広島にある寂れた居酒屋『まめすけ』でバイトしているフリーターの杉山末子(37)は、夢もなければ恋人もいない冴えない日々。他人や世の中に一人毒づくのが唯一のストレス発散だが、このまま自分の人生、大して良いことなんかないんだろうと、退屈な日々を過ごしていた。そんな末子の前に、新人バイトとして現れた山根朔人(24)は、広島大学に通いながら、コミュ力抜群のインフルエンサー。容姿も淡麗、末子と違い明るく、一見、充実しているように見えるが、惰性の恋愛ごっこ、虚勢を張った毎日に、どこか虚しさも覚えていた。『まめすけ』で出会った末子と朔人は、性格や考え方も全く異なるタイプ。出会った初日から対立関係となるが、そんな二人はひょんなことから、車椅子の老人集団による若い男へのリンチ現場を目撃する。どうして良いか分からず逃げるだけの二人の前に現れたのは、アコ(18)という謎の少女。
東テキサス州の小さな町で暮らすドンナ・マーティンは、親を必要とする子どもたちの存在を知り、夫のマーティン牧師と共に里親制度の現状に向き合う。深刻な虐待やトラウマを抱え、誰にも引き取られない子どもたちが多くいることを知った二人は、教会の家族たちに養子縁組を呼びかける。やがて22の家庭が立ち上がり、合計77人の子どもたちを迎え入れるという前例のない取り組みへと発展。小さなコミュニティが示した揺るぎない愛と行動が、弱い立場の子どもたちに希望をもたらしていく。
文化大革命の混乱の中で青春時代を過ごしたミン・ワンは、アメリカへ移住し、あらゆる困難を乗り越えて世界的に知られる眼科医となる。そんなある日、継母によって視力を奪われた盲目の孤児が彼の前に現れる。少女を救うため奮闘する彼は、封じ込めてきた祖国での辛い記憶と向き合い、若き日に培った不屈の精神を再び呼び起こしていく。過去の傷と現在の使命が交差する中、彼は少女の“光”を取り戻すための挑戦へと踏み出す。
妻に去られ、カウンセラーの職も失ったデイブ。故郷へ戻った彼は、叔母パティの家で暮らしながら、保守的なキリスト教系大学の非常勤講師として再出発する。ある日デイブは、地元のLGBTQサポートグループが、ホームレスの若者向けシェルター開設のため資金集めを行っていることを学長から聞かされ、その実態を探るためグループへの潜入を命じられる。大学ではキリスト教の教義に基づき、同性愛を否定する教えを説く一方、グループ内ではゲイを装って潜り込むデイブ。しかし、そこで出会った人々、とりわけ亡き兄の遺志を継いで活動するリーダーのアリッサと交流を重ねるうちに、彼の中で長年抱いてきた偏見や価値観が、少しずつ揺らぎ始めていく。
とある小さな田舎町の父子家庭で育った女子高生の優子。彼女は、何か決断をする事が大の苦手。派手な出来事が起こる事も大の苦手。何も起こらない時間、つまり「普通」が彼女にとって一番心地良いのだった。父親は男手ひとつで、一般家庭と同じように優子の事を大事に育ててきた。しかし、父親は「普通」の親とは違う顔があった。それは、ヤクザを生業にしているという事。そして父親の取り巻きの組員たち。娘を溺愛していたり、いい歳して大学受験に挑んだり、親の介護に苦しんでいたりと、どこか憎めないヤクザばかり。彼らも優子に対して常に優しかった。やがてヤクザ稼業は、時代と需要が遠のいてしまった事で、シノギが大幅に減少してしまい、組は存続の危機に陥っていた。クラスメイトや世間に対して、若干後ろめたい気持ちがありつつも、それなりに楽しく毎日を過ごしていた優子だったが、ほんの些細な出来事の連鎖によって、少しずつ彼女の「普通」が崩れはじめる。
台湾パビリオンのコンパニオンに抜擢された少女(ジュディ・オング)は、かつて母と自分を助けてくれた“名も知らぬ台湾の恩人”を探すため、広大な万博会場を駆け巡る。未来への熱気ときらめきに満ちた会場では、華麗な歌とダンスのミュージカル要素が物語を彩り、追跡劇は次第にサスペンスとアクションへ加速。少女は人波をかき分け、次々とパビリオンを巡りながら、記憶の糸をたどって“あの人”の正体に迫っていく。
医師ロメオ(アドリアン・ティティエニ)には、イギリス留学を控える娘エリザ(マリア・ドラグシ)がいる。彼には愛人サンドラ(マリナ・マノヴィッチ)がおり、家庭は決してうまくいっているとは言えない。ある朝、ロメオは車で娘を学校へ送っていくが、校内に入る手前で降し、彼女は徒歩で登校することに。しかし白昼人通りもあるなかで、エリザは暴漢に襲われてしまう。大事には至らなかったが、娘の動揺は大きく、留学を決める翌日の卒業試験に影響を及ぼしそうだ。これまで優秀な成績を収めてきたエリザは、何もなければ合格点を取り、大学で奨学生になれるはずだった。ロメオは娘の留学をかなえるべく、警察署長(ヴラド・イヴァノフ)、副市長、試験官とツテとコネを駆使し、ある条件と交換に試験に合格させてくれるよう奔走する。しかしそれは決して正しいとは言えない行動で、ついに検察官が彼の元へやってくる…。
【《沖縄ことば対応字幕付き》版:うちなーぐち(沖縄の方言)などの一部のセリフに字幕対応しています】 1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人は、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。 やがて、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す――。 消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とは――。
