クリスマスが迫るある日。キルト作家のエイミーは、1年間の助成金と個展開催の権利が与えられる芸術家支援“カサット賞”で、最終候補の4人に選ばれる。そんな中、消防士のリアムから、キルト教室の会場である市民センターが30日以内に消防設備を改善できなければ、施設の利用を停止すると通告される。一方、妹ローレンがクリスマスに結婚式を挙げることになったリアムは、亡き母に代わり、家族伝統のクリスマスキルトを完成させなければならなくなる。エイミーは、リアムが消防設備の修理を手伝うことを条件に、キルト制作の個人指導を引き受けることに。しかし施設に修理費用の余裕はなく、スプリンクラーの交換などに必要な2万ドルを工芸オークションで賄おうと計画するのだが…。
交通事故で両親を亡くし、独りになったオリビア。無職で鬱屈した日々を送る彼女にとって、同居人のオーロラは何でも打ち明けられる親友のような存在だった。しかし今、その固い絆は崩れ去ろうとしていた。“あの約束”を果たすまでは―。ある日、薬を買いに町へ出かけたオリビアは、高校時代の同級生アマンダと偶然再会する。苦手意識を抱いていた相手だったが、その夜開かれるというパーティーに興味を惹かれ、家で帰りを待つオーロラを気にしながらも、アマンダの家へ向かうことに。さらに翌日、オリビアはオーロラに隠れて、パーティーで知り合ったジョーとのデートへ出かけようとするのだが…。
カーラは1人娘メーガンを育てるシングルマザー。クリスマスシーズン、元夫クリスが婚約者スージを伴い、パリからカーラたちのもとに訪れた。そんな中、メーガンは母が独りでいることを案じ、“ママに恋人を見つけて”と、サンタへの願いを手紙に書いた。しかしその手紙が風に飛ばされ、偶然にもSNSで拡散されてしまう。その後、地元テレビ局のキャスター、チェットがこの話題を番組で取り上げたことで、カーラは思わぬ形で“恋人探し”をするハメに。戸惑いながらも様々な出会いを重ねていくカーラ。一方、キー局への昇進を狙うチェットは、カーラと会う機会を重ねるうちに、次第に彼女に惹かれていく自分に気づくのだが…。
クリスマス休暇で両親の別荘を訪れたティファニー。今年こそ、5年前に自分から振ってしまった幼なじみのブレットに愛を告白しようと決意していた。ところが別荘に現れたのは、婚約者マティルダを伴ったブレットの姿。思いがけない再会に、ティファニーは大きなショックを受ける。そんな中、偶然バス停で出会ったピーターもまた、元恋人ロレインを取り戻すためこの地に来たと知る。そこでティファニーは、お互いに恋人のフリをして相手の嫉妬心をあおり、復縁を狙おうと提案。さっそくピーターを“恋人”として別荘に連れて行く。しかしブレットはまったく動じる様子がなく、ピーターの元カノのロレインも新しい恋人とすっかりいい雰囲気。計画は思うように進まず、ティファニーは次第に焦りを募らせていく。
中国・上海在住のコピー・ライター、デヴィッドは作家を目指しながらも現在はアルコール依存症に陥り、自堕落な負け犬人生を送り続けている。そんな日常に焦燥感を覚えて久しい彼が、ある時、見知らぬブロンド女性にタバコを1本おごったことから会話が始まり、気がつくと一晩のガイド役を引き受けることになっていた。ネオンに照らされた美しい夜の上海。2人は道に迷いながらも、自転車に乗って目的地の廃墟にたどり着く。中に入り、かつて住んでいた人たちのことを想像しては思いにふけったあと、さらに地図を頼りに夜の上海を散策し続けては、“想像”という名の創作の翼を広げていく。だが、些細なことから仲違いが生じてしまい…。
第二次世界大戦も佳境を迎えた1944年。北大西洋を航行中のジョン・ナイト号が魚雷攻撃を受け、海に沈む。その船内には、ナチスの極秘情報を握る英国人女スパイ、ラルーが乗っていた。彼女はナチスに拉致され、第4収容所へ移送されるとの情報が、英国HQ第12戦闘機隊にもたらされる。これを受け、連合軍は“フェニックス作戦”を発令。マーフィ少佐率いる混成部隊を派遣し、ラルーと機密情報の奪還を目指すという、およそ成功の見込みの薄いミッションだった。だが作戦は、すでに収容所からの脱走に成功していたランド大尉ら2人の米軍捕虜をあえて再び収容所へ戻し、内部から暴動を起こさせるという大胆な策に出る。さらにジーナ率いるフランス・レジスタンスの協力を得て、作戦は一気に決行されるが…。
