パリ近郊の音楽院でヴィオラを学んできたザイアは、パリ市内の名門音楽院に最終学年で編入が認められ、指揮者になりたいという夢を持つ。だが、女性で指揮者を目指すのはとても困難な上、クラスには指揮者を目指すエリートのランベールがいる。超高級楽器を持つ名家の生徒たちに囲まれアウェーの中、ランベールの仲間たちには田舎者とやじられ、指揮の練習の授業では指揮台に立っても、真面目に演奏してもらえず、練習にならない。しかし、特別授業に来た世界的指揮者に気に入られ、指導を受けることができるようになり、道がわずかに拓き始める―。
かつてシンガーソングライターとして活躍していたジェシカ。今は音楽を諦め、心臓病を抱える父親の金物店を手助けしていた。久しぶりにLAの音楽業界で働く親友ボニーのもとに遊びに行く予定だったジェシカだったが、自分の代わりに店を見てくれるはずの弟にドタキャンされ、結局は残るハメに。そんな彼女が父親の昔馴じみのチェンバース牧師に依頼され、教会の聖歌隊を指導することに。聖歌隊は教会の再起をかけた100周年記念式典で歌を披露するはずだったが、指導者が本番の3週間前に逃走。そもそも彼らにはきちんとした指導もされていなかった。聖歌隊は古臭い定番曲すら歌えず、執事はジェシカの失敗を願うなど、さんざんな初日となるのだが…。
1970年、スイス・ヴァレー州の小さな村、モンシュ。ワイン醸造家のアロイスは地元のブラスバンドの指揮者で、村で開かれる音楽祭のオーディション通過を目指して日々練習に励んでいる。しかしアロイスの指導力を疑問視する楽団のメンバーが、村の出身でプロの音楽家として活躍するピエールをこっそりパリから呼び寄せてしまい、楽団内に亀裂が生じることに。伝統を重んじるアロイスと違い、才能ある女性や移民を次々と楽団のメンバーに加えるピエール。それぞれを指揮者に立てた2つの楽団が出来上がり、楽団の対立は村全体を巻き込んだ大騒動へと発展していく。さらにアロイスとピエールはかつて、アロイスの妻マリー=テレーズをめぐった恋敵であったこともあり、事態はより複雑に……。互いの楽団への嫌がらせがエスカレートする中、果たしてどちらの楽団がオーディションを通過するのか?
1787年、プラハはオペラ『フィガロの結婚』の話題で持ちきりだった。上流階級の名士たちは、モーツァルトをプラハに招き、新作を作曲させようと決める。その頃、モーツァルトは三男を病で亡くし失意のどん底にあり、陰鬱な記憶に満ちたウィーンを逃れるためにプラハにやってきた。友人ヨゼファ夫人の邸宅に逗留して、『フィガロの結婚』のリハーサルと新作オペラの作曲にいそしむモーツァルト。やがて、彼は、『フィガロの結婚』のケルビーノ役に抜擢された若手オペラ歌手スザンナと出会い、その美貌と才能に大いに魅了される。一方、スザンナもモーツァルトが妻帯者と知りながら、その天才ぶりに引き付けられずにはいられなかった。急速にその距離を縮める二人。しかし、オペラのパトロンであり、猟色家との噂のあるサロカ男爵もまた、スザンナを狙っていた。三人のトライアングルは愛と嫉妬と陰謀の渦に引き込まれてゆく―
経済破綻状態にあった1970年代のイギリス。市民が抱く不安と不満は、第二次大戦後に増加した移民たちへ転嫁されていった。街は暴力であふれかえり、黒人やアジア人が襲われた。そんな中、レッド・ソーンダズを中心に数人の仲間たちで発足された“ロック・アゲインスト・レイシズム” 略称RARは、差別の撤廃を主張し、雑誌を自費出版して抗議活動を始め、やがてザ・クラッシュをはじめ、トム・ロビンソン、スティール・パルス等の音楽と結びつき、支持されていく。1978年4月30日にはRARが決行した約10万人による大規模なデモ行進と音楽フェスが開催された。わずかな若者たちから始まり、時代を動かす程の運動へと拡がった若者たちの闘いに、当時の貴重なアーカイブと本人たちへのインタビュー、彼らに賛同したアーティストたちの圧巻のパフォーマンスで迫る。
名門音楽大学に入学したニーマン(マイルズ・テラー)はフレッチャー(J・K・シモンズ)のバンドにスカウトされる。ここで成功すれば偉大な音楽家になるという野心は叶ったも同然。だが、待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取りつかれたフレッチャーの常人には理解できない〈完璧〉を求める狂気のレッスンだった。浴びせられる罵声、仕掛けられる罠…。ニーマンの精神はじりじりと追い詰められていく。恋人、家族、人生さえも投げ打ち、フレッチャーが目指す極みへと這い上がろうともがくニーマン。しかし…。
オーディションに落ちながらもプロを夢見るダンサーのバーロウは、ブロードウェイで注目の舞台「フリーダンス」のオーディションになんとか合格。著名な振付師ザンダーから目をかけられ、互いに刺激をうけて良い舞台を作り上げていく。そんな中、当初予定していた主役が降板してしまい、ザンダーは代役にバーロウを抜擢。高ぶる気持ちを抑えられず、2人はキスを交わし、バーロウはより一層練習に励むのだが…。一方「フリーダンス」で急遽ピアニストの仕事を得たチャーリーは、ひたむきなバーロウに惹かれるも彼女とザンダーの関係に苦悩する。
本作は、アメリカ南部のミシシッピ・デルタやルイジアナ・バイユーの大御所ブルース・ミュージシャンたちを追いながらブルースの栄光と衰退を描いたドキュメンタリー。主に80 年代に活躍し、今も南部に暮らしチトリン・サーキットを続ける彼らにフォーカスし、観客をルイジアナ・バイユーの沼地からミシシッピデルタのジューク・ジョイント、ノース・ミシシッピ・ヒル・カントリーのムーンシャイン・バーベキューへと続く音楽の旅へと誘います。カナダ人監督のダニエル・クロスにより3年以上の月日を費やし完成。全米で17 年に公開されるや注目を集め、公開館数を驚異的に伸ばした話題作。昨年のグラミーでベスト・トラディショナル・アルバム賞を受賞したボビー・ラッシュをはじめ、バーバラ・リン、ヘンリー・グレイ、キャロル・フラン、レイジー・レスター、ロバート・ビルボ・ウォーカー、ジミー・“ダック”・ホームズ、R.L. ボイス、リル・バック・シネガルなど多くのブルース・ミュージシャンが出演。
