念願のフラワーショップを開業した友美(田中美保)。そこに駆け込んでくるなぜか泥だらけの少年。少年と入れ違いで出て行く男は娘の結婚式を前にした父親、正行(大杉漣)だった・・・花屋に訪れる人々が織り成すそれぞれの人生のストーリー。愛、友情、感謝、出会い、そして別れ。。。4つの話、登場人物が少しづつ絡み合い、美しく切ないストーリーを紡ぎあげていく。涙あふれる感動の一瞬の物語。
メキシコのとある村。フアンは愛らしい子供と美しい妻ナタリアとともに何不自由ない恵まれた生活を送っていた。ところが、ある夜、赤く発光する“それ”が彼の家を訪問したときから、なにげない平和な日常が歪みはじめる。ヒカリと闇が互いに戯れるがごとく交わる世界の断片は、1発の銃声によって新たな位相に導かれていく。フアンの家に現れた“それ”はいったい何だったのか?禍をもたらす「悪魔」なのか、それともどこかに彼らを導こうとする「神」だったのか…。
取り立ての厳しい貸金業者クレメンテがある夜帰宅すると、自宅に女の子の赤ん坊がいた。彼が関わった売春婦の誰かが母親だとうことで、母親を捜す間、隣人の女性ソフィアが赤ん坊の面倒を見ることになる。信心深いソフィアは赤ん坊が、10月に現われるという“奇跡の主”だと信じてしまう。クレメンテはソフィアや赤ん坊の存在を意識することで、自分に足りない人間らしさを意識するようになる。
モヒカン頭がトレードマークの売れないバンドマン永吉。妊娠した恋人・由佳を連れて、故郷・戸鼻島へ結婚報告をするため7年ぶりに帰る。永吉たちを待ち構えていたのは、矢沢永吉をこよなく愛す頑固おやじ・治と筋金入りのカープ狂の母・春子、そしてたまたま帰省していた弟・浩二の3人。家族がそろったかと思えば、のらりくらりの永吉に治が怒り心頭!いつもの一家総出でド派手な親子喧嘩が始まる。なんだかんだありつつも、二人の結婚を祝う大宴会が開かれたその夜、永吉は治が倒れているのを発見。病院で受けた検査結果はガンだった――。 動揺を隠せない5人の頭に渦巻く「どうする!?」 何をするのが正しいのかわからないけれど、不器用にぶつかりあいながら、喧嘩したり笑い合って離れた時を埋めていく。
いのちは、お熱いうちに。大事なのは、今を大切に生きること。アドリア海を臨む、南イタリアの美しい街、レッチェ。カフェで働くエレナは、雨の日のバス停で、アントニオと出会う。アントニオは、偶然にも同僚シルヴィアの恋人だった。性格も生き方もまるで違うのに強く惹かれあった二人は、周囲に波乱を起こした末、その恋を成就させ結ばれる。13年後、カフェの同僚で親友のゲイ、ファビオと独立して始めたカフェが成功し、アントニオとの間に二人の子供をもうけたエレナは、公私共に多忙な日々を送っていた。しかし、あんなに愛し合ったエレナとアントニオの夫婦関係には、綻びが生じ始めていた。そんな時、叔母に付き合ってがん検診を受けたエレナは、 思いがけない結果を聞かされる…。
父母を探すためラクダにまたがり、干上がってしまった河の跡を道しるべに、ひたすら荒野をたどって行く―両親が放牧する土地を求め、より奥地の草原に移住しているため、兄のバーテルは祖父のもとで暮らし、弟アディカーは学校の寮に住んでいる。兄は弟が母親の愛情を独り占めしていると思い込み、弟は兄ばかりが目をかけられていると感じ、互いに嫉妬し合っている。夏休みが来ても父が迎えに来なかったことから、アディカーは拗ねる兄バーテルを説得して父母を探すため、2人きりの旅に出る。広大な砂漠をラクダにまたがり、干上がってしまった河の跡を道しるべに、ひたすら荒野をたどって行く―。痩せて枯れてしまった大地、見捨てられた廃村、そして崩壊した遺跡、回廊の変わりゆく風景は、光り輝いた土地が工業化のために消滅し、伝統が新しい社会へと変貌していく様をまざまざと見せつける。そして、いつしか2人の旅は、彼ら《ユグル族》としてのアイデンティティーの探求へと変わっていく…。
山あいの小さな村。唯一の医師として人々から慕われていたひとりの医師が失踪した。警察がやってきて捜査が始まるが、驚いたことに村人は、自分たちが唯一の医者として慕ってきたその男について、はっきりした素性を何一つ知らなかった。やがて経歴はおろか出身地さえ曖昧なその医師、伊野の不可解な行動が浮かびあがってくる――。
東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。事故だったのか、事件なのか。裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。
舞台は東京の下町、谷中。主人公は30歳で脱サラして落語家になったものの、気真面目で几帳面な性格のゆえか「小学生が国語の教科書を読んでいるような落語」のままで足踏みしたまま、前座に甘んじている出船亭志ん田(でふねてい・しんでん)。師匠の志ん米(しんこめ)の家に住み込み修行中で、同居する娘の夕美に密かに恋心を抱いている。志ん米の師匠、志ん扇(しんせん)の十三回忌一門会を前にスポンサーのご機嫌をとるために、後援会長のお気に入りで現在は行方不明の志ん魚(しんとと)の居場所を探すことに! 落語家の道をあきらめた気楽な中年男の志ん魚は、再び高座にあがるのか。そして将来への不安を感じながらも精進する志ん田の明日はどっちだ……!?