1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人は、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。 やがて、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す――。 消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とは――。
美大生の青年アドナンは夏のあいだ、叔父の洒脱な自宅で留守番をするためにニューヨーク・ブルックリンにやって来る。同時にギャラリーでインターンを始めるが、そこで展示されているのは、去年の夏、彼が出会った奇抜な刺繍アーティストの作品だった。過去と現在が交錯し始めるなか、官能と創造の出会いの連なりが、アドナンの日常の輪郭を曖昧にしていく。
苦しい過去に囚われ、自己破壊へと傾いていく少年ネイト・ウィリアムズ。高校教師スタン・ディーンは、彼が車中生活を送り投獄されていることを知り、保釈金を払い引き取る決断をする。善意から始まった行動は、ネイトの心を蝕んできた暗い秘密と向き合う闘いへと変わり、二人は互いの限界に迫られていく。ネイトが絶望の淵に沈む中、ディーン先生は彼を救うためにどこまで踏み込む覚悟があるのか、自らの信念を試されることになる。やがて二人の絆は、過去の闇を越えようとする希望の光となり、壊れかけた少年の未来を取り戻すための最後の支えとなっていく。
舞台は1985年、アイルランドの小さな町。炭鉱商人として生計を立て、家族と慎ましく暮らすビル・ファーロング(キリアン・マーフィー)は、クリスマスが近づくある日、石炭を届けに訪れた地元の修道院で、目を背けたくなる現実を目撃する。そこに身を置く少女から「ここから出してほしい」と懇願され、若い女性たちが行き場もなく苦しんでいる現実と向き合うことに。見て見ぬふりをすることが賢明だと理解しながらも、良心の呵責に悩むビル。そんな彼が、ついに下す決断とは――。
30歳間際の自称・映画監督の太郎。大分県で行われる映画祭に入選を果たし意気揚々と現地に向かうも、作品を厳しく批判されてしまい意気消沈。映画祭のパーティーをすっぽかしてフラフラと隣町の豊後大野へ向かうと、そこで太郎の映画を観ていた未希という不思議な女性と出会い、一泊二日だけの小さな旅をすることに。正体不明ではあるが、明け透けな性格の未希に映画づくりに自信を持てない自分をさらけだし、ほのかな恋心も抱き始める太郎だったが…ふたりがたどり着く、旅の結末は?
ソウルを旅する謎めいたフランス人女性イリス。フランス語の個人レッスンをしている彼女は、生徒たちの家を渡り歩くが、あまりに風変わりな教え方に、人々はみな戸惑うばかり。レッスンが終わると、彼女は年下のボーイフレンドの家へと帰っていく。イリスは何をしに韓国へやってきたのか。なぜフランス語を教えているのか。韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩に触れるなかで、徐々に彼女の謎に満ちた日常が浮かび上がっていく。
演劇祭が間近に迫るソウルの女子大学。校内の恋愛スキャンダルの穴埋めをするため、テキスタイルアーティストであり、講師として働くジョニムは、有名な俳優で舞台の演出も手がける叔父のシオンを臨時の演出家として招聘する。演劇祭に向け寸劇作りがスタートするが、学生たちの恋愛事件の余波や、先輩の大学教授とシオンとの新たな恋の予感など、10日の間にさまざまな出来事が巻き起こる。
ある二人の人物が、二つの家でそれぞれに過ごす一日。ひとりは、友人の家に居候する休業中の女優サンウォン。もうひとりは、小さなアパートで一人暮らしをする詩人のホン・ウィジュ。彼らのもとには将来への不安を抱く若者たちが訪れ、さまざまな質問を投げかける。そんな折、サンウォンの友人の飼い猫がふと姿を消して──。交わりそうで交わらない、二人の一日が静かに並走していく。
詩人のドンファは、恋人ジュニを家まで送り届けた際、玄関先で彼女の父と鉢合わせ、思いがけずジュニの家族と一日を過ごすことになる。初めはぎくしゃくしていたが、ジュニの家族に家や近所を案内され会話を重ねるうちに少しずつ距離を縮めていく。やがて一家が揃う夕食の席で、勧められるまま酒を口にするうち、緊張から酔いが回り、次第に気まずい雰囲気が漂いはじめる。
未来から来たタイムトラベラーのノーマンは、予期せぬ事故により過去の世界へ取り残されてしまう。正体を隠しながら生き延びる術を模索するものの、技術の乏しい時代でのタイムマシン開発は難航し、絶望が徐々に彼の心を蝕んでいく。些細な行動が歴史を変えてしまう恐怖から、人々との接触を避けていたノーマン。だがある日、食料の配達に訪れた新人配達員ジェニファーと出会ってしまう。その瞬間、激しい眩暈に襲われた彼は意識を失い、幻覚を見る。時間移動が未来と過去の双方に深刻な歪みを生じさせていることを悟ったノーマンは、自力での開発を断念。2年半にわたり封印していたAIアシスタント、アニーを起動させるが…。
若くして妊娠した女性を支援する施設で共に暮らす5人の少女。彼女たちは頼る人を持たず、家族との関係、貧困など、さまざまな問題を抱えている。「ひとりじゃ育てられない」「嬉しいと思いたいのに」――戸惑い、悩み、なるべき家族像を見いだせないまま、母になる少女たち。押し寄せる孤独感に飲み込まれそうになっても、時に誰かに寄り添われながら、それぞれが歩むべき道を選び取っていく……。自分たちなりの「愛」を選択していく少女たちの真っすぐな瞳から目が離せない、希望に満ち溢れた傑作がついに日本上陸。