ニューヨークの歴史あるクラブで特別ゲストとして招かれるほど、キューバ系アメリカ人歌手として名声を得ているニコ。3年前、彼はキューバのハバナにいた。親友のセルソを癌で亡くしたニコは喪失感から立ち直れず、歌を作ることもできなくなっていた。そんなある時、彼の歌を聴いたボブと名乗る自称音楽プロデューサーの男に、“才能があるからニューヨークに来ないか”と誘われる。ニコは父親を探したいと言っていた亡きセルソの夢を叶えるため、ニューヨークへと向かうことに。だが、当てにしていたボブは口先だけで、会うことすら叶わず、公園で野宿をするハメに。翌朝、目が覚めると、セルソの遺灰が入ったリョックは盗まれ、盗人のホームレスを探して街中を彷徨うことになる。
高校一年生の志乃は上手く言葉を話せないことで周囲と馴染めずにいた。ひとりぼっちの学生生活を送るなか、ひょんなことから同級生の加代と友達になる。音楽好きなのに音痴な加代は、思いがけず聴いた志乃の歌声に心を奪われバンドに誘う。文化祭へ向けて猛練習が始まった。そこに、志乃をからかった同級生の男子、菊地が参加することになり…。
ツワモノ揃いのミュージシャン、気鋭のシンセ開発者、巨大なマシンを操るシンセ女子、電子音がなり響く蕎麦屋、コタツのある楽器店など、2014年の大阪を舞台に展開される、世界でも唯一無二の超個性的なシンセサイザーシーンに体当たりで挑んだ渾身のドキュメンタリー映画。
人が「色」で見える高校生のトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、街の片隅にある古書店で出会った音楽好きの少年・ルイとバンドを組むことに。それぞれ誰にも言えない悩みを抱えている三人。音楽で心を通わせていくうちに、彼らの間には友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める―――。やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。会場に集まった観客の前で見せた三人の「色」とは。
米コロラド州リンカーンで、古い食堂を小粋なカフェ“コーヒー33”に生まれ変わらせた店主のアンバー。繁盛するカフェ内では、地元出身の新人カントリー歌手ジェイクの話題で持ち切りだった。ジェイクとは、レッカー作業中に歌っていた姿がSNSで3年前に拡散されてバズり、そのヤンチャなルックスと渋い美声で“レッカー吟遊詩人”として話題を集め、アメリカ音楽の聖地ナッシュビルに進出。地元で絶大な人気を博していた。しかし6ヵ月もアルバムと新曲が完成せず、ジェイクはFTAレーベルのマーヴィンから契約を打ち切られていた。原点回帰しようとリンカーンに帰ってきたジェイク。高校時代に付き合っていたアンバーと久々の再会を果たすが…。
かつてはアイドルスターとして一時代を築き、30代半ばとなった今でも人気DJとして活躍するヒョンス。高級マンションに暮らし、独身生活を満喫していた彼だったが、ある日、ファン・ジョンナムと名乗る若い女性が実の娘だと言って押しかけてくる。しかも、幼い息子キドンを連れて。彼女の突然の出現で、完璧だった彼の人生は今や風前の灯火となろうとしていた…。
1983年。シャンソン名曲♪待ちましょうのディスコ・ヴァージョンにのり、今宵もパリの下町のダンスホールに、仮初めの出会いを求めて男女が集まってきた。ホールに勤務する老バーテンは、自分がまだ新米だった1930年代に思いを馳せる――第二次大戦前夜の不穏な雰囲気が漂いつつも、逢瀬を楽しむ人々。戦時中の1940年代。男たちは出征し、ホールには女たちに、ナチス将校と対独協力者が。やがて終戦、市井の人々の心の傷はまだ癒えない。その後パリ解放と共に入ってきた、自由の象徴であるアメリカ文化。50年代はそのスタイルがパリの若者をも染め上げる。60年代後半の五月革命、ホールは長髪の学生たちの集会場に…時代は移り変わっても、このホールはいつだって、どんな人々をも迎え入れてくれる。
あるライブ映像から、この映画は始まる。ステージ上のミュージシャンが感謝の言葉とともに呼びかける、その名は“ノブエさん”。ノブエさんは“おじさん”である。西日本の小さな街・広島県尾道市で、風変わりなCDショップ「れいこう堂」を営んでいる。身銭を切りながら多くのインディーズミュージシャンをライブに呼び続けた、情熱の人。「動かなければ何も伝わらない」「1人でもやる」――感じたら、とにかく行動するのだ。店はほったらかしで西へ東へ。子どもたちのため、音楽のため、目の前の大切なコトのために。そして、ノブエさんとれいこう堂に訪れた危機は、ミュージシャンたちを突き動かす。走り回るノブエさんを気遣い、感化され、それぞれがまた彼の支えになる。その小さな力の集まりが、いくつもの無謀なチャレンジを成功させてきた。音楽と人が、人と人が、型破りでどこまでも温かいノブエさんの“ライブ”でつながり、弧を描き出すのだ。「このおじさんを知ってほしい」。撮り手である田中トシノリ監督の素直な思いと視線は、ノブエさんを追いながら日本の今をも気負うことなく浮き彫りにする。誰もが誰かのヒーローになれたなら…。1人のおじさんの記録が今、僕らの明日を予感させる物語になる。
