かつて、兄弟分を救うため、マフィアの巣窟に乗り込んだ男。殺人罪で9年の刑期を終えて現在は流しのピエロとして生きていた。しかし、マフィアとの抗争により最愛の妻と娘を失った恨みは一時も忘れることは無かった。そんな悲しみを抱え生きていた男に、新たなる敵が迫っていた―。
12世紀の中国。南宋(なんそう)王朝は、北方の強国・金(きん)と激しい戦いを続けていた。金に奪われた領土回復を目指した英雄・岳飛(がくひ)が処刑されてから4年後、南宋の宰相・秦檜(しんかい)はついに金国との和平交渉に臨む。しかしその前夜、交渉の要となる金国の使者が殺され、南宋の皇帝に渡るはずだった極秘の手紙も消えてしまう。若き武将・孫均(そんきん)と下級兵士・張大(ちょうだい)は、思いがけずこの事件の渦中に巻き込まれ、秦檜から「夜が明けるまでの2時間のうちに犯人を見つけよ」と命じられる。調査が進むにつれ、張大と孫均の二人の胸に秘めた思惑も徐々に明らかになり、やがて背後に潜むさらなる陰謀が姿を現す―。
1815年、マルセイユの若き航海士エドモン・ダンテスが、いわれなき罪を着せられ、最愛の女性メルセデスとの結婚式のさなかに逮捕される。終身刑を宣告され、孤島の刑務所に送り込まれたダンテスは、はてしない過酷な牢獄生活によって心身共に衰弱し、生きる気力さえ失っていく。しかし隣の独房に囚われた司祭の導きによって希望を取り戻したダンテスは、奇跡的な脱獄に成功し、莫大な財宝を手に入れる。やがてイタリアの大富豪“モンテ・クリスト伯”を名乗って、パリに現れたダンテスはたちまち社交界の花形となり、緻密にして壮大な計画を実行していく。それは20年前にダンテスの人生のすべてを奪った3人の仇敵への復讐の罠だった……。
内向的だが、天才と言われるほどイラストレーターとしての才能を高く評価されているルイス。新しい職場のニュープラネット・コミックス社がある場所は、幼い頃から離れて暮らしていた父マーブルが住む町だった。新しく始まる生活に緊張しながらバスから降りたルイスは、路上で歌う女性の声に魅了される。彼女の歌声で緊張が解けたルイスは、チップを投げ入れると父の待つ家へと向かう。職場で才能を発揮するルイスだが、内気な彼は同僚との交流を避けていた。そんなある日、歓迎会が開かれたカラオケバーで、ルイスはバス停で歌っていた女性グレニスを見つける。店の従業員だったグレニスは、カラオケバーの雰囲気に馴染めないルイスに優しく接するが…。
都会での成功を夢見て、テキサスからロサンゼルスへ移り住んだウィルとクレアの若い夫婦。2人はインターネットで見つけたアパート“ティンセルタウン・ヴィラ”を新居に選び、新生活を始める。クレアは、管理人のリサが自分と同じく女優を目指して都会に出てきたと知り、すぐに意気投合。スター女優になるための助言を求めるうち、2人の距離は縮まっていく。そんなある日、クレアのもとに応募していたオーディション通過の知らせが届く。まだ選考を突破した段階にすぎないが、役獲得への手応えを感じたクレアは、その喜びをリサにも伝える。しかし彼女は、そのオーディションにリサも挑戦し、面接で落選していた事実をまだ知らなかった。
名声を求めるテレビ伝道師が撮影クルーを率いてノアの方舟を探す旅に出る。しかしその探索は、古代の呪いと、それを守護する太古のホオジロザメを呼び覚ましてしまい……。
カナダ・ブリティッシュコロンビア州の山深い土地で暮らすトーフは、生まれつきの楽天家。婚約者の妊娠に動揺しつつも、“何とかなるさ”と深く考えずに日々を過ごしている。そんな折、母の再婚パーティに、弟クーパーが3年ぶりに帰郷する。ニューヨークで順調にキャリアを積んでいる弟を誇らしく思うトーフは、再会を心待ちにしていた。しかしクーパーは、式が終わり次第すぐに帰るつもりで、故郷に長居する気はなかった。そんな弟をトーフは、何かと理由をつけて亡き父が残した山小屋へと連れ出す。ところが、思いがけない事故で山小屋は炎に包まれ、2人は雪深い山中に取り残されてしまう。文句ばかり口にするクーパーに次第に苛立ちを募らせるトーフ。そんな最中、クーパーが崖から転落し、足を骨折するというさらなる不運が襲いかかる。
