四肢麻痺の父・保(間瀬英正)と2人で暮らす爽子(古澤メイ)は、介護と生活費の負担を抱えながら何度も生活保護を申請するものの、水際作戦によって門前払いが続いている。十分な福祉サービスも受けられず、将来への不安とささやかな夢を抱えながら日々をなんとかやり過ごしていた。そんなある日、頼りにしていたベテラン介護士が担当を外れ、代わりに新人の訪問介護士・桐谷さと(小川黎)が派遣される。場面緘黙の気質を持つ彼女との距離感に戸惑いながらも、爽子は生活の再建を目指す。しかし、ケースワーカーの遠藤(梅田誠弘)とさとの来訪をきっかけに、ある事件が連鎖して起こり、爽子の心が決壊していく―。
悪名高い賞金稼ぎのリリスは、銀河系で最も混沌とした惑星にして自らの故郷“パンドラ”に戻ってくる。彼女の使命は、アトラスの行方不明の娘を見つけることだ。リリスは、傭兵ローランド、放浪の解体者タイニー・ティナ、ティナの守護者クリーグ、風変わりな科学博士タニス、そして、賢い(?)ロボット、クラップトラップと同盟を結成。寄せ集めのチームは娘を捜索すべく、危険な冒険へと旅立つのだが…。
フォトグラファーのデイヴィッドはアメリカ人、モデルのカーチャはフランス人。恋人同士のふたりはロサンゼルスを離れ、南カリフォルニアの砂漠へ雑誌用の写真を撮るために車を走らせる。上手く言葉が伝わらない代わりに、幾度となく体を重ね合うふたり。29パームズ・ストリート沿いのモーテルに泊まり、部屋で、プールで、ときには南カリフォルニアの荒涼とした大地で、果てることもなく、彼らは情事を重ねていく。馴染みのない土地で、ふたりだけの世界に堕ちていくデイヴィッドとカーチャ。しかし、そんな彼らを襲った突然の暴力の嵐。ふたりはかつてない無力感を味わい、途方に暮れる。そしてデイヴィッドが取った行動が、衝撃の結末を導く―
ニュージャージー郊外の屋敷で開かれていた、高校時代の同窓会パーティもそろそろお開きの時間。女子陣の帰宅後アートやフロリオら残された野郎どもは、酔いも手伝い本音全開モードに。好みの異性のタイプやエロ話から、大学での生活や日々感じる憤りまで、時に共感し時にケンカしながら、普段は見せなかった生の姿をさらけ出す。バカ騒ぎに興じながら、彼らは将来への不安に向き合える様になるのか?
カルフォルニアに暮らす、あるジャンルの人気女優ジェーンは、ガレージセールで買ったポットの中に大金が入っていたことに気づく。早速ショッピングの軍資金として使うジェーンだが、やがて好奇心と罪悪感の両方から売り主の老婦人セイディに近づく。最初は警戒するセイディだが、何かと面倒を見ようとするジェーンに次第に心を許す。そのため、ますますお金のことが言い出せなくなるジェーンだが…
ガーナからニューヨークに渡った、ストリートハスラーのラッキー。今日も得意の話芸を駆使して偽ブランド品販売店に顧客を誘導する。そんな彼の前に突然、元カノのリンダが幼児と共に現れた。そしてこの子の父親はラッキーだと爆弾発言した上、用があるから少しの間預かれと押し付け、消えてしまう。困り果てたラッキーはやむなく面倒を見るが、慣れない育児に悪戦苦闘。ついに親子鑑定を決意するが…
中国から不法移民としてニューヨークに渡ったミンは、高利貸しから今日中の利子の返済を迫られる。途方に暮れながら勤務先の中華料理店に出勤した彼だが、同僚の助けで、彼の分のテイクアウト配送の仕事も回してもらい、チップをかき集める。雨が強くなり車道での移動が困難になる中、必死に自転車を漕ぎ黙々と配達し続けるミン。そして何とか目標額を稼げそうになった彼に、トラブルが降りかかる。
19歳の若手女優マリア・シュナイダーは新進気鋭の監督ベルナルド・ベルトルッチと出会い、『ラストタンゴ・イン・パリ』で一夜にしてトップスターに駆け上がる。しかし、48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンは彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落としていく。
―さてはてクマ達の運命やいかに。― とおいむかしのこと、いただきが氷でとざされた高い山に住むクマたちの王レオンスの息子トニオがハンター達によって捕えられてしまう。王は我が子を救出するべく、厳しい冬の飢えと寒さからクマ達を引き連れ、人間が住む平地を目指し山を降りていく。行く手に待ち受けるのは残忍な大公や、化け猫、人食い鬼。ゆうれいもいれば魔法使いもいる。突き進むレオンス王は戦いの末、その国の王として、クマと人間が共存する太平の世を迎えた。クマと人間の共存はやがて――。