今まさに失われようとしている古来から唄い継がれてきた歌と、それを伝える人々の姿を記録した鮮烈なドキュメンタリー!!沖縄県宮古島には、沖縄民謡とは異なる、知られざる歌がある。「古謡(アーグ)」と「神歌(かみうた)」がそれだ。厳しい暮らしや神への信仰などから生まれた歌は、宮古諸島に点在する村々でひっそりと唄い継がれ、特に“御嶽(うたき)”と呼ばれる霊場での神事で唄われる「神歌」は、喜びと畏敬の念をもって、何世紀にもわたり口伝されてきた。全ては音楽家の久保田麻琴が宮古島でこうした歌に出会い、この貴重な歌たちが絶滅の危機に瀕していることを知ったことから始まる。本作は、歌を唄い継ぐ人々の暮らしを追うなかで、神と自然への畏れ、そして生きることの希望を見出したドキュメンタリーである。神事の火は数世紀にもわたって人から人へと受け継がれ、神女(ツカサンマ)たちは、生きることへの願いと共に「神歌」を捧げる。90歳を超えた老婆たちが東京へと渡り、コンサートホールを埋め尽くした観客を前に力を振り絞って「神歌」を唄う。監督の大西功一は、秘められた島の神事を追い、生きることと信仰と歌がひとつだった時代を知る老人たちと寄り添い、いまだ原初の生の姿が残る奇跡の島・ミャークを鮮やかに投影した。沖縄県宮古島―ミャーク。これほどまでに豊かな世界があったことへの衝撃、そして不思議な懐かしさがわたしたちの胸を打つ。
2015年11月13日金曜日に起きたパリ同時多発テロ事件。現場のひとつとなったバタクラン劇場で、会場を埋め尽くし音楽に熱狂する観客たちが過激派に襲撃されたその時、ステージ上からその光景を目撃したのがバンド“イーグルス・オブ・デスメタル”だった。凄惨な現場から必死に逃れたものの、89名もの観客と仲間の命が奪われてしまう。特にボーカル・ジェシーの精神的ショックは大きなものだった。だが事件から3か月後。バンドは中断されたライブを最後までやり遂げるために、再びパリのステージに立つことを選択する。彼らの苦悩と葛藤は計り知れないものであったが、それでも復活できた理由とは。音楽の持つ力、人と人との絆の尊さに改めて気づかされる、真実の物語。監督はトム・ハンクスの息子で、バンドの友人であるコリン・ハンクス。
ビッグ・アーティストの素晴らしい音楽は、それを支えてきた寡黙なサイドマンの働きを抜きにして語ることはできない。本作は、歴史を作り上げた三人のサイドマンのドラマティックな音楽人生を描いたドキュメンタリーである。彼らの素晴らしさやブルースの魅力について、キース・リチャーズ、エリック・クラプトン、ジョニー・ウィンター、ボニー・レイット、ジョー・ペリーほか、音楽業界の第一線を彩る多数のミュージシャンが語る。2011年にこの世を去った三人の亡くなる前のラスト・インタビュー、そして最後の共演となった貴重なステージ映像も収録。ブルース・ファン、ロック・ファンのみならず、すべての音楽愛好家に捧げる至極のドキュメンタリー。
アイルランド、労働者階級の街・ダブリン。この街に生まれたら、成功する道は3つしかない。プロサッカー選手、プロボクサー、ミュージシャン―。そんなダブリンで、本物のソウルミュージック・バンドを作ろうと広告を出したジミーの元に集まった若者たち。彼らのバンド“ザ・コミットメンツ”は実力も性格もてんでバラバラ。練習場所にも事欠くが、やがて困難や挫折を乗り越えて、次第に彼らの魂(ソウル)の音楽を作り上げていく。
津軽三味線の巨星、故初代 高橋竹山。明治に生まれ、幼少期に煩った麻疹が元でおおよその視力を失う。生きていく為に三味線を習い、門付けをしながら乞食同然に彷徨った。彼を産み、視力を奪い、蔑み、また命の綱となった三味線を授けた恨めしくも愛おしいこの土地に初代竹山は終生拠点を置き、津軽の音を探し続けた。映画は、残された映像や音声、生身の竹山を知る人々の言葉を拾いながら、彼の人生や心模様を呼び覚ましていく。そして、この地に今も残る風習や文化、人々の暮らしにレンズを向け、竹山の音に潜むであろう津軽の原風景を浮き彫りにしていく。
テネシー州メンフィス。ここでは多種多様な音楽が生まれ融合し、また、数々の“生ける伝説”と呼ばれる世界的ミュージシャンたちを輩出してきた。彼らを今一度この故郷に呼び戻し、名門ロイヤル・スタジオ等にて、ジャンルや人種、世代を超えた新たなレコーディングを行い、メンフィスの音楽と精神を現代の世界に再び送り出そう――この破天荒なプロジェクトの過程を追ったドキュメンタリーである本作。ブッカーT.ジョーンズやメイヴィス・ステイプルズ、惜しくも収録後にこの世を去ったボビー・ブランドやスキップ・ピッツといった巨匠たちが次世代を担う若者に音楽を継承する貴重なセッションの数々を、かのスタックス・レコードの盛衰に象徴される黒人差別の歴史と絡めつつ綴っていく。偉大なる先人たちがプレイの秘訣を惜しげもなく伝授してゆくシーンが印象深く、過去から現代へ粛々と受け継がれるこの地の“ソウル”がスクリーンから溢れ出す。音楽の本質を垣間見せてくれる感動作。
アジアを代表する歌姫。スクリーンを飾る人気女優。同性愛者であることをカミングアウトした1人の女性――。デニス・ホーの歩みを通じ、香港の今を活写した傑作ドキュメンタリー!2014年に香港で起きた「雨傘運動」。警官隊の催涙弾に対抗して雨傘を持った若者たちが街を占拠したこの運動に、1人のスーパースターの姿があった。彼女の名前はデニス・ホー(何韻詩)。同性愛を公表する香港の人気歌手である彼女は、この雨傘運動でキャリアの岐路に立たされていた。彼女は、中心街を占拠した学生たちを支持したことで逮捕され、中国のブラックリストに入ってしまう。次第にスポンサーが離れていき、公演を開催することが出来なくなった彼女は、自らのキャリアを再構築しようと、第二の故郷・モントリオールへと向かうのであった。スー・ウィリアムズ監督による長期密着取材によって浮かび上がるのは、香港ポップスのアイコンであった彼女が、香港市民のアイデンティティと自由を守るために声を上げる1人のアーティスト、そして民主活動家へと変貌していく様である。その物語は、歪な関係にある香港と中国を巡る過去30年間の情勢を見事に反映している。そして、2019年6月。香港で逃亡犯条例改正に反対するデモが起き、彼女は再び岐路に立たされた。数百万のデモ参加者が街頭に繰り出した時、彼女は催涙ガスと放水砲が飛び交う通りに立ち続け、デモ参加者を守ろうとする。そして、国連やアメリカ議会で香港の危機的状況について訴え、自由と民主主義を守ろうとする人々の姿を世界に発信していくのだった。自由を求める香港の人々の声が、デニス・ホーという存在に重なり、その願いが1つの歌となって響き渡る。映画の幕は閉じるが、香港の闘いはまだ終わっていない。