元ジャーナリストで、今は夫と娘たちの世話に追われる主婦ジェニーは、ラスベガスで開かれるブロガー会議に参加するため、久々に週末だけ家を離れることに。アプリで予約したタクシーに乗り込むと、運転手マークからまさかの“相乗り”だと告げられ、続いて女優のカーラ、そして二日酔いのショーンが乗車。車内は早くも落ち着かない空気に包まれる。さらにショーンは失恋のショックで自暴自棄になっており、自殺をほのめかす始末。自身の裏切りで傷つき故郷へ戻った恋人に謝りたいというショーンの思いをくみ、一行は成り行きで、彼の目的地であるネバダ州パラダイスへ向かうことになる。道中、3人それぞれが抱える“胸の奥にしまい込んだ問題”を少しずつ語り始め、ジェニーもまた、旅先で知った“幼い娘たちの学校でのトラブル”に対し、夫がまったく取り合おうとしないことにとうとう堪忍袋の緒が切れる。ついにはスマホをマークに預け、強引に夫との連絡を断ち切るが…。
恐怖政治の嵐が吹き荒れる1794年のフランス。スキャンダラスな文学や言動で拘留されていたサド侯爵は、パリの刑務所から郊外の館に移される。この館の隣人となった無垢な16歳の伯爵令嬢のエミリーと出会う。貴族の娘であるエミリーはサド侯爵と口を利くことも禁じられていたにもかかわらず、サドの発禁本を読み、性の悦びを知りたいと切望する。サド侯爵は自分の思うままにこの少女を調教するが、侯爵がエミリーの処女喪失の相手に選んだのは庭師の青年だった……。
「フランスのテレビ番組のためにドキュメント・フィルムを撮らせてほしい」1983年、デヴィッド・シルヴィアンのレコーディングに立ち会うため、ベルリンに滞在していた坂本龍一のもとを訪れた監督、エリザベス・レナードはこう告げた。それから1984年5月。坂本が4枚目のソロアルバム『音楽図鑑』を制作し始めた頃、東京でわずか1週間という短期間で撮影が行われた。レナード監督を含めた6名の小さなチームは、日本という国を、東京という街を、そして坂本龍一という音楽家を記録した。完成後の1985年には、ロッテルダム、ロカルノ、サンパウロなどの国際映画祭で上映、日本では同年6月9日に第1回東京国際映画祭で上映された。1986年、フランスでテレビ放映されたのち、発売されたVHSとDVDも長らく入手困難な状況が続いていたが、近年になり倉庫に眠っていた16mmフィルムが発見され、修復を経てデジタル化が実現した。この60分余りの映像には、坂本の貴重なインタビューやスタジオでのレコーディング風景に加え、彼が出演したCM、YMOの散開コンサート、大島渚監督『戦場のメリークリスマス』(83)の印象的な一場面などが収められている。渋谷スクランブル交差点、新宿アルタ、原宿の竹の子族……80年代の息づくような東京の景色とともに映し出されるのは、幼少期の記憶、変わりゆく文化と社会、創作のプロセス、そして自らが追い求める音楽について語る、当時32歳の坂本の姿だ。育った街に耳を澄まし、時代の流れを感じながら、彼はどのような未来を見つめていたのか――今もなお人々の心に生き続ける世界的音楽家・坂本龍一、若き日のポートレートを通して《東京の音》を体感できる幻のドキュメンタリーが、約40年の時を経てついに4Kレストア版で蘇る。
リバーは娘のジェイドを育てるために麻薬の密売人をしている。ある日彼女は警察の捜査に掛り、見逃す代償として、ドラッグディーラーのボスの処まで彼らの案内役を引き受ける。最初は取引現場に警察を連れて行けばいいだけだったが、リバーはそのまま車に乗せられてボスの家に連れ去られる。警察は一行を見失い、彼女は命からがら隠れ家を脱出するが、今度はジェイドが連れ去られる。リバーは娘を救うために再び単身ボスの待つ隠れ家に向かうが。。。二人は無事にこの夜を駆け抜け夜明けを見ることができるだろうか?
