6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、“世界最大の夢の国”フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーで職なしのヘイリーは厳しい現実に苦しむも、ムーニーから見た世界はいつもキラキラと輝いていて、モーテルで暮らす子供たちと冒険に満ちた楽しい毎日を過ごしている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく―
ロンドン。穏やかに引退生活を送るトニー。ある日、見知らぬ弁護士から手紙が届く。あなたに日記を遺した女性がいると。その女性とは40年も前の初恋の人ベロニカの母親。遺品の日記は学生時代の親友エイドリアンのものだった。なぜ彼女の元にその日記があったのか?そこには一体何が書かれているのか?長い間忘れていた青春時代の記憶、若くして自殺した親友、そして初恋の秘密―。ついにベロニカとの再会を果たすトニーだったが、思いもかけず自身の記憶は大きく揺らぎ始めるのだった…。
京都で豆腐作りの修行を積んだ勇作は、毎朝じっくりと手間と時間をかけて美味しい豆腐を作り、町の主婦や料理屋に届ける生活を続けていた。ある日、勇作の元に、警察官に付き添われ、東日本大震災で津波により家族をで失った少年・政美がやって来る。心に傷を抱える彼を、勇作はただ静かに見守り続ける。少しずつ心を再生させていく政美。町が大きな揺れに襲われ、一人で留守番をしていた政美は震災の恐怖がよみがえり、姿を消してしまう・・・
愛する人との悲しい過去を背負う女納棺師・満島弥生。一方、子供の頃に両親を交通事故で亡くした亜衣は、事故の記憶に苦しめられていた。ある日、亜衣は知人の葬儀の場で満島弥生に出会う。満島の仕事ぶりに感動した亜衣は、自分に向き合うために満島に弟子入りしようと決意する。満島の元で様々な「おみおくり」の現場に接しながら成長していく亜衣。そして亜衣は、亜衣を見守る満島にも悲しい過去があることを知る…。一体、満島は何故納棺師という職業を選んだのか?満島が抱える心の悲しみとは?
南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、幽霊の姿となってジュリエットが彼の前に現われる。そして、屋敷に忍び込んだ子どもたちからの誘いによって、突然はじまった映画撮影。やがて撮り進めるうちに、ジャンは過去の記憶ともう一度向き合い、忘れかけていた感情を呼び起こしていく。そして残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりが、ふたたび灯されていく。
テネシー州メンフィス。ここでは多種多様な音楽が生まれ融合し、また、数々の“生ける伝説”と呼ばれる世界的ミュージシャンたちを輩出してきた。彼らを今一度この故郷に呼び戻し、名門ロイヤル・スタジオ等にて、ジャンルや人種、世代を超えた新たなレコーディングを行い、メンフィスの音楽と精神を現代の世界に再び送り出そう――この破天荒なプロジェクトの過程を追ったドキュメンタリーである本作。ブッカーT.ジョーンズやメイヴィス・ステイプルズ、惜しくも収録後にこの世を去ったボビー・ブランドやスキップ・ピッツといった巨匠たちが次世代を担う若者に音楽を継承する貴重なセッションの数々を、かのスタックス・レコードの盛衰に象徴される黒人差別の歴史と絡めつつ綴っていく。偉大なる先人たちがプレイの秘訣を惜しげもなく伝授してゆくシーンが印象深く、過去から現代へ粛々と受け継がれるこの地の“ソウル”がスクリーンから溢れ出す。音楽の本質を垣間見せてくれる感動作。
16歳になり、身も心も男の子として生きたいと決断した主人公レイ、シングルマザーのマギーは、「突然、息子を育てることになるなんて・・」と、動揺を隠せない。共に暮らすレズビアンのおばあちゃんのドリーもレイのカミングアウトをイマイチ理解ができないでいる。一方、髪を短く切り、身体を鍛え、少しずつ“本当の自分”に近づいていくことで生き生きしてくるレイ。そんなある時、驚くような“家族の秘密”が明らかになる―!
才能なんてあってもなくても輝いていた―若手コンビ「スパークス」としてデビューするも、まったく芽が出ないお笑い芸人の徳永は、営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷と出会う。神谷は、「あほんだら」というコンビで常識の枠からはみ出た漫才を披露。その奇想な芸風と人間味に惹かれ、徳永は神谷に「弟子にしてください」と申し出る。神谷はそれを了承し、その代わり「俺の伝記を作って欲しい」と頼む。その日から徳永は神谷との日々をノートに書き綴る。2年後、徳永は、拠点を大阪から東京に移した神谷と再会する。二人は毎日のように呑みに出かけ、芸の議論を交わし、仕事はほぼないが才能を磨き合う充実した日々を送るように。そして、そんな二人を、神谷の同棲相手・真樹は優しく見守っていた。しかし、いつしか二人の間にわずかな意識の違いが生まれ始める―「笑い」に魅せられ、「現実」に阻まれ、「才能」に葛藤しながら、「夢」に向かって全力で生きる二人の10年間の青春物語。
激動の1930年代、満州に渡った天皇の料理番・山形直太朗が考案した究極の美味112品による[大日本帝国食菜全席]。歴史の闇に消えたレシピの謎を追い、メニューの完全再現に挑むのは、絶対味覚=“麒麟の舌”を持つ料理人・佐々木充。彼はこれまで、愛を知らずに生きてきた。もう一人の“麒麟の舌”を持つ男の生涯を知るまでは…。かつて世界を料理で変えようとした料理人が、自らの命をかけてレシピに隠した秘密とは?