人生最期となった2018年夏のヨーロッパ・ツアーに密着。体調が万全でない中、ステージで命を燃やすようにトランペットを演奏する壮絶な姿が克明に描かれている。また、ロイ自身の口からだけでなく、彼と親しかった数々の音楽仲間たちの貴重な証言が綴られる。49歳で急逝した天才トランペッターが、命の限りに音楽に情熱を注ぐ姿をとらえた、心震わす傑作ドキュメンタリー。
1958年にリリースされたある曲が、世界を揺るがした。タイトルは「ランブル」。インディアンの血をひくリンク・レイによる攻撃的なギターサウンドは物議を醸し、歌詞のないインスト曲にも関わらず“少年犯罪を助長する”という理由で放送禁止となったが、この曲なくしてはレッド・ゼペリンもザ・フーもパンクもメタルも生まれなかった、と言われている。本作はこの「ランブル」を皮切りに、インディアンをルーツに持つミュージシャンたちが、いかにアメリカのポピュラー音楽に影響を与えてきたか、そしてなぜ彼らが栄光の歴史から抹殺されたかを、初めて明らかにした感動的音楽ドキュメンタリーである。
2016年4月21日57歳の若さで急死した天才ミュージシャン、プリンス。80年代、映画『パープル・レイン』、同映画サントラのメガヒットで、一躍世界的スーパースターに。公式発売されたアルバムのトータルセールスは1億5千万枚。12枚のプラチナアルバムと30曲のトップ40シングルを生み出し、7度のグラミー賞を受賞。2004年にはロックの殿堂入りを果たすなど、生涯ロック・ポップス界の頂点に君臨し続けた。ポール・マッカートニーが“クリエイティブの巨人”と称し、エリック・クラプトンが“世界で最高のギタリストの一人”と賞賛するなど、マニアを公言するビッグネームは数知れない。ロック~ポップス~ファンク…あらゆるジャンルの垣根を飛び越え、実験性と大衆性を同時に奏でる真の天才だった。ミネアポリスで誕生したプリンス(本名:プリンス・ロジャーズ・ネルソン)住民の99%が白人という環境下で、多感な青春時代を過ごした。公民権運動の渦中、ジェイムス・ブラウン等の黒人ミュージシャンも時折訪れた、地元のブラックコミュニティ“ザ・ウェイ”での音楽的な原体験、恩師や家族が語る幼少期のエピソードは、興味深いものばかりだ。チャカ・カーン、チャックD、ビリー・ギボンズなど、プリンスを敬愛するミュージシャンの貴重なエピソードも多数収録。孤高の天才が、如何にして誕生したのか、そして突然の悲劇まで、プリンスを愛する全てのファンに贈る傑作ドキュメンタリー。
1981年に福岡で結成されたThe Swanky’sは、83年にバンド名をGAIに変更するも85年に再びThe Swanky’sに戻し、同年に初アルバム「THE VERY BEST OF HERO」を発表。過激なパフォーマンスに頼ることなく音楽性に徹した王道のパンクバンドは、その名を福岡から全国、そして世界へととどろかせていく。結成から解散、21世紀に入ってからの再活動、そして現在に至るまでの42年間、メンバーたちは何を思ってきたのか。当時の貴重な映像や音源でその歴史を振り返るとともに、ファッションブランド「メゾン ミハラヤスヒロ」のミハラヤスヒロ、ロックバンド「氣志團」の綾小路 翔、お笑いコンビ「バイきんぐ」の小峠英二ら、彼らの音楽やファッションと出会い衝撃を受けた著名人たちのインタビューを通して、The Swanky’sというバンドの核心に迫る。
朝鮮時代末期。母を亡くした少女チェソンは、偶然にも耳にした【パンソリ】で唄われていた悲運なヒロインに自らの人生を重ねて感銘し、唄い手になることを決意する。当時は女性が【パンソリ】を唄うことは固く禁じられていたが、あきらめきれないチェソンは性別を偽り、大家ジェヒョのもとで修業を積む。ある日、時の権力者・興宣大院君が主催した宴に危険を冒して臨むのだが…。最後まで夢を信じる少女と、命がけで支え【パンソリ】の全てと愛について教えた師匠。そして、ふたりの運命を握る絶対的な権力者。知られざる実話が、いま美しくスクリーンに花開く―ー。
頑固なおばあちゃんダイは、息子と孫にはとことん甘いが、ほかの家族から疎まれるほど口うるさい。そのストレスで息子の嫁が入院してしまうと、家族会議で家を出ていってもらう話が持ち上がる…。ショックを受けひとり街で佇むダイは、偶然目にした写真館に惹きつけられる。「人生で一番輝いていた瞬間を思い出して」と写真を撮られると、そこにはなんと20歳の麗しき姿をした自分がいた。最初は戸惑いを隠せないダイだったが、もう一度青春を取り戻すことを決意。名前をタン・ガーと変え、かつて叶えられなかった夢を実現するため、新たな人生をスタートさせる――
キュートなルックスと並外れた歌唱力を持つ20歳の女の子、オ・ドゥリ。しかし、彼女はただの若くて可愛い女の子ではなかった。口を開けば罵詈雑言、なまりは丸出し、おまけに他人の意見はいっさい無視。そう、彼女は歯に衣着せない毒舌で、わが道を猛烈に突き進む、最強の20歳だったのだ。突然みんなの前に現れ、その魂あふれる歌声で周囲を魅了し、またたく間にスターの座を駆け上がっていくドゥリ。しかし、誰も彼女の秘密を知らなかった。実は、彼女の正体は70歳のおばあちゃんだということを―
頑固なおばあちゃんモンジュン(グァ・アーレイ)は、プロのバンドを目指す孫チェンチン(ルハン)と大学教授の息子にはとことん甘いが、ほかの家族から疎まれるほど口うるさい。そのストレスで息子の嫁が入院してしまうと、家族会議で老人ホームへ入れられる話が持ち上がる…。ショックを受けひとり街で佇むモンジュンは、偶然目にした写真館に惹きつけられる。「一番綺麗だった頃を思い出して」と写真を撮られると、そこにはなんと20歳の麗しき姿をした自分がいた。最初は戸惑いを隠せないモンジュンだったが、もう一度青春を取り戻すことを決意。名前をテレサ(ヤン・ズーシャン)と変え、かつて叶えられなかった夢を実現するため新たな生活を始めることにする。ある日、なじみの老人カフェでカラオケを熱唱することに。その歌声は偶然居合わせた音楽プロデューサーのズーミン(チェン・ボーリン)や孫のチェンチンたちの心を魅了してしまう。そして、チェンチンの“前進(チェンチン)バンド”に誘われたテレサはボーカルとして参加、ズーミンのプロデュースでデビューを目指すことになる。歌手になる夢に近づくテレサは、だんだんとズーミンに惹かれていく。しかしチェンチンもまた、テレサのことをおばあちゃんだと知らずに特別な感情を抱き始める。微妙な三角関係の中、ついにデビューが決まった“前進バンド”。しかし、テレサの満ち足りた日々は長くは続かなかった――