パリのレストランでギャルソンとして働く初老の男アレックスは20年前に妻と別れ、いつも女性たちからは放っておかれない魅力を醸し出す洒脱な男。レストランの給仕長として仕事も熱心で頼りがいもあり同僚たちからも慕われている。不器用で奥さんと別居している同僚のジルベールを居候させる気の良さも持っている。そんなアレックスの夢は父の遺産で海辺の土地に遊園地を作ること。ある日昔の知り合いで英語教師をしている女性クレールと再会、アレックスは夫との離婚を控えたクレールに惹かれていくが・・・。
今日も回り続ける遊園地のメリーゴーランド。その中に一頭だけ魂が宿るユニコーン木馬のデュークがいた。日々の暮らしにふつふつと不満を募らせていたが、やんちゃな悪ガキに雑に扱われて怒髪衝天!遂にはメリーゴーランドから飛び出し「自由に生きる」と一大決心。回転木馬の愛らしい姿に油断した人間どもを、次から次へと殺害していく。やがておバカなハウスパーティー会場へとたどり着くが─。まさかまさかの大連続!世にも珍しい回転木馬による惨殺ショーにお乗り遅れのないよう…。
Z級サメ映画の名を世に知らしめ、一世を風靡した『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』の最新作にしてシリーズ完結(?)作がついに日本上陸。カルドゥーラとの戦いは次元を超え、数多のサメ映画の世界を繋げるマルチシャークユニバース大戦へと発展。敗北から立ち上がりタロット・フォースとタッグを組むことになったウィジャシャークの姿に感涙必死。「サメ映画は誰か一人のものではない。みんなのものである」そんなことを我々に教えてくれる集団ミスティック・シールドにあなたは息を?むだろう。第二回東京国際サメ映画祭ワールドプレミア作品。
呪いを受けた胡八一(フー・バーイー)たちは、解毒の鍵「?塵珠」を求めて伝説の墓「献王升仙陵」へ。古代の罠、幻の金色の童子、爆発する虫、巨大サンショウウオなど、次々と立ちはだかる危機。探索中に毒霧が暴走し、罪なき人々が犠牲に。心に傷を負ったまま、胡八一と王凱旋は東南アジアで流浪生活を送るが、王凱旋が誘拐される。胡八一と雪莉楊(シャーリー・ヤン)は仲間を救うため、再び死地へ向かう決意を固める。
胡八一(フー・バーイー)、雪莉楊(シャーリー・ヤン)、王胖子(ワンパンズ)の三人は、林教授の依頼で文物保護隊に参加。任務中、雪莉楊の父の手がかりを偶然発見し、それがロプノール古城に通じると判明する。彼女の心の傷を癒すため、胡八一は共に謎を追う決意を固める。一行は禁断の地・ロプノールへ向かい、砂嵐や罠、未知の存在といった数々の危険に直面。やがて古城に辿り着くが、そこには想像を超えたさらなる秘密と恐怖が待ち受けていた――。
「この人生、感謝しているよ――」 そう書き遺して親友は山で死んだ。大切な者の死を受け入れてゆくための、長い旅路と祈りの記録2017年4月26日、ネパールの山岳地帯で47日間にわたり遭難していた二人が発見された。一人は救助され、一人は発見されるわずか3日前に亡くなっていた。そのニュースは彼らの出身である台湾でセンセーショナルに報じられた。亡くなったチュンと、生き残ったユエ。本作の監督であるルオ・イシャンは本来なら二人と同行する予定だったが、体調を崩し離脱していた。高校時代からの親友で、憧れの存在でもあったチュンの死。チュンは40日を超す想像しがたい洞窟でのビバークで、イシャンへの手紙や人生に対する賛歌を数百ページにもわたって書き記していた。その記録は、残されたイシャンと、そして生きのびたユエを苦しめ、しかし次に踏み出すそれぞれの道へと促した。ユエは次第に身を引き、イシャンはひとり、チュンの見た風景と足跡を追うためにネパールに旅立つのだった――。
