二本目にして最後の長編監督作。題名はランボーの同名の詩から採られている。ペサックで心優しい祖母と二人暮らしをしていた13歳の少年ダニエルが、やがて母が継父と住むナルボンヌに移住し、経済事情から学業を諦めて二輪車販売・修理店で見習いとなる物語には、ユスターシュの少年時代の記憶が多分に投影された。作家によれば、「自分の映画はどれも最初から社会ののけ者の中に身を置く」一方、本作だけは「ある子どもの、普通の生活から脱落者の境遇への移行」を描いている。主題の一つは、聖体拝領の日に初めて異性を意識した経験に始まる、ダニエルの性的な成長だ。半ば様式的な演出が施されたこの寡黙な映画は、繊細なカラー撮影と相まってユスターシュ作品中例外的な輝きを放ち続けている。
ユスターシュにとって最初の長編映画である本作は、四時間近い破格の上映時間を通じて、やはり作家の私的経験に基づいた物語を綴っていく。その物語とは、72年のパリを舞台に、五月革命の記憶を引きずる無職の若者アレクサンドルと彼の年上の恋人マリー、前者がカフェで知り合った性に奔放な20代の看護師ヴェロニカの奇妙な三角関係を描いたものだ。ユスターシュは、当時破局を迎えたばかりだったルブラン(ヴェロニカ役を演じている)をはじめ、自身と複数の女性との関係に基づいて脚本を執筆した。完成作はカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを獲得。男女の性的関係が台詞も含めて赤裸々に描かれた本作はスキャンダルをも巻き起こしたが、今や映画史上の傑作の一本として不動の地位を築いている。
『ママと娼婦』『ぼくの小さな恋人たち』と併せて、ユスターシュの自伝的三部作を形成する一本。ゴダール提供による『男性・女性』(66)の未使用フィルムを使って撮られた。主演も『男性・女性』のレオー。舞台となるのは、クリスマス・シーズンの仏南西部ナルボンヌ。貧しい青年ダニエルは、モテるためのダッフルコート欲しさにサンタクロースの扮装をして街角に立ち、写真撮影のモデルを務める仕事を引き受ける。やがて彼は、変装した方がナンパに好都合であることに気づくが……ヴォイスオーヴァーを活用して定職のない若者の冴えない日々を描きつつ、やがて彼の滑稽な日常が悲哀へと、期待が幻滅へと転調する語り口が絶妙。ナルボンヌ生まれの国民的歌手シャルル・トレネに捧げられている。
ユスターシュの妻ジャネット・ドゥロにふりかかった災難(ユスターシュと喧嘩して街へ出たドゥロに、二人組の無骨者がつきまとって彼女を困らせた)に基づいて構想された作品。当時ドゥロが秘書として働いていた、カイエ・デュ・シネマ誌のオフィスにある金庫から盗んだカネを使って撮られたとの伝説がある。主人公はタフガイ気取りで品位を欠く、自堕落な生活を送る若者二人組だ。彼らは街をぶらぶらするうちに知り合った女性を口説こうとするが、なびいてこないので腹いせに彼女の財布を盗む。ヌーヴェル・ヴァーグ映画的な街なかでのゲリラ撮影を活用しながらも、ここでのパリは生きづらい寒々しく退屈な街へと変貌しており、登場人物の「リアルな」描出ともども新世代作家の台頭を印象づける。
グレースは父マイクと母レベッカとともに都会から田舎の牧場に引っ越してきた。都会の生活と違い家族で過ごす時間が増えたことを喜ぶグレースだったが、幸せは長くは続かなかった。数年後、マイクは軍に招集され戦地で死亡してしまう。大好きな父親の死はグレースの心を深く傷つけ、以来彼女は神への信仰を失い教会へと行くことを止めてしまう。信仰の厚いレベッカから教会に行くように何度も説得されるが、逆にグレースの心は固く閉ざしてしまう。彼女の心を唯一慰めてくれるのは、マイクが亡くなる前に贈ってくれた1頭の白い馬フェイスだけだった。しかし、レベッカ1人で牧場の経営を続けるのは難しく、牧場を残すためフェイスを売る選択を迫られる。
アメリカ・ネバダ州。ある日、謎の巨大植物が強烈なスピードで繁殖する異常事態が発生。その正体はエデンの園に生えていたとされる古代植物で、あらゆる不純物を浄化し、人類に終末をもたらす滅びの種ということが判明する。軍の攻撃も空しく、瞬く間に巨大植物に覆われてゆく大地の数々。植物博士ジョスリンは、研究を共にしていたかつての同僚、フレーム博士が“エデンの園の種”を蘇らせたと知り、研究所へ向かうのだが…。