2歳の愛娘エミリーの子育てに忙殺される主婦カーニーは、かつての会社の上司から復職を勧められているが、なかなか時間が取れない。かつて情緒不安定に陥っていたことがある彼女は、夫ニックの不倫を疑って以来、夫婦仲もどこかぎこちなくなっていた。そんな折、大学を退学したという知り合いの青年マットがベビーシッターを買って出てくれたことで、カーニーはようやく復職を果たすことができた。しかし、ある時、マットの家を訪れたカーニーは、彼の机の引き出しの中から彼女の下着や写真などが出てきたことに驚愕する。糾弾されたマットは逆にニックの不倫を示唆し、カーニーもまたその証拠となる携帯を発見、再び情緒不安定に陥っていく。
東テキサス州の小さな町で暮らすドンナ・マーティンは、親を必要とする子どもたちの存在を知り、夫のマーティン牧師と共に里親制度の現状に向き合う。深刻な虐待やトラウマを抱え、誰にも引き取られない子どもたちが多くいることを知った二人は、教会の家族たちに養子縁組を呼びかける。やがて22の家庭が立ち上がり、合計77人の子どもたちを迎え入れるという前例のない取り組みへと発展。小さなコミュニティが示した揺るぎない愛と行動が、弱い立場の子どもたちに希望をもたらしていく。
文化大革命の混乱の中で青春時代を過ごしたミン・ワンは、アメリカへ移住し、あらゆる困難を乗り越えて世界的に知られる眼科医となる。そんなある日、継母によって視力を奪われた盲目の孤児が彼の前に現れる。少女を救うため奮闘する彼は、封じ込めてきた祖国での辛い記憶と向き合い、若き日に培った不屈の精神を再び呼び起こしていく。過去の傷と現在の使命が交差する中、彼は少女の“光”を取り戻すための挑戦へと踏み出す。
ひとり暮らしの孤独な老人の家に侵入し、ショーンとイーサンはドッキリを仕掛ける。ドアの開閉、クーラーの急稼動、オーディオからの音楽再生などで驚かせ、その反応を隠しカメラで楽しもうとするが、老人は想像以上に冷静で、逆にその常軌を逸した落ち着きに不気味さを覚えていく。さらに老人が頻繁に地下室へ出入りしていることに気付き、そこに何か秘密があるのではと疑念を強める。やがてリビングのカメラが猫によって倒され、発覚を恐れた二人は深夜、イーサンを再び侵入させて回収に向かわせる。ショーンは映像越しに老人が寝室で眠っていることを確認し、計画は順調に見えた。しかしカメラ回収後、イーサンが地下室を覗いた瞬間、そこには異様な光景が広がっていた。さらに誤って鳴らしたベルの音で老人が目を覚まし、銃を手に狂気の表情で迫ってくる。
<死の天使>と呼ばれたナチス医師ヨーゼフ・メンゲレは終戦後、南米で潜伏生活を送る。ナチス時代の仲間たちが次々と逮捕される中、彼は戦犯を追及するモサドの網を狡猾にくぐり抜け、ゆがんだ思想を抱えたまま、日常の世界に溶け込んでいく…。
美大生の青年アドナンは夏のあいだ、叔父の洒脱な自宅で留守番をするためにニューヨーク・ブルックリンにやって来る。同時にギャラリーでインターンを始めるが、そこで展示されているのは、去年の夏、彼が出会った奇抜な刺繍アーティストの作品だった。過去と現在が交錯し始めるなか、官能と創造の出会いの連なりが、アドナンの日常の輪郭を曖昧にしていく。
2018年12月、登山家のアリはカーステンを誘い、現地の登山家カーンと共に、インド・ヒマラヤで最も人里から離れた谷にある未踏の氷瀑を探すために旅立つ。アメリカからインド・ニューデリーまで飛行機で22時間、そして危険極まりない切り立った崖沿いの悪路を車で65時間かけてスピティ渓谷へ。彼らの目的は地元に暮らす先住民とアイスクライミング運動を支援することだった。だが、現地に着いたものの、氷瀑どころか、氷すらなく、彼らの当ては外れてしまう。予想外のことが次から次へと起こる凄まじい旅。果たして登山家たちの思いは叶うのか?目指す氷瀑はあるのか?その様子をカメラは追っていく。