1970年代のオーストラリア。グレースは双子の弟ギルバートと父親の3人で慎ましくも幸せに暮らしていた。母親は出産と同時に亡くなり、病気がちで学校ではいじめっ子の標的にされるグレースだったが、いつも守ってくれる頼もしいギルバートと、愛情深くひょうきんな父が側にいてくれた。しかし突然、父が睡眠時無呼吸症候群で亡くなり、グレースとギルバートは別々の里親の元で暮らすことに。離れ離れになった2人は手紙で励まし合い「いつか必ずまた会おう」と約束するが、グレースは寂しさのあまりカタツムリを集めることだけが心の拠り所となった孤独な日々を送るようになる。そんなある時、ピンキーという陽気で変なことばかり言うお婆さんと出会い、2人はいつしかかけがえのない友だちになっていく…
多様な文化を持つ人々が多く暮らす、カナダ・トロント東部に位置するスカボロー。そこに暮らす3人の子どもたち。精神疾患を抱えた父親の暴力から逃げるようにスカボローにやって来たフィリピン人のビン。家族4人でシェルターに暮らす先住民の血を引くシルヴィー。そしてネグレクトされ両親に翻弄され続けるローラ。そんな彼らが安心して過ごせる場所は、ソーシャルワーカーのヒナが責任者を務める教育センターだった。厳しい環境下で生きながらも、ささやかなきずなを育んでいく3人だったのだが…。
美大生ウナには、大切な恋人ディッディがいる。しかし、二人の関係は秘密だ。彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人、クララがいる。ある日ディッディはクララに別れを告げに行くと家を出た後、事故に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、ひとり愛する人を失った悲しみを抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れるーー。クララを励ます仲間たちを見て、ウナの心は追い詰められていく。そんななか、クララはウナに対するある思いを打ち明けるのだった…。行き場のない気持ちに翻弄されるウナの姿、徐々に近づいていく“愛する人を失った”二人の距離を、狂おしいほどの緊張感とかつてない繊細さで映し出す。
ある日突然、男らしさを揺さぶられたらー“幸福の象徴” 煙突そうじ人が悩みに悩む異色コメディ煙突掃除を営む妻子持ちの2人の男。ひとりは客先の男性との一度きりのセックスで新しい刺激を覚えるが、平然と妻にこの話をしたことで夫婦仲がこじれてしまう。もうひとりはデヴィッド・ボウイに女として意識される夢を見て、自分の人格が他者の視線によってどう形成されているのか気になり始める。良き父、良き夫として過ごしてきた2人は自身に起きた衝撃的な出来事により、自らの“男らしさ”を見つめ直していく。この出来事について語られる会話には「どこからが浮気か」「夢は現実にどんな影響を与えるのか」といった誰もが一度は考えたことのある普遍的なテーマが散りばめられている。また“セックス”や“セクシュアリティ”といったデリケートな話題を含みつつも、あっけらかんとした会話にはオフビートな空気が漂う。「DREAMS」「LOVE」「SEX」で最もコメディタッチな異色作。
愛することに不器用な大人たちーあらゆる“親密さ”を探求するロマンティック・ジャーニー 泌尿器科に勤める女性医師のマリアンヌと男性看護師のトール。共に独身でステレオタイプな恋愛を避けている。マリアンヌは友人から男性を紹介されるが、子どもがいる彼との恋愛に前向きになれない。そんな折、トールはマッチングアプリなどから始まるカジュアルな恋愛の親密性を語り、マリアンヌに勧める。興味を持ったマリアンヌは自らの恋愛の可能性を探る。一方トールは偶然フェリーで知り合った男性ビョルンを勤務先の病院で見かけー。出会いが多様化した現代の恋愛観がリアルに映し出されており、主人公達は劇中に度々登場するフェリーのように本能と理性をゆっくり行き来しながら、しっくりくる“親密さ”を探す。愛することに不器用な大人たちが、静かな本音をさらけ出す、「DREAMS」「LOVE」「SEX」で最も優しく今を映し出した1作。