新人女優のローラは、収入を当てにする母親への反抗心から、セックスシーンが描かれる実験的な官能演劇への出演を決める。だが、初心で舞台経験の浅いローラの演技は、演出家ハリーの求める官能表現に遠く及ばなかった。稽古場で何度も叱責され落ち込むローラ。彼女を優しく慰めるのは相手役のジェームスだった。かつて子役として一世を風靡したものの、落ち目となった今、この舞台は彼にとって再起をかける重要な場だった。ジェームスの励ましで自信を取り戻すローラだったが、舞台は注目されないまま初日を迎える。そんな2日目の公演のさ中、ローラとジェームスが愛を交わすクライマックスシーンで、ジェームスは、誰も予想だにしなかった恐ろしい行動に出るのだった…。
東京でOLとして働いていたヒカリのもとに、故郷の京都から父の訃報が届く。幼い頃に母を亡くし、仕事に明け暮れていた父とはぎこちない関係のまま育ったヒカリだったが、葬儀のために故郷へ戻る。そこでヒカリは、父が年老いた農家の人々に頼られ、広大な田んぼの耕作を引き受けていたことを知る。ヒカリは父が残した田んぼを引き継ぐことを決意し、様々な人に助けられながら米作りに奮闘。その仕事を通して、亡き父の思いを少しずつ理解していく……。
いとこの代わりに裕福な家庭で家政婦として働き始めたリンダ。美しく独特な魅力を持ち、自由に振る舞うリンダを姉のように慕う娘、性の対象としか見ない夫、年上の女性に手ほどきを受けたい息子、そして、家政婦以上の関係を求める妻。リンダは次第に、幸せそうな家族一人ひとりのさまざまな欲望を呼び覚まし始める。
雪深い孤島で開かれる謎めいたカップル合宿プログラム。参加した4組の若いカップルは、非日常の中で互いの関係を深められると期待に胸を膨らませていた。考古学者のステイシーは、恋人マイケルとの関係修復の為、このプログラムに参加していた。大切な記念日に仕事を入れて以来、二人の関係はギクシャクしていた。美しくナルシストのケイトは、恋人のニックの独占欲に悩んでいた。知的なオリビアは浮気をした恋人アンディを信頼出来ずにいた。参加者はそれぞれの悩みを抱えたまま、タマルと名乗る姿の見えない主催者の指示のもと、互いの心情を吐露してゆく。そんなさなか、ステイシーとケイトは恋人以外の男性参加者と性行為をする幻覚に襲われ動揺するのだが―。
ジャンニは有名シューズブランドの社長で独身生活を謳歌していた。ある日モテたくて成り行き上、足が不自由だと偽るが、車いすユーザーで情熱的なキアラと出会い、強烈に心惹かれる。だが彼女と親しくなるにつれ嘘を重ねるハメに…。
ノルウェーの人里離れた渓谷「オルデダーレン」。厳しくも美しい自然に囲まれた場所に、年老いた父母が生きている。成長し、作家となった娘が二人の姿をカメラに留めようとすると、84歳となった父親はこの国で最も美しい渓谷と呼ばれる場所を案内しながら、彼の人生と最愛の妻、そして何世代も自然と共に生きてきた人々の暮らしについて静かに語りはじめるのだった。
規則違反が見つかり、病院を解雇された看護師のオードリーは、麻酔医スタンに、難病の妻デミの介護士として雇われる。献身的にデミに寄り添う優しいスタンの姿に、次第に惹かれてゆくオードリー。スタンもまた、若く美しいオードリーに惹かれていく。互いの欲望を抑えきれなくなったある日、二人は秘密裏に激しく身体を求め合う。それ以来、デミに隠れて何度も肉体を重ねる二人。次第にデミの存在が疎ましくなり―。
老舗の銭湯で働く藤綱一果と月島有朱。藤綱一果は、高校時代の友人 神木流星と高校振りに奇跡の再会を果たす....。30代目前の男女の恋愛模様を繊細に描いたラブストーリー。
モデルになるため日本に来たフィリピン人のエミリアは、フォトグラファーの未来(ミキ)と出会う。異国のふたりは互いにないものに惹かれ、求め合う。未来はその瞬間を逃さないように写真を撮り続ける。しかしそれはどこか脆く儚く、季節が流れるように突然の別れが訪れる。そして物語は海を越えフィリピンへ―
匂いに敏感なひのき(17)は、亡くなった父が残した全国のミニシアターで観た映画の感想が書かれたノートを見つける。ある映画館だけ場所がわからず、匂いのメモや、感想だけが書かれていた。コーヒー豆の焙煎店を営んでいた父が残したコーヒー豆を配りながら、父の巡った映画館へと旅にでるひのき。薄れていく父の匂いと、場所のわからない映画館を探しながら、ひのきは少し、大人になっていく。