冥土の土産におじいちゃんと寝てあげてくれない?」 ある日、ヘルパーのサワは派遣先の家族から驚きの依頼を受ける。その当日に事件に巻き込まれ、気がつけば「家ナシ・金ナシ・仕事ナシ」。人生崖っぷちに立たされたサワは、ワケありじいちゃんを見つけては、おしかけヘルパーをして生き抜くことに……。老いは誰にでも等しく訪れる。高齢化社会へと突入し、身近な人や自分自身の老いに戸惑いながら生きている私たちに「死ぬまで人間は懸命に生き抜くんだ!」と叫ぶサワの姿が、”生きること””人生をまっとうすること”の本当の意味を教えてくれる。
同居している男に言われるままに身も心も搾り取られる生活に甘んじている今日子(安藤サクラ)と、母親を助けるために事件を起こしてしまった修一(柄本佑)。物語の中でふたりが言葉をかわすことは、ない。それぞれの理由で故郷に戻れなくなってしまった彼らは、過去を清算しながら生きることを誓った東京で懸命に日々を生きていた。そんなある日、二人の日常を揺さぶる出来事が起きる。今日子と修一は予期せぬ運命の糸に操られながら、どうやって“明日”を見つめていくのだろうか―。
新宿駅前で街頭劇を行う唐十郎。青年が紀伊國屋書店に入っていき、万引きで女店員に捕まる。青年は鳥男、女店員はウメ子。一方、酒場で性談義をする大鳥組の俳優たち。新宿の不穏な熱気は混沌と幻想を呑み込んでいく。
大島渚最後のATG映画。素直子は父の婚約者でピアノの家庭教師でもある桃子と本土復帰直前の沖縄にやってきた。数ヶ月前、素直子は大村鶴男と名乗る沖縄の青年から手紙をもらい、自分たちは兄妹かもしれないというので、鶴男を訪ねて沖縄にやってきたのだった。下船した素直子はさっそく観光客に沖縄語を教えて金を稼ぐ青年と知り合い、親しくなる。実は彼こそが鶴男なのだが、彼は庭先で見かけた桃子を素直子だと勘違いしているので、二人はお互いに気づかないまま、すれ違いを繰り返していく。一方、沖縄人に自分を殺してほしいと、その相手を探す老人がいる反面、本土の人間を殺したいと願い、相手を探す男がいる。三世代それぞれの者たちの思いは交錯し、沖縄の青い空に溶け込んでいく……。
都内の2DKのアパートで大好きな母親と幸せに暮らす4人の兄妹。しかし彼らの父親はみな別々で、学校にも通ったことがなく、3人の妹弟の存在は大家にも知らされていなかった。ある日、母親はわずかな現金と短いメモを残し、兄に妹弟の世話を託して家を出る。この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちだけの『漂流生活』が始まる・・・・・・。
1942年、ジャワの日本軍俘虜収容所。まだ夜が明けきらない薄闇の中、日本軍軍曹ハラは英国軍中佐ロレンスを叩き起こす。朝鮮人軍属が白人俘虜を犯すという破廉恥な事件が起きたため、ハラが独断で処分する立会い人として、日本語を自由に操るロレンスが必要だったのだ。そこに収容所長のヨノイ大尉の気合が響く。隙を突いて朝鮮人軍属は銃剣を自らの腹に突き立てる。ジャカルタの軍事裁判で英国軍少佐セリアズが裁かれている。彼に熱い視線を送るヨノイ。茶番の処刑劇を経て、セリアズは収容所に移送される。そして、それがすべての厄災の始まりだった……。
少女は夢に生き、青年は夢を捨てて生きてきた――オペラ歌手を夢見、名門女子高の合唱部でソロを歌う岩田真理子(安藤サクラ)は、ふとしたきっかけで一人の青年(佐々木崇雄)に出会う。大事な楽譜をなくされた真理子は、その償いとして青年に学校帰りのボディガードになってほしいと頼む。次第に親密になっていく二人だったが、青年はいつまでたっても自分の名前を明らかにしない。在日朝鮮人三世、趙聖文(チョ・ソンムン)が彼の名だった。そんななか、真理子は合唱部のソロを降ろされ自暴自棄に。一方、聖文は悪事に手を染めるようになる。互いに惹かれ合いながらも溝が深くなっていく二人・・・・・・。