もともと役者を夢見ていたマックスは、今やハリウッドで敏腕タレント・エージェントとして多忙な日々を送っていた。そんなある日、亡き叔母から、カナダ・ブリティッシュコロンビア州オカナガンバレーにある、桃の果樹園を相続したという知らせが届く。両親からも好きにすればいいと言われた彼は、売却する気満々で現地へ向かう。しかし到着早々、近所に暮らす自由奔放な娘オリーヴが、果樹園の木に全裸で自らを縛りつける騒動に遭遇。早々に片づけてロサンゼルスへ戻りたかったマックスだったが、叔母が地元の人々に深く愛されていたことを知り、オリーヴやその兄と交流を重ねるうち、仕事に追われ続けてきた自分の人生を見つめ直し始める。
ブラジルの小さな田舎町。サッカー少年だったルーカスは、事故によって車イス生活を送っていた。1年ぶりに復学した学校でも、歳下ばかりのクラスに馴染めず孤独を抱える中、気さくに話しかけてきた少女ライースと仲良くなる。トラック停車場で朝食を売る母と祖母と暮らす彼女は、一度も会ったことのない父親の存在に複雑な思いを抱えていた。そんな中、父親の唯一の手がかりである写真のトラックを、16キロ先の旧道で見かけたという話を耳にしたライースは、ルーカスに父親探しを持ちかける。折しも父から電動三輪車を贈られたばかりだったルーカスは、彼女とともに小さな旅へ出ることに。書き置きだけを残して姿を消した2人に、家族たちは大騒ぎとなるが…。
セラピーを受けながらも盗癖を止められず、日常的にスリを繰り返しているベッキー。ある日、観光でアテネを訪れていた英国人刑事の財布とパスポートを盗んだことから、彼女は追われる身となる。逃げ込んだ電車の中で、ベッキーは一人の女性に強く惹かれる。彼女の名はミランダ。気まぐれで自制心に欠け、自分が欲しいと思ったものは必ず手に入れようとするベッキーは、その日からミランダを執拗に追い始める。セラピストから“ストーカー行為”だと警告されても、その衝動を抑えられない。一方、突然見知らぬ女に付きまとわれることになったミランダは、戸惑いながら街をさまよう。そして財布を盗まれた英国人刑事も、“英国の沽券に関わる”と意地になってベッキーを追跡していた。
5ヵ月前に母親が亡くなって以来、アンジェラは父親と幼い妹クロエ、反抗期の姉ベッカと共に暮らしていた。しかし、母親の死を引きずり精神が不安定だったアンジェラは、同級生と揉めて暴力を振るった動画が拡散されたことで自宅学習を余儀なくされていた。ある日、アンジェラは姉の様子が急激に変わり始めたことに気づく。最初は奇妙な言動だったものが、次第に異常な行動へとエスカレートしていく様子を見て、これはただの反抗ではなく何か得体の知れない力に取りつかれているのではないかと感じ始める。自分の軽率な行動で家族に迷惑をかけていることを気に病んでいたアンジェラは、家族との平穏な生活を取り戻すために奔走する。
黒人、ユダヤ人、ネイティブアメリカン、白人など、複数のルーツを持ち、ろう者でもある映像作家イーライ・スティール。彼は長年、“人種の違いは、それほど重要なのか?”という問いを抱えながら生きてきた。そんな彼には、メキシコ系の妻との間に、息子ジャックと娘ジューンがいる。複数のルーツを感じさせる外見のジューンに対し、ジャックは黒人として見られる容姿をしていた。そして、彼らが暮らすロサンゼルス第一学区では、学校入学の際、「第一人種」と「第二人種」の記入が義務づけられていた。さまざまな血を受け継いできたイーライは、“空欄”のまま提出できないか模索するのだが…。