高校3年生、みんなが進路について焦るなか、上京して演劇の世界に行くことを夢見るサト(片田陽依)は今日も認知症の祖母のシズ(福井裕子)の介護のため、演劇部の練習中に早退する。サトとシズと父の3人暮らし。大変ながらも仲良く暮らしているのだが、最近「旅行」と言って一人でやたらとどこかにシズが行きたがる。危ないと止めるサト、そしてシズがハワイ旅行に行くことが長年の夢だったとわかる。そんな中で、次第にシズの体の状態が悪くなっていくことを告げられたサトは、家族の最後の思い出になるかもしれないと、逗子での『擬似ハワイ旅行』を企画する。
幼い頃、母親・早希の勧めでバレエと出会った美夏。生まれながらのスタイルとバレエの才能に恵まれ、コンクールにも上位入賞し、将来を期待されていた。しかし、怪我に荷まれ道半ばにしてバレエの道を諦めてしまう。全てを早希のせいにして、逃げるように家を出る美夏。女手一つで美夏を育ててきた早希は深く絶望する。自分がなりたかったバレリーナの夢を娘に託し過ぎたのかもしれない…。美夏の気持ちを知るために早希は近くのバレエ教室に通い始める。教室には様々な年代の女性達がバレエを楽しんでいて、早希もバレエを習ううち、少しずつ娘の気持ちがわかってくる。そんな中、教室で発表会が催される事になる。演目はくるみ割り人形の「花のワルツ」。それぞれの思いが交錯し、母娘の「花のワルツ」のステージの幕が今、開く一。
モレは優しい夫サンインと幸せな結婚生活を送っていたが、ある日美術館で偶然出会った青年と過ちを犯してしまう。モレがすぐにサンインに打ち明けると、サンインはショックを受けながらも彼女を受け入れる。ところが、フレンチ・レストラン開業の為に夫婦が住み込みで雇った天才シェフ、ドゥレこそが例の青年だった。モレは動揺しつつも、3人の奇妙な同棲生活が始まる。
地球では世界全体の放射線量が急上昇し、約50年が経過。その原因とされる核兵器施設がある政府の立ち入り禁止区域に、一組の男女が入り込んだ。だが、間もなくして彼らはそこに現れた翼のある生物によって絶命する。その後、怪生物の目撃情報がなされるようになり、軍はこれを最後に引退するリーダーのネス軍曹と、前回の任務の失敗で負傷したレクシー、他人を信じないリビーを禁区へ派遣。彼らはスチュアート教授と地元の登山家ニコールと合流、そこで生物を極秘に捕獲することが真の任務であることを知らされる。早速ネスは単独で禁区に入り、生物の卵を発見するも放射能で失神、救出に向かったリビーが卵も一緒に持ち帰る。これで任務は完了かと思われたが…。
恋愛の関係性コーチングのブログが人気を博し、5つのSNSで12万人のフォロワーを持つ心理学博士のサム。彼女はオペラティック社にポッドキャストの新番組として、関係性に悩んでいるカップルから話を聞いた上で“楽しい挑戦”をしてもらい、新たな発見を促すことで関係が改善するか別れるかを追う企画を売り込む。ボスのマリーから、試作がうまくいけば秋番組の発表会で紹介すると約束され、サムはプロデューサーのジョシュと組むことに。最初は噛み合わない2人だったが、さまざまなカップルに取材していくなか、お互いの仕事を認め合っていく。しかし、忙しく働くサムは、同棲しようとしていた恋人ブレッドとの関係も変化していくことになり…。
ゴールドバーグはイスラエルのテルアビブに暮らす平凡なコンピュータープログラマー。唯一の友は、雌犬のオードリーだけ。友達のいない彼はいつもオンラインでガールフレンドを探すことに躍起になっていた。そんなある日、公園にいたゴールドバーグに突然、見知らぬ男が声をかけてくる。ずんぐりむっくりした男はアイゼンバーグと名乗るが、ゴールドバーグが迷惑そうな顔をしているのにも構わずに絡んでくる。そして、ゴールドバーグが住むマンションにまで乗り込み、勝手に“住む”とまで言い始める。さらには公園でデートをしている最中にも現れ、相手の女性に失礼な暴言を吐くなど、次第にゴールドバーグはアイゼンバーグによって日常が乱されていく。