バルセロナの舞台女優クラウディア(80)は末期がんの罹患者。癌は脳に転移し、錯乱や半身麻痺と自我の喪失が近づくなか、彼女は安楽死を選択する。クラウディアは子育てよりも舞台優先で生きてきた。お茶目な女優妻を支え、今なお愛してやまない夫フラビオ。永縁なる夫婦は、共に旅立つことを決め、デュオ安楽死 を決意する。ところがスペインで安楽死はできるがデュオ安楽死はできない。ふたりはデュオ安楽死ができるスイスへ行く決意をする。一方、母の病を機に同居を始める末娘のヴィオレッタ。長男長女は家庭を持ち実家に寄り付かない。ヴィオレッタは母に兄姉を合わせる目的で、両親の結婚記念パーティーを企画。しかしパーティー前夜に両親が決めたデュオ安楽死に気付き、ヴィオレッタはパーティーで思わず打ち明けてしまい、久しぶりの家族再会は修羅場と化す。「最期に聞きたい死のプレイリストのご準備を」 子供たちは父の考えに賛成しない。長女は母の操作と決めつけ喧嘩する始末。しかし父の意志は 固く、両親はデュオ安楽死に必要な手順を進め、最後の旅の出発がにわかに訪れるのだが―。本作は両親の終幕を題材にしているが、不思議と暗さを感じない。むしろ家族のユーモアあふれるセリフ回しに、それを忘れてストーリーに没頭してしまう。本編の一部は、家族の心情を母の職業だったミュージカル調で表現し、本筋と見事に融合。最後まで自分らしく生きた母の終末期。欧州で急激に増えるデュオ安楽死。なぜ増加傾向にあるのか。その一つの答えを本作で垣間見る。
とある州立病院の外科病棟に出勤したフロリアは、プロ意識が強い看護師だ。人手不足が常態化している職場はただでさえ手一杯だが、この日の遅番のシフトは普段以上に過酷だった。チームのひとりが病気で休んだため、フロリアはもうひとりの同僚と手分けして26人の入院患者を看て、インターンの看護学生の指導もしなくてはならない。それでも不安や孤独を抱えた患者たちに誠実に接しようとするフロリアだったが、患者の要望やクレーム、他の病棟からひっきりなしにかかってくる電話、緊急のナースコールへの対処を迫られ、とてもひとりの手には負えない苦境に陥っていく。やがて極限の混乱の中、投薬ミスを犯して打ちひしがれたフロリアは、さらなる重大な試練に直面することに……。本作の企画はスイスの女性監督ペトラ・フォルペが、ドイツ人看護師マデリン・カルベラージュの著作に目を留めたことから始まった。そこに記された看護師の日常業務の激しさに引き込まれ、心を奪われたフォルペ監督は、実際の病院での入念なリサーチを実施。病院が直面している現実をリアルに描くことはもちろん、ひとりの看護師の視点を採用することで、このうえなく濃密なスリルと臨場感がみなぎる映画を完成させた。私たち観客は鑑賞中、同時多発的に複数の作業を強いられ、絶え間なくトラブルに見舞われる主人公フロリアの立場と同化し、看護師という職務の苛烈さを体感することになる。またフォルペ監督は“可哀想な患者”や“迷惑な患者”といった一面的な描写を避け、さまざまなルーツを持つ入院患者それぞれの人間性や複雑な事情をきめ細やかにあぶり出す。たった一日の遅番シフト8時間に焦点を当てた物語でありながら、驚くほど豊かな奥行きを獲得した本作には、生と死の狭間に置かれた人々の切実な感情が息づいている。
アメリカの片田舎で病気の祖父を介護しながら暮らす青年キリアン・マドックス。低収入で友人も恋人もおらず孤独な毎日を送っているが、彼には揺るぎない<夢>があった。一流ボディビルダーになり、その鍛え上げた肉体で雑誌の表紙を飾ることだ。すべてを捧げ過酷なトレーニングと食事制限に打ち込むが、身体は悲鳴をあげ、社会の不条理と孤立が彼の精神を蝕んでいく。そしてある事件を機に、純粋な夢は狂気へと変貌する…。
独り暮らしのカウボーイ、ローガンはクロスロード・マーケットでヒッチハイクをしていた女性を車に乗せ、高熱で咳込んでいた彼女を気遣い、自宅に招いた。落ち着いた環境の下で徐々に回復していく彼女は、やがて自分のことを語り出す。もともとはシンガー・ソング・ライターだったが、ルームメイトの死を殺人と疑ったことを機に旅に出たという彼女は、スマホも持たないシンプル生活ながら、夜になるとうなされるローガンに興味を抱く。やがて彼がアフガニスタンに二度出征し、PTSDを患った帰還兵であることを知る。彼女もまた自分の名前がジェーン、通称スターであることをローガンに告げた。ローガンも亡き母の思い出を語り出す。その後も2人は対話を重ね…。
小説家とセックスワークの狭間で漂流する25歳マックス、青春の体温。ロンドンに住み、将来を嘱望されている若い作家志望のマックス。彼はデビュー作となる長編小説をリアルなものとするために、“セバスチャン” という名前で男性相手のセックスワークの世界に足を踏み入れる。職業を通して体験する未知の世界。様々なクライアントと接していく内に、マックスとセバスチャンの境界線を次第に見失っていく…。
ある日、空が裂け、世界は崩壊した―。裂け目からは異世界の“侵入者(ブレイカー)”が人類に襲いかかり、文明は滅び、わずかな生存者は荒廃した地で恐怖の日々を過ごしていた。かつて男達はブレイカーとの戦いに敗れ、人類の運命は女性に託されていた…その女性戦士の隊長役として本作で剣を握るのは、『バイオハザード』シリーズでアクション女優のトップスターとなったミラ・ジョヴォヴィッチ。本作では、異世界からの脅威に立ち向かう強き母を演じ、圧倒的存在感と卓越した剣さばきで“戦う女戦士”の完全復活を魅せつける!さらに、生き残りをかけた夫役のルーク・エヴァンスと娘との感動の家族愛を描いたヒューマンドラマも融合、壮大なSFサバイバル・アクションがここに誕生した!