東京で写真の勉強をしていたアオイ(桜庭ななみ)は、心臓移植の大手術を受けて命をつなぎ、療養を目的におじを頼って沖縄の美しい島へやってくる。夏祭りを目前に控えた島で、ポラロイドカメラを手に海岸を散歩していたアオイの耳に小さくトランペットの音色が響く。彼女が音を頼りに近づいていくと、ジオ(L.JOE)が絶壁の上で音を奏でていた。
『バレエに生きる ~パリ・オペラ座のふたり~』(11)、『至高のエトワール ~パリ・オペラ座に生きて~』(13)、『ロパートキナ 孤高の白鳥』(14)など、バレエ・ドキュメンタリーに人生を捧げてきたマレーネ・イヨネスコ監督が、自身の集大成として完成させた本作では、パリ・オペラ座の〈裏側〉と〈素顔〉を追いかける。イヨネスコ監督のカメラは、激しい競争を勝ち進んできたバレエ・エリートたちのトップに君臨するエトワールの過酷なまでの練習風景や、ドラマティックなクリエイションのプロセスなどを捉え、遂には神秘のベールに包まれていた“伝統のバトン”が、どうやって渡されてきたのかという、バレエの金字塔の本質に迫る。高度なテクニックを伝授するのはもちろんだが、技術だけでは観衆に夢や幸福までは与えられない。果たして、バトンにこめられたスピリットとは?伝統を受け継ぎ、次に伝えていく者たちの真実を解き明かす──!恐れを知らない革新の積み重ねこそが伝統を維持すると教えてくれる、発見と感動のドキュメンタリー!
愛する妻と3人の子供たち。マックの幸せな人生は、最愛の末娘ミッシーがキャンプ中に誘拐されたことで終りを告げる。捜索から数時間後、廃れた山小屋で彼女のドレスが発見される。そこに残された証拠から、警察が追い続ける連続殺人犯の凶行であることは間違いなかったが、ミッシーの遺体が見つかることはなかった。年月がすぎても、マックは深い悲しみから抜け出せず、妻や子供たちとも距離ができ、家庭は崩壊寸前だったが…
アイドルグループ「五反田アプリコッツ」の研修生として日夜稽古に励む茉莉花(有原あゆみ)。芸能界で生き抜くための競争の厳しさや、気が強い他のメンバーとの関係、そしてヒモ彼氏との満たされないSEXー。悩みの尽きない彼女の前に、ある日突然降ってきた一冊のノートは「名前を書いた相手から愛されるようになる」と書き記された伝説の魔導書“ラブノート”だった。半信半疑のまま茉莉花は衝動的に彼女が密かに思いを寄せていたイケメン振付師の名前を書いてみたところ、たちまち彼から愛の告白、即ベッドイン。だが、彼との幸せな日々は長くは続かなかった。ラブノートが与えるのは愛と肉欲の日々だけではなく、「死」もまたその力の一つなのだ。果して、茉莉花の運命は!?
アメリカン・フットボールの最高峰、NFL。ニューオーリンズ・セインツのスティーヴ・グリーソンは特別なヒーローだった。ハリケーン“カトリーナ”に襲われたニューオーリンズの災害後初の、市民が待ちに待ったホームゲームでチームを劇的な勝利に導いたからだ。それから5年後。選手生活を終えていたグリーソンは、病院で信じられない宣告を受ける。「あなたはALS(筋萎縮性側索硬化症)です」。そして、同じ頃、妻ミシェルの妊娠がわかった。初めて授かった子供。だが自分は、生きている間に、我が子に会うことができるのだろうか。生まれ来る子のために、自分は何が残せるのだろうか。グリーソンは決めた。まだ見ぬ子どもに贈るために、毎日、ビデオダイアリーを撮り続けると。
事故ですべての記憶を失い、音が色になって見える色聴を患ったシヒョンは、病院で出会った親友ジウォンと同居しながら音楽が耳に入らないよう、常に大きなヘッドホンをつけることで自身を守っていた。ある日、ジウォンの弟ウヒョクはシヒョンが寝言で口ずさんだロディが、シヒョンの過去を思い出す鍵になるのではないかという考えと共に本人にメロディを託すのだった。
高校2年生の祐樹は、初めて会った日から惹かれていた同級生・香織に、思い切って「友達になって下さい」と声をかける。が、香織は必死で祐樹を拒む。実は彼女には“友達のことを一週間で忘れてしまう”という記憶障害があった。それでも香織のそばにいたいと願い、毎週月曜日、記憶がリセットされるたびに、香織に会いに行く祐樹。二人は交換日記を始めて、少しずつ距離を縮めていく。が、そんなある日、香織の過去を知るまゆと、転入生の九条が現れて―。
『回想電車』『お電話ありがとうございます』『さおり』『赤い糸』『漁船の光』『先客あり』 『candy』『Dark Lake』『レミューテック』の感動・震撼の9つの物語。
主人公は軽度の知的障害のある男性、真人(川平慈英)。 中学で「特殊」学級に入った真人は、ばかにされたりいじめられたりしながらも、同じ障害のある女性、咲楽(七海)と出会い、ぎこちない愛情表現を交わしながら、やがて結婚する。しかし、真人は咲楽を守るため、罪を犯してしまう。咲楽との約束だった新婚旅行を思い起こすように、真人は伊勢神宮へ1人で車を運転して出かける。 そこにヒッチハイクで、麗子(すみれ)が乗り込んできた。彼女は車の中で真人に、「神とは?歴史とは?人間とは?」と問いかける。そして、咲楽の「Hと銭の間にあるものってなんだ?」というなぞなぞへの答えが、浮き彫りになっていく。やがて、麗子が、車の中に置き忘れていった箱には思いもかけないものが入っていた。
貧しい家庭に生まれながらもジェシー・オーエンスは、中学時代から陸上選手として類い稀な才能を発揮していた。家族の期待を一身に背負ってオハイオ州立大学に進学。そこでコーチのラリー・スナイダーと出会い、オリンピックで金メダルを獲得するべく日々練習に励んでいたが・・・