錚々たるアーティストを数多く輩出した伝説のフォーク喫茶“セシボン”。1970年代、最もホットな場所であったそのセシボンで「魔性の美声」と言われたユン・ヒョンジュと「生まれながらの音楽の天才」ソン・チャンシクが生涯のライバルとして初めて出会った。セシボンのオーナーは彼らを歌手デビューさせるために、ふたりの才能を繋ぐことができる人物をもうひとり加えたトリオのチーム構成を提案。自称セシボンの専属プロデューサーであるイ・ジャンヒは、偶然出くわした「通りすがりの素人」オ・グンテの重低音ボイスを聞いて、彼がトリオに入るべき逸材であることを直感する。ギターのコードさえまともに知らない田舎者のオ・グンテだったが、ジャンヒの説得でトリオ“セシボン”のメンバーとしてしぶしぶ合流することに。しかし、その頃の男であれば誰もが憧れていた「セシボンのミューズ」ミン・ジャヨンに出会うやいなや、一目で恋に落ちてしまったグンテは、彼女のために歌を歌うことを決意するのだった。
<主な登場曲>(全てダイジェスト)「フォー・ユア・ラヴ」 「ハートせつなく」「アイム・ア・マン」「ジェフズ・ブギー」「ナッズ・アー・ブルー」「幻の10年」「ストロール・オン」/ヤードバーズ「ハイ・ホー・シルバー・ライニング」「ベックス・ボレロ」「恋は水色」「悲しみの恋人達」「誰も寝てはならぬ」ジェフ・ベック「シェイプス・オブ・シングス」「モーニング・デュー」「ブルース・デラックス」「プリンス」/ジェフ・ベック・グループ
ウィングスで再び世界制覇を果たしたポールと我が道を生きたジョン 紆余曲折を経て珠玉の名曲をリリースし続けたふたりの軌跡を追ったシリーズ完結編<主な登場曲>(全てダイジェスト)「マインド・ゲームス」「インテューイション」「スタンド・バイ・ミー」「真夜中を突っ走れ」「夢の夢」「ジャスト・ビコーズ」「スターティング・オーヴァー」「ウーマン」「マイ・ラヴ」「死ぬのは奴らだ」「ブルーバード」「バンド・オン・ザ・ラン」「ジェット」「レット・ミー・ロール・イット」「ジュニアズ・ファーム」「あの娘におせっかい」「ロック・ショー」「磁石屋とチタン男」「やすらぎの時」「心のラヴ・ソング」「幸せのノック」「夢の旅人」「たそがれのロンドン・タウン」「しあわせの予感」「カミング・アップ」「ウォーターフォールズ」
ビートルズ人気絶頂の中、永遠と思われた絆は崩壊しジョンとポールはソロ活動を始めるが全く異なる道を歩んでいく ヨーコとの共同制作でジョンが新境地を開く一方でポールはプレッシャーに苦しむ... 初期の代表曲をバンドメンバーたちと研究本著者たちが徹底検証<主な登場曲>(全てダイジェスト)「平和を我等に」「ヤー・ブルース」「コールド・ターキー」「インスタント・カーマ」「マザー」「ゴッド」「パワー・トゥ・ザ・ピープル」「イマジン」「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?」「女は世界の奴隷か!」「ジョン・シンクレア」「ザ・ラック・オブ・ジ・アイリッシュ」「恋することのもどかしさ」「アナザー・デイ」「アンクル・アルバート~ハルセイ提督」「ディア・フレンド」「アイルランドに平和を」
『リボルバー』リリースの1966年からラストアルバム『アビー・ロード』そしてビートルズ解散の1970年まで 様々な音楽やカルチャーが出現し最もクリエイティブに溢れていた時代、ふたりにも転機が訪れる...<主な登場曲>(全てダイジェスト)「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」「アイム・オンリー・スリーピング」「エリナー・リグビー」「トゥモロー・ネバー・ノウズ」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ペニー・レイン」「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」「ヘイ・ジュード」「レボリューション」「ヘルター・スケルター」「ゲット・バック」「アイ・ウォント・ユー」「ゴールデン・スランバー」
1957年ジョンとポールの運命的出会いからビートルズ結成、1965年『ラバー・ソウル』まで レアな映像と共に社会現象を巻き起こした幾多の名曲誕生の背景を徹底検証<主な登場曲>(全てダイジェスト)「プリーズ・プリーズ・ミー」「抱きしめたい」「シー・ラヴズ・ユー」「ラヴ・ミー・ドゥ」「オール・マイ・ラヴィング」「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」「キャント・バイ・ミー・ラヴ」「ア・ハード・デイズ・ナイト」「恋する二人」「悲しみはぶっとばせ」「ヘルプ!」「イエスタデイ」「ひとりぼっちのあいつ」「ノルウェーの森」「ミッシェル」
インド・タミルナードゥ州都のチェンナイ。インド伝統音楽で演奏される打楽器・ムリダンガム職人を父に持つピーターは、映画スター・ヴィジャイの推し活に余念のない学生。ところがある日父の作ったムリダンガムを巨匠ヴェンブ・アイヤルが演奏するのを目の当たりにし、自分もその奏者になりたいという衝動が起きる。その瞬間から、それまでにあまり感じてはいなかったカーストによる差別、伝統音楽と映画・テレビ業界との軋轢、伝統芸能の生き残りと承継、世代間の意見の相違など、様々な障壁や困難がピーターに降りかかっていく。巨匠に弟子入りを直訴するも、身分を理由に門前払い。やっとの思いで入門を果たし、昔からの伝統に厳格な師匠との距離を徐々に縮めるも、兄弟子たちの嫌がらせや裏切り。ついに警察沙汰になり、破門になってしまう。息子の未来を案じる両親には、職人で生計を立てている以上演奏することなど望むなと釘を刺される。師匠も失い自分は無用の長物だと絶望するピーターに、ガールフレンドのサラはある言葉をかけ、ピーターの背中を押し出す。