救急救命士のヘイリーは、銃創を負った少女アシュリーを搬送中に亡くして以来、幻覚や悪夢に悩まされていた。救急車の後部で患者と向き合うことに恐怖を覚えるようになった彼女は、ある通報現場でドラッグに酩酊した男に刃物で切りつけられ、腕を負傷。本部から内勤と精神鑑定を命じられるも、上司の取り計らいによって現場へ復帰する。そんな中、自殺を図った末期の前立腺がん患者のドラッグクイーンから、「独りぼっちで生きるのはつらいだけ。終わらせてほしい」と懇願されたヘイリーは、ためらいながらも安楽死の注射を打ってしまう。到着時にはすでに死亡していたと報告し、一線を越えた彼女は、やがてドラッグの売人から安楽死薬を入手し、危険な世界へと足を踏み入れていく。
妻に去られ、カウンセラーの職も失ったデイブ。故郷へ戻った彼は、叔母パティの家で暮らしながら、保守的なキリスト教系大学の非常勤講師として再出発する。ある日デイブは、地元のLGBTQサポートグループが、ホームレスの若者向けシェルター開設のため資金集めを行っていることを学長から聞かされ、その実態を探るためグループへの潜入を命じられる。大学ではキリスト教の教義に基づき、同性愛を否定する教えを説く一方、グループ内ではゲイを装って潜り込むデイブ。しかし、そこで出会った人々、とりわけ亡き兄の遺志を継いで活動するリーダーのアリッサと交流を重ねるうちに、彼の中で長年抱いてきた偏見や価値観が、少しずつ揺らぎ始めていく。
幼い頃から不運に見舞われ続けてきた初老の男ウーゴが、“敗者のたまり場”と呼ばれるバーで、彼の上司でもあったオットの死と、その後の騒動をめぐって雇われた探偵を相手に、自らが巻き込まれた事件について語り始める。かつてウーゴは、一人の女デリアを愛していた。彼女がオットの妻とは知らぬまま誘惑され、次第にその魅力に溺れていく。一方、オットの右腕的存在だったミネッティは、やがて彼を押しのけて出世。さらにオットの三姉妹と手を組み、オットの家の財産を狙っていた。そんな中、デリアから助けを求められたウーゴだったが、実は彼女とミネッティが裏でつながっていたことを知り…。
ヘンリー・チョンは友人アンガス・トンと共謀し、両親を殺害、遺体を切断。二人の犯行は決定的と思われたが、アンガスの否認によって全てが揺らぎ始める。弁護人と検察官の攻防。ヘンリーの兄やアンガスの姉の証言。9人の陪審員による議論。真実はどこ?それは誰にとっての正義?結審した事件にも関わらず、映画を見ているうちに観客も陪審員となり、その判決は正しかったのか、今もなお蠢く謎に直面する!
ソウルを旅する謎めいたフランス人女性イリス。フランス語の個人レッスンをしている彼女は、生徒たちの家を渡り歩くが、あまりに風変わりな教え方に、人々はみな戸惑うばかり。レッスンが終わると、彼女は年下のボーイフレンドの家へと帰っていく。イリスは何をしに韓国へやってきたのか。なぜフランス語を教えているのか。韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩に触れるなかで、徐々に彼女の謎に満ちた日常が浮かび上がっていく。
演劇祭が間近に迫るソウルの女子大学。校内の恋愛スキャンダルの穴埋めをするため、テキスタイルアーティストであり、講師として働くジョニムは、有名な俳優で舞台の演出も手がける叔父のシオンを臨時の演出家として招聘する。演劇祭に向け寸劇作りがスタートするが、学生たちの恋愛事件の余波や、先輩の大学教授とシオンとの新たな恋の予感など、10日の間にさまざまな出来事が巻き起こる。
大学卒業後、俳優業に専念していた青年ソンモは、自主制作で短編映画を監督しようと決意する。かつての同級生ふたりを連れ、リゾート地として知られる済州島へ向かうが、思うようにシナリオは書けず、煩悶しながら海辺を散策していた。そんな折、ひとりの女性との出会いをきっかけに、語るべき物語を見出す。やがて、海辺での撮影が静かに始まる――。
ある二人の人物が、二つの家でそれぞれに過ごす一日。ひとりは、友人の家に居候する休業中の女優サンウォン。もうひとりは、小さなアパートで一人暮らしをする詩人のホン・ウィジュ。彼らのもとには将来への不安を抱く若者たちが訪れ、さまざまな質問を投げかける。そんな折、サンウォンの友人の飼い猫がふと姿を消して──。交わりそうで交わらない、二人の一日が静かに並走していく。