1994年、将棋のプロ棋士・村山聖(さとし)七段は、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指し、15歳の頃から10年間弟子入りし同居していた森師匠の元を離れ、上京しようとしていた。聖は幼少期より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、家族や仲間は反対する。しかし、幼いころから何をおいても将棋にかけてきた聖を見ている森師匠は、背中を押す。東京―。髪や爪は伸び放題、足の踏み場もなく散らかった家、酒を飲むと先輩連中にも食ってかかる聖に皆は呆れるが、みな彼の将棋にかける思いを理解し、陰ながら支えた。その頃、同世代の棋士・羽生善治が前人未到のタイトル七冠を達成する。聖は強烈に羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして聖は、将棋の最高峰であるタイトル「名人」になるため、一層将棋に没頭し、並居る上位の先輩棋士たちを下して、快進撃を続ける。そんな中、聖の身体に癌が見つかる。だが、「このまま将棋を指し続けると死ぬ、手術し、療養すべし。」という医者の忠告を聞き入れず、聖は将棋を指し続けると決意する。彼の命の期限は刻一刻と迫ってきていた・・・。
海ではアザラシ、陸では人間の姿になる妖精・セルキーの母親と、人間の父親との間に生まれたベンとシアーシャの兄妹。妹が生まれた日に母親が姿を消してしまったことから、ベンは妹に優しくできない。やがて6歳の誕生日を迎えたシアーシャは、父が隠していたセルキーのコートを着て、母親が姿を消した海に入ってしまう。心配した祖母は嫌がる兄妹を町へと連れて行くが、セルキーだと気づかれたことで、シアーシャはフクロウ魔女に連れ去られるのだった。ベンは妹を救うため、消えゆく魔法世界へと不思議な旅に出る・・・。
人間の愚かな戦争は、世界を雪で覆い、確実に滅びへと向かわせていた。隆盛を誇った文明も加速度的に荒廃していき、人口も10万人を切ろうとしていた。星すら見えないこの世界では、人々は地上で暮らすことも難しく、地下の集落に身を寄せ合って暮らしていた。かつて「屑屋」と名乗っていた男は、過去のある出来事がきっかけで「星屋」と名乗るようになり、“星の美しさ”を彼が訪れる集落の人々に伝えていた。その知識の深さとたたずまいから、いつしか、人は彼のことを“星の人”と呼び、敬うようになった。そして、世界を旅しながら、老いていく星の人には、ただ一つの心残りがあった……。星の人は、旅の途中行き倒れた集落で、レビ、ヨブ、ルツの三人の少年少女と出会う。星に興味を持つ彼らの姿を見ていると、かつて自身が若かりし頃に出会ったロボットの少女の面影が思い出されていく。彼女と出会った場所、そこは封印都市と呼ばれるところだった―
ブラジルをサッカー王国へと変貌させ、サッカーの王様と呼ばれた“ペレ”。そのプレーは戦争すら停戦させ、彼の背番号“10”はエースナンバーの象徴となった。1958年、スウェーデンW杯。わずか17歳の少年ペレは崩壊寸前の母国ブラジル代表を救い、世界の頂点へと導いた。スラムしか知らない少年がプロチームに入団してからわずか18か月後、なぜ彼は世界を変えることが出来たのか?父との約束、母の愛、そして全国民の期待を背負い、ペレが選んだ絶望を希望に変える“禁じられた切り札”とは?
神様はブリュッセルのアパートに家族と一緒に住んでいて、パソコンでいたずらに世界を支配している。ある日、神様の娘10歳のエアは人間に運命に縛られずに生きてほしいと思って、神様のパソコンから人々に余命を知らせるメールを送ったから、さあ大変!エアが大パニックな世界を救う旅にでると、彼女の小さくてヘンテコな奇跡は思いがけず人々のお悩みを解決していく。会社員は鳥を追い北極まで大冒険、殺し屋は不死身の美女にめぐりあい、主婦はゴリラと恋に落ち……皆、それぞれの生きがいを見つけていく。しかしエアが最後に出会ったウィリーは死期が迫っていて――。小さな奇跡たちが呼び起こす、神様のパソコンからの人類への[最高にハッピー]なメールとは?
閉じ込められた[部屋]で暮らす、ママ(ブリー・ラーソン)とジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。2人にとってはこの[部屋]が全てだった。5歳の誕生日を迎えたジャックに、ママは本当の[世界]を見せるため、脱出計画を図る。息を殺して望む計画は、果たして成功するのか?そしてその先にある、衝撃の[世界]とは――!?
舞台は東京の下町、谷中。主人公は30歳で脱サラして落語家になったものの、気真面目で几帳面な性格のゆえか「小学生が国語の教科書を読んでいるような落語」のままで足踏みしたまま、前座に甘んじている出船亭志ん田(でふねてい・しんでん)。師匠の志ん米(しんこめ)の家に住み込み修行中で、同居する娘の夕美に密かに恋心を抱いている。志ん米の師匠、志ん扇(しんせん)の十三回忌一門会を前にスポンサーのご機嫌をとるために、後援会長のお気に入りで現在は行方不明の志ん魚(しんとと)の居場所を探すことに! 落語家の道をあきらめた気楽な中年男の志ん魚は、再び高座にあがるのか。そして将来への不安を感じながらも精進する志ん田の明日はどっちだ……!?