イラストレーターのジェニーは、35歳で結婚するという有名占い師の予言を信じていた。ある日、3ヵ月後の35歳の誕生日に歴史的な修道院の予約が空いたとの連絡が入る。そこは亡き祖父母が結婚式を挙げた場所。結婚式には祖父母が関わっているとの予言もあった。彼氏もいないのに式場を予約したジェニーは婚活に励むなか、友人クララの紹介で、児童書作家タイラーの著書のイラストを手掛けることに。最初はギクシャクした2人だったが、修道院の予約にタイラーを偽彼氏として同行してもらったことから次第に名コンビぶりを見せ、いい新刊本を完成させる。その後、ジェニーは婚活パーティーですれ違ったイケメン実業家のブレイクと再会、仕事どころではなくなってしまい…。
5年前、カムリンは友人たちと7人で訪れたキャンプ場で異形の仮面を被った殺人鬼“ハンター”に襲われる。生贄の儀式のため友人6人が殺害されるが、ハンターに反撃したカムリンだけが生き残り保護される。治療を施された彼女は世間の興味を避けるように姿を隠し、ひっそりとクリーニング店に勤めだすが、事件のPTSDによって悪夢にうなされ、怯えて暮らす日々を送っていた。ある日、シャツの汚れを落とすため1人で残業をしていたカムリン。その際、背後に響く物音を聞き恐々と確認に向かうが、それはクリーニングに使用するハンガーの束が落ちた音だった。しかしその直後、安堵するカムリンの背後から異形の仮面を被ったハンターが襲い掛かる。
母親と母親の恋人の家で暮らしていたシャラ。しかし、シャラは同居させてやっていることを楯に、カラダの関係を迫る母親の恋人のことを嫌悪していた。母親に言えないストレスを抱えたシャラは、自身の体を傷つけることで心を慰めていく。ある日、恋人から暴力を受けたことで我慢の限界を超えた母親に連れられ、家を飛び出したシャラ。母親が体を売りながら各地を転々とする生活を続ける2人はやがてロサンゼルスに辿りつき、母親がリハビリ施設で一緒だった男キャップの家に間借りする生活が始まる。キャップの息子ジェイミーとの触れ合いで落ち着きを取り戻したシャラだったが、生活費を稼ぐためと母親から言われるままカラダを売り始める。
新人保安官補のロリンズは、露出癖で収監されている囚人ジェリーと2人っきりで退屈な刑務所の夜を過ごしていた。するとそこに、ヘンダーソン郡のアダムス保安官補がやってきた。彼女はここから5時間かかるハンティントンまで殺人罪で捕まえた男ラッセルを護送していたが、ひどい土砂降りで道が冠水してしまい、ロリンズがいる刑務所に避難してきたという。緊急事態ということで滞在を許したロリンズだったが、突然ブレーカーが落ち刑務所内の電源が消失してしまう。その後、停電によって電子錠が解放されたことで牢屋からラッセルが脱獄。アダムスと共に刑務所内を捜索するロリンズは、逃走したラッセルに襲われ逆に拘束されてしまう。
モルガナ国のカミール王女は外交のため、アメリカ周遊で慈善イベントなどに参加。クリスマスが迫る中、帰国前にパイン州立大学を訪問する。実は財政難で廃校の危機にあるモルガナ大学を存続させるには、交流留学を実現させて大学の成長が継続できるとアピール、ある財団から投資と大学への寄付を後押ししてもらう必要があった。モルガナ大は1588年のクリスマスに創立した言語学と外交学が有名な学校で、カミールは自国と家族の財産と考えていた。しかし財政難は深刻で、父のルシアン国王から廃校決定は1週間後だと告げられる。カミールは廃校を止めようと奮闘する中、彼女の見守り役となったパイン州立大の学長アンジェラの弟で教授のベンに惹かれていく。
2022年のロサンゼルス。女子大生のカティアは、ナンパされたチャラ男の血を飲みたいと欲した自身に恐怖して、ドン一味を潜入捜査していた刑事ルナに連絡、彼女のサプライヤー、イングリッドを紹介された。ルナの正体はヴァンパイアで、職務中に巻き添えで死なせてしまったカティアを助けるべく彼女の血を吸い、ヴァンパイアとして“転換”させていたのだ。ただし2人とも生きた人の血を飲む“肉食”は望まず、サプライヤーから供給される特別な血によって生きる転換者として生活していた。間もなくして、謎のヴァンパイアに恋人を殺された転換者アドリアナもイングリッドのもとを訪れる。またドンをルナに殺された一味も報復のため、ヴァンパイアと手を結んでいた。