「お母さん絶対だよ?絶対に迎えに来てね」児童養護施設に預けられる幼い姉の松平香(西尾まう)と弟の松平勇人(勇翔BOYS AND MEN)はすぐに母親が迎えに来ると思っていたが、母が迎えに来ることはなかった。年齢で養護施設を退園した香と勇人は、二人で母親を探しながら社会の片隅で懸命に生きていた。ある日、育った養護施設の廃園が決まり、閉園式の手紙が二人の手元に届いた。閉園式でかつての仲間、佐藤良太(辻本達規BOYS AND MEN)、渡辺洋介(本田剛文BOYS AND MEN)、西川光(平松賢人BOYS AND MEN)と再会する。プロのダンサーを目指して施設の庭で夜、ダンスの練習をしていた5人だったが、生きていくためにいつの間にか夢を追いかけるのをやめていた。しかし、光だけはインディーズのダンスグループで夢を追いかけていた。ダンスグループ「SOMEDAYS」に初めてのオファーが入り、自分たちのように喜んだ香たちだったが、そのグループは仲間割れで解散してしまっていた。「だったら俺たちが一緒にやってやるよ!」良太の一言で即席の「SOMEDAYS」が(再)結成された。
埼玉県川越市を舞台に、一人暮らしの老職人とクラブシンガーを名乗る謎の女性との交流を映し出すヒューマンドラマ。ある日、アンティーク照明の修理店を営む藤吾のもとに、20年前に行方をくらました藤吾の息子・耕輔の子をお腹に宿しているという洋子が現れ……。
1969年12月、中村治雄(PANTA)と石塚俊明(TOSHI)によって結成された“頭脳警察”。のちに日本語ロックの元祖と謳われことになる彼らは、反戦・反体制運動が激化するなか、その過激な歌詞と自由なメロディーによって、運動に参加する若者の圧倒的な支持を得た。のちに“革命三部作”と呼ばれる「世界革命宣言」「銃をとれ」「赤軍兵士の詩」は、鬱屈した社会情勢に抑圧された若者の心情にまさに共鳴する“詩”として享受されたのだった。しかし、やがて彼らはもっと純粋な音楽への探究を模索し始める。本当にやりたい音楽を追究するためには、大衆に支持された現状が足かせとなっていた。そして、1975年、彼らは大衆の圧倒的な支持を背にステージを降りてしまう。頭脳警察から放たれたPANTAとTOSHIは、それぞれの道を歩みながら、以後、離合集散を繰り返し、その都度、“頭脳警察”もまた進化し続けてきた。時は過ぎ、2019年、“頭脳警察”は新たな血を入れ、再始動!ギター・澤竜次(黒猫チェルシー)、ベース・宮田岳(黒猫チェルシー)、ドラム・樋口素之助、キーボード・おおくぼけい(アーバンギャルド)という若きミュージシャンとともに、“頭脳警察”50周年バンドを結成。本作は、“頭脳警察”と同じ時代を歩んできた者、その背中を追ってきた者、あらゆる世代の表現者の証言とともに、変わらぬ熱量を保ち続ける彼らの現在と過去を追うことで、日本におけるカウンターカルチャーとサブカルチャーの歴史を浮き彫りにしていくドキュメント作品である。そして、コロナ禍に大揺れした日本のカルチャーシーンに対して、“頭脳警察”はどのような答えを導き出すのか。閉塞する“今”の時代だからこそ、彼らは絶景としての“未来”を思い描いている。PANTAとTOSHI、そして新たな強力メンバーを得た“頭脳警察”の闘いは、この時代を生き抜くための力を、私たちに与えてくれるに違いない。
「…そうか、私は栃木で死ぬのか。」世界の終焉を告げる予言がメディアを駆け巡っていたある日、栃木県の某所に集められたアイドルグループ・イブニングローリーは配信ライブとミュージックビデオの撮影のために合宿を行う予定となっていた。ところが合宿は初日からメンバーやスタッフが失踪するトラブルが発生。日頃からメンバー間での折り合いがつかないメグ(桃果)は我慢の限界を迎えグループからの脱退を決意する。翌朝、メグはメンバーの制止を振り切って合宿所を後にするが、その道中で失踪していたメンバーのハル(ブラジル)の変死体と遭遇、その直後謎の怪電波に襲われたメグも自らの死を予感するが、これはその後のメグとイブニングローリーに降りかかる出来事のプロローグに過ぎなかった…。
1960年代半ば、ザ・ローリング・ストーンズの初代リーダーとしてバンドとともにブリティッシュ・ロック・シーンを駆け上り、トップ女優アニタ・パレンバーグとの交際で注目され、スウィンギン・ロンドンを象徴する存在の一人として燦然たる地位を確率したブライアン・ジョーンズ。だが、彼の行き過ぎたライフ・スタイルと悪評がその後の人生を狂わせていく。1967年、シーンがドラッグに蝕まれはじめると彼もその闇に溺れていく。当局とメディアから格好のターゲットとして追われ、ブライアンは暴走していき、結果ストーンズとしての威厳もアニタも失うこととなる。2年後、彼は自宅のプールの底で発見された。検視結果は「不慮の事故による死」。若き彼の死はその後の”27クラブ”の嚆矢となる。没後から現在まで、彼の死は他殺によるもので、その真実は隠ぺいされたのだという陰謀説が数多く浮上している。そしてそういった説を証明する数々の証拠も見つかっている。本作でもまた、生前のブライアンをよく知る人物たちの声により、その疑惑を掘り下げていく。監督は音楽ドキュメンタリーの名手ダニー・ガルシア。
ノアはロンドンのライブハウスで満員の客を呼べるような人気シンガー。ある時、彼のライブの写真を撮っていた女性キャットから積極的にアプローチされたノアは、ライブハウスのスタッフが口利きしたレコード会社との挨拶よりも、出会ったばかりのキャットに夢中になり、仕事で向かうカリブ海のトバコ島へ彼女を連れて行く。それから時が経ち、再びキャットを連れてトバコ島に向かうノア。だが、あれほど愛し合っていたはずが、キャットはどこかよそよそしい。ノアはかつてトバコ島を訪れた時のキャットとの甘い記憶が蘇り、なぜ彼女が自分と距離を取るのかわからず、どうすればあの魔法のような時間が戻るのかと思い悩むのだが…。