詩人のドンファは、恋人ジュニを家まで送り届けた際、玄関先で彼女の父と鉢合わせ、思いがけずジュニの家族と一日を過ごすことになる。初めはぎくしゃくしていたが、ジュニの家族に家や近所を案内され会話を重ねるうちに少しずつ距離を縮めていく。やがて一家が揃う夕食の席で、勧められるまま酒を口にするうち、緊張から酔いが回り、次第に気まずい雰囲気が漂いはじめる。
崇拝する美しいママンに会うため、祖母のもとで育てられていたピエールは両親が暮らすスペイン、カナリア諸島を訪れた。 自堕落な父親に対する煩わしさはあるものの、ママンとの平穏な暮らしへの訪れに胸を震わせながら。 しかし、父親の事故死と共に、幻想は崩れ去る。 母を敬愛する喜びは打ち砕かれ、代わりにピエールの人生は不安と恐怖に支配される。 青い海、煌めく太陽の下、ママンが徐々に本性を露にしはじめたのだ。 17歳の少年が知る、不道徳で魅惑的なママン。ママンが連れてくる若い愛人たち。毎夜繰り返される堕落した淫らな夜の日々。 刹那的で欲望に忠実なママンは、逆らいがたい支配力で若者たちを惹きつけていた。 少しでもママンに近づくために、ピエールはママンに紹介された女性たちと不道徳で残酷な遊びに身を投じていく。 そして、残酷で暴力的な愛の行く末には、衝撃的な結末が待っていた―。
少女の教育が反抗と見なされる国で、夢は不可能だと言われてきた若者たちに、ある女性が未来を信じる力を示そうと立ち上がる。彼女が率いる精鋭チームは世界的な注目を集め、希望を広げる一方で強い反発と危険も増していく。脅威が迫る中、彼女たちは犠牲を払いながらも前に進み、決意と勇気があれば最も暗い障害さえ乗り越えられることを証明しようとする。その歩みは、国に新たな変革をもたらす運動へと火を灯していく。
苦しい過去に囚われ、自己破壊へと傾いていく少年ネイト・ウィリアムズ。高校教師スタン・ディーンは、彼が車中生活を送り投獄されていることを知り、保釈金を払い引き取る決断をする。善意から始まった行動は、ネイトの心を蝕んできた暗い秘密と向き合う闘いへと変わり、二人は互いの限界に迫られていく。ネイトが絶望の淵に沈む中、ディーン先生は彼を救うためにどこまで踏み込む覚悟があるのか、自らの信念を試されることになる。やがて二人の絆は、過去の闇を越えようとする希望の光となり、壊れかけた少年の未来を取り戻すための最後の支えとなっていく。
舞台は1985年、アイルランドの小さな町。炭鉱商人として生計を立て、家族と慎ましく暮らすビル・ファーロング(キリアン・マーフィー)は、クリスマスが近づくある日、石炭を届けに訪れた地元の修道院で、目を背けたくなる現実を目撃する。そこに身を置く少女から「ここから出してほしい」と懇願され、若い女性たちが行き場もなく苦しんでいる現実と向き合うことに。見て見ぬふりをすることが賢明だと理解しながらも、良心の呵責に悩むビル。そんな彼が、ついに下す決断とは――。
バルセロナの舞台女優クラウディア(80)は末期がんの罹患者。癌は脳に転移し、錯乱や半身麻痺と自我の喪失が近づくなか、彼女は安楽死を選択する。クラウディアは子育てよりも舞台優先で生きてきた。お茶目な女優妻を支え、今なお愛してやまない夫フラビオ。永縁なる夫婦は、共に旅立つことを決め、デュオ安楽死 を決意する。ところがスペインで安楽死はできるがデュオ安楽死はできない。ふたりはデュオ安楽死ができるスイスへ行く決意をする。一方、母の病を機に同居を始める末娘のヴィオレッタ。長男長女は家庭を持ち実家に寄り付かない。ヴィオレッタは母に兄姉を合わせる目的で、両親の結婚記念パーティーを企画。しかしパーティー前夜に両親が決めたデュオ安楽死に気付き、ヴィオレッタはパーティーで思わず打ち明けてしまい、久しぶりの家族再会は修羅場と化す。「最期に聞きたい死のプレイリストのご準備を」 子供たちは父の考えに賛成しない。長女は母の操作と決めつけ喧嘩する始末。しかし父の意志は 固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、最後の旅の出発がにわかに訪れるのだが―。本作は両親の終幕を題材にしているが、不思議と暗さを感じない。むしろ家族のユーモアあふれるセリフ回しに、それを忘れてストーリーに没頭してしまう。本編の一部は、家族の心情を母の職業だったミュージカル調で表現し、本筋と見事に融合。最後まで自分らしく生きた母の終末期。欧州で急激に増えるデュオ安楽死。なぜ増加傾向にあるのか。その一つの答えを本作で垣間見る。