エルサレムの老人ホームに楽しく暮らすヨヘスケルはオリジナリティあるアイディアで、みんなの生活を少しだけ楽にするような発明が趣味。ある日、彼は望まぬ延命治療に苦しむ親友マックスから、彼の発明で安らかに死なせてほしいと頼まれ、自らスイッチを押して最期を選ぶ装置を発明する。彼は最愛の妻レバ―ナの反対を押し切り、同じホームのダニエル、ラフィらも巻き込んで計画を準備。マックスは妻ヤナに看取られ自ら安らかに旅立っていった。しかし、秘密だったはずのその発明の評判は瞬く間に広がり、彼らのもとに依頼が殺到してしまい――!?病人とその妻・夫たちの切実な想いに心が揺らぐヨヘスケル。そんななか、レバーナの認知症はすこしずつ進行していた――。
恋人との普通の幸せを夢見ていた千恵はある日、乳がんを宣告される。見えない不安に怯える千恵に信吾は優しく寄り添いプロポーズ。2人は晴れて夫婦となった。抗がん剤治療を続けるため子どもをあきらめていた千恵だったが、ある時妊娠していることが分かる。産むか産まないか――産むということはがんの再発リスクが高まるということだった。千恵は周りの支えで産むことを決意し、無事出産。「花のようにみんなに愛されますように」と名付けられた『はな』はすくすくと元気に育つ。しかし、家族3人、幸せな日々は長くは続かず、千恵を再び病魔が襲う。健康の基本は食生活から、と今までの食事を見直す千恵。一度は快方へ向かうが全身転移が判明、千恵は余命がわずかであることを覚悟する。4歳になったはなに千恵は、自分がいなくなってもはなが暮らしていけるようにと、毎日みそ汁を作ることを約束させ、料理を教えはじめる。はな5歳の誕生日、千恵は夢であったクラシックコンサートに出演し、娘、夫、家族や友人への感謝の気持ちをこめて歌う。千恵が天国に召された現在、「ちゃんと作る、ちゃんと食べる」という千恵の想いを胸に、今日もまたはなと信吾はみそ汁ののった食卓でご飯を共にするのだった。
フランスの田舎町。ベリエ家は、高校生のポーラ以外、父も母も弟も全員耳が聴こえないが、オープンで明るく仲のいい家族だ。ある日、ポーラの歌声を聴いた音楽教師はその才能を見出し、パリの音楽学校のオーディションを受けることを勧める。夢に胸をふくらませるポーラだったが、彼女の歌声を聴くことができない家族は、彼女の才能を信じることもできず、もちろん大反対。ポーラは悩んだ末に、夢を諦める決意をするのだが・・・
定年退職した校長先生、森衣恭一は堅物さと偏屈さから近所では浮いた存在だ。訪ねてくるのは亡き妻がかわいがっていた三毛猫・ミイくらい。猫嫌いの先生は何とか追い払おうとするが、ミイは毎日妻の仏壇の前に座っているのだった。しかし、ある日突然、姿が見えなくなる。何故か心配になり探し始めると、自分の他にもミイを探している人達がいることが分かる。彼らと関わっていく中で、先生の頑なな心が変化していくのだった。
もう大切な人を失いたくないー。小学生の時に最愛の母を亡くした主人公秋音。母が亡くなる日、父は母を看とらず「獅子神楽」を舞っていた。「母と獅子神楽、どっちが大切なの?」それ以降、秋音と父の関係に深い溝ができてしまった。高校卒業と同時に故郷を離れる秋音。東京での生活も行き詰まっていた。また、父も妻の死による悲しみから抜け出せないでいた。そんなある日、母の13回忌に5年ぶりに実家に戻る秋音。そこには亡くなった最愛の母に似た女性の存在が、、、60年に一度の大例祭が近づく町ではベテランの舞い手、父が最後の神楽獅子の舞を披露することに。しかし父の体に異変が、、、親子の葛藤、そして人間の愛情、さらに伝統芸能の継承を考える感動の作品。
いのちは、お熱いうちに。大事なのは、今を大切に生きること。アドリア海を臨む、南イタリアの美しい街、レッチェ。カフェで働くエレナは、雨の日のバス停で、アントニオと出会う。アントニオは、偶然にも同僚シルヴィアの恋人だった。性格も生き方もまるで違うのに強く惹かれあった二人は、周囲に波乱を起こした末、その恋を成就させ結ばれる。13年後、カフェの同僚で親友のゲイ、ファビオと独立して始めたカフェが成功し、アントニオとの間に二人の子供をもうけたエレナは、公私共に多忙な日々を送っていた。しかし、あんなに愛し合ったエレナとアントニオの夫婦関係には、綻びが生じ始めていた。そんな時、叔母に付き合ってがん検診を受けたエレナは、 思いがけない結果を聞かされる…。