役者のジェイクは、映画の撮影のためオハイオ州・シンシナティを訪れる。子役時代から活躍してきた彼はちょっとした有名人だが、私生活は薬物依存ですっかり破綻していた。撮影現場でも酒とドラッグに溺れ、監督が監視役をつけるほど。それでも夜になると目を盗み、地元の若者たちのドラッグパーティーに参加するなど、行動は一向に改まらない。薬物に依存してしまうのは、本当の自分を誰にも理解されない寂しさからだとジェイクは語るが、その言葉は周囲には届かない。そんなある日、モーテルで出会ったプランドンとともにハイになった彼は、停泊中のボートを盗むという騒動を起こし、逮捕される。度重なる問題行動に、監督やスタッフたちはついに呆れ果ててしまう。
2020年4月。売れない俳優の北島タツロウ(34)は、コロナ禍で唯一決まっていた出演作が白紙になる。暇を持て余した彼は、中古で2万4千円の珍本を購入する。伝説の地下演出家アン・W・トッテヤゴ著の演技指南書で、「役者を狂わせる禁書」と噂される一冊である。北島は半信半疑でその風変わりなメソッドを実践していくが・・・萱野孝幸監督長編映画『津田寛治に撮休はない』のスピンオフ作品ともとれる萱野ワールド新作映画!
スキャンダルで女優の仕事を失い、10年ぶりに故郷の熊本に帰ってきた梨枝(蓮佛美沙子)。彼女は、ドラマ部志望の若手ディレクター・咲(伊藤万理華)と共に“女優が生まれ故郷の熊本で素顔を見せる”密着ドキュメンタリー撮影に渋々挑むことに。女優復帰と希望部署への異動をかけて、それぞれ再起を図ろうとする2人だが、全くソリの合わない2人はたびたび衝突し、撮影は前途多難。 そして、なるべくこっそりと撮影をしたい梨枝の気持ちとは裏腹に、次々と現れる知人たち。やがて小さな町で噂が広まり、撮影のことを内緒で帰郷した梨枝の存在が家族の耳に入ってしまう。かつて、父・康夫(升毅)と大喧嘩の末、町を飛び出した梨枝。その父は今、がんに冒されていた。父の病状を知りながら、父を避けていた梨枝に怒り心頭の家族。果たして、ドキュメンタリー撮影の行方は?そして、梨枝と康夫の確執は……。
亡き母を偲ぶため、クリスと息子のジョンは山へ向かっていた。しかしジョンは、父とは別に一人で頂上を目指すことを決める。川に花束を手向けた後、山道を歩いていたクリスは、危うく車とぶつかりそうになる。運転していた中年女性のジュリーが動揺している様子を見て、クリスは彼女を安心させようとお茶に誘い、次第に親しくなっていく。定年退職後、鬱々とした日々を送っていたジュリーは、クリスとジョンの言葉に背中を押され、山歩きを始めるようになる。一方、食堂で働くウェイトレスのケイトはあと1週間で街を離れることに。忙しさから山歩きができなかったことを悔やみ、仕事を休んで急きょ山に登り始める。そんな彼女に親友のアシュリーが付き添う。5人はそれぞれの思いを抱いて山登りを始めるが…。
売れない役者でゲイのレオナルドは、仕事も恋も思うようにいかず、人生の波動を整えようと悪戦苦闘中。誕生日を明日に控えた彼は、しばらく音信不通だった元カレのクリストから突然のメッセージが届き、期待と不安が入り混じる中、何とか自分を変えようと奮闘する。クリストから復縁を求められたらきっぱり断るつもりでいたが、実際にできるか怖くなり心を落ち着かせるため10分間の瞑想をしようとしていた。しかし、姉オルラがクリスマスツリーを持ってやってきて、なかなかそれも果たせない。そこでヨガ・トレーナーのサヴァンナの家に赴き、ようやく目的達成。さらには重要な役のオファーも舞い込んできた。その勢いに乗せ、いよいよクリストに会おうとするが…。
パリ郊外の小さなアパートに暮らすシングルマザーのモナは、発達に遅れのある30歳過ぎの息子ジョエルを女手ひとつで育ててきた。モナはショッピングモールのビューティ・サロンで、ジョエルは障がい者のための職業作業所で働いている。互いを支え合い、いたわりながら暮らしてきた二人。ところがある日、モナは、ジョエルと同じ施設で働くオセアンが彼の子を妊娠したと聞かされる。二人の関係を何も知らなかったモナは動揺し、母子の絆も揺らぎはじめる――
1999年。あなたの本当の想いに触れて、僕は僕を知った。ざらついた記憶に宿る故郷の景色と、母の無償の愛――若くして恋人を亡くし未婚の母となったソヨンは、赤ん坊の息子ドンヒョンを連れてカナダのバンクーバー郊外へと移住する。ソヨンは工場で働きながら、言葉や文化の壁、人種差別に直面する日々の中、懸命に息子を育てていく。やがて16歳となったドンヒョンは英語名“デービッド”を名乗り、すっかりカナダでの生活になじんでいた。しかし、彼の心の奥底では自身のルーツ、特に一度も会ったことのない父親の存在への思いが次第に募っていく。そんなある日、二人に届いた衝撃的な知らせをきっかけに母と息子は初めて韓国へ帰郷し、悲しみの過去と対峙することになる――。
