舞台は2001年の中国、山西省大同チャオはヤクザ者の恋人ビンと共に、彼女らなりの幸せを夢見ていた。ある日、ビンは路上でチンピラに襲われるが、チャオが発砲し一命をとりとめる。5年後、出所したチャオは三峡ダムによって失われる街・奉節へビンを訪ねるが、彼にはすでに新たな恋人がいた。チャオは世界で最も内地にある大都市・新疆ウイグル自治区のウルムチを目指す。そして2017年がやってくる――。
「投資詐欺の容疑で国際手配され、タイで拘束された渡部聡子容疑者は、日本に強制送還する機内で逮捕され、東京の警察署に身柄を移されました。被害総額は50万円から10億円以上にのぼると言われています」護送車に乗った女は車を取り囲んだ報道陣から声をかけられると、「私も被害者の一人です」と言って艶然と微笑んだ。
東日本大震災から数年後の日本のとある町。小野家と鈴木家は隣り合い、つつましくも幸せに暮らしていた。ある日、大震災が発生、それにつづく原発事故が、生活を一変させる。原発から半径20キロ圏内が警戒区域に指定され、強制的に家を追われる鈴木家と、道路ひとつ隔てただけで避難区域外となる小野家。そんな中、小野家の息子・洋一の妻・いずみが妊娠、子を守りたい一心から、放射能への恐怖を募らせていく……。
高校教師のジョシュは、女子学生や同僚からも好意を寄せられる人気者。だがプライベートでは、ガンになったことを自覚し死に向かおうとする母親、施設に預けられている自閉症の弟ピートと、幸せな家族とは言い難い状況にあった。しかも男性器の陶器を作りフリーマーケットで販売、ほかの男性とのアバンチュールを望む奔放な妻との夫婦生活もうまくいっていなかった。そんな折、母親が突然急逝し、実家を相続することに。だが年季の入った家は雨漏りもひどく、修理をしていたジョシュは屋根から転落し骨折。しかも情緒不安定になったピートを引き取ったりと、彼の日常は大きく変わろうとしていた…。
娘(理沙)、母(美代子)、父(真人)、祖父(光雄)、祖母(貴子)が一緒に住んでいるごく普通の幸せな家族。そんな家族は祖父の軽度の認知症を理解し、上手く付き合っていた。そんなある日、突然、祖母の訃報で祖父は症状が酷くなっていき、同時に家族の歯車も狂っていく。なんとか家族再生を目指していくのだが…
オークランドが地元で黒人のコリンは指導監督期間の残り3日間を無事に乗り切らなければならない。コリンと幼馴染の白人マイルズの2人は引越し業者で働いている。ある日、帰宅中のコリンは突然車の前に現れた黒人男性が白人警官に背後から撃たれるのを目撃する。これを切っ掛けに、アイデンティティや、オークランドの急激な変化等の現実を突きつけられ、次第に2人の関係が試されることとなる。コリンは残り3日間耐えれば自由の身として新しい人生をやり直せるのだが、問題児マイルズの予期できぬ行動がそのチャンスを脅かす…。
バーで用心棒をしているダンは、月額3000ドルの薬を購入してきた22年目のHIV陽性患者。これまで医療支援プランのお陰で何とかやってこられたが、母から受け取った100ドルの小切手をうっかり貯金したことで低所得者の対象から外され、保険の補助を失ってしまった。ダンは高額の薬をこれまで通り受け取るため、あの手この手を尽くすもなかなか結果を出すことができないでいた。一方、世話になっているバーのオーナー夫妻が些細なケンカから別居に発展し、心配したダンとルームメイトのポーラは彼らのために尽力するのだが、その頃からダンは体に異変を感じ始め…。
また、真理子が居なくなった・・・自閉症の妹のたびたびの失踪を心配し、探し回る兄の良夫だったが、今回は夜になっても帰ってはこない。やっと帰ってきた妹だが、町の男に体を許し金銭を受け取っていたことを知り、妹をしかりつける。しかし、罪の意識を持ちつつも互いの生活のため妹へ売春の斡旋をし始める兄。このような生活を続ける中、今まで理解のしようもなかった妹の本当の喜びや悲しみに触れ、戸惑う日々を送る。そんな時、妹の心と身体にも変化が起き始めていた…。ふたりぼっちになった障碍を持つ兄妹が、犯罪に