8年の歳月をかけた最後のプロジェクト「GENESIS」。サルガドのレンズが見つめるのは、かけがえのない地球の姿。これまでサルガドは常に人間と向き合い、死、破壊、腐敗といった根源的なテーマを扱ってきた。だが、ルワンダ内戦のあまりにも悲惨な光景を前に深く傷つき、心を病んでしまう。故郷に戻ったサルガドを待っていたのは、まるで彼の心を写したかのように荒れ果てた大地だった…。長年連れ添い、いくつものプロジェクトに二人三脚で携わってきた妻レリアは、ある壮大な提案をする。それは、新しいプロジェクトの始まりだった―。 2004年から始められた「GENESIS(ジェネシス)」では今も地球上に残る未開の場所―ガラパゴス、アラスカ、サハラ砂漠、アマゾン熱帯雨林など、生と死が極限に交わる、ありのままの地球の姿がカメラにおさめられる。サルガドは言う、「GENESIS(ジェネシス)」とは地球への“ラブレター”なのだと。誰もが息をのみ、胸打たれる構図に込められたサルガドの想い。それは彼が、幾多の苦しみの果てに見い出した、希望への祈りなのだ。
ベルリンに暮らす10歳のジャックは、6歳になる弟のマヌエルの世話や家事で毎日忙しく過ごしていた。まだ若いシングルマザーの母は、恋人との時間や夜遊びを優先し、兄弟の面倒をみようとしない。そんなある日、マヌエルをお風呂に入れようとしたジャックは、お湯の温度を調整するのを忘れ、弟に火傷を負わせてしまう。この事件をきっかけにマヌエルは知り合いの家に、ジャックは養護施設に預けられることになるが、ジャックは、施設になじめない。そして母に会う為に待ち続けた夏休みが来るが、迎えが3日後になるとの電話が入る。既に我慢の限界をこえていたジャックは、施設を飛び出して家に帰るが、母は不在でカギもない。行方をくらました母を捜すべく弟を迎えに行ったジャックは、兄弟二人でベルリン中を駆け回るのだが…。
太平洋戦争末期、戦況が困難を極める1945年7月。連合国は日本にポツダム宣言受諾を要求。降伏か、本土決戦か―――。連日連夜、閣議が開かれるが議論は紛糾、結論は出ない。そうするうちに広島、長崎には原爆が投下され、事態はますます悪化する。“一億玉砕論”が渦巻く中、決断に苦悩する阿南惟幾(あなみ これちか)陸軍大臣(役所広司)、国民を案ずる天皇陛下(本木雅弘)、聖断を拝し閣議を動かしてゆく鈴木貫太郎首相(山崎努)、首相を献身的に支え続ける迫水久常書記官(堤真一)。一方、終戦に反対する畑中健二少佐(松坂桃李)ら青年将校たちはクーデターを計画、日本の降伏と国民に伝える玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局への占領へと動き始める・・・。
就活もうまくいかず毎日ゴロゴロ過ごしている神社の息子の大悟(ユースケ)、従兄弟の賢将(コーイチ)、保育士の日向(リョウガ)、アメリカ留学から戻ってきた宇宙(カイ)、青果店の息子・貴章(ユーキ)、フラワーショップの息子・信矢(タクヤ)、モールのオーナーの息子・博巳(タカシ)の7人は幼馴染で、町内会の青年団。とあるきっかけで8才の少女・ハナ(岩崎未来)と出会う。7人は年に1度の祭り始めのイベントで、ハナのためにチアリーディングに挑戦することを思いつく。
楽器の部品会社で働くサラリーマン・鈴木良一(長谷川博己)は、以前はロックミュージシャンを目指していたが挫折し、それ以来うだつのあがらない毎日を過ごしていた。同僚の寺島裕子(麻生久美子)に想いを寄せているが、小心者すぎてまともに話すこともできない。ある日、良一はデパートの屋上で一匹のミドリガメと目が合い、運命を感じる。あきらめたロックミュージシャンへの道、裕子への想い・・・良一の人生を取り戻すために必要な最後の欠片<ピース>、それが・・・そのミドリガメだった!そのミドリガメ・ピカドンとの出会いが転機となり、良一の人生は怒涛の展開をみせ、日本じゅうを巻き込んでいきー。そしてそれは謎の老人(西田敏行)と言葉を得たおもちゃたちの住む、不思議な地下の世界にまで席巻していく。ーその半年後、来る東京オリンピックのために作られた「日本スタジアム」で行われている、熱狂した観客に包まれた大人気ロックスターのライブ。そのスターは、自信に満ち溢れ、きらびやかに変貌した良一だった。そしてそんな良一を客席から見守る裕子。良一、裕子、ピカドン、謎の老人、おもちゃたち。愛を奪い返そうとする彼らの想いは、愛を背負った巨大な怪獣【LOVE】を東京の街に出現させる。
亡き妻から届いた手紙。それが、彼を新たな人生へと導いていく──。第二の人生を大自然に包まれた美しい土地で過ごそうと、北海道に移り住むことにした夫婦、篤史と良子は、かつて外国人が住んでいた家で暮らし始める。良子は篤史に家を囲む石塀作りを頼んだが、以前から患っていた心臓の病を悪化させて、この世を去ってしまう。悲しみにくれる篤史のもとに、ある日、良子から手紙が届いた。驚く篤史。そして、次々と見つかる手紙に導かれるように、篤史は周囲の人々の人生に関わっていく。また、長年疎遠になっていた娘、聡子と再会し・・・。はじめて知る、妻の《家族への想い》北海道を舞台にした新たな感動作誕生!