夏の終わり、父のルイジと母のマリアと三人で休暇を過ごしたダフネ。しかし、楽しいバカンスが一転、帰り支度の最中に突然マリアが倒れてしまう。すぐに病院に運ばれるが治療の甲斐なく、帰らぬ人に……。あまりに唐突すぎる母の死に、ダフネは泣き叫び、感情を露にする。ルイジはそんな彼女を心配し、必死に落ち着かせようとするが、ダフネは辛く当たってしまう。マリアの葬儀が終わり、普段の生活へと戻る二人。ダフネは、元来の明るさと、勤務先のスーパーマーケットの同僚や友人の支えによって、少しずつ日常を取り戻していく。一方、気丈にふるまっているようにみえたルイジは、喪失感と不安で押し潰されそうになっていた。一家の精神的支柱であったマリアがいなくなってしまった今、ダフネと二人だけで、どう生活していけばいいのか。そんな父の異変に気付いたダフネはある提案をする。それは、母の故郷コルニオーロへ歩いて向かう、ことだった……。
2008年の夏。7人は高校の同級生。未来に向かって夢を抱きながら卒業を迎える。歌手になる夢を抱き上京するカナ。家族とそりが合わないキリも地元を離れて東京へ。一人粋がっている硬派なリョウは、「いつかでかいことをやってやる!」と夢を抱きながら、地元の建設現場で働く日々。音楽を通しカナと心を通わしてきたタツオは大学受験に失敗し、地元に残り浪人。まさかのできちゃった結婚をしたコウタとマリコも地元組。そして現役で大学に合格したユウキは上京組。それぞれが別々の道へと進んでいく。しかし数年後、夢と現実の狭間で葛藤する7人。悩み、葛藤し、時に挫折してしまいそうになりながら、それでも彼らは大人への階段を上っていく。そして、少しだけ成長した7人が帰ってきたのは、あの懐かしい“帰り道”だった――。
真面目な性格で、献身的に患者のサポートに取り組む理学療法士の高野雅哉。 幼い頃に母親を亡くし、現在は父親の稔、妹の遥と離れて暮らしている。そんなある日、雅哉が働く病院にしばらく会っていなかった父・稔が入院してくる。日に日に弱っていく稔の姿、担当患者の病状が悪化するなど理学療法士として何が出来るのか自問自答の毎日で無力感に苛まれる。しかし、そんな時ラグビーの試合中にケガをした新たな入院患者を担当することになった雅哉。その入院患者の懸命に生きようとする姿に感化され、徐々に仕事への熱意を取り戻していく雅哉だった。病院という身近な人の死を経験する場所で理学療法士として、雅哉の選択していく生き方とは・・・。
郊外で小さな金属加工工場を営みながら平穏な暮らしを送っていた夫婦とその娘の前に、夫の旧い知人である前科者の男が現われる。奇妙な共同生活を送りはじめる彼らだったが、やがて男は残酷な爪痕を残して姿を消す。8年後、夫婦は皮肉な巡り合わせにより、男の消息がつかめそうになる。しかし、そのことによって夫婦は再び己の心の闇と対峙し、互いの奥底に抱えてきた秘密があぶり出されていく。
郊外から都心へ向かう電車に一人揺られている、ひかり(蓮佛美沙子)。秋葉原で起きた事件で恋人の健治を失った日を境にして、現実世界は遠のき、ひかりは健治と過ごした時間だけを糧にして生きていた。家に引きこもり、一人で食事をし、庭にパンジーを植え育てる日々。優しく見守ってくれる母や友人とのたわいのないお喋りをするなかで少しずつ落ち着きを取り戻し、歩き出そうとしていた。緊張した面もちで秋葉原の駅に降り立つひかり。健治が好きだった街を、その面影を探し求めて歩き始める。ひかりは、健治を知っている人間を探して街を歩き続け、人々と出会う。そこで、佑二と出会う。そしてひかりの話に耳を傾けていた佑二が突然「これが現実なんだ」と言って指差したテレビには被災地の無惨な光景が映し出されている。目の前のものすべてが現実であり、本物であり、それを受け入れること、そして、「まだ、間に合うよ」と。二人は再会を約し、佑二は故郷へと向かい、ひかりは健治と一緒に乗る約束をした船に乗る。
群馬県高崎市でラーメン店を営む真人は、突然亡くなってしまった父の遺品から1冊の古いノートを見つける。そのノートには真人が10歳の時に亡くなったシンガポール人の母が書いた料理のレシピや写真などとともに、さまざまな思い出が込められていた。真人は忘れかけていた過去を埋めるためシンガポールへと旅立つ。
広島県の西部、瀬戸内海島嶼部に位置する江田島市で生まれ、島から出ず生きてきた修司は、家の畑で父親が突然死した事にずっと責任を感じ、母と実家暮らしで、うだつの上がらない日々を送っていた。そんなある日、東京で映画監督として活躍している幼馴染の和也(武田航平)が、故郷の江田島を舞台に映画を撮る事をテレビで知る。そんな頃、二人が好きだった幸恵(咲妃みゆ)は妻子ある男と付き合っていたーー。3人の思いが交錯する中、映画の撮影が始まる
かつて“ロデオ界の伝説”と呼ばれたジョー・ウェインライトは、怪我と孤独を抱えながら娘サリーと孫コディと静かに暮らしていた。だが、コディの命を救うには高額な手術が必要だった。ジョーは限界を超えて再びブルライディングの世界へ戻る決意を固める。老いた体、恐怖、過去の痛みを抱えながら挑む最後の大会〈ラスト・ロデオ〉。仲間や宿敵との再会を経て、ジョーは真の「勝利」が何かを見つめ直していく。それは家族のために立ち上がる勇気そのものだった。激しい闘牛の中、彼が掴むのは栄光か、それとも約束のフィールドでの永遠の安らぎか――