二人の恋は、ひりつく夏の日差しのように、熱く燃えあがって終わりを告げた。けれどその想いは、互いの胸の中で一生消えはしなかった。気性が粗く、ギャンブル好きの老婆アウロラ。彼女は、なかなか会いに来ない冷たい娘の事を気に掛けながら、お手伝いのサンタと、何かと世話を焼いてくれる隣人のピラールを頼りに暮していた。ある時、病に倒れたアウロラは、自分に死が迫っている事を知り、突然ヴェントゥーラという男を呼んでほしいと言い出す。ピラールは訳も分からず、消息不明のヴェントゥーラ探しに奔走する。二人には、ある約束があったのだ。そして50年の時をさかのぼり、二人が若かりし頃に出会ったアフリカ-タブウ山の麓での、胸を焦がすような熱い記憶が甦る。
1941年10月19日、ドイツ占領下のフランス、 シャトーブリアン郡のショワゼル収容所。そこにはドイツの占領に反対する行動をとった者や共産主義者など、政治犯とされる人々が多く収容されていた。その中に占領批判のビラを映画館で配って逮捕された、まだ17歳の少年ギィ・モケがいた。その翌日、近くの街ナントで1人のドイツ将校が暗殺される。ドイツ将校でありながら、いずれも反ナチであるシュテュルプナーゲル将軍、シュパイデル大佐、エルンスト・ユンガー大尉の3人は、「犯人を早急に逮捕しないとベルリンは過度の報復を要求してくる」と危険を感じた。だが、司令部にやってきた駐仏ドイツ大使アベッツが告げたのは、「総統は報復として、収容所のフランス人150名の命を要求している」という冷酷な命令だった。一方、シャトーブリアン郡庁舎では、フランス人の副知事ルコルヌが、銃殺される人質のリストづくりを命じられ、ドイツ軍司令官は政治犯が多いショワゼル収容所から人質を選択することを決定する。そして、作成された人質のリスト。そこには、収容所で最も若いギィ、明日には釈放されるはずのクロード、リーダー格のタンボーらの名前があった・・・・・・。
1988年、ピノチェト独裁政権末期の南米チリ。フリーの広告マンとして忙しい日々を送っているレネ・サアベドラ(ガエル・ガルシア・ベルナル)のもとに、友人ウルティア(ルイス・ニェッコ)が訪ねてくる。ウルティアは反独裁政権の左派メンバーのひとりで、近く実施される政権の信任継続を問う国民投票の反対派「NO」陣営の中心人物であった。今回、投票までの27日間、政権支持派「YES」と反対派「NO」それぞれに1日15分のPRができるテレビ放送枠が許され、広告やCM制作の責任者として新進気鋭のクリエーターであるレネに白羽の矢が立ったのだ。政権が対外的に平等をアピールしているだけの出来レースと、気乗りしないレネだったが、次第にプロの広告マンとしてのプライドをかけて制作に取り組むようになっていく―。
80分しか記憶がもたない天才数学博士と家政婦とその10歳の息子。驚きと歓びに満ちた日々が始まった。不慮の交通事故で、天才数学者の博士は記憶がたった80分しかもたない。何を喋っていいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。それが、他人と話すために博士が編み出した方法だった。相手を慈しみ、無償で尽くし、敬いの心を忘れず、常に数字のそばから離れようとはしなかった。その博士のもとで働くことになった家政婦の杏子と、幼い頃から母親と二人で生きてきた10歳の息子。博士は息子を、ルート(√)と呼んだ。博士が教えてくれた数式の美しさ、キラキラと輝く世界。母子は、純粋に数学を愛する博士に魅せられ、次第に、数式の中に秘められた、美しい言葉の意味を知る―。
プロレス人気が再燃する昨今。注目を集める、戦う乙女達ひとりひとりに焦点を当て、素顔に迫る!リングの上で飛び回り活躍する彼女達も普段は普通の女の子。プライベートの自画撮りや、ここでしか見られないセクシーイメージも!オリジナルソングに乗せて、めいっぱい「今を戦う」彼女達を激撮!