ロンドンで暮らすミナ・ハーカーは、夫で弁護士のジョナサンがトランシルバニアに出張してから便りがないことを心配していた。そんな時、夫の勤務先の男性が、会社宛の書類が入った小包の中に、「ドラキュラ城に幽閉された」とジョナサンが書いたミナ宛の手紙があったと訪ねてくる。“海外出張は自己責任”との雇用契約を結んでいる会社側は援助できないとのことから、ミナは単身、鉄道や船を乗り継ぎ、ドラキュラ城へ向かうことに。その際、3年前からドラキュラ伯爵を追いかけて世界各国を巡っているというヴァン・ヘルシング教授と出会う。ミナは、伯爵の正体は吸血鬼だと明かす教授と組み、城に乗り込んで戦うための準備を始めるのだが…。
ある日、地上から湖に落ちてきた裸の男は、かつて子どもの頃に住んでいた湖畔の家に向かう。口から鍵を吐き出した彼は家に入り、昔の80年代風ファッションに身を包み町へ。ソープと名乗る彼は宇宙人で、25年以上前に突然地球を離れたことから、別れを告げられなかった親友サムを探しに戻ってきたのだった。サムの行方を探す中、パンケーキ店やボウリング場の店主たち、湖で友達になった少女オリビアなどと知り合い、とある家の犬を連れて帰り飼い始める。偶然、迷惑な生配信ドローンを叩き落し、海水浴客を救ったと有名人になった彼は、「お帰り ソープ」「秘密を知ってる」「あなたは死ぬ」との謎の置手紙をもらう。さらには家賃収入のため、同居人もやってきて…。
45歳の恋愛依存症のアリスは、既婚者のマイケルとの先の見えない関係に終止符を打とうと、グループカウンセリングに通っていた。連絡を疎遠にして何度もマイケルから離れようとするが、なかなか想いを断ち切れず、ズルズルと付き合ってしまうそんなある日、アリスが部屋に帰ると浴室から物音が聞こえてくる。恐る恐る覗くと、そこには顔にひどい火傷の痕がある見知らぬ女性が立っていた。シェリーと名乗る彼女は、アリスが依頼した浴室の修理に来た掃除婦だった。アリスは個人的に自分の部屋兼仕事場の掃除をシェリーに依頼。その後、週2回アリスの部屋に通うことになる。部屋の掃除から解消され自宅でくつろぐアリスだったが、そんな彼女をシェリーはじっと見つめていて…。
ある日、無職で金欠を嘆く作家志望のギャビーの家に、世界的大スターのジャスティスが現れる。ギャビーの母親と友人だったという彼女は、娘ウィローのナニーを依頼してきた。人気セレブの申し出に尻込みするギャビーだったが、断るという選択肢を潰され、戸惑いながらも依頼を引き受ける。そして早々に、イベントのためジャスティスの自宅に連れ出されたギャビーは、彼女の護衛ダミアンから携帯電話の提出と秘密保持契約へのサインを求められる。平穏な生活から突如、懸け離れた芸能人の生活へ。ギャビーは外から見聞きしたことではわからなかった、セレブ階級のウソと真実に巻き込まれていく。
ある日、宝石店に強盗に入ったサミー。その帰りに乗ったバスで隣り合わせたシングルマザーのケイティに惹かれ、その日のうちに彼女が勤めるイタリアン・レストランまで足を運び、熱烈なアプローチをする。そんな情熱的なサミーにケイティも引かれて2人は恋仲に。だがサミーは、ギャングの父のもとに生まれ、昔、多額の借金をしたことからボスの言うがまま犯罪に手を染めてきた過去だけは、ケイティには明かせずにいた。やがて2人は結婚するが、ケイティの2人の連れ子のうち、レイチェルだけはいつになってもサミーに反発していた。しかしある日、ケイティが突然の事故で死亡してしまう。母を失った2人の娘にサミーは向き合うことになっていくのだが…。
年老いた父ジェラードと農場を営む息子のドナン。年頃となった彼は性に興味を持つものの、厳しいしつけを強いる父親の目を盗んでは農場の片隅で、一人慰めることで欲求を発散するしかなかった。しかし、父親が急死したことでドナンの鬱屈した日々は終わりを告げる。葬儀が終わり一息ついたドナンは逸る心を抑えきれず、アダルトサイトからコートニーという娼婦にメッセージを送信。地元にコートニーを呼び出したドナンは、女性に慣れていないことを彼女に見抜かれ、流されるままに一夜を過ごす。新しい生活を始めたドナンだったが、コートニーとの情事が頭の中を支配していく。我慢できなくなったドナンはコートニーに電話をかけるが…。
アメリカの田舎町である日、ロシア製の人工衛星が墜落した。その瞬間を目撃し残骸を拾いに行ったジェイクとイーサン兄弟は、カネに困っていたこともあり、スクラップ業者のアールに800ドルでその残骸を売りつけた。アールは変わった趣味を持っており、町の100周年祝いで披露するという、クズ鉄を溶接して作り上げた体長5メートルのオブジェ“ゴーレム”を制作していた。しかしほどなくして、アールが目を離した隙にゴーレムが突然動き出し、町の人々を襲い始めてしまう。
