師で市長の妻でもあるエヴァ。在留移民センターで母国語を教えるエヴァは、シリアから難民として来たアミールと出会う。アミールの才能を見出したエヴァは、強制送還されかけたアミールに自身の空き部屋を使うように促す。アミールは在留が認められることになるが、同居することになったエヴァは次第にアミールと情熱的な関係となり・・・
童話作家のチョ・ヨンヒは、妻を亡くして以来、喪失感に苛まれ、妻が絵を描いていた想い出の部屋に行くと過呼吸の症状を起こし、長い間その部屋に入ることができずにいた。ある日、その部屋から妙な音が聞こえ、ヨンヒが勇気を出してドアを開けると、部屋は天井から水漏れしていて、そこにはヨンヒの子・ジェインが密かに隠していた子猫が住んでいた。ジェインは猫を飼わせてほしいと父に頼み込み・・・
CG一切なしの神秘的な自然の中で紡がれる伝承と解放の物語大きな川の上流、山間の集落で暮らす少年ユウチャ。父は林業に従事し、母は病に臥せっていて、老いた祖母と暮らしている。まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化していく台風による洪水の被害に脅かされている。夏休みの終わり、集落に紙芝居屋がやってきて子どもたちを集める。その演目は、土地にずっと伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋。叶わぬ想いに打ちひしがれたお葉は山奥の淵に入水、それからというもの彼女の涙が溢れかえるように数十年に一度、恐ろしい洪水が起きるという。紙芝居の物語との不思議なシンクロを体験したユウチャは、現実でも家族を脅かす洪水を防ぎ、さらには哀しみに囚われたままのお葉の魂を解放したいと願い、古くからの言い伝えに従って川をさかのぼり、山奥の淵へ向かう・・・
私ってズレてる?完璧のようにみえていた映画監督ジョヴァンニの人生。順調なキャリア、傍にはプロデューサーの妻、溢れんばかりの新作のアイディア。でも、そう思っていたのはジョヴァンニだけだった!チネチッタ撮影所で新作の撮影が始まると、畳みかけるようにジョヴァンニを災難が襲う。女優は大嫌いなミュールを履いてきた上に演出に口を出し、プロデューサーは詐欺師だったと判明、妻には突然別れを告げられる!映画は完成するのか?家族の愛をとり戻せるのか?変化の激しい時代に、ちょっと取り残されて、戸惑うジョヴァンニが見つけた人生で本当に大切なこととは?チネチッタ:ヴィスコンティ「ベリッシマ」フェリーニ「甘い生活」ウィリアム・ワイラー「ベン・ハー」「ローマの休日」など数々の名作が生まれたローマの映画撮影所。現在までに3000作以上が撮影され90以上の作品がアカデミー賞にノミネートされている。
田舎のとある高校。生徒の一人「安積桃奈」は、不完全燃焼だった高校生活を振り返っていた。そこで桃奈が思い立ったのが、所属していたダンス部での「卒業イベント出演」だ。しかし、それを元ダンス部のメンバーに話すも、皆なかなか良い返事をくれない。さらに、担任の「中尾円佳」にも相談するが、事を荒立てたくない学校側は協力的ではなかった。それでも何とかイベント出演を実現しようと孤軍奮闘する桃奈を祖母だけは応援をした。祖母はいつでも桃奈の強い味方だった。やがて、反対していた元ダンス部のメンバーたちも桃奈の熱意に心動かされてゆく。そしていよいよイベント出演が迫ってきた。しかしその時……思いもよらぬ出来事が桃奈を襲うのだった。
サラはプラハの陸軍司令部で秘書として働いている魅力的な女性。権威的な母親の影響で、サラは他人と積極的に関わることなく周囲を観察することで孤独を埋めていた。そんな時、凛々しく、優美で、柔和な表情のマルティンに出会い、サラは瞬時に魅了される。二人のつながりは徐々に深まっていくが、マルティンはサラに秘密があることを打ち明ける・・・
ユリは工場勤務の傍ら、農学を学んでいる。工場の上司は彼女と恋に落ちる。ユリは彼に誠実な関係を望むいっぽう、前パートナーとの間に子どもがいる事実を隠している。やがて彼女の秘密は明らかになるのだが、上司は子どもの存在を受け入れるだけの心の準備ができておらず……。
ビート・ミュージックのファンである若者たちは、うだつの上がらない日々を工場での労働に費やしている。ユリは不良青年のうちのひとりと婚約しているのだが、とあるミュージシャンと恋に落ちた。ギグを開くという彼とともに、ユリは小旅行へ出かける。しかし嫉妬深い婚約者と彼の不良仲間たちは執拗にふたりを追いかけ……。
マーガレットは、昼はフライトアテンダント専門学校で英語教師として働きながら、夜は煌びやかな東京の歓楽街に身を置いていた。過去のトラウマから逃れるように東京へやってきたものの、生きる意味を見失っていた彼女は、夜な夜なその場限りの男とマゾヒスティックなセックスをすることで、かろうじて生きる実感を保っていた。そんなある日、彼女は魅力的なヤクザ、カズと出会い、衝動的に彼と体を重ねる。言葉を交わさずともマーガレットの欲求を察したカズとの、この上なく幸福なセックスによって、マーガレットは強く彼に惹かれていく。カズの住む危険な世界としきたりが二人の関係を阻んでもなお、何度もラブホテルで逢瀬を重ねる二人。しかし、ある時カズが突然姿を消してしまい、動揺したマーガレットは必死に彼を探すのだが…。