大型ショッピングセンターの進出で客足減少に苦しむ家族経営の和菓子店「とら屋」に、東京で暮らす次女 奈美江(吹石一恵)が帰ってきた。家族とはいえ、母 惠子(市毛良枝)と父、眞平(西田聖志郎)は既に離婚。おまけに長女、静江(吉田羊)は出戻りで、三女、栄(徳永えり)は目下不倫中とバラバラ。奈美江は奈美江で離婚調停中とワケありの身。この5人に東京から奈美江を追ってきた夫 徹(津田寛治)が加わり、和菓子店の再建のために背水の陣を敷く。そして、六月燈の夜に新作和菓子「かるキャン」で起死回生の大作戦に出るが、果たしてその結末は・・・。
「非情の山」として畏怖の念を持たれエベレストにも増して登頂が困難な、世界第二の高峰―。1954年、イタリアでは野心家のデジオ教授が密かに最強のアルピニスト・チームを集めていた。厳しいトレーニングで中には肉体的、精神的な限界にぶつかる者もいた。だが、皆前へ進みたい。登頂したいのだ。強靭な精神力と足腰を持つ青年ボナッティはその代表格だ。最終的には12人が選ばれる。男たちが地球を半周し命知らずの登攀を始めると、それぞれの個性がぶつかり合い、結束したチームに嫉妬と不信が見え隠れし始める・・・。果たしてK2初登頂は成功するのだろうか。
「何事もつつみ隠さず、タブーをつくらず、できるだけすべてのことを分かち合う。それが私たち家族の決まり」高度経済成長期に造られたニュータウンも今や「ダンチ」と呼ばれる集合住宅にすぎなくなっていた。京橋家の人々は“家族間では秘密をつくらない”という自分たちでつくったルールを守ることもできず、それぞれ誰にも言えない秘密を持っていた――。娘のマナは、学校をサボタージュし「ディズカバリーセンター」を呼ばれる巨大ショッピングセンターで時間を過ごし、時には見知らぬ男性とラブホテルに向かう。弟のコウもまた、学校に行っていないようだし、父・貴史は浮気に忙しく、長年の恋人・飯塚にストーカーまがいに付きまとわれたり、新しい恋人ミーナの若さに振り回されている。妻・絵里子もベランダのガーデニングに丹精を込めつつも、内心、母・さと子とのこれまでの関係に悩み、また、自分がかつてひきこもりの少女であった事実をトラウマとして抱え、生きている。ルールを言い出した彼女ですら、「わたしには、家族にたったひとつだけ秘密がある」――。ふとしたきっかけから、ミーナがコウの家庭教師として京橋家に乗り込んできた!“存在するはずのないお互いの秘密が暴露されはじめて・・・・・・・。
アルは親友のアッシュとともに中古車販売店を経営している敏腕セールスマン。陽気なアッシュの存在は、自分を捨てリッチな男と再婚した妻バーバラへの想いを断ち切れないアルの心の支えでもあった。アルの別れた息子フレディが高校を卒業した時に事件が起こる。フレディが、アルのもとでセールスマンとして一緒に働きたいと申し出たのだ。困惑しながらも喜ぶアル。大学進学を願うバーバラの猛反対を受けてもフレディの意志は固く、父と息子はひとつ屋根の下で暮らすこととなる。始めは客に全く相手にされなかったフレディだが、あの手この手で契約を成立させるアルとアッシュの姿を見習い、徐々にスキルをあげていく。瞬く間に営業成績をあげていくフレディだったが、アルは息子に対してある想いを抱くようになる。
三島有紀子監督『オヤジファイト』、榊英雄監督『父と息子』、長澤雅彦監督『この柔らかい世界』、橋本一監督『熱海少年探偵団』、青山真治監督『ヤキマ・カナットによろしく』の5編の作品は、人間ドラマ、サスペンス、アクションなど、それぞれの監督が独自の視点で、多種多様なストーリーを描いている。
世界遺産に登録されたモロッコ北部の町、テトゥアン。26歳のマリクは定職にも就かず、2人の悪友アラールとスフィアンと、悪事で手に入れた金で遊び暮らしていた。そんなある日、酒場のダンサーでドゥニアという女性と出会い恋に落ちる。だが、彼女は売春婦の仕事もしていて、彼女を人生の裏街道から救うには金が必要だった。彼女が働いている店に麻薬密売の容疑で警察の手が入り、ドゥニアが逮捕されたことを知ったマリクは、かねてより恨みを抱いていた義父を麻薬密売人として警察に売り、代わりにドゥニアを釈放してもらう。ところが、これをきっかけにマリクは担当のデバス警部から情報屋として働くように命じられる。