再生をめざす一人の女性が赤い車椅子と一緒に走りだす。
英国サッチャー政権下、境遇の違う人々をつないだ深い友情と感動の物語。不況と闘うウェールズの炭坑労働者に手を差しのべたのは、ロンドンのきらびやかなLGSMの若者たちだった!すべては、ロンドンに住む一人の青年のシンプルなアイデアから始まった。炭坑労働者たちのストライキに心を動かされ、彼らとその家族を支援するために、仲間たちと募金活動を始めたのだ。しかし、彼らが実はゲイの活動家(LGSM)だと知ると、寄付の申し出はことごとく断られてしまう。そこへ、勘違いから、唯一受け入れてくれる炭坑が現れる!彼らは、ミニバスに乗ってウェールズ奥地の炭坑町へと向かうが…。
明治末期、富山県城端町の貧しい農家の長男に生まれた権次郎は、向学心に溢れ、富山県立農学校(現在の南砺福野高校)を首席で卒業。 「種の起源」(ダーウイン著)と出会う。農家を救うためには、美味しくて収量の多い米を作ることが必要と考え、東京帝国大学農学実科に進学。大正7年農商務省に入り、秋田県大曲にある陸羽支場で、「陸羽132号」そして「水稲農林1号」の育種に取り組む。 権次郎は生真面目な性格で、周囲に溶け込めなかった。上司の永井の勧めで「謡」を習い、生涯の伴侶となる佐藤イトと出会う。 一目ぼれした権次郎は、ふるさと西明で祝言をあげた。大正15年、突然岩手への転勤を命じられる。 岩手は小麦の育種が主流、稲の研究成果は、新潟農事試験場の並川に受け継がれ、「水稲農林1号」は「コシヒカリ」となる。 稲の育種の機会を奪われた権次郎だが、小麦増産が国家的プロジェクトと知り、岩手県農事試験場に移り次々と小麦の新種を開発。 昭和10年秋、小麦農林10号=NORINTENが完成した。特色は半矮性、従来の小麦に比べ、背の低い品種で穂が倒れにくく、栄養が行きわたりやすかった。昭和13年、権次郎は華北産業科学研究所(北京)に異動。イトも同行した。昭和20年、敗戦、中国側の意向により、2年間留め置かれた。 戦争末期の混乱から、イトが精神的に錯乱を起こした。昭和22年秋帰国。権次郎はイトとの穏やかな生活を選び、金沢に赴任した。 定年後は地元の農家のために、圃場整備に力を注いだ。昭和50年頃、思いがけない知らせが届く。 「小麦農林10号」の種が戦後米国に送られ、世界の食糧危機を救う基になったのだ。 昭和48年最愛の妻イトが亡くなると、野焼きで見送った。「妻イトには中国で大変な労苦を掛けてしまった」と悔やんだ。昭和56年、ノーマン・ボーローグ博士と対面。 世界の小麦を変えた二人が手を握り合った。昭和63年12月7日、稲塚権次郎死去。享年91
2009年にスタートしたテレビ東京の子ども向け人気バラエティ番組「ピラメキーノ」の映画化。人気子役の鈴木福を主演に、ひとりの少年のまなざしを通して、テレビ業界や子役業界の舞台裏を描き出した。花図鑑で花の名前と花言葉を覚えることが好きな、ごく普通の小学生・春人。ある出来事をきっかけに子役として活動することになった彼は、超人気子役スターの由衣に一目ぼれ。子役業界で人気者になろうと決心するが、華やかなテレビ業界の裏側には、子役ならではの悩みや葛藤があることを知っていく。
若きヴァイオリニスト香坂のもとに、解散した名門オーケストラ再結成の話が舞い込む。だが、練習場は廃工場、集まったメンバーは再就職先も決まらない「負け組」楽団員たちと、アマチュアフルート奏者のあまね。久しぶりに合わせた音はとてもプロとは言えないもので、不安が広がる。そこに現れた謎の指揮者、天道。再結成を企画した張本人だが、経歴も素性も不明、指揮棒の代わりに大工道具を振り回す。自分勝手な進め方に、楽団員たちは猛反発するが、次第に天道が導く音の深さに皆、引き込まれていく。だが、香坂は名ヴァイオリニストだった父親が死んだ裏には天道が関係していた事を知り、反発を強めてしまう。そして、迎えた復活コンサート当日、楽団員たち全員が知らなかった、天道が仕掛けた“本当”の秘密が明らかになる――。
よろこんだ涙 くるしんだ涙 すべて味わいになるー北海道・空知。父が遺した小麦畑と葡萄の樹のそばで、兄のアオはワインをつくり、ひとまわり年の離れた弟のロクは、小麦を育てている。アオは“黒いダイヤ”と呼ばれる葡萄“ピノ・ノワール”の醸造に励んでいるが、なかなか理想のワインはできない。そんなある日、キャンピングカーに乗ったひとりの旅人が、突然ふたりの目の前に現れた。エリカと名乗る不思議な輝きを放つ彼女は、アオとロクの静かな生活に新しい風を吹き込んでいく・・・。
島で暮らす16歳の少年・界人(村上虹郎)は、島に古代から伝わる八月踊りの夜、海に浮かぶ男性の遺体を発見。動揺する界人を同級生の杏子(吉永淳)が見ていた。杏子の母親イサ(松田美由紀)は島の人々の相談を受けるユタ神様として慕われてきたが大病を患う。一方、界人は恋人の影を感じさせる母親・岬(渡辺真紀子)のことを汚らわしく思っていた。界人は自分が幼いころに母親と離婚し、東京で暮らす父(村上淳)に会いに行くが、界人が島に戻ると岬は姿を消していて……。
前科持ちで独身、いまだに母親のすねをかじる44歳の長男ハンモ。仕事にも結婚生活にも失敗し、絶望する売れない映画監督、40歳の次男インモ。男運がなく、バツ2で子持ち、35歳の末っ子ミヨン。それぞれの事情を抱え母親が住む実家に舞い戻ってきたどうしようもない三兄妹と、ミヨンの生意気な娘、中学生のミギョンとのハチャメチャな同居生活が始まる!自分のことは棚に上げ、お互い文句ばかりで喧嘩の絶えない兄妹と、家族団欒のために毎晩せっせと肉を焼き続ける母親。ある日、そんな大人たちを見かねたミギョンが家出をする。次第に家族それぞれの秘密が明らかになる中、一家に思わぬ展開が待ち受けていた・・・。