太古より、外星人は囚人を人間の体に封じ込めてきた。2022年。古くから外星人の囚人を監視してきたアンドロイド、ガードとサンダーは、脱獄囚を追ううちに、地球の存亡を揺るがす陰謀へと迫る。外星人たちの狙いは、人類を滅ぼし、この星を支配することだった。一方、1391年の高麗末期。若き道士ムルクは、莫大な懸賞金がかけられた“神剣”を求め奔走する中、同じく神剣を狙う謎の女と出会うのだが…。
休職処分中のロサンゼルス郡保安局刑事ニック(ジェラルド・バトラー)は、銀行強盗事件ののち逃亡したドニー(オシェア・ジャクソン・Jr.)の行方を追って、単身ヨーロッパへ。やがて、ドニーが窃盗を繰り返す犯罪組織と行動を共にしているとの情報を掴んだニックは、世界最大のダイヤモンド取引所を狙う壮大な強盗計画に巻き込まれていく。
ギリシャ。猛暑に見舞われた海辺のリゾート地。水は貴重で、暴力沙汰が今にも勃発しそうだ。孤独な移民であるアシュラフは、フランス人一家が留守の間、彼らの別荘を守っていた。太陽に照りつけられたこの乾燥した土地で、彼は警官に身分証明書の提示を求められる…。
誕生日会に集まった仲間達。しかしそこには死亡した主役の妻を抱える夫の姿。無実を主張するためアリバイを作るが警察はそのアリバイを疑い始める。
ブランディーヌの人生は、妹が臨終の際に、15年前に無実の男性にアリバイを証言することを拒否したことで彼を投獄してしまったと告白したことで、劇的に変化する。ブランディーヌは、その男性を釈放させ、親友を本当に殺した犯人を見つけるために、あらゆる手段を尽くさなければならない。
ベルギーの人里離れた村にマルタとフェリックス兄妹が住んでいる。 彼らは猟奇的な殺人鬼モンズの子孫で兄のフェリックスは父親の後を継いで密かに残酷な殺人を犯し、マルタはある工場の清掃員として働きながら静かに暮らしている。 しかし、工場の職員たちは日々マルタの外見を卑下し、彼女を劫奪する。ひどいいじめに耐えられなかったマルタは、ますます暴力的になっていく。 そんなある日、彼女は望まない妊娠をすることになり怒りに満ちた彼女は、自分を襲った工場職員たちとすべてを見ても黙過した上司を懲らしめることにする。 みんなが集まった食事の席、マルタは妊娠を知らせ、彼らへの報復を本格的に始めるが…
約170年前、パンジュルリ神のお告げにより先住民に与えられた広大な森。カードゥベットゥ村は、長きにわたって伝承されてきた神降ろしの儀式ブータ・コーラを執り行い、土地を奪い返そうとする地主が現れてもなお、神の加護により平穏を築いていた。しかし、新しく森林局へ赴任したムラーリ保安官は、村人が占有する地を保護林に組み入れようとし、村が存亡の危機に晒される。ブータ・コーラの演者だった父を持つ村一番の放蕩者で猛々しい水牛レースの絶対王者として君臨するシヴァは、村の平穏な暮らしを守るべく傲慢な森林局と対立。やがて事件が起きる――。
かつてマカオのムエタイ界を制した伝説の拳王チョン・ロイは、自ら創設した「鍾磊ジム」を営みながら、妻で元女優のガーレイ、娘のイーと暮らしている。一方、広告業界で成功を収めるキャリアウーマンのシューは、恋人ダニエルがムエタイ女子チャンピオンのガーワンと浮気していることを知り、怒りのままにガーワンへ対戦を申し込む。彼女を倒すため「鍾磊ジム」の門を叩いたシューは、過酷なトレーニングとさまざまな出会いを通して、闘うことの本当の意味に気づいていく。やがてロイもまた、信念の違いから袂を分かった元弟子ワイバンとの対決に挑むことに。それぞれの思いを胸に、“臨時決闘”のゴングが鳴る――!