第二次世界大戦終了後、元東海軍司令官・岡田資中将は、名古屋空襲時における一般民衆への無差別爆撃を実行した米軍搭乗員処刑の罪に問われ、B級戦犯として裁判にかけられた。岡田中将の弁護人であるフェザーストンと相対するバーネット検察官、裁判長のラップ大佐をはじめ、裁判を行うのは戦勝国アメリカ。そんな中、岡田中将は、自己の信念を曲げることなく、すべての責任は指示を下した自分にあると主張。法廷闘争を法における戦い「法戦」と呼び、飽くまで戦い抜こうと立ち向かう。部下を守り全責任を負う覚悟を見せる岡田中将の潔い姿は、次第に、敵国の検事や裁判官をはじめ法廷内にいるすべての人を魅了し心動かしていく・・・・・・。
1970年代のアルゼンチンで、世間から身を隠すようにして海辺のボロ屋でひっそりと生きる1組の母子。けれども7歳の少女セシリアには、なぜ自分たちがそうした生活を送らなければならないのか、その理由がよく分からない。ある日彼女は、軍人が教室に参列した学校の作文の授業で、軍に入隊した親戚が死んだことを素直に書き綴った文章を先生に提出する。その晩、それを知った母親は、思わず血相を変えて家を飛び出し…。
台湾では、お祝いごとがあると屋外で宴が開かれ、そこで腕を振るう、総舗師(ツォンポーサイ)と呼ばれる宴席料理人がいる―その中でも、“神”と称された伝説の料理人を父に持つシャオワンは、料理を嫌い、モデルを夢見て家を飛び出していたが、夢破れ帰省。亡き父がレシピノートに残した“料理に込めた想い“に心を動かされたシャオワンは、宴席料理の返り咲きをかけ、全国宴席料理大会への出場を決意する。
とある町に佇む小さな“スナック小夜子”。今夜もその灯りを求めて、さまざまな常連客が集ってくる。そんな“スナック小夜子”オープンしたのは、ママの真奈美がシングルマザーとして娘・小夜子を育てるためだった。20年前、オカマのショーパブで舞台スタッフをしていた真奈美は、スター・ダンサーであるエンジェルと仕事仲間として友情を分かち合っていたが、エンジェルがタイへ出発する前夜、酔っぱらってしまったふたりは、いつのまにか男女の関係に……。生まれた娘・小夜子は、自分の父親のことは知ることもなく成長し、高校卒業とともに母を残して東京でひとり暮らしを始める。数年後、いくつかの恋に破れ実家にもどってきた小夜子は、“スナック小夜子”が借金だらけで閉店しなければならないことを知り、隣町で大人気のオカマバー“シャープ”をまねて、ホステスの亮子と“偽オカマバー”として再起をかける。その計画を真奈美に猛反対された小夜子は真奈美の昔の友人である、オカマのエンジェルに力を貸してほしいとお願いする。数日後、エンジェルはミラーボールとともに“スナック小夜子”にやってくる。エンジェルの厳しい指導のもと、小夜子と亮子は“偽オカマダンサー”として大変身。毎夜多くの客が足を運び、“偽オカマバー”作戦は大成功!しかし……、オカマに扮した本当は女性の小夜子と亮子の運命は? そして、オカマの父? エンジェル、スナックのママを続ける母真奈美、恋多き娘小夜子の不思議な家族の未来は?
米・ロス郊外に暮らすラクラン・マクアルドニックは、グリーンカードを持つスコットランド人。かつては人気UKバンド“CRANKS”のメンバーとしてスポットライトを浴びていた彼だが、現在は、昼は農場でオーガニック栽培した農作物を市場で売る農夫として、夜は往年のバンド曲を紹介する人気ポッドキャスト番組のDJとして、貧しくも穏やかな生活を営んでいた。ある夜、バーを出て家路に向かった彼は飲酒運転で連行される。取り調べが進む中、彼が昔犯したドラッグ歴が判明する。釈放金も弁護費用も払えないラクランは、遂には永住権の剥奪・祖国への強制送還の危機にまで追い込まれてしまう。米国に残るため、彼に残された選択肢はただひとつ。米国居住権保持者で、ラクランの身元を立証し代理人となってくれる近しい人物が必要だった。彼は、かつてのマネージャーや元妻、娘と再会するのだが・・・。
銭湯で転倒し頭を強打。記憶を失った羽振りのいい男。居合わせた売れない貧乏役者・桜井は、出来心からロッカーの鍵をすり替え、彼になりすます。が、その男はなんと誰も顔を見たことない伝説の殺し屋コンドウだった!桜井は男にきた大金の絡んだ危ない依頼を受けてしまい、大ピンチに。一方、記憶を失い、自分を桜井だと思い込んでいるコンドウは、真面目に努力して、役者として成功する事を目指し始めてしまう。そんなコンドウの姿に好感を覚えた婚活中の女性編集長・香苗は、なんと彼に逆プロポーズ!失われた記憶、大金の在りか、そして結婚の行方――複雑に絡み合った事態の行く末には、なんと、映画史上に残る爽快でトキメくラストが待っている!?