イソップ寓話のひとつと、ヨガの道徳的・精神的価値観にインスパイアされたこのエキサイティングなアクション満載の大冒険は、子どもたちをハラハラドキドキさせ、時には笑わせ、時には涙させる。誇りと謙虚さについての感動的な物語を軸に、キャッチーで心地よい歌に満ちたユニークな冒険が繰り広げられる。
美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト長として日々を送る常田菜摘(吉岡里帆)。デザイン業界に戻るか、このままアイス屋を続けるか、どちらが幸せで正解だろう?思い悩む彼女はある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、その日以降佐保の存在が頭から離れなくなっていく。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて――。片や、アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本まりか)は、突然の来訪者に戸惑っていた。疎遠になっていた姉の娘・美和(南琴奈)が、何年も前に出ていった父を捜すため、高校の夏休みを利用して突撃してきたのだ。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった……。「好き」と気軽に口にできないほど微かで淡く、でも抗えない衝動。4人それぞれの色を纏った想いは、切なくも確かに疾走していく。
ロック大好きドラム少年のグリムは、親友でギター兼ボーカルのアクセルとともに、小さいころからの夢だったノルウェーのロック大会出場を目指して練習に励む毎日。ギターの腕は超一流のアクセルだったが、歌はとんでもない音痴で、困ったことに本人にはまるで自覚がない。グリムがこっそり音程補正ソフトで修正したデモ音源を、アクセルがロック大会に送ったら、念願の決勝大会出場のチケットが。夢がかなったと有頂天のアクセルだが、開催地は遥か北の果ての町・トロムソだし、何よりもバンドメンバーは2人しかいない。急遽ベースのオーディションを開いたものの、やってきたのは9歳のチェロ少女、ティルダだけだった。「本物のバンドは車だぜ」とのアクセルの主張で、近所に住む自動車工場の跡継ぎ、マッティンをドライバーに誘い、4人でノルウェー縦断のドライブに出かけるが……。果たして4人は無事にトロムソにたどり着いて、ノルウェー・ロック大会で演奏することができるのか。
世界で最も有名な幻のアルバム「スマイル」は、何故封印されたのか?ブルース・ジョンストン(ザ・ビーチ・ボーイズ)、ハル・ブレイン(レッキング・クルー)、マーク・ヴォルマン(ザ・タートルズ)他、ブライアンを最も知る人物たちによる秘話と詳細な楽曲解説はまさに圧巻。ザ・ビーチ・ボーイズの名曲&ブライアン幻の音源が時系列に続々登場、全37曲、全曲字幕入り!
ザ・ベンチャーズ ドン・ウィルソン、ボブ・ボーグルの2人によって1959年結成。「パイプライン」「ダイアモンド・ヘッド」「十番街の殺人」等の大ヒットで1960年代日本にエレキ・ブームの大旋風を巻き起こした。わが国のロックの基礎を築いた彼らの歴史は、ポップ・ミュージックの歴史といえるほど幅広いジャンルをカバーした膨大なディスコグラフィと来日公演回数を誇る。メンバーチェンジを重ねつつ現在も活動中のエレキの王者、そして現役最長ロック・グループ
オリジナル・メンバーのブライアン・ジョーンズ脱退後、新ギタリスト=ミック・テイラー、その後ロン・ウッドが加入、幾多のトラブルを乗り越え、全英/全米1位となる傑作アルバムを次々にリリースし、ストーンズは黄金期を迎える。ロック界最強のバンドとなったストーンズ栄光の軌跡を追う決定版ドキュメンタリー。 1975年-1983年 ~ロン・ウッド・イヤーズ 主な登場曲(全てダイジェスト)「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」「むなしき愛」「愚か者の涙」「ホット・スタッフ」「サム・ガールズ」「ライズ」「ミス・ユー」「エモーショナル・レスキュー」「スタート・ミー・アップ」「アンダー・カヴァー・オブ・ザ・ナイト」「シー・ワズ・ホット」
オリジナル・メンバーのブライアン・ジョーンズ脱退後、新ギタリスト=ミック・テイラー、その後ロン・ウッドが加入、幾多のトラブルを乗り越え、全英/全米1位となる傑作アルバムを次々にリリースし、ストーンズは黄金期を迎える。ロック界最強のバンドとなったストーンズ栄光の軌跡を追う決定版ドキュメンタリー。1969年-1974年~ミック・テイラー・イヤーズ 主な登場曲(全てダイジェスト)「ギミー・シェルター」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「ホンキー・トンク・ウィメン」「ストリート・ファイティング・マン」「ワイルド・ホース」「ブラウン・シュガー」「ハッピー」「ダイスをころがせ」「ダンシング・ウィズ・ミスターD」「悲しみのアンジー」「スター・スター」「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」
バンド結成から衝撃のデビュー、そして「サティスファクション」から特大ヒット連発によるブレイク、ブライアン・ジョーンズの脱退など波乱万丈、1960年代のストーンズを貴重なニュース映像・ミュージック・ビデオ・ライブシーンの数々と関係者インタビューで徹底検証。主な登場曲(全てダイジェスト)「サティスファクション」「ルビー・チューズデイ」「2000光年のかなたに」「シーズ・ア・レインボー」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」「悪魔を憐れむ歌」「ノー・エクスペクテーションズ」「ストリート・ファイティング・マン」「無情の世界」「ホンキー・トンク・ウィメン」「ギミー・シェルター」