恋に恋する少女の綴った手記が、思わぬ方向に一人歩きしていくー女性教師のヨハンナに初めての恋をした17歳のヨハンネは、この恋焦がれる想いや高揚を忘れないように自らの体験を手記にする。そしてこの気持ちを誰かに打ち明けようと詩人の祖母に手記を見せたことから、物語は思いもよらない展開へと進み始める。ヨハンネが経験するのは、誰もが一度は経験したことのある相手の一挙手一投足に対する期待や不安、過度な妄想、理不尽な嫉妬などあまりにも無垢な初恋。そしてその気持ちを秘密にしておきたい、でも誰かに共有したいという矛盾した思いが祖母や母を巻き込み、ヨハンネの手から離れた手記の行方が、モノローグで綴られる。娘の手記を見て、祖母は自らの女性としての戦いの歴史を思い出し、母は“同性愛の目覚めを記したフェミニズム小説”と称し、現代的な価値観にあてはめようとする。3世代で異なる価値観を持つ3人が初恋の手記を通して辿る運命はー。
1938年、トリノでお針子として洋裁店で働く16歳の少女ジーニアは、画家のモデルとして生計を立てる3つ年上の美しく自由なアメーリアと出会う。アメーリアによって芸術家たちが集う新しい世界への扉を開かれ、ジーニアは大人の階段を上り始める。思春期真っただ中のジーニアと、既に自立した女性としてたくましく生きるアメーリアの2人が、互いの姿に自分の未来/過去を映しながら、徐々に惹かれ合っていく―
北アイルランド、ベルファストで生まれ育ったドラッグディーラーのニーシャ(MC ネーム:モウグリ・バップ)と幼馴染のリーアム(MC ネーム:モ・カラ)。麻薬取引で警察に捕まったリーアムは、英語を話すことを頑なに拒み、反抗的な態度を貫いていた。そこに通訳者として派遣された音楽教師のJJ(MCネーム:DJプロヴィ)が、リーアムの手帳に綴られていたアイルランド語の歌詞を発見。その才能に目をつけ、3人はアイルランド語の権利を取り戻すべく、アイルランド語のヒップホップを始めることに。
世界が大洪水に包まれ、今にも街が消えようとする中、ある一匹の猫は居場所を後に旅立つ事を決意する。流れて来たボートに乗り合わせた動物たちと、想像を超えた出来事や予期せぬ危機に襲われることに。しかし彼らの中で少しずつ友情が芽生えはじめ、たくましくなっていく。彼らは運命を変える事が出来るのか?そして、この冒険の果てにあるものとは―?
「セーラー服と機関銃」「ションベンライダー」の異才・相米慎二監督の代表作。台風の接近に伴って、少年少女たちのやり場のない感情が高ぶってゆく様を、瑞々しく描き出す。東京近郊のある中学校、夜のプールではしゃぐ5人の女子中学生は、友達をからかい半分で溺死寸前まで追い込んでしまう。一見平凡に見える中学生たちが抱える行き場の無い不安定さは、台風で学校に閉じ込められたことによって、狂気へと走り出す。
新たな世紀を迎え、漠然とした未来への期待に溢れていた2001年。三峡ダム建設により建物が解体され、長江で100万を超える住民たちが移住した2006年。目覚ましい経済発展を遂げ、地方都市も都会化したコロナ禍の2022年......。チャオは山西省・大同(ダートン)を出て戻らぬ恋人ビンを探して奉節(フォンジエ)を訪ね、ビンは仕事を求めて奉節からマカオに隣接する経済特区・珠海(チューハイ)を訪れる。時は流れ、ふたりはまた大同へ――。恋人たちの関係と比例するように、街は変化していく。21世紀を22年かけて旅するチャオはどこにたどり着くのか――。仕事もなく、道路は舗装されておらず、北京との格差にあえいでいた街が、22年の時を経て、ビルが立ち並び、グローバル化され、若者たちは世界の都市と変わらぬ娯楽を享受するようになる。二つ折りの携帯電話はスマートフォンに、SF世界だったAIロボットはスーパーマーケットで接客をし、孤独な女性の話し相手に......。壊れゆくもの、消えゆくもの、再び構築されるもの。変貌し続ける街に飲み込まれながら、出会いと別れを繰り返す。時間は戻らない。だから、前へと進む。
不眠症に悩まされている無職の青年 平岡修二。彼は謝礼の10万円を目当てに、失踪した20代女性「小川翠」を探し続ける。徐々に彼女に意識を占領されていく修二。「なぜ翠は“尋ね人”となってしまったのか」そこには悲しすぎる過去があった。
暗く冷たい雨が降りしきる近未来の港町。心優しい大道芸人で怪力の男ワンは、「一つ目教団」と呼ばれる新興宗教団体に弟をさらわれてしまう。教団は、夢を見ることができない天才クローン人間クランクに夢を見せるため、子どもたちの頭の中から夢を抽出する実験を繰り返しており、その目的で子どもたちを誘拐していた。途方に暮れるワンは、孤児たちの窃盗団を率いる少女ミエットと出会い、彼女はワンと共に弟の行方を追うことになる――。