舞台はスイスの山中に建つ古いホテル。ここの持ち主だった祖父母に育てられたヴァランタンが、ホテルが取り壊されると聞いて記憶をたよりにやってくる。今は無人と化したホテルの中を歩きながら、彼は少年時代の懐かしい記憶の数々を思う。あこがれの“世界一の美女”や女性歌手とピアノ弾き、魔術師、思い出話がいつも面白かった祖母。少年ヴァランタンにとって大人たちの世界は素晴らしく魅力的なものだった。過去と現在が交錯するホテルで、シュミットがつむぎ出す夢幻的な舞台がいま始まる。
17世紀のスイス、グリソン州独立の最大の英雄であるイェナチュは、宿敵ポンペウスを殺し、権力を手中に入れた。しかし、数年後には“謎の人物”によってイェナチュもまた殺された──。現代の記者、クリストフはイェナチュの墓の発掘を指揮した人類学者トブラーとのインタビューの仕事を引き受けた。トブラーは一風変わった人物で、イェナチュに取り憑かれている。やがて、ポンペウスの暗殺のあった城に、末裔の老嬢プランタを訪ねた帰路、クリストフは不思議なことにイェナチュに出会う。既視体験(ルビ:デ ジャ ヴュ)に悩まされるクリストフは謎を究明するべくもう一度城に向かうも、何とそこでポンペウス暗殺の現場を目撃。そして、ポンペウスの美しい娘ルクレツィアの姿を発見し…。
世界中が未曽有の危機にさらされているなか、メイは娘のスーと息子のティミーを連れて祖母の住む田舎へ赴こうとしていた。しかし、まもなくして一行の前に怪物が出現する。今や地球は突如として現れた古代の恐竜や爬虫類などのモンスターによって、大パニックのさなかにあった。周囲のさまざまな犠牲を目の当たりにしつつ、スーたちは何とか森の中の屋敷に逃げ込むことができた。そこはマークと母親リンの家で、他にも数名の者たちが逃れてきていた。常に窓から離れ、絶対にドアを開けないようにしておけば、ここは安全だという。しかし、今回の逃避行に父が同行していないことで、母に対して反抗的になっていたスーが、父を探そうと外に出て行ってしまう。
出版エージェントの会社でアシスタントをしているジェンは、人気詩人のジェームズ・マクダフに憧れながら自身も詩人を目指していた。そんな彼女が担当する作家リズ・ハーヴィがスコットランドで行われる授賞式に出席することに。だが、リズが急病になったため、ジェンが代理で向かうことになる。リズが顔出しNGの作家だったことから、空港の係員の早とちりでジェンはリズと間違われてしまい、授賞式のプレゼンターとして出席するためにスコットランドに向かっていたジェームズも、ジェンをリズと勘違い。最悪な出会いとなったが、ひょんなことからジェームズの屋敷に宿泊することになったジェンは、スコットランドの美しい自然とジェームズの人柄に惹かれていく。
ある日突然、かや乃が逮捕される。恋人の光太郎は状況が飲み込めない。呆然とした日々を過ごしていると、かや乃の父・慎一から呼び出される。「かや乃が勾留されてる海の向こうまで一緒に連れて行ってくれないか?」と慎一の頼みを引き受けた光太郎。だが慎一は、自称パニック障害の持ち主で電車はおろか、高速道路でさえ移動ができない。初対面の恋人の父とギクシャクした心の距離を感じながらも、愛する人が囚われている地・四国へ向けて、海を渡る旅を決行する光太郎。だが旅の途中――慎一がこの世にいないことになっている人物であると発覚する。社会を脱落した者たちが再び自分の道にチャレンジする姿を描いた切なくも滑稽なヒーリングドラマ。
ヴィクトリアは刑事事件専門の30代のバツイチ弁護士で、二人の娘の子育てに奮闘しているシングルマザー。家の中は猥雑で、ベビーシッターが居着かない。彼女は洞察力があり皮肉屋だが現在、感情的に崩壊寸前の状態。精神分析のセラピーを受けたり、占い師に運勢を見てもらっている。ある日友人の結婚式で、ヴィクトリアは古い友人のヴァンサンと以前担当した薬物事件の依頼人サムに出会う。その翌日、ヴァンサンが恋人の殺害未遂容疑で逮捕される。無実を証明できるのは被害者の飼い犬ただ一匹。ヴァンサンに頼まれて仕方なく弁護を引き受けたヴィクトリアだったが、その一方で、元夫のSNS上での迷惑行為に対応したり、なぜかサムを住込みのベビーシッター兼助手として雇うことになったり、彼女の人生に数々の波乱が巻き起こる…!