東京・銀座の地下にあるたった10席ほどの鮨店・すきやばし次郎の店主・小野二郎。彼の握る鮨は「ミシュランガイド東京」で5年連続、最高の三つ星の評価を受け、フランス料理最高シェフのジョエル・ロブションや、ヒュー・ジャックマン、ケイティー・ペリーといったハリウッドセレブなど、世界中の食通たちをうならせてきた。あのメトロポリタンオペラの総帥、ピーター・ゲルブ氏の息子でもあるデヴィッド・ゲルブ監督は、87歳の今でも現役で板場に立ち、現役で己の技を磨き続ける二郎の職人としての生き様に魅了され、その人生と哲学を題材に映画制作をすることを決意した。そして、約3ヵ月にわたり東京、静岡と密着取材を敢行した。ゲルブ監督のファインダーが映し出すのは日本人の私たちが忘れかけた、二郎の仕事に対する誠実な姿勢。親子であり師弟でもある二人の息子を通じて描かれる、偉大なる父への敬意、そして葛藤・・・。世界が認める名店を支える者たちのプライドと仕事にかける情熱を、温かくもモダンな映像とクラシック音楽の旋律とともに美しく浮かび上がらせてゆく。
不自由な安定主義のマニュ(ケフィ・アブリック)は、いつものように出勤するが、ここ最近、通勤途中で箸にも棒にも掛からない絵を並べている東洋人の女ソラ(長嶋美沙)をよく見る。興味本位で話かけてみるが生意気な態度なソラ。軽く対抗してみたマニュだが結局相手のペースにはまっていらない絵を買ってしまう。その日の夜の帰宅途中、マニュは毛布にくるまっているソラを発見してしまう。ソラは不安定な自由を掲げ放っといてほしいと言うがマニュは放っておく事ができない。
わんぱく少年花田一路はある日トラックと衝突する事故に逢い、それ以来幽霊が見える不思議な能力が身についた。さらに「自分が本当の父親だ」と名乗る幽霊まで現れた。花田家に隠された秘密とは・・・
2010年6月13日、日本から打ち上げられた小惑星探査機<はやぶさ>が、いくつもの絶体絶命のピンチを乗り越えて、地球に帰って来た。月以外の天体からサンプルを採取して持ち帰るという、NASAでさえ成し得なかったミッションを果たすために―。わずか1~2メートル四方の小さな<はやぶさ>の7年間・60億キロに及ぶ旅を支えたのは、ユニークな経歴を持つメンバーで構成されたプロジェクトチームだった。プレッシャーと次々と降りかかるトラブルに、心を一つにして立ち向かうチームのメンバーたち。不屈の魂を持つ彼らに心をわし掴みされた日本の映画人とハリウッドのスタジオが強力タッグを組み、プロジェクトチームの闘いの日々を追いかけた、感動のエンタテインメント!
26歳のペトリは、彼女にフラれたことをきっかけに、モノで溢れた自分の部屋には幸せがないと感じ、自分の持ちモノ全てをリセットする”実験”を決意する。ルールは4つ。「1:持ちモノ全てを倉庫に預ける。2:1日に1個だけ持って来る。3:1年間、続ける。4:1年間、何も買わない。」毎日、モノを1つ選ぶたびに、自分自身と向き合うペトリ。「人生で大切なものは何か?」、究極の”シンプルライフ”から見えてくる。
夏、蓼科の別荘に避暑にやってきた老女優、蓉子。彼女をその別荘で迎えるのは農婦の豊子。もう30年もの間続いてきた光景だ。言葉は乱暴だが、仕事はきっちりこなす豊子に蓉子は信頼を寄せている。そして、今年の夏も、いつも以上にいろいろなことが彼女たちを待っていた・・・。豊子の娘あけみは、実は蓉子の亡き夫の子だという告白から、互いの心の中が変化していく・・・。
夏休みが明けた頃、東京から新潟の山あいの高校に転校してきた宮沢真理(石橋杏奈)。都会で育った真理は、昔のままの木造校舎や雄大な自然の風景がとても新鮮で、安らぎを感じていた。ある日、見馴れない制服を着た美しい少女、岡部梨絵(竹富聖花)と出会う。神秘的な目でじっと真理を見つめる梨絵は、「帰ってきたの?」と言い、不意に口づけをする。呆然と立ち尽くす真理。気がつくと梨絵はその場から消えていた。それから真理と梨絵は不思議な交流を重ねていく。 やがて真理は、豊かな自然や友人、町の人々に囲まれて、傷ついた心を癒していくが・・・。
70歳の安吉は、妻に先立たれ、40歳になる嫁ぎ遅れの長女・徳子と暮らしている。長男、次女は家を捨てたも同然で別居しており、躁鬱病の徳子だけが父の世話をしている。徳子は自分が婚期を逃したのも病気になったのも父のせいと言ってはばからない・・・。
大正時代末期、広島の石内尋常高等小学校では、5年生の担任、市川先生(柄本明)が全力で生徒たちと向き合っていた。30年後、東京で売れない脚本家となっていた良人(豊川悦司)は、市川先生の定年祝いに出席。戦争をはさんで集まった同窓生それぞれの人生を目の当たりにした良人は、自身のふがいなさにがく然とする・・・。
1度見たらその個性的なキャラクターゆえに誰も忘れることのできない、戦後の日本映画界になくてはならない貴重なバイプレイヤーとして活躍した殿山泰司。自らを“三文役者”と称し、女と酒とミステリ小説を愛しつづけた彼のことを、みなは親しみを込めて“タイちゃん”と呼んだ。“タイちゃん”の半生は・・・。