人生をこじらせた男にできた恋人は〈孤独死した隣人女性〉?!メキシコで暮らすチリ人のマルティネスは偏屈で人間嫌いな60歳の男性。会計事務所での仕事やプールでの水泳といった日々のルーティンを決して崩さない。しかしそんなマルティネスの規律的な日々は、会社から退職をほのめかされ、後任のパブロがやって来たことで終わりを迎える。時を同じくして、アパートの隣人で同年代の女性、アマリアが部屋で孤独死していたことが判明する。アマリアの私物に自分への贈り物が残されていたことを知り、次第に彼女に興味を抱くようになるマルティネス。遺された日記や手紙、写真を通してアマリアへの思いを募らせていく内に、マルティネスは心の奥底で眠っていた人生への好奇心を取り戻していく。
8歳のネリーは両親と共に、森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。大好きなおばあちゃんが亡くなったので、母が少女時代を過ごしたこの家を、片付けることになったのだ。だが、何を見ても思い出に胸をしめつけられる母は、一人出て行ってしまう。残されたネリーは、かつて母が遊んだ森を探索するうちに、自分と同じ年の少女と出会う。母の名前「マリオン」を名乗るその少女の家に招かれると、そこは“おばあちゃんの家”だった――。
オレゴンの山奥で、孤独な男ロブはトリュフ狩りをする忠実なブタと住んでいた。ロブはトリュフバイヤーのアミールと希少で高価なトリュフを売買し、わずかな物資で生活していたが、ある日大切なブタが何者かによって強奪されてしまう。ロブはブタを奪還するためにポートランドの街まで下り、アミールと手がかりを捜す。ロブはブタの行方を辿る中、故郷でもあるポートランドで自身の壮絶な過去と向き合うことになる。
90年代、ニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の女上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。日々の仕事は、世界中から毎日大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターを処理すること。しかし、心揺さぶられる手紙を読むにつれ、飾り気のない定型文を送り返すことに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナが電話を受けた相手はあのサリンジャーで…。
第2次世界大戦下。連合国空軍の女性パイロット、モード・ギャレットが、フールズ・エランド号と命名されたB-17爆撃機に乗り込んだ。高度2500メートルの上空で、モードは機の右翼にまとわりつく、謎の生物を目撃する―。そして、ある重大な秘密を隠し持つ彼女が、この爆撃機に乗った本当の理由とは……
ファッションモデルのケリー=アンヌは、少女たちを拉致・監禁・拷問し死に至らしめたとされる連続殺人犯ルドヴィク・シュヴァリエの裁判に執着していた。彼女はなぜ彼に惹かれるのか。審判の先に彼女が見たものとは――。殺人鬼を美化する社会へ警鐘を鳴らす社会派スリラー。
舞台制作の裏方として生きる人々が、それぞれの人生と向き合いながら「生きること」「表現すること」の意味を見つめ直していく。舞台と現実が交錯する中で、彼らが立つ“オンステージ”の瞬間を描いたヒューマンドラマ。
1968年、ビートルズは音楽業界に革命を起こすべく新レーベル=アップル・レコードを設立、転換期を迎えていた4人の作品製作と共に新たなるアーティストの発掘に着手した。メリー・ホプキン、バッドフィンガー(アイヴィーズ)、ジェイムス・テイラーなど数多くのスターを輩出したが財政悪化・首脳陣の不仲そしてビートルズの解散等様々なトラブルによって崩壊の危機を迎える… 主な登場曲(全てダイジェスト) 「ターン・ターン・ターン」「悲しき天使」/ メリー・ホプキン 「アイ・ビリーヴ」「メイビー・トゥモロウ」/ アイヴィーズ 「嵐の恋」「ウィズアウト・ユー」「デイ・アフター・デイ」/バッドフィンガー 彼女の言葉のやさしい響き」「思い出のキャロライナ」/ジェイムス・テイラー 「ペニー・レイン」「ヘイ・ジュード」/ ザ・ビートルズ 「ヒア・カムズ・ア・サン」/ジョージ・ハリスン
ロンドン在住のオスカー・コリンズは堅物で独身、初老の科学者。そんな彼が住むアパートの隣に、美しいモデルの娘ペニー・レーンが引っ越してきた。ある夜、偶然にできた壁の穴からペニーのセクシーな姿を見たオスカーは瞬時に魅了され、研究よりもペニーを覗き見ることが日常となった。山積みの資料を放り捨て壁を剥がし、あらゆる箇所に穴を開けてひたすらペニーを追いかけるオスカーは幻想の世界で彼女の恋人となっていた...