とあるアイドル事務所に一人の新人が入ってくる。同時に事務所では奇怪な出来事が多発して・・・
1971年。農家の娘デルフィーヌは、家族の束縛から離れ、経済的にも自立するためにパリに移り住む。ある日、偶然乗り合わせたバスで、女性解放運動家のキャロルと出会い、ふたりは情熱的な恋に落ちる。しかし、デルフィーヌの父親が脳卒中で倒れ、デルフィーヌは実家に戻って母親の農場を手伝うことになり、キャロルはデルフィーヌを追って農場で一緒に暮らすことを決めるが・・・
1970年、スイス・ヴァレー州の小さな村、モンシュ。ワイン醸造家のアロイスは地元のブラスバンドの指揮者で、村で開かれる音楽祭のオーディション通過を目指して日々練習に励んでいる。しかしアロイスの指導力を疑問視する楽団のメンバーが、村の出身でプロの音楽家として活躍するピエールをこっそりパリから呼び寄せてしまい、楽団内に亀裂が生じることに。伝統を重んじるアロイスと違い、才能ある女性や移民を次々と楽団のメンバーに加えるピエール。それぞれを指揮者に立てた2つの楽団が出来上がり、楽団の対立は村全体を巻き込んだ大騒動へと発展していく。さらにアロイスとピエールはかつて、アロイスの妻マリー=テレーズをめぐった恋敵であったこともあり、事態はより複雑に……。互いの楽団への嫌がらせがエスカレートする中、果たしてどちらの楽団がオーディションを通過するのか?
バスケットボール選手出身で公益勤務中のカン・ヤンヒョンは突然、かつては全国優勝したこともあるが部員が減少し廃部の危機に瀕した母校の釜山中央高校バスケットボール部の新任コーチに抜擢される。指導者としての経験はなかったが、部の再建のために部員を集め始めるヤンヒョン。そして、寄せ集め部員を引き連れ初試合に挑むことになるが、対戦相手はなんと高校バスケットボール界の最強校だった。チームワークは崩れ、結果は惨敗。学校側はバスケットボール部解体まで議論しはじめ、部員もバラバラになってしまうのだが...。
1999年、韓国大学機械工学科に通うヨンは、皆既月食の夜、無線機を通じてある女子学生ムニと交信を始める。しかも同じ大学に通う学生という偶然に驚きつつ、翌日大学構内で会う約束をするが、約束の時間を過ぎてもムニは来なかった。一方、どしゃぶりの雨の中で待ち続けるムニの前にもヨンは現れない。その夜、互いに相手のすっぽかしを責めるヨンとムニ。話が噛み合わないまま、それから何度か交信するうち、2人は自分たちが違う時代を生きていると気づく…。不思議な状況に半信半疑ながらも2人の会話は弾み、ムニはヨンにとってかけがえのない存在となっていくのだが…。
前社長・大島の下請け料の横領により、今まで支払われていなかったお金が全額支払われたことで、一ツ橋土木とヤマト建設は和解する。地熱発電所建設に向けて勢いづきながら工事を開始したが、町民が連日工事現場に押しかけ、工事に反対するように。しかし、温泉組合が地熱発電所建設に反対している理由の裏に、鷹司・三田が糸を引いていることが発覚。それを知った金太郎は、三田と喧嘩をするため、退職願いを出し、1人で三田の家に出向く。
『さつまおごじょ』特攻隊員たちに愛を注いだ「特攻の母」鳥濱トメとその娘、孫の3世代にわたる実話をもとにした感動の物語。『アラームベル』閉鎖された空間で集う男女。打ち鳴らされる「警鐘」決して他人事ではない、迫りくる恐怖とは…。『嘘だろ』高額当選の宝くじを巡り、仲間同士の間で突如起こった惨劇。炙り出される愛憎と裏切り…。最後に笑うのは誰だ?