ジョン・シェンク監督作品『南の島の大統領――沈みゆくモルディブ』は、モルディブのモハメド・ナシード元大統領のある一年間を描いた物語である。当時彼は、今まで世界の他のどんなリーダーが経験したよりも大きな問題に直面していた――それは文字通り、モルディブと国民が“生き残る”ことができるのか、という問題である。この問題は、モルディブを民主化し、30年の独裁政権にピリオドを打った彼の目にとってすら、民主化よりもはるかに難しいものとして映っていた。世界でも特に平均海抜が低いモルディブは、海水面が1メートル上昇するだけでも、1200ある島全て海に沈み、人が住めなくなると言われている。ナシード大統領の任期一年目を描いた本作品のクライマックスは、2009年にコペンハーゲンで行われた第15回気候変動枠組条約締約国会議だ。その場面では、このような国際会議では恒例の政治的駆け引きを垣間見ることができる。ただ、ナシードが他の大勢の政治家と違っているのは、自分の手の内を明かすことをためらわない点である。彼が本作品でカメラの前に晒したその“作戦”の中で、ナシードは、ちっぽけな国の弱い立場を逆に利用し、メディアの力を使って他の発展途上国との結束をアピールする、それによって会議の行き詰まりを解消しようとしていた。協定がサインされる望みが消えかけた時、その合意を救ったのはナシードが行った感動的なスピーチだった。あまり大きくない国であるにもかかわらず、気候変動に対して迅速な行動を求めたモハメド・ナシードの声は、世界を導く意見の一つとなったのである。
サンフランシスコのベイエリアに住んでいる22歳のオスカー・グラントは、前科者だが心優しい青年だ。2008年12月31日彼は恋人ソフィーナと、彼女とのあいだに生まれた愛娘タチアナと共に目覚める。いつもと同じようにタチアナを保育園へ連れて行き、ソフィーナを仕事場へ送り届ける。車での帰り道、大晦日が誕生日の母親ワンダに電話をし「おめでとう」と伝える。母と会話をしながら彼は新年を迎えるにあたり、良い息子であり、良い夫であり、良い父親であろうと、前向きに人生をやり直したいと思っていたが…。
綿花畑の奴隷として生まれたセシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)は、見習いからホテルのボーイとなり、遂には、ホワイトハウスの執事にスカウトされる。キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争・・・、アメリカが大きく揺れ動いていた時代。セシルは、歴史が動く瞬間を、最前で見続けながら、忠実に働き続ける。黒人として、そして、身につけた執事としての誇りを胸に。そのことに理解を示す妻とは別に、父の仕事を恥じ、国と戦うため、反政府運動に身を投じる長男。兄とは逆に、国のために戦う事を選び、ベトナムへ志願する次男。世界の中枢にいながらも、夫であり父であったセシルは、家族と共に、その世界に翻弄されていく。彼が世界の中心で見たものとは?そして人生の最後に流した、涙の理由とは―。
世界遺産に登録されたモロッコ北部の町、テトゥアン。26歳のマリクは定職にも就かず、2人の悪友アラールとスフィアンと、悪事で手に入れた金で遊び暮らしていた。そんなある日、酒場のダンサーでドゥニアという女性と出会い恋に落ちる。だが、彼女は売春婦の仕事もしていて、彼女を人生の裏街道から救うには金が必要だった。彼女が働いている店に麻薬密売の容疑で警察の手が入り、ドゥニアが逮捕されたことを知ったマリクは、かねてより恨みを抱いていた義父を麻薬密売人として警察に売り、代わりにドゥニアを釈放してもらう。ところが、これをきっかけにマリクは担当のデバス警部から情報屋として働くように命じられる。
貧しくも幸福な生活を日々を送っていたるロマの一家。3人目を身ごもる妻・セナダは激しい腹痛に襲われ病院に行くも、保険証を持っていないために手術を受けることができない。鉄くず拾いで生計を立てる夫・ナジフにはとうてい支払うことのない手術代を要求される。家族を守るために奔走する無骨だが優しい眼差しのナジフ。懸命にしれんと向き合い、決して憤ることなく、大切な人と共に生きることの意味を静かに投げかける彼の姿に、観る者は心を揺さぶられるだろう。
1970年代のアルゼンチンで、世間から身を隠すようにして海辺のボロ屋でひっそりと生きる1組の母子。けれども7歳の少女セシリアには、なぜ自分たちがそうした生活を送らなければならないのか、その理由がよく分からない。ある日彼女は、軍人が教室に参列した学校の作文の授業で、軍に入隊した親戚が死んだことを素直に書き綴った文章を先生に提出する。その晩、それを知った母親は、思わず血相を変えて家を飛び出し…。
孤独に気付いた男 生きる意味を探す少女 奇跡を信じる青年 出会い、つながり、向き合った時、心の化石が掘り起こされる。美術店の店主・草介は悠々自適な毎日を送るも、ひとり孤独を感じていた。そんな草介の姿をいつも店先から見つめる少女から「生きてますか」と一言だけ書かれた手紙が届く。その不思議な手紙に導かれ、草介は少女の母親と出会い、少女が数日前から家出していることを知る。その頃、少女は恐竜の卵の化石を掘り起こすことが夢だという青年に出会う。少女の行方を追う草介は青年の姉のもとにたどり着くのだが、少女と青年は化石の発掘現場を最後に姿を消してしまっていた。過去に置き去りにしてきた秘密のつながり、そして偶然の出会いが生んだ奇跡とは―。