20世紀初頭のローマ。教育者マリア・モンテッソーリは、娘の障がいを隠すため逃亡した高級娼婦リリと出会う。マリアの教育法により、リリは娘の意志と才能に気づき、母として変化。共鳴したリリは、男性社会で闘うマリアの夢に力を貸し、互いの人生を動かしていく。
負け続きの弁護士アヴリルは、絶望的な状況にある犬コスモスの弁護を引き受ける。勝ち目のない裁判に挑む彼女の姿を描く、実話に基づいた法廷コメディ。人と動物の関係に鋭く迫る感動作。
24歳のイネスは、これといった生きる目的も未来への展望もなく、毎日が憂鬱でしょうがないデンマーク人女性。そんなイネスが恋人ルーカスの出張に同行して訪れたノルウェーで、マリアという日仏ハーフの美しい女性とめぐり合う。ふたりの容姿はとても似ていたが、大阪からやってきたマリアはどこか謎めいていて、イネスにはない自信に満ちあふれていた。たちまちマリアに心酔したイネスは、雄大な自然のまっただ中で夢のような時間を過ごすが、不慮の事故でマリアが息を引き取ってしまう。ずっと「別の誰かになりたい」と願っていたイネスは、マリアの航空券とパスポートを携えて大阪へ旅立つ。そしてマリアの勤め先のナイトクラブ“MISS OSAKA”に雇われ、未知なる刺激的な人生を踏み出すのだが……。
フードデリバリー配達員、シンガーソングライター、広告クリエイター、カメラマン……東京でもがく13人の若者たちの常を追った群像劇。「スパゲティコード」(解読困難なほど複雑に絡み合ったプログラミングコードの意)のようにこんがらがった彼らのドラマは、リアルタイムに更新され、解きほぐされ、やがて1本の線へと変化していく。倉悠貴、三浦透子、清水尋也、八木莉可子、土村芳、ゆりやんレトリィバァら多彩なキャストを通して映し出されるのは、まるで私たちの鏡像。誰かとつながりたくて、夢を諦められなくて、この街のどこかに居場所を探している――。エモーショナルな映像×リアルな心情が、共感を増幅。飾り立てた “キャラ”とは違う、本当の自分がここにいる。
銀行の差し押さえに遭い実家の農場を閉鎖したリサは、不本意ながらも町に進出した新興大手企業アグリテック社で働き始める。しかし、アグリテック社重役のダリアと従業員待遇についての話し合いでこじれてしまい解雇されてしまう。がんで闘病中の父親を抱え日々の支払いが嵩む状況のなかで、リサは生きていくためにダリアに謝罪して再びアグリテックで働き始める。一方、幼馴染みとの結婚を控えながらも仕事に勤しむダリアは、結婚して子どもを生み育てることが女性の幸せだと考える家族の価値観を押し付けられる憂鬱な毎日を過ごしていた。結婚しても仕事を続けたいという自分の気持ちを家族に伝えられず苦悩するダリアは、歌詞に心を込めて唄うリサの姿に次第に惹かれていく。
42 歳 独身 青森県弘前市出身。人生を諦めなんとなく過ごしてきた就職氷河期世代の在宅フリーター陽子(菊地凛子)は、かつて夢への挑戦を反対され 20 年以上断絶していた父が突然亡くなった知らせを受ける。 従兄の茂(竹原ピストル)とその家族と共に車で弘前へ帰ることに。しかし、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気を取られた茂の一家に置き去りにされてしまう。陽子は弘前に向かうことを逡巡しながらも、所持金がない故にヒッチハイクをすることに。しかし、出棺は明日正午。北上する一夜の旅で出会う人々―懸命に働くシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心暖かい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)。そして陽子の前に立ちはだかるように現れる若き日の父の幻(オダギリジョー)により、陽子の止まっていた心は大きく揺れ動いてゆく。冷たい初冬の東北の風が吹きすさぶ中、はたして陽子は明日の出棺までに弘前の実家にたどり着くのか・・・。
私立探偵のフェルーとそのいとこが休暇のためバラナシの街に到着すると、ある男に事件の解決を依頼される。ネパールの王子から譲り受けた家宝だという貴重なガネーシャの金像が盗難に遭ったらしい。フェルーは、事件解決のための重要な手がかりを知る少年ルクと親しくなる。レイ監督自身による小説「探偵フェルダーシリーズ」を元に映画化された第2作目。ショウミットロ・チャタルジ演じる探偵がその高い分析力と洞察力で事件を解決に導く、エンターテイメント性に富んだテンポのよい冒険コメディ。【日本劇場初公開作品】
有名なベンガル映画俳優であるアリンダムは、デリーで行われる授賞式へ列車で向かうことになる。列車内では乗客全員が彼のことを知っている。その中で彼の関心を引いたのは、お堅い女性誌の記者アディティだった。スターの役割に明快で批判的な視点を持つ彼女がアリンダムにインタビューを行うことで、彼は自身の半生を見つめ直すことになる。アリンダムの危機や内省を通して、映画業界の問題(軽薄な娯楽作品の量産、商業主義、そして腐敗したビジネス慣行)を巧みに批判している。【ベルリン国際映画祭 審査員特別表彰、日本劇場初公開作品】
弁護士であるグルパダ・ミトラは、妻の死以来、深刻な精神不安に陥っている。娘のブチキとバラナシからの帰路、グルパダは不老を自称するビリンチ・ババと出会う。グルパダは彼に感銘を受け、彼を支援し入信することを決意する。コメディ映画の体裁を取りつつ、宗教的偽善や盲目的な信仰を鋭く風刺し、狂信的信仰を戒めている。伝統と近代化が交錯するインド社会に対するレイ監督の鋭い観察が投影された作品。【日本劇場初公開作品】