干ばつに苦しむアメリカ南西部の砂漠地帯、ネイティブアメリカンの老婆メイベルは電気も水道もない小さな家で夜空の星を眺めつつ独り慎ましく暮らしていた。一方、手品師ライルは車がオーバーヒートし、立ち寄ったガソリンスタンドで水不足を知る。給油代を手品でごまかして逃走するが、不思議な光を追いかけた先で再び車が故障し、メイベルの家に辿り着く。彼女に水を求めるが、孫が運んできてくれるまでないという。翌朝、水を届けに来たのは昨晩立ち寄ったガソリンスタンドの店員サードだった。給油代を払えと揉める中で、サードが毒蛇に咬まれるが、解毒剤も電話もなく、携帯電話も通じず絶望的な状況下で、メイベルは先住民から伝わる不思議な治療を始める。
ピンカートン探偵社に雇われた元北軍軍人ブリーチャーは、逮捕令状を持って元南軍の将軍コービンの前に現れ、戦争犯罪人として彼に絞首刑を言い渡す。しかし令状に従わず、往生際の悪いコービンと激しい銃の打ち合いの末、その場をあとにするブリーチャー。次に向かったのは、クックという老人のもとだった。しかし彼はすでに病床の身で、ブリーチャーが読み上げる罪状に対し、潔く罪を受け入れる。そこでブリーチャーは、この場にとどまり、クックの最期を見届けることにするのだが…。
N.Y.サウスブロンクスの住宅地モット・ヘイブンでリサイクル業を営むマイク。最近、社員とのコミュニケーションがうまくいかず、家に帰れば妻と娘が勝手に子犬を飼い始めたりと、ストレスは溜まるばかり。そんな中、彼は公園で不思議な中年男“ラジオマン”ハルと出会う。かつてラジオ局を経営していたというハルだが、今は微々たる立ち退き代でアパートから退去を強要する管理人に抵抗する住人たちのリーダーでもあった。そんなハルと接するうちに、マイクは彼の人間性に惹かれていく。しかし、アパート退去の件に思わず介入したことで、一帯を高級住宅地化しようと目論む業者に訴えられてしまう。かくしてハルとマイクは共闘して一味と対峙するのだが…。
上海を拠点とする大規模な金融詐欺の首謀者で、7年間逃亡を続けていたダイ・イーチェンが、フランス・パリに姿を現した。彼を追い続けていた中国の経済犯罪捜査官イエ・ジュンは「フォックス・ハント」チームを率い、盗まれた資産回収を目的とした越境ミッションに乗り込む。しかし、法の穴を掻い潜るダイ側の周到な手管により不正資金の行方は依然として謎に包まれ、街中での手荒な追跡や人間爆弾、偽装誘拐など、金のためなら命を惜しまない悪党どもが仕掛けた罠が「フォックス・ハント」チームを待ち受ける―
フィリピンの路地裏で串焼き屋台を営むバービーは、学生の妹ターニャ、そして自堕落な夫ボガートと暮らしている。バービーの稼ぎを酒とドラッグに費やし、仕事もせずに日々を過ごすボガートは、妻には容赦ない暴力を振るい、ターニャには獣のような欲望の視線を向ける。妹の懇願にもかかわらず、過去のトラウマから夫のもとを離れられないバービー。だが、ボガートはドラッグ絡みで借金を抱えると、ついにバービーに対し体を売って金を工面するよう強要し、ターニャの安全を盾に脅迫を始める。家族を守るため、バービーは自らの尊厳を捨て、娼婦としての人生を受け入れかける――。
全土を震わせる異常雷嵐が迫る夜、強盗が侵入した家は瞬く間に外界から断絶された。外では大地を割る稲妻が絶え間なく落ち、轟音が壁を震わせる。内部では停電が混乱を呼び、侵入者と住人は互いの気配すら掴めず、恐怖と疑念だけが静かに膨張していく。雷光が闇を切り裂く一瞬ごとに影が浮かび、次の瞬間には消える不気味さが支配する。嵐は勢いを増し、家は崩壊寸前。逃げ場のない密室で敵味方の境界は溶け、極限の心理戦が始まる。嵐が最高潮に達したとき、彼らは生き残りを懸けた最後の選択を迫られる。
結婚生活がマンネリ化してきたマグダレーナとアッシュ。息子のカイを授かってからは夜の生活も途絶えがちになり、2人の間には不穏な空気が漂っていた。そんな状態の中でアッシュが2人きりのバカンス旅行を提案、夫婦仲を改善するための旅行にマグダレーナも楽しみにしていた。しかし、互いの仕事がうまく進まない苛立ちを抱えての旅行は言い争いが絶えず、夫婦の溝はますます広がってしまう。そんな中、ヨガのインストラクターと出会ったことでマグダレーナとアッシュはバカンスの楽しみ方を教わり、さまざまな感情が解放された気分を味わう。やがて未知の世界への誘いに、マグダレーナは自分でも忘れていた“もう1人の自分”を思い出していく。