22年間に起こった不幸な出来事によって父親を失った三姉妹。その出来事によって生まれた傷痕を心に抱えたまま成長した彼女たちは、現在それぞれの愛の問題に直面している。そんな彼女たちの母親は、ある秘密を抱えていた。
大学生の鉄男は、バイト先のスーパーに客としてやってくる美しい年上の女性さとるに想いを寄せていた。ある日、鉄男は店内で貧血を起こしたさとるを助ける。これをきっかけに2人は付き合うようになる。さとるは、病的なほど繊細で人前に出るのを極端に恐れる一方、積極的に鉄男の体を求めてくるなど大胆な一面も見せる複雑な女性だった。鉄男はある時、さとるの不安定な精神状態が、異常な家庭環境にあると気付き、さとるを自宅から連れ出そうとするのだったが・・・。
東京での結婚式を目前に控えたみゆき(田中美里)は、交通事故でケガをした婚約者の母親のため、震災の傷あとが残る能登へ向かう。都会と異なる田舎の生活、厳しい姑・松子(泉ピン子)の態度に戸惑うみゆきは、東京に帰ろうかと悩む。しかし、地震で被災しながらも懸命に生きる人々の姿に心を打たれた彼女は、あることを思いつき・・・。
橋本香織(伊藤歩)は東京の出版社から福岡のタウン誌に異動を命じられる。ある日、投稿はがきに「昭和30~40年代に、下関の映画館にいた幕間芸人を探して欲しい」というものがあった。香織は心惹かれ、その映画館<みなと劇場>を取材する。上映の幕間に物真似をみせる“幕間(まくあい)芸人”安川修平(藤井隆)が劇場にいたが、解雇後は音信不通となった。取材を進めていくうちに、自分と父親との関係を見直すこととなっていく。
中野区のアパートに一人暮らしをしている鈴木桂子は、数年前に亡くなった父親の遺骨を火葬場からこっそり盗みだし、自分の部屋に置いている。1日が24時間であり、確実に1日は終わり、明日がやって来ると改めて考えた桂子は、21歳最後の3週間を着実に生きようとするのだった。
オリンピック誘致の候補地として挙げられ、それに伴い撤去される方向で検討が進められていた大阪・通天閣。起死回生をねらい経営陣が倉庫から取り出したのはかつての人気者・ビリケン像。像と共に眠りから覚めた神様が東奔西走してもたらすご利益が評判となり、かつての勢いを取り戻した通天閣だったが、些細なことから肝心の神様は通天閣から追い出されて一転流浪の身に。超能力を失った神様は小学生・清太郎や心優しい学童保育の月乃先生と出会い、ビリケン像のもとに戻ろうとするが・・・。
お笑いコンビ「房総スイマーズ」。“交換日記”をしなければ、解散せずにすんだのかもしれない・・・。売れるために始めた“交換日記”のはずだった―。田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)が高校卒業後に目指したのは「お笑い」の世界。千葉県出身の元水泳部ということでコンビ名は“房総スイマーズ”。しかし現実は厳しく、結成12年、30才も目前、売れる気配は一向にない。そんな時に甲本から発案されたのは「交換日記」!交換日記は次第にお互いの本音に迫り、2人は再び夢に向かって走り出していく。そして全てを賭けお笑いコンテスト“笑軍”に挑むのだが・・・。
幕末の動乱期、京都に新撰組さえ恐れる若き薩摩の侍がいた。彼の名は中村半次郎。人並み外れた度胸の良さと剣の腕で西郷隆盛に重用され、志士たちからは慕われ、脱藩覚悟で公家の暗殺を目論んでいた薩摩の永山弥一郎や、敵対していたが理解のある長州の鮎川小次郎と肝胆相照らす仲となる。やがて幕府との間で戊辰戦争が起こり、半次郎は永山らと数々の武勲をたて明治新政府の陸軍少将まで上りつめるも元勲たちの腐敗ぶりに憤慨し、大久保利通との権力闘争で敗れた西郷と共に故郷・薩摩へと下野する。その頃、近代化を急ぐ新政府による不平士族の弾圧に薩摩の不満は頂点に達していた。半次郎は不利を承知で西郷を擁して反政府の旗を掲げる決意をし、五十年ぶりの雪が桜島を覆った日、一万三千の薩摩軍を率いて東上した・・・。
原発の臨界事故が起きた町に母と暮らす青年・祐一郎。開業医だった亡き父の跡を継ぐべく勉強しているが、常態化した倦怠感の中、ギャンブルやドラッグの世界にハマリこみ、極秘で行なわれている放射線科の臨床試験アルバイトを知る--。借金返済を目的に、危険な治験に挑む祐一郎。彼の情報が入ったドッグタグのようなUSBメモリを首から提げながら……。
工業都市・川崎。貨物列車で石灰石が運び込まれるように、棟方はこの町の小さな電子工場にたどり着く。工場を経営する大森、従業員の毛、牧師松村、その娘ゆかり。取り巻く人々と向き合うにつれて、善良そうな人間の底に潜む醜さ、平凡な人生に漂う限りない悲しみ、当たり前の日常を支える不条理が次々と浮き彫りになっていく。