監督作品の常連であるショウミットロ・チャタルジが、コルコタの脚本家で主人公のアミを演じている。アミは不運にも乗車したタクシーの故障に見舞われるが、茶園を経営する裕福なビマールの親切で彼の家に泊まることになる。驚いたことに、ビマールの家にいた彼の妻コルナは、何年も前、アミが自身の優柔不断ゆえに失った元恋人であった。家族、結婚、男尊女卑、階層といった旧来の価値観と、個人の自由や愛、自己決定といった新しい価値観のぶつかり合いが描かれる。【日本劇場初公開作品】
1880年頃のカルカッタ(現コルカタ)。美しいチャルラータは、外界から隔絶されたヴィクトリア朝時代の華美な邸宅で当てもなく毎日を過ごしている。理想主義的な知識人の夫ブポティはそんな妻を愛し支えているものの、新しい政治新聞の発行に追われ妻との時間が思うようにとれない。そんな折、ブポティのいとこのアマルが訪ねて来ると、ブポティはチャルラータに眠る文才を開花させてほしいとアマルに頼む。愛、理想主義、失望、そして悲哀への賛歌である本作は、レイ監督が手掛けた中で最も優美な作品であり、監督の創造期と言われる1960年代に撮られた最高傑作。【ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品】
平凡な銀行員シュブロトは家族で唯一の働き手。ある時シュブロトの妻アロティは、(主婦は家にいるべきという)慣習と義父の反対を振り切って訪問販売員としての職を得る。アロティは仕事で順調に評価され自信と経済的自立を手にするが、その状況を受け入れることができない夫は妻に離職を迫る。レイ監督が初めてネオリアリズモへの挑戦を試みた作品であり、物語は1955年当時のコルコタの日常を描く。貧しい下層・中流階級を襲う社会経済的な苦悩に焦点を当て、それを主人公女性の自立を通じて表現している。【ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品】
20世紀初頭のベンガル地方。地主ビッションボル・ラエは、経済的に困窮しながらも、かつての栄光と誇りにしがみつくように、音楽と舞踊に耽る日々を送っている。隣人である新興の実業家ガングリに対して対抗心を燃やしたロイは、最後の誇りをかけて、自らの音楽サロンで盛大な演奏会を開く。世界中の映画製作者に影響を与えた、レイ監督の芸術性と映像美が際立つ傑作。音楽監督はシタール奏者の巨匠ヴィラーヤト・カーンが務め、演奏会以外の場面でも有名演奏家が多数出演している。【日本劇場初公開作品】
デザイナー・真知子(前田敦子)、元子役のバラエティタレント・鈴(趣里)、彼氏に染まる金髪ギャル・美和(伊藤万理華)、風俗嬢・七瀬(黒川芽以)。2020年、彼女たちはそれぞれ”クズ男”たちと付き合っていた。真知子はバンドマン志望の怜人(菊池風磨)と、鈴はあざとかわいい男子の富(千葉雄大)と、美和はハイテンションなフリーター・泰造(オカモトレイジ)と、七瀬はプライドの高い元子役・慎太郎(三浦貴大)と。彼女たちは、彼氏に不満を感じつつも、幸せな日々を過ごしていた。ただ、彼女に甘えた男たちはどんどん増長し、どうしようもない部分が露呈、遂に別れの時が訪れる・・・。そこで彼女たちが選ぶ誰も予想しない超越した決断とは?
結婚間近だった恋人と破局した不眠症の間宮は、マッチングアプリで唯一返信をくれた女子高生と会うが、女子高生は間宮のアパートで自殺してしまう。うろたえて山中に埋めようとするも、気がつけば死体は消えていた。間宮はARアプリ「王様の耳はロバの耳(通称ミミ)」(※注釈)の中で、死んだ女子高生と瓜二つの少女“明日香”を発見する。“明日香”は「ミミ」を通じて再生できる動画を街中で投稿し、動画目当てのファンたちが街を徘徊するカリスマ的存在だった。“明日香”の痕跡を追いかけるうちに、現実と幻想の境界が曖昧になっていく間宮。いったい“明日香”とは何者か? 彼女は死んだ少女と同一人物なのか? そして本当に存在するのだろうか?※アプリ「ミミ」とは 劇中に登場する、位置情報を元としてスマホカメラ画面で撮影した自分の動画を撮影場所に残せるサービス。また、ミミを起動することで、その場所に残された動画を再生することができる。名前の由来となったあのお伽話のように、秘密や愚痴を垂れ流し、それで街を埋め尽くそうという悪意のコンセプトで作られたジャンクアプリ。
親友たちと夏のクレタ島で過ごす、特別な卒業旅行。絶対に最高の夏になるはずだった。タラ(ミア・マッケンナ=ブルース)、スカイ(ララ・ピーク)、エム(エンヴァ・ルイス)の3人は、卒業旅行の締めくくりに、パーティーが盛んなギリシャ・クレタ島のリゾート地、マリアに降り立つ。自分だけがバージンで、居ても立ってもいられないタラ。初体験というミッションを果たすべく焦る彼女を尻目に、親友たちはお節介な混乱を招いてばかり。タラは、バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、一人酔っぱらい、彷徨っていた。そんな中、ホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くのだが―。
DVシェルターを運営する母・エヴリンと、ネットのライブ配信で人気の高校生・ジギー。社会奉仕に身を捧げる母親と、自分のフォロワーのことしか頭にないZ世代の息子は、いまやお互いのことが分かり合えない。しかし彼らの日常にちょっとした変化が訪れる。それは、各々ないものねだりの相手に惹かれ、空回りの迷走を続ける“親子そっくり”の姿だった……!親子間のジェネレーションギャップや、理想と現実の食い違い。誰にとっても身近なテーマを描く中で、母と息子、それぞれの失敗を経てたどり着くお互いへの想いとは?見終わったあと、大切な誰かを抱きしめたくなる、ハートフルムービー誕生!