小学校で働くレイ・ジーロック(李志樂)は統合失調症を患いながらも、何とか日常を送っていた。ある日、偶然出会った女性ヤンヤン(欣欣)に一目惚れし、仲を深めていくが病気について打ち明けられずに苦しむ。その間に症状は悪化し、やがて幻覚を見る事が多くなっていく。一方で、治療の為に受けていたセラピーの場でヤンヤンによく似た心理学を専攻する大学院生イップ・ラム(葉嵐)と出会う。ラムは統合失調症の症状の一つ「恋愛妄想」を研究しており、ロックに論文執筆に協力して欲しいと頼むのだが――
とある州立病院の外科病棟に出勤したフロリアは、プロ意識が強い看護師だ。人手不足が常態化している職場はただでさえ手一杯だが、この日の遅番のシフトは普段以上に過酷だった。チームのひとりが病気で休んだため、フロリアはもうひとりの同僚と手分けして26人の入院患者を看て、インターンの看護学生の指導もしなくてはならない。それでも不安や孤独を抱えた患者たちに誠実に接しようとするフロリアだったが、患者の要望やクレーム、他の病棟からひっきりなしにかかってくる電話、緊急のナースコールへの対処を迫られ、とてもひとりの手には負えない苦境に陥っていく。やがて極限の混乱の中、投薬ミスを犯して打ちひしがれたフロリアは、さらなる重大な試練に直面することに……。本作の企画はスイスの女性監督ペトラ・フォルペが、ドイツ人看護師マデリン・カルベラージュの著作に目を留めたことから始まった。そこに記された看護師の日常業務の激しさに引き込まれ、心を奪われたフォルペ監督は、実際の病院での入念なリサーチを実施。病院が直面している現実をリアルに描くことはもちろん、ひとりの看護師の視点を採用することで、このうえなく濃密なスリルと臨場感がみなぎる映画を完成させた。私たち観客は鑑賞中、同時多発的に複数の作業を強いられ、絶え間なくトラブルに見舞われる主人公フロリアの立場と同化し、看護師という職務の苛烈さを体感することになる。またフォルペ監督は“可哀想な患者”や“迷惑な患者”といった一面的な描写を避け、さまざまなルーツを持つ入院患者それぞれの人間性や複雑な事情をきめ細やかにあぶり出す。たった一日の遅番シフト8時間に焦点を当てた物語でありながら、驚くほど豊かな奥行きを獲得した本作には、生と死の狭間に置かれた人々の切実な感情が息づいている。
若くして妊娠した女性を支援する施設で共に暮らす5人の少女。彼女たちは頼る人を持たず、家族との関係、貧困など、さまざまな問題を抱えている。「ひとりじゃ育てられない」「嬉しいと思いたいのに」――戸惑い、悩み、なるべき家族像を見いだせないまま、母になる少女たち。押し寄せる孤独感に飲み込まれそうになっても、時に誰かに寄り添われながら、それぞれが歩むべき道を選び取っていく……。自分たちなりの「愛」を選択していく少女たちの真っすぐな瞳から目が離せない、希望に満ち溢れた傑作がついに日本上陸。
殺人を予知する能力を持つジェリーによって悪名高いキャンプブラッドの森の”殺人鬼”は退治された…はずだった。しかし邪悪な魂は、こともあろうに獰猛なホオジロザメに憑依してしまったのだ。やがて発生する新たな殺人事件。町の住人たちは犯人捜しで混乱していく。異変に気付いたジェリーは再び森に戻り、転生を繰り替えす凶悪な殺人鬼に立ち向かうのだがー。
内気で貧しい高校生カンジンは、親の借金のせいで闇金業者ランに目をつけられ、学校では模範生を装うナムヨンから執拗ないじめを受けていた。ある日、ランが落とした金の入った封筒を拾ったことで、カンジンの運命は大きく動き出す。偶然その場にいたナムヨンの恋人ダヨンを助けたことで、ナムヨンの怒りを買い、脅迫を受ける。追い詰められたカンジンはランに相談し、借金回収の手口を学ぶ。金の力に魅せられた彼は、同級生を相手に危険な民間ローンビジネスを始め、学校と裏社会の境界が静かに崩れ始めていく。
カンボジアの首都プノンペンで、ノンフィクション作家として成功を夢見るバツイチ・シングルマザーのナナ。娘ニニと古い安アパートに移り住み、執筆テーマの古典舞踊家殺害事件の真相を追うが、幻視や幻聴に悩まされる。首のない女性幽霊が「私の頭はどこ?」と絶えず迫り、ナナの友人たちも次々と不審な事故に巻き込まれていく。ついに娘まで幽霊の手に落ち、恐怖と絶望に半狂乱となるナナ。はたして愛する娘を救い出せるのか?