アナタの心を満腹にしてくれる<とってもオリジナルな幸せ>世の中で唯一の名字“ペンギン”夫婦が生まれたとっておきの物語。フリーライターとして東京で働いていた歩美(小池栄子)は、中国で出会ったカメラマン(ワン・チュアンイー)と国際結婚。しかしその後、夫の会社が倒産し職を失ってしまう・・・。歩美は落ち込む夫を気晴らしに石垣島へ連れて行く。そこで出会った大自然、温かい心、そして美味しい食材にすっかり二人は魅了され、移住する事に!職のアテも無い二人は共通の趣味である”食”を活かし、石垣島の食材を使った全く新しいラー油を作ろうと思い立つ。苦労しながらも気持ちを込めて作ったラー油。しかし一つも売れない。それでも前向きな二人に新たなチャンスが舞い込んだ。国際結婚、離島への移住、帰化申請。これは食べるラー油誕生の裏に隠されたとってもあったかい絆の物語。
テヘランで暮らす妻シミンは、11歳になる娘テルメーの将来のことを考えて、夫ナデルとともにイランを出る準備をしていた。しかしナデルは、アルツハイマー病を抱えることとなった父を置き去りにはできないと国を出ることに反対。夫婦の意見は平行線をたどり、シミンが裁判所に離婚申請をするが、協議は物別れに終わる。シミンはしばらく家を出ることとなり、ナデルは父の世話のためにラジエーという女性を雇うことにした。しかし、ある日、ナデルが帰宅すると、父は意識不明でベッドから落ち床に伏せていた。ナデルは怒りをあらわにして、ラジエーを問い詰め、彼女を手荒く追い出してしまう。その夜、ナデルは、ラジエーが入院したとの知らせを受ける。しかも、彼女は流産したというのだった……。
江戸時代初頭。井伊直孝の大名屋敷に津雲半次郎という初老の浪人が現れ、切腹のため玄関先を貸して欲しいと言う。時は合戦もなくなった泰平の世、食い詰めた浪人たちが大名屋敷で切腹を申し出、金品や士官の口をせしめる狂言切腹が流行していたのだ。応対に出た井伊家家老の斎藤勘解由は、かつて井伊家に狂言切腹に訪れ「当家では狂言切腹は通用せん」と実際に腹を切らされた若い武士・千々岩求女の死に様を、津雲に話し始める…。
富山県高岡市。“スーパー智子ちゃん”こと斎藤智子は、あらゆる仕事をこなしながら子供たちを女手ひとつで育てあげてきた評判の肝っ玉母ちゃんだ。しかし娘の美咲は3年前に駆け落ちしたまま音信不通。やんちゃな息子・優介もまた智子について行けず、母親と“なーんつまらん、この町”から逃れるように上京を決意する…。ふるさとを飛び出していく息子を「人生で大事なのは、自分が生きた証を残すこと」という言葉で送り出す母親。ハチャメチャな元気と笑顔の裏側にあるまっすぐな想い。その切なさがやがて家族の絆をつなぎ合わせ、わたしたちの心にもつよく響く―。
青い空の下、グラウンドで無心に白球を追いかける若者たち。1943年、太平洋戦争が彼らから青春の日々を奪おうとしていた。「野球は敵国アメリカのスポーツだ」と六大学野球が廃止、さらに学生に対する徴兵の猶予が停止、彼らはバットを捨て、銃をとらねばならないのだ。しかし、早稲田大学野球部顧問の飛田穂洲は、出陣のその日まで学生たちと野球を続けると誓う。野手の戸田順治は、厳格な父から「この非常時に」となじられたが、志願した兄の「戦争は俺に任せて、お前は野球をやれ」という言葉を胸に練習に励む。「試合がしたい」選手たちの願いは、ただそれだけだった。ある日、慶應義塾塾長の小泉信三が、飛田に「早慶戦」を申し込む。二度と帰れないかもしれない若者たちに生きた証を残してやりたい―小泉の切なる願いを飛田も喜んで受けとめるが、早稲田大学総長は頑として拒絶する。飛田の強行突破で、遂に幕を開ける早慶戦。それは、別れであると同時に、明日への希望に満ちたゲームだった……。2008年制作。
昭和40年、エネルギー革命により閉鎖が迫る炭鉱のまち。そこでは北国をハワイに変えようという起死回生のプロジェクトが持ち上がっていた。目玉となるのはフラダンスショー。誰もが見たことがなかったフラダンスを炭鉱娘に教えるため、東京からダンサー平山まどかが教師としてやってきた。旬を過ぎ、しがらみを抱えるが故に、最初は嫌々ながら教えるまどかだったが、生きるためにひたむきに踊る少女たちの姿に、いつしか忘れてかけていた情熱を思い出してゆく。しかし肌を露に腰蓑をつけるなど恥とされた時代、世間の風当たりは冷たく、教える相手は全てのド素人。果たして常夏の楽園は誕生するのか?オープンの日は迎えられるのか?2006年制作。
たかしは、逆上がりのできない小学四年生である。クラスには5人の逆上がり落伍者がいる。先生は「これは、人生の勉強だ。助け合って、困難に打ち勝て」と励ますが、たかしは首をかしげる。その人生ってなんだ?たかしの父と母、それぞれの子供時代の想い出が、現在と重なり合う。父は女子高生とカラオケBOXにたてこもり、母はその篭城を撃破する。いとこの夏子はヘアヌードモデルになる。たかしから見渡す大人たちの人生。彼の疑問は迷宮に入り込む。どうして大人は子供みたいになるんだろう。どうして人はいなくなるんだろう。どうしてともこのことを考えると胸がドキドキするんだろう。どうして涙がこぼれるんだろう。