昆虫の飼育や標本などを趣味にしている義肢制作者のマルコスは、幼い頃に起こした事故により、大人になった今もそれがトラウマになっている。そんなある日、彼の研究室の家主でもある雇い主アギーレが急死。それはマルコスが飼っていた毒アリが飼育ケースから抜け出し、彼に?みついたからだった。マルコスは遺体を極秘に処理しようとするが、現状を知らず常に口うるさい悪友ペドロの対応に追われ四苦八苦。ちょうどその頃、彼は少年フリオの右腕義肢の制作にも従事していた。一方で、当時の事故で両足をなくして精神も壊れて久しい母に、心を痛め続けていた。さらには外では、ゾンビ映画の撮影が行われていた。そこでマルコスは髪を紫に染めた映画スタッフのアナと親しくなるのだが…。
ジョニーの父は“シャドウ”と呼ばれたボクシングの元チャンピオン。勝利をつかんだことで治安が悪く貧しく荒れた下町から抜け出し、妻と息子ジョニーと暮らしていた。だが借金を抱えてしまった上に妻が癌になり、大金が必要になったことから保険金を得ようと、自死してしまう。残された妻とジョニーは仕方なく父が生まれ育った町に戻り、祖母と暮らし始める。ジョニーは早速、地元の不良たちに目をつけられるが、ジコという男に助けられる。「ギャングになって町の一員になる」というジョニーに対し、ジコは「自分の人生を高めろ」とボクシングを猛トレーニング。父シャドウの血を受け継いだジョニーはメキメキと腕をあげ、タイトルマッチに挑む。
かつて天才子役として名を馳せたパトリックは、未成年との性的虐待疑惑で引退同然に追い込まれる。ほぼ引きこもりで酒に溺れ、抗不安薬が手放せない生活を送っていた彼は、自宅で演技の個人指導をしながら過去の名声で細々と食いつなぐも、家賃滞納で退去を迫られていた。そんな中、姉アニーに連れ出され、姪っ子が演じる「ロミオとジュリエット」を渋々観劇。しかし彼は姪っ子よりもロミオ役を演じていた17歳の少年ジェレマイアの才能に惹かれ、彼の個人指導を買って出ることに。母子家庭のジェレマイアに無償で演技指導を行い始めたパトリックは、彼の心の傷にも触れて通じ合い、師弟関係を深めていく。だが指導に熱中し、演技の流れでキスしたことから強く拒絶され…。
ジョージアに暮らす元教師のリアは、行方不明になったトランスジェンダーの姪、テクラを探すため、テクラを知るという青年アチとともに、トルコ・イスタンブールへと旅立つ。しかし行方をくらませたテクラを見つけ出すのは想像以上に困難だった。やがてリアは、トランスジェンダーの権利のために闘う弁護士、エヴリムと出会い、彼女の助けを借りることに。なぜテクラはジョージアを離れたのか。東西の文化が溶け合い異国情緒あふれるイスタンブールを舞台に、テクラを探す旅を通して、リア、アチ、エヴリム、3人の心の距離が、少しずつ近づいていく――。
修学旅行の前日。セミ(パク・ヘス)は、教室で不思議な夢を見た。胸騒ぎを覚えたセミは学校を抜け出し、想いを寄せるハウン(キム・シウン)の病室へと走る。自転車との衝突で脚をけがしたハウンは、修学旅行を諦めて入院中なのだ。ところが、ふいに見てしまったハウンの手帳の一言に、セミの視線が止まる。“フンババにキスしたい”。夢のせいで不吉な予感から逃れられないセミは、一緒に修学旅行に行こうとハウンを必死で説得し、ビデオカメラを片手に何とか旅費を工面しようとする。しかしどこか煮え切らないハウンの態度に、セミの抑えていた感情がついに溢れ出す。心に秘めてきた想いを、今日こそ伝えたい。焦るセミと、ある事情を抱えるハウン。お互い言葉にならない気持ちを抱えたまま、2人だけの夜が訪れた――。
スペイン人のカルロスは家族を代表して、母の親友イサベルの娘の結婚式に参列するよう強要まがいに頼まれる。そこで、地元サッカー・チームの監督を解任されたばかりで落ち込んでいる友人のゴンサロを伴いニューヨーク、正確にはNY対岸にあるニュージャージー州ニューアークのガリシア人が多く住むという“リトル・ガリシア”へ赴くことに。カルロスの魂胆は、ゴンサロを自分と偽らせて式に出席させ、自身はかつての恋人と、その間に生まれた未だ見ぬ娘に会うことにあった。ゴンサロはイサベルらにバレることなく合流を果たすが、何と直前になって式は先方の心変わりで中止の通告。一方、カルロスも知らされていた住所に元恋人は住んでおらず…。
2036年の荒廃したカリフォルニア。人里離れた山奥で孤独に暮らすアレクサンダーは、謎の男からの手紙を受け取る。そこには「弟よ、帰ってこい」と書かれていた。しかし兄のエドウィンはやむなく人を殺し、村の掟で10年前に処刑されたはずだった。まさかと思いながらも、その言葉に何か真実を感じたアレクサンダーは、雪深い荒野を越える過酷な旅に出る。そして遂に故郷へたどり着くと、そこにはかつてのように賑わう村があり、兄が妻のケイトや村人たちと幸せに暮らしていた。戸惑いつつも再会を喜び合うが、兄は処刑直前にアレクサンダーの手引きで逃げ延びていたと言い、自身の記憶との違いに混乱する。