ポッドキャスターのエリスは、“クリスマス特集”のネタ探しに行き詰まっていた。そんな中、エリスはキャスター仲間ボニーの番組にゲスト出演した際、リスナーのダニエルから幼馴染みのタニヤとの関係について相談を受ける。しかし、曖昧な返答でその場を濁したことを後悔したエリスは、後日ダニエルに会い謝罪、彼とタニヤの恋を応援する企画を提案する。最高のクリスマスを演出しながら、エリスとダニエルはニューヨークの街を巡りながらさまざまなロマンチック体験を共有していくが、次第にエリスはダニエルに惹かれていってしまう。上司からダニエルとタニヤ、タニヤの恋人クリフとの三角関係を番組に盛り込むよう指示を受けたエリスは、仕事と恋心の狭間で苦悩する。
スタンリーは自動車事故で最愛の息子を失い、自分を責めて神父になる。しかし、バチカンからの申し出で息子ニコラスは初めての復活者として甦り、成功者として世界中で有名になってゆく。そして、世界中でバチカンの選別の元に死者が復活してゆく。甦るのは罪のない者のみ、犯罪者は選ばれない世界。しかし、告解師として活躍していたスタンリーはある日、自分の教区の復活者が突然大量殺人を犯す事件に遭遇する。ハッカーの協力を得て、教会組織のデータを探るうち、スタンリーは恐るべき人類終末計画の陰謀に巻き込まれてゆく。復活祭の日に起こる恐るべき惨劇とは?!
1968年の夏の夜。プラハのパブでコンスタンツァは特異な彫刻が施されたバイオリンを持つ不思議な男に出会う。彼は彼女のためにと「逆奏のカノン」を奏でた。偶然ではない。その音楽と彼のバイオリンには、彼女にまつわる物語があったのだ。それは時代を遡ること半世紀…ボヘミア地方のバイオリンと音楽を愛する純朴な青年イェノと、美しいユダヤ人女性ピアニスト、ソフィーの悲恋の物語。そして、第二次世界大戦と25年後の「プラハの春」を跨ぐ、デイヴィッドとの友情の物語である。音楽と愛は、時代を超える最も強く堅い絆なのだ。そしてイェノの隠された出自と家族の因縁がもたらす数奇な運命。ナチスドイツによって居場所を奪われていくユダヤ民族の行く末は…イタリア映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの奏でる旋律が美しく激しく心を揺さぶる。
漫画家のリードは、妊娠中の婚約者オリビアと、片田舎の山小屋で両親や友人たちを招いた婚約パーティーを開催した。パーティーを終え、幸せな気分で家路につく二人だったが、道中で衝突事故を起こしかける。動揺で混乱した二人は、山道で携帯の電波も入らない中、方角を見失ってしまう。仕方なく近くの売店で道を確認すると、風変わりな店員から地元の人たちがよく使うという近道を勧められる。言われるがまま近道を進む二人だったが、この選択が彼らの運命を狂わせる。延々と続く道を走らされていることに徐々に気づくと共に、リードは暴力的な幻覚に、オリビアは過去の記憶が曖昧になっていく。そんな中、道をさまよう怪しげなヒッチハイカーと出会い、二人はさらなる恐怖に追い詰められていく。
運命に導かれるように親しくなった、二人の少女。俳優を夢見る高校生スアンの前に、都会から美しい人気俳優のソルが転校してくる。煌びやかな世界で自分を見失ったソルの心は、スアンの青く燃えるような演技に惹かれていく。放課後、冬の海でサーフィンをした二人は、冷えきった体を炎の前に寄せ合い、互いの孤独に触れながら少しずつ心を通わせていく。しかし、思春期の揺れる想いは「友情」と「恋愛」の狭間ですれ違い、ソルはスアンの前から姿を消してしまう。成長して人気俳優となったスアンは、あのとき伝えられなかった想いを胸に、今もなおソルの面影を探し続けている。そしてある寒い雪の日、彼女はふたたび、冬の海へと向かう。
13世紀、モンゴル帝国のバトゥの大軍が城壁に守られる小国コゼリスクを包囲する。幼き公子ヴァシーリイと住民を守るため、将軍、盗賊団、老戦士、女戦士らは立場を超えて団結。籠城しながらも果敢に夜襲や奇襲を仕掛け、圧倒的な敵に立ち向かうが、城壁を壊す投石機が戦場に配される。血と炎が渦巻く攻城戦の中、誇りと自由、命を懸けた激闘が始まる――。