明治40年、不作のため困窮を極めた谷村家では、7つのおしんが奉公に出される事となる。初めは家族と離れる事に抵抗したおしんだが、母のふじがおしんを手元に残すために冷たい川に浸かり、お腹の子どもを堕胎しようとする姿を見て、おしんは奉公に出る覚悟を決めるのだった。最初の奉公先の中川材木店では、早朝から夜遅くまで、働き詰めの毎日を強いられた。女中頭・つねのきついしごきに耐えながら、おしんは我慢強く奉公を続けた。しかし店の財布から50銭銀貨がなくなり、盗みの疑いをかけられたとき、吹雪の中、黙って店を飛び出してしまう。山中で雪に埋もれていたおしんは、俊作という漁師に命を助けられる。山奥で松造爺と住む俊作に、読み書きや算術、ハーモニカなど、いろいろなことを教わり、満ち足りた時間を過ごした。やがて山に春が訪れて、俊作たちとの別れの日がやって来る。おしんは2番の奉公先となる酒田の米問屋・加賀屋の門を叩いた。木材店で仕込まれた根性を発揮して健気に働くおしんは、大奥様のくにから可愛がられた。加賀屋には跡取り娘の加代がいた。あるとき、加代の部屋にあった本がどうしても読みたくて、軽い気持ちで持ち出したおしんは「泥棒」と厳しく糾弾される。くにや加代との出会いから、いろいろなことを吸収して一段と成長したおしんだが、またもや居場所を失くしてしまうのか・・・。
不自由な安定主義のマニュ(ケフィ・アブリック)は、いつものように出勤するが、ここ最近、通勤途中で箸にも棒にも掛からない絵を並べている東洋人の女ソラ(長嶋美沙)をよく見る。興味本位で話かけてみるが生意気な態度なソラ。軽く対抗してみたマニュだが結局相手のペースにはまっていらない絵を買ってしまう。その日の夜の帰宅途中、マニュは毛布にくるまっているソラを発見してしまう。ソラは不安定な自由を掲げ放っといてほしいと言うがマニュは放っておく事ができない。
出版社・玄武書房に勤める馬締光也(まじめ みつや)は、営業部で変わり者として持て余されていたが、言葉に対する天才的なセンスを見出され、辞書編集部に異動になる。新しい辞書「大渡海(だいとかい)」――見出し語は24万語。完成まで15年。編集方針は「今を生きる辞書」。個性派ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は辞書編纂(へんさん)の世界に没頭する。そんなある日、出会った運命の女性。しかし言葉のプロでありながら、馬締は彼女に気持ちを伝えるにふさわしい言葉がみつからない。問題が山積みの辞書編集部。果たして「大渡海」は完成するのか?馬締の思いは伝わるのだろうか?
2011年2月、末期がんによる余命宣告を受けた俳優、入川保則。延命治療を拒否し、自分自身をモデルとして主演映画の撮影に挑む。2011年12月、本作の完成・公開を目前に死去。これは名脇役と呼ばれた男の、魂のラスト・メッセージである。福島県白河市。警視庁捜査一課の刑事だった森川は、今は喫茶店「ビターコーヒーライフ」のマスターとして働いている。仕事ばかりで過程を顧みなかった森川は、一人娘の七海とも疎遠なままに過ごしていた。彼は20年前に逮捕した殺人犯の娘・明日香を引き取り、養女として育ててきた。大人になった明日香は、森川と七海の関係を修復しようと苦心している。一方、自分が末期ガンに侵され余命わずかであることを知った森川は、行方が知れないままの明日香の父親を探すため奔走するが…。
東京から北海道の月浦に移り住み、湖が見渡せる丘の上でパンカフェ「マーニ」を始めた夫婦、りえさんと水縞くん。水縞くんがパンを焼き、りえさんがそれに合うコーヒーを淹れ、料理をつくる。そこには、日々いろんなお客さまがやってくる。北海道から出られない青年トキオ、なんでも聞こえてしまう地獄耳の硝子作家ヨーコ、口をきかない少女未久とパパ、革の大きなトランクを抱えた山高帽の阿部さん、沖縄旅行をすっぽかされた傷心のカオリ、観察好きの羊のゾーヴァ、そして、想い出の地に再びやってきた老人とその妻。それぞれの季節にさまざまな想いを抱いて店を訪れた彼らが見つけた、心の中の“しあわせ”とは?そして彼らを見守るりえさんと水縞くんに訪れることとは?
2010年6月13日、日本から打ち上げられた小惑星探査機<はやぶさ>が、いくつもの絶体絶命のピンチを乗り越えて、地球に帰って来た。月以外の天体からサンプルを採取して持ち帰るという、NASAでさえ成し得なかったミッションを果たすために―。わずか1~2メートル四方の小さな<はやぶさ>の7年間・60億キロに及ぶ旅を支えたのは、ユニークな経歴を持つメンバーで構成されたプロジェクトチームだった。プレッシャーと次々と降りかかるトラブルに、心を一つにして立ち向かうチームのメンバーたち。不屈の魂を持つ彼らに心をわし掴みされた日本の映画人とハリウッドのスタジオが強力タッグを組み、プロジェクトチームの闘いの日々を追いかけた、感動のエンタテインメント!
山吹摩耶が突然、故郷の函館に帰ってきた。東京でどう稼いだのか莫大な財を築いている。高校卒業以来何も変わっていない街で、久々に高校の同級生たちと再会する摩耶。そして彼らの「夢」や「希望」の実現のために、次々に「わたし、出すわ。」と自分のお金を差し出していく。友人たちは戸惑いながらも、ついそのお金を受け取ってしまうのだった。果たして摩耶の資金の出所は? 彼女の目的とは?そして大金を受け取った友人たちの夢の行く末は・・・?「わたし出すわ」のその先に、それぞれの未来が見えてくる。