とある高校で教師として働く阿川久兵衛。その高校の女子生徒、仁科奈々実。この2人、実は親子だった。久兵衛は七海が小さい頃に離婚。七海は高校進学と同時に母親の海外赴任が決まり、久しぶりに父親と暮らすことに。父親と一緒に暮らした記憶がほとんどない七海は、デリカシーのない父との二人暮らしに嫌気が差している。一方父久兵衛も、突然の娘との共同生活に戸惑っている。久兵衛が同じ高校の教師である和香に想いを寄せていることに気付いた奈々実は、ついに反発し家出を決意。友人数名と、奈々実の母の実家である祖母・都子の家を目指す。一方の久兵衛は和香の力を借りつつ、奈々実を追って都子の家を目指す。都子の家で合流した一同。個性的な都子とその友人と過ごす中で打ち解け合い、お互いを解り合う物語
黒社会に生きる孤独な男チェンはボス殺しの犯人の息子を人質として捕らえるため、彼が通うとされる小学校に用務員として潜入する。そこで心を閉ざし言葉を発さない少年ラムに、校内を詮索しているところを見られてしまい、自分は警察官で内密に捜査をしているので秘密にしてほしいとお願いする。ある日、クラス旅行ではぐれてしまったラムをチェンが助けたことから、二人の距離は縮まり、身寄りがない者同士が心を通わせるも…。
カナダ・モントリオールで暮らすシングルマザーのアニーは、ティーンエージャーの娘サラが、自分を執拗にいじめていた相手に暴力を振るった事件をきっかけに、“ある重大な過ち”から逃れるため、衝動的にアメリカへの逃亡を決意する。幼い息子フェリックスは「フロリダに行く」という母の言葉を信じて無邪気に喜ぶが、旅の途中でそれが逃避行だと気づき、不安から騒ぎ出す。やがて道中で車が故障し、町の整備士ポールが現れるものの、部品がないため修理には数日かかると言われ、一家は足止めを余儀なくされる。早くこの地を離れたいアニーは次第に神経を尖らせるが、サラは大切な日記帳を車に置き忘れたことに気づき、ポールの家を訪ねる。そこには同年代の娘ホープがおり、彼女は密かにサラの日記を車から盗み、隠していた。
4歳の娘アビーが末期の病を患うダリルは、妻ジャンと残された時間を家族で大切に過ごしていた。そんなある日、アビーが突然「月に行く時、火事で行けなかった」と口にする。最初は子どもの空想だと気にも留めなかったダリルだったが、アポロ1号の火災事故や、発射カウントダウンを担当した人物名など、アビーが知るはずのない事実を語るのを聞き、動揺を隠せなくなる。やがてダリルは、アビーが事故で命を落とした宇宙飛行士“エドワード・ジョーンズ”の前世の記憶を持っているのではないかと考え始める。ジャンはその考えを一蹴するが、娘を失う現実を受け入れられないダリルは、2000人以上の子どもから前世の記憶を聞き取ってきた研究者フィッシャー博士の存在を突き止める。博士は「死が近い子どもは、未来を予見することがある」と語り、ダリルは真実を確かめるため、ある実験を依頼するが…。
「弱いパパでごめんね」一言だけのメモを残し、優しかった父は死んだ。そして母は壊れて消えた。家族も友達も、いない。14歳の奈良希穂は、中学に入ってからずっと孤独な一人暮らしをしていた。ある日、学校の屋上で自称天使と出会い「人生最期の1日」を共に過ごすことに。何気ない1日の中で次々と現れるへんてこな人々の心の機微に触れ、希穂の世界は静かに揺り動かされていく。最期と決めた1日の終わりに彼女を待っていたものとは―。
内向的だが、天才と言われるほどイラストレーターとしての才能を高く評価されているルイス。新しい職場のニュープラネット・コミックス社がある場所は、幼い頃から離れて暮らしていた父マーブルが住む町だった。新しく始まる生活に緊張しながらバスから降りたルイスは、路上で歌う女性の声に魅了される。彼女の歌声で緊張が解けたルイスは、チップを投げ入れると父の待つ家へと向かう。職場で才能を発揮するルイスだが、内気な彼は同僚との交流を避けていた。そんなある日、歓迎会が開かれたカラオケバーで、ルイスはバス停で歌っていた女性グレニスを見つける。店の従業員だったグレニスは、カラオケバーの雰囲気に馴染めないルイスに優しく接するが…。
軽度の知的障害を抱える22歳の来栖玲。生まれつき小柄なため、しばしば子どもに間違われ、自分が“障害者”扱いされることに葛藤を抱えていた。大好きな父を亡くした上、母の梨加も精神障害者となり、ネグレクト状態に。一時は梨加と離れ、施設で過ごしていたが、現在は同居中。しかし、施設で出会った最大の理解者の精神科医・柊早苗の急死により、玲は再び心を閉ざしてしまう。柊の後任の若い医師を受け入れられず、通院を拒み続けていたある日、さらにその後任として、新たな医師の恵比寿丈が着任する。やがて、梨加が家賃を払えず、遂に退去を求められた玲は、デリヘルのバイトに応募。良く分からぬまま契約書にサインをして、お金を受取ってしまう。娘から渡された、そのお金を手にして不安を覚える梨加。デリヘルで撮影することになった玲は、そこに所属するカナと共に逃亡。だが、荷物を取りにマンションへ戻ったところ、梨加から“あんたのせいでパパは死んだ”と言われてしまう。決して言ってはいけない言葉を口にした自分への後悔とふがいなさに泣き崩れる梨加。一方、部屋を飛び出した玲を、恵比寿が追うが……。