バンド結成から衝撃のデビュー、そして「サティスファクション」から特大ヒット連発によるブレイク、ブライアン・ジョーンズの脱退など波乱万丈、1960年代のストーンズを貴重なニュース映像・ミュージック・ビデオ・ライブシーンの数々と関係者インタビューで徹底検証。主な登場曲(全てダイジェスト)「カム・オン」「彼氏になりたい」「ノット・フェイド・アウェイ」「イッツ・オール・オーバー・ナウ」「ラスト・タイム」「サティスファクション」「一人ぼっちの世界」「19回目の神経衰弱」「レディ・ジェーン」「黒くぬれ!」「マザー・イン・シャドウ」
世界の音楽やファッションなど、あらゆる芸術と文化に強烈なインパクトを与え、またヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ニューヨーク・ドールズの拠点であり、NYパンク・ロックシーンを生み出したことでも知られる伝説的ナイトクラブ、マクシズ・カンザス・シティ(1965-1981)。本作はこのクラブの歴史を綴った初のドキュメンタリー作品である。かのCBGBより8年ほど歴史は古く、芸術家、作家、俳優、ミュージシャンなど文化人の社交場でもあったこの店は、アンディ・ウォーホルと彼の取り巻きたちが集い、デヴィッド・ボウイとイギー・ポップ、ルー・リードが同じテーブルを囲み、ジョン・レノンやミック・ジャガーらも度々訪れ、ピストルズ解散後のシドもステージに立った場所。これまで明かされることがなかったこのナイトクラブの成り立ちから終焉までの軌跡を、当時を肌で経験したスターたちが振り返る歴史的にも稀少な映像作品である。
朝鮮の伝統的民俗芸能パンソリ。一人の歌い手が鼓手(太鼓を打つ人)の拍子に合わせて、チャン(歌)、アニリ(台詞)、ノルムセ(身振り)を織り混ぜながら口演する一種のソロオペラである。民謡教師イ・ビョンギは、珍島の民俗音楽院にやってくる。親に反対され、塀越しにパンソリを学んでいたイムレに歌の才能があることを知り、猛特訓するー。
70年代後半に登場、音楽史に強烈な爪痕を残したセックス・ピストルズ。ボーカルのジョニー・ロットンはピストルズ解散後、本名ジョン・ライドンとして新たにPiL(パブリック・イメージ・リミテッド)を結成し、以来バンドはメンバーやスタイルの変換を経ながら、今なお音楽への新たなアプローチを体現し続けている。結成40周年の2018年に発表された本作への出演は、ジョン・ライドンとPiLの新旧メンバーをはじめ、フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、アドロック(ビースティ・ボーイズ)、サーストン・ムーア(ソニック・ユース)など豪華な顔ぶれ。ジョンとPiLのキャリアに隠された紆余曲折の舞台裏、そして初めて明かされる真実の数々が、ジョンのウィットにとんだ語り口と率直な人柄を通じて赤裸々に描かれた、音楽ファンならば必見のドキュメンタリー。
1971年、「世界を売った男」をリリースした24歳のデヴィッドはイギリスからアメリカヘ渡り、マーキュリー・レコードのパブリシスト、ロン・オバーマンと共に初の全米プロモーションツアーに挑む。しかしこの旅で、自分が全く世閻に知られていないこと、そして時代がまだ自分に追いついていないことを知る。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、アンディ・ウォーホルとの出会いやファクトリーなど、アメリカは彼を刺激した。兄の病気もデヴィッドを悩ませていた。いくつもの殻を破り、やがて彼は世界屈指のカルチャー・アイコンとしての地位を確立する最初の一歩を踏み出す。《デヴィッド・ボウイ》になる前のデヴィッドの姿がここにある。
1976年結成、“ニューヨークのセックス・ピストルズ”とも言われカルト的人気を誇ったバンド、ザ・デッドボーイズ。そのバンドを率いたスティーヴ・ベイターの生涯を描いた唯一無二のドキュメンタリー映画が遂に日本上陸!オハイオ州ジラード出身の彼がバンドを結成するまでの歩み、メジャーデビューからたった一年後の衝撃的な解散、そこから続く新たな音楽活動。音楽とドラッグにまみれてなお人々を魅了し、パリでの交通事故という形で突如散った彼の僅か40年の軌跡を、稀少な映像と真の姿を知る仲間たちの言葉とで綴った衝撃作。監督はクラッシュやジョニー・サンダース、シド・ヴィシャスも手掛けた音楽ドキュメンタリーの名手、ダニー・ガルシア。
「もっとも残酷で美しいラブストーリーが鳴り響く」20代後半の主人公の公平はアルバイトをしながら売れないバンドを続けている。バンドではキーボードと作詞・作曲を担当。公平の作曲の才能を信じるメンバーもいたが、中々上手くいかない状況が公平の作る曲のせいだというメンバーもいた。公平にとって大切だと思っていたバンドメンバーとの関係は活動を続けていくほど悪くなっていく。また公平の彼女の珠江も彼を支えながらも、2人の将来に不安を募らせていた。ある日、大切なモノを失うという公平が1番恐れていた現実に直面する。メンバーが起こした“ある事件”をきっかけに、複雑に交錯していく人間関係。裏切りやバンドの解散、街の愚連隊組織をまとめる公平の幼なじみの“歪”な決断。そして大切な彼女との別れ。夢は一瞬で消え、現実に押し潰される公平。恐れていたように全てを失う。だが公平は二度と全てが戻らないと理解しながらも新しいバンドを立ち上げ、自ら歌う歌が新しい道を切り開く。
ローレル・キャニオンを代表するクロスビー、スティルス&ナッシュ(CSN)にスポットを当て、スーパーバンドの誕生から名曲秘話まで...伝説のミュージシャンたち自らが“魔法の音楽磁場”の日々を語る、ウェストコースト・ロックファン必見の音楽ドキュメンタリー