便器から手が!?ある日、酔っ払って帰宅した’ボンス’がトイレに入ると、トイレの便器から人間の手が突き出ていた。ボンスと妻の“ジュヒ”、助けに駆け付けた救急隊員たちはその正体を探ろうとするが...。彼らは狂暴なその“手”の襲撃から逃れられるのか。
その日、アメリカ西海岸には史上最大規模、カテゴリー5の巨大ハリケーンが迫っていた。住民たちが避難する中、財務省の紙幣処理施設を武装集団が襲撃する。それは大災害の混乱に乗じて、6億ドルにも及ぶ現金を強奪しようという前代未聞の犯罪計画だった。施設のセキュリティを担当するケーシー(マギー・グレイス)は、最強の災害用特殊車両“ドミネーター”を操る気象学者のウィル(トビー・ケベル)とともに、悪党どもの計画を阻止すべく、猛烈な嵐と銃弾の中、決死の行動に打って出る。
十日後に結婚式を控えた直子は、故郷の秋田に帰省した昔の恋人・賢治と久しぶりの再会を果たす。新しい生活のため片づけていた荷物の中から直子が取り出した1冊のアルバム。そこには一糸纏わぬふたりの姿が、モノクロームの写真に映し出されていた。蘇ってくるのは、ただ欲望のままに生きていた青春の日々。「今夜だけ、あの頃に戻ってみない?」直子の婚約者が戻るまでの五日間。身体に刻まれた快楽の記憶と葛藤の果てに、ふたりが辿り着いた先は―。
雑文筆家のトン子こと餅月敦子は、古びた日本家屋の古書店「モチの家」の女主人。料理をこよなく愛する彼女の家には、恋や人生に迷える女たちが夜な夜な集まってくる。トン子を担当する編集者で男を寄せつけないドドこと小麦田圭子、ドドの飲み仲間であるドラマ制作会社の白子多実子、求められると断れない古着屋店員の本津あかり、いけない魅力を振りまくごはんやの女将・鴨舌美冬ら、年齢も職業も価値観もバラバラな彼女たちを、おいしい料理を作って迎え入れるトン子だったが…。女の本音満載の、やさしく、おいしい宴が始まる。
パリの高級ホテルの支配人であるフェリックスは、パンデミック期間中に秘密のビジネスを始めることを決意する。それは特別な顧客の為にホテルの一室に若く綺麗なエスコートを送り込むことだった。時には顧客の話し相手になったり、時には一緒にお風呂に入り、そして時には存分にセックスを楽しんだり、その一室では美しいモデルたちによる最高級のおもてなしが行われる。やがて様々な事情や欲望を持った顧客とモデル達に複雑な関係性が生まれていき・・・
幼い頃に事故で両親を亡くしたカリスマ。父親の親友ビセンシオに養女として引き取られて以来、彼女は足の悪いビセンシオの介護をしながら田舎町で暮らしていた。ある雨の日、カリスマが屋外で入浴していたところを、近所に住む若くワイルドなエドマールに覗き見される。カリスマはエドマールに強く惹かれ、そのまま彼と肉体関係に。それ以来、ビセンシオの目を盗んで激しい逢瀬を重ねる二人。ミステリアスで美しいカリスマの魅力に、エドマールはますますのめり込んでいくのだが、カリスマには誰にも言えない過去の秘密を抱えていた―。
莉犬、るぅと、ころん、さとみ、ジェル、ななもり。が苺ヶ丘学園の生徒としてともに過ごしたひと夏。出会ったばかりの頃はバラバラだった彼らは、ある目的のために一致団結していく。まだ誰も知らない。これは、すとぷりのはじまりの物語───
アーロンは自宅でデビッドと待ち合わせており、出かける準備をしている。デビッドは隣人の女性から一緒に外出でもと誘われるが、これから週末にかけて釣りに出かけると言って断る。トロイは一人暮らしで、いつも同じ時間に近所の店で酒を買って帰宅するが、この日は帰宅すると覆面姿の二人の男(アーロンとデビッド)が待ち受けていた。クスリを注射され車のトランクに入れられ、どこかへ連れて行かれる。給油に寄ったガソリンスタンドで注射の効果が切れてしまい、トロイが車のトランクの中で暴れる。慌ててガソリンスタンドを後にしようとした時、近くにいたトラックの運転手が行く手を阻む。