マディと親友トリッシュは南国リゾートで無人のラグーンを訪れるが、突如現れた殺人シャチ“セト”がガイドをのみ込み、楽園は一転して恐怖の海へ。逃げ場を失った二人は小島を目指すが、セトの執拗な追跡は止まらず、同行者ジョシュも犠牲となる。極限状態の中で支え合う二人だったが、過去の秘密が明かされ、心の均衡は崩れていく。やがてトリッシュはマディを守るために身を投げ出し、残されたマディは、水面を揺らして迫りくる黒影に全身をこわばらせる――その黒影は、まだ彼女を狙っていた…
北魏・太武帝の時代。柔然が6万騎で侵攻し、虐殺と略奪が広がる中、父に代わって志願したムーランは戦場で武功を重ね、やがて丁遠将軍として平陽王・長孫翰(ちょう・そんかん)と共に戦う。しかし戦略の失敗で負傷し、女性であることが露見して軍を離れることに。故郷へ戻った彼女を柔然軍の追撃が襲い、ムーランは再び剣を取る。護衛の末に辿り着いた“魔都”で、抑圧された部族を率いる女戦士アイナと出会い、共通の敵への怒りがムーランの闘志を呼び覚ます。仲間たちと再び結集した彼女は、宿敵・柔然軍との最終決戦へ挑む――。
精神的外傷を負った陳教授が突如失踪。シャーリー楊は胡八一と王胖子と共に、雲南奥地へ教授の行方を追う。旅の途中、一行は人喰い魚や呪術、巨大蜘蛛など“虫”にまつわる怪異に次々と遭遇。さらに盗墓団との対決を経て、ついに伝説の「献王墓」へ――。そこには、想像を超える危機と、隠された真実が待っていた。
中蒙国境に下放された胡八一は、家に残された風水秘術書を読み耽る。やがて軍に入り、チベットで雪崩に遭うも秘術で生還。復員後、旧友・王凱旋と新疆の考古遠征隊に参加し、伝説の精絶古城を目指す。砂漠の奥地に眠る“鬼洞”には、数々の罠と謎が仕掛けられ、迷宮を操る何者かの存在も――。信念と欲望、科学と信仰が交錯する中、彼らは埋もれた真実に迫っていく。
アリソンは“甘辛”のペンネームで、シカゴ・トゥデイ紙に人気のグルメコラムを連載中。好評を受け、ハドソン出版から本名での出版を条件に書籍化の打診を受けていた。そんな中、三ツ星を狙う有名シェフのセブがシカゴにオープンしたフュージョン料理店“イスラ・ドゥルセ”を訪れる。そこで注文した、思い入れのある“ヒバリート”というサンドイッチが口に合わず、彼女は同店を酷評する記事を書いてしまう。人気店だけに反響が大きくネットで炎上し、連載は一時休載に。そこでアリソンはイスラ・ドゥルセの厨房で働き、それを生かした記事を書こうと決意。その頃、同店は酷評されたことで客足が落ち、不安を感じた副料理長が退店するなど、ピンチに陥っていた。
高級ブランド“サットン”のトップデザイナー、ジェスは上質なアルパカ毛糸を使った同社初のクリスマスセーターをデザイン。しかし完成品が上司の方針に沿わず、数百着もの商品廃棄を指示され、アルパカ牧場フラナリーファームとの契約も一方的に解約される。SDGs時代と逆行するやり方に納得できないジェスは辞職し、優勝すればブランド設立の資金を得て最高級デパートチェーンに出店できるファッションコンテスト“ランウェイ・トゥ・クリスマス”への応募を決意。締切まで6週間もない中、新作6着を制作するためフラナリーファームの経営者アンドリューにアルパカ毛糸の調達を依頼する。しかし、サットンから契約を切られたことで身売り寸前の苦境に陥っていて…。
恐竜が跋扈する廃ホテルを舞台に、恐竜vs人間、そして人間同士が命を懸けて争う闇のテレビ番組“ダイナソーホテル”。今回も優勝者には賞金1000万ドルが用意されるが、視聴率低下に危機感を抱いた制作側は、過去の優勝者たちを集めた“再会スペシャル”の開催を決断する。その招待メールは、第1回大会を生き延び、今は子どもたちと静かに暮らすシエナのもとにも届く。参加を拒む彼女だったが、子どもたちを拉致され、強制的にデスゲームへ引き戻されてしまう。8人の参加者の中で生き残れるのはただ1人。極限のサバイバルの末、勝利を掴むのは誰なのか?
NYで広告業に携わっていたステフは、10年連れ添った同僚で恋人のジェームズと別れ、人生を立て直すため友人ミアの住むマイアミへ移り住む。ミアの家に居候しながら職探しを始めたステフは、広告会社の面接に向かったはずが、階を間違え会社経営者ハリーが愛娘のために行っていた“家庭教師の面接”を受けてしまう。誤りに気づいて本来の広告会社の面接を受け直すも結果は不採用。だが、教師から広告会社へと転身したステフの経歴がハリーの目に留まり、“型破りな家庭教師”を求めていた彼から声がかかる。最初は気が進まなかったステフだが、ミアに背中を押されハリーの家を訪ねると、そこは高級住宅街に構える豪邸。出迎えたのは、愛らしい10歳のローザと9歳のベラ。何事にも前向きなステフは、思い切って住み込み家庭教師として働く決意をするのだが…。