1893年、ピエールとマルトは画家とモデルとしてパリで出会う。ブルジョア出身のピエールは謎めいて型破りなマルトに強く惹かれ、二人はともに暮らし始める。田舎に家を見つけ社交的な世界から遠ざかり、クロード・モネなど限られた友人との交流を除いては半ば隠遁生活の中で絵画制作に励むピエール。マルトをモデルにした赤裸々な絵画は評判となりピエールは展覧会で大成功をおさめる。1914年第一次世界大戦が始まった夏、仕事で毎週パリに赴くピエールに不安がつのるマルト、終戦間近にはパリのアトリエでピエールのモデルになっている美術学校生ルネと出くわす。なぜかマルトはルネを気に入り3人の関係は複雑なものに・・・。
高飛込のチェコ選手権で優勝し、オリンピックの代表に選出されたアンドレア・アブソロノバ。しかし、練習中に脊椎を損傷し、スポーツ選手としてのキャリアを強制的に終了させられてしまう。失意のどん底にいたアンドレアだったが、恋人の影響でポルノ業界に入り込む。アンドレアは持ち前の美貌と完璧なボディでリア・デ・メイとして一躍有名なポルノ女優になるが・・・
ウェブカムセックスで小遣いを稼ぐジャナ(17)ドラッグ中毒に気づいていないエミー(18)ドラッグを売りながら愛を探すジョイ(17)ロサンゼルスに住むことを夢見ているアビー(16)大胆で刺激的な生き方をするベルリンに住む4人の少女たちのリアルなポートレイト。
雨宮省吾は自身の想像の産物であるイマジナリー娘・佐知と、かれこれ十余年いつも一緒である。ある日、省吾は〆切を守らない東雲茉莉の元に原稿を取りに行く。そこで何やら訳あり気な女・笠原まひると出会う。まだまだ暑い夏の日のちょっとした出来事。
この手に自由を、消せない愛を――。戦後ドイツ、男性同性愛を禁じた刑法175条のもと、ハンスは繰り返し投獄される。同房のヴィクトールは彼を嫌悪していたが、いつしか互いを想い尊重する絆が生まれる。「愛する自由」を求め続けた男の20年を描く、静かな衝撃作。第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞。
ある生徒と教師の関係を巡る噂が広まった。渦中の教師は。その街で不可解な失踪をした少女の第一容疑者として疑われることに。
犯罪が横行する街で市長として選出された1人の男性。彼と彼の家族が報復のターゲットとなる。
留置場でバンドのライブを行い、警察官らしくない言動の多い徹(筒井道隆)が刑事に昇進。ある日、連続窃盗事件の被害者・恵美子(清水美那)に事情を聞くが必死に何かを隠そうとする彼女に興味を抱き、徹はストーカーまがいの行動をとり始める。そんなころ、同じ独身寮で生活する中野(忍成修吾)が殺害現場に遭遇する。芥川賞作家・高橋三千綱の短編小説「ハロー・マイ・ラブ」を映画化した青春ドラマ。人との関りを欲しながらもうまく関ることができない現代の人間像を、『蕨野行(わらびのこう)』の脚本を手がけた渡辺寿監督がみずみずしいタッチで描き出す。筒井道隆が主役を務め、デビュー作『バタアシ金魚』のカオルの十数年後ともいえる浮遊感のあるキャラクターを演じきった。さらに遠藤憲一、本田博太郎、不破万作ら日本映画きっての個性派が脇を固めている。
写真が好きだがしっくりしたものが撮れない高校3年生の景はある日、遠い存在と思っていた同級生の遊から映画づくりに誘われる。遊が撮りたい映画は「絵描きの男の子と落ち着きのない女の子が『時間の流れない世界』を目指して旅をする」という物語。友人のアリサ、海、二郎も集い、撮影が始まる。共に創作をする喜び、ほのかな恋心、過去の行き違い...さまざまな思いを抱える彼らの関係が、映画づくりとともに移り変わっていく―繰り返す彼らの夏が辿り着くラストシーンとは?
浮気調査専門の探偵、町木は、調査の最中、たまたま内偵を進めていた麻薬取締官たちの容疑者逮捕に邪魔され、その証拠をなき物にされてしまう。町木は、その捜査を指揮していたマトリの女、未菜に逆恨みし、彼女のスキャンダルを突き止める。だが、その証拠写真は世に出ることなく、握り潰された。一方、未菜は、その写真をきっかけに捜査から外された。未菜は、写真を撮ったのが、町木ではないかと考え、町木を尾行しはじめる。町木は、知人のマスターの紹介で、新たな仕事で人捜しを進めていた。ディトレードで財をなした岡が、昔付き合っていた恋人の蘭(元アイドル)を捜していた。町木は見事に居場所を突き止めるが、蘭はクスリを打たれて殺され、町木はその死体の横で裸の姿で目覚めた。驚く町木。その時、未菜と部下の杉山がその場所に突入してきた。殺人の疑いをかけられる町木だったが、その直後、予想もつかない展開になっていく。
5年前、ダム湖の近くにある温泉宿「雲海閣」に雅之とユカリ(美谷朱里)は宿泊し、渓流のイワナ料理、そして温泉を満喫した。雅之は魚の味が忘れられなかったと再び宿を訪れる。宿の鄙びた浴場へ向かう雅之。一人で湯舟に浸かっていると、女将のタマミ(吉根ゆりあ)が全裸で現れ胸を押し付けてきた。色欲に負ける雅之だったが、気付くと宿に女将の姿はなく…。