吉積めぐみ、21歳。1969年春、新宿のフーテン仲間のオバケに誘われて、“若松プロダクション”の扉をたたいた。当時、若者を熱狂させる映画を作りだしていた“若松プロダクション”。そこはピンク映画の旗手・若松孝二を中心とした新進気鋭の若者たちの巣窟であった…。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描く。
エロティシズムだけではない、多彩な表現内容、技巧、その創造性!葛飾北斎、喜多川歌麿をはじめとする江戸の名だたる浮世絵師たちが、並々ならぬ情熱を注いだ春画。彫り・摺りの高度な技術も投入され、「美」「技」において超一級の芸術と呼べる作品が数多く生み出されたが、時代が江戸から明治に変わると“わいせつ物”として警察による取り締まりの対象となり、日本文化から姿を消してしまった。性別を問わず楽しめるアートとして再評価の機運が高まったのは、つい最近のこと。春画に描かれる表現は、もはや性愛だけにとどまらず、驚くほど多彩。“笑い絵”と称されユーモアをもって描かれる「生命」そのものの魅力に引き込まれずにはいられない。100点以上に及ぶ春画と、国内外の美術コレクターや浮世絵研究家、美術史家、彫師、摺師などへの取材をもとに、表情豊かに描かれる「性」と「生」を発見する驚きのドキュメンタリー。
ジョージア。1991年。ソ連からの独立が近づき、希望に満ちた<どんちゃん騒ぎ>で新年を迎える若者たち。しかし、その夢は叶ったものの、喜びは、新たな戦争ですぐに消えてしまう……そして、27年後。画家コスタは、祖父母の代からの古びた家の半地下に暮らしている。そこに集まるのは、かつての芸術家仲間たち。そこに、コスタの昔の恋人ニナが戻ってきて、コスタの絵を買いにきたアメリカ人コレクターが、なんと彼女に一目惚れ!さぁ、どうなる!?
中学校教師のチェンが勤める学校で自殺をほのめかす遺書が見つかる。彼は書いた生徒を捜索するうちに、自身の幼少期の辛い記憶を蘇らせていく。それは、弁護士で厳格な父のもとで育った兄弟の記憶だ。勉強もピアノも何ひとつできない兄と優秀な弟。親の期待に応える弟とは違い、出来の悪い兄は家ではいつも叱られていた。しつけという体罰を受ける兄は、家族から疎外感を感じ…。
第一次世界大戦後のコペンハーゲン。お針子として働くカロリーネは、アパートの家賃が支払えずに困窮していた。やがて勤め先の工場長と恋に落ちるも、身分違いの関係は実らず、彼女は捨てられた挙句に失業してしまう。すでに妊娠していた彼女は、もぐりの養子縁組斡旋所を経営し、望まれない子どもたちの里親探しを支援する女性ダウマと出会う。他に頼れる場所がないカロリーネは乳母の役割を引き受け、二人の間には強い絆が生まれていくが、やがて彼女は知らず知らずのうちに入り込んでしまった悪夢のような真実に直面することになる…。
主人公のウェン・シャンは大学院まで進学しながら、脚本家として商業デビューが叶わず、不思議な同居人シャオインと暮らしながら、今は葬儀場での〈弔辞の代筆業〉のアルバイトで生計を立てている。丁寧な取材による弔辞は好評だが、本人はミドルエイジへと差し掛かる年齢で、このままで良いのか、時間を見つけては動物園へ行き、自問自答する。同居していた父親との交流が少なかった男性、共に起業した友人の突然死に戸惑う会社員、余命宣告を受けて自身の弔辞を依頼する婦人、ネットで知り合った顔も知らない声優仲間を探す女性など、様々な境遇の依頼主たちとの交流を通して、ウェンの中で止まっていた時間がゆっくりと進みだす。
「傷にはいろいろある。見える傷だけじゃない」1938 年フランス、リー・ミラー(ケイト・ウィンスレット)は、芸術家や詩人の親友たち──ソランジュ・ダヤン(マリオン・コティヤール)やヌーシュ・エリュアール(ノエミ・メルラン)らと休暇を過ごしている時に芸術家でアートディーラーのローランド・ペンローズ(アレクサンダー・スカルスガルド)と出会い、瞬く間に恋に落ちる。だが、ほどなく第二次世界大戦の脅威が迫り、一夜にして日常生活のすべてが一変する。写真家としての仕事を得たリーは、アメリカ「LIFE」誌のフォトジャーナリスト兼編集者のデヴィット・シャーマン(アンディ・サムバーグ)と出会い、チームを組む。そして 1945 年従軍記者兼写真家としてブーヘンヴァルト強制収容所やダッハウ強制収容所など次々とスクープを掴み、ヒトラーのアパートの浴室でポートレイトを撮り戦争の終わりを伝える。だが、それらの光景は、リー自身の心にも深く焼きつき、戦後も長きに渡り彼女を苦しめることとなる。