カナダ・ブリティッシュコロンビア州の山深い土地で暮らすトーフは、生まれつきの楽天家。婚約者の妊娠に動揺しつつも、“何とかなるさ”と深く考えずに日々を過ごしている。そんな折、母の再婚パーティに、弟クーパーが3年ぶりに帰郷する。ニューヨークで順調にキャリアを積んでいる弟を誇らしく思うトーフは、再会を心待ちにしていた。しかしクーパーは、式が終わり次第すぐに帰るつもりで、故郷に長居する気はなかった。そんな弟をトーフは、何かと理由をつけて亡き父が残した山小屋へと連れ出す。ところが、思いがけない事故で山小屋は炎に包まれ、2人は雪深い山中に取り残されてしまう。文句ばかり口にするクーパーに次第に苛立ちを募らせるトーフ。そんな最中、クーパーが崖から転落し、足を骨折するというさらなる不運が襲いかかる。
元ジャーナリストで、今は夫と娘たちの世話に追われる主婦ジェニーは、ラスベガスで開かれるブロガー会議に参加するため、久々に週末だけ家を離れることに。アプリで予約したタクシーに乗り込むと、運転手マークからまさかの“相乗り”だと告げられ、続いて女優のカーラ、そして二日酔いのショーンが乗車。車内は早くも落ち着かない空気に包まれる。さらにショーンは失恋のショックで自暴自棄になっており、自殺をほのめかす始末。自身の裏切りで傷つき故郷へ戻った恋人に謝りたいというショーンの思いをくみ、一行は成り行きで、彼の目的地であるネバダ州パラダイスへ向かうことになる。道中、3人それぞれが抱える“胸の奥にしまい込んだ問題”を少しずつ語り始め、ジェニーもまた、旅先で知った“幼い娘たちの学校でのトラブル”に対し、夫がまったく取り合おうとしないことにとうとう堪忍袋の緒が切れる。ついにはスマホをマークに預け、強引に夫との連絡を断ち切るが…。
山のキャンプ場を営む典子の元に突然の来訪者がやって来る。それは、1年前に少年院を出所した甥っ子のユウキ。ユウキは、典子の姉である母親を探していると、このキャンプ場にやってきたが、典子が義理の兄に電話すると、ユウキと義理の兄はうまくいっていないとのこと。ユウキにキャンプ場でバイトをさせてあげ、「私にできることは、あなたの話を聞くことだけ」と寄り添う典子は、近所に住む明夫によると、人の表情を読み取るのが苦手で、言葉が大事。「世界の見方は皆同じじゃない」と言う典子に、次第に心を許していくユウキ。そんなある日、典子の息子でユウキの同い年の従兄弟である健二が、大学の友達とキャンプにやってくる。森の植物や星など、ユウキと由香理が共通の話題で盛り上がるのを見て嫉妬した健二は…
パリのレストランでギャルソンとして働く初老の男アレックスは20年前に妻と別れ、いつも女性たちからは放っておかれない魅力を醸し出す洒脱な男。レストランの給仕長として仕事も熱心で頼りがいもあり同僚たちからも慕われている。不器用で奥さんと別居している同僚のジルベールを居候させる気の良さも持っている。そんなアレックスの夢は父の遺産で海辺の土地に遊園地を作ること。ある日昔の知り合いで英語教師をしている女性クレールと再会、アレックスは夫との離婚を控えたクレールに惹かれていくが・・・。
干ばつに苦しむアメリカ南西部の砂漠地帯、ネイティブアメリカンの老婆メイベルは電気も水道もない小さな家で夜空の星を眺めつつ独り慎ましく暮らしていた。一方、手品師ライルは車がオーバーヒートし、立ち寄ったガソリンスタンドで水不足を知る。給油代を手品でごまかして逃走するが、不思議な光を追いかけた先で再び車が故障し、メイベルの家に辿り着く。彼女に水を求めるが、孫が運んできてくれるまでないという。翌朝、水を届けに来たのは昨晩立ち寄ったガソリンスタンドの店員サードだった。給油代を払えと揉める中で、サードが毒蛇に咬まれるが、解毒剤も電話もなく、携帯電話も通じず絶望的な状況下で、メイベルは先住民から伝わる不思議な治療を始める。
やることといえば亀のエサやりぐらい。周りの人からは、自分が見えていないのではないかというほど、雑に扱われてる気が…。代わり映えのしない毎日と、自分の平凡さを嘆く主婦・スズメは、ある日、駅の階段のへこみに張られた小さな広告を目にする。「スパイ募集」―思いがけない文字に興味を引かれ、そこに書かれた番号に電話をするスズメ。後日、指定された安アパートに行ってみると、クギタニと名乗る夫婦が彼女を待っていた。そこでスズメは、ちっともスパイらしく見えない2人に?才能がある”と絶賛され、半ば強引に活動資金500万円を手渡されてしまう。