CG一切なしの神秘的な自然の中で紡がれる伝承と解放の物語大きな川の上流、山間の集落で暮らす少年ユウチャ。父は林業に従事し、母は病に臥せっていて、老いた祖母と暮らしている。まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化していく台風による洪水の被害に脅かされている。夏休みの終わり、集落に紙芝居屋がやってきて子どもたちを集める。その演目は、土地にずっと伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋。叶わぬ想いに打ちひしがれたお葉は山奥の淵に入水、それからというもの彼女の涙が溢れかえるように数十年に一度、恐ろしい洪水が起きるという。紙芝居の物語との不思議なシンクロを体験したユウチャは、現実でも家族を脅かす洪水を防ぎ、さらには哀しみに囚われたままのお葉の魂を解放したいと願い、古くからの言い伝えに従って川をさかのぼり、山奥の淵へ向かう・・・
「疑いは絶対に晴らすから」そう言って立ち去った親友は、一週間後に変死体で発見された――愛知県平井市在住の女子大生が、度重なるストーカー被害の末に、神社の長男に殺害された。地元新聞の独占スクープ記事により、警察が女子大生からの被害届の受理を先延ばしにし、その間に慰安旅行に行っていたことが明らかになる。県警広報広聴課の森口泉は、親友の新聞記者・津村千佳が約束を破って記事にしたと疑い、身の潔白を証明しようとした千佳は、1週間後に変死体で発見される。自分が疑わなければ、千佳は殺されずに済んだのに――。自責と後悔の念に突き動かされた泉は、自らの手で千佳を殺した犯人を捕まえることを誓う。
杭州市。最高峰の中国茶・龍井茶の生産地としても有名な西湖(せいこ)。そのほとりに暮らす母・タイホア(苔花)と息子・ムーリエン(目蓮)。父のホー・シャン(何山)は家を出て行方がわからず、10年になる。タイホアは山の美しい茶畑で、茶摘みの仕事をしながら、ひとり息子を育て上げた。ムーリエンはもう大学卒業の年だが、仕事がなかなか見つからない。ようやく見つけた仕事は詐欺まがいで、仕事は続かず、無職になってしまう。一方、タイホアも、茶畑の主人チェンと懇意になったことで、その母親の逆鱗に触れ、茶畑を追い出される。そんな時、タイホアは怪しげな「足裏シート」を販売するバタフライ社に出会う。その実態は違法なマルチ商法だった……。彼らに洗脳され、別人のようになってしまうタイホア。ムーリエンは、母をなんとか違法ビジネスの地獄から救い出そうと一線を超える決断をする……。この物語は、仏教の故事で、釈迦の十大弟子のひとりである目連が地獄に堕ちた母親を救う「目連救母」にヒントを得ている。
私ってズレてる?完璧のようにみえていた映画監督ジョヴァンニの人生。順調なキャリア、傍にはプロデューサーの妻、溢れんばかりの新作のアイディア。でも、そう思っていたのはジョヴァンニだけだった!チネチッタ撮影所で新作の撮影が始まると、畳みかけるようにジョヴァンニを災難が襲う。女優は大嫌いなミュールを履いてきた上に演出に口を出し、プロデューサーは詐欺師だったと判明、妻には突然別れを告げられる!映画は完成するのか?家族の愛をとり戻せるのか?変化の激しい時代に、ちょっと取り残されて、戸惑うジョヴァンニが見つけた人生で本当に大切なこととは?チネチッタ:ヴィスコンティ「ベリッシマ」フェリーニ「甘い生活」ウィリアム・ワイラー「ベン・ハー」「ローマの休日」など数々の名作が生まれたローマの映画撮影所。現在までに3000作以上が撮影され90以上の作品がアカデミー賞にノミネートされている。
いじわるで、嘘つきで、暴力的。そんな彼女に誰もが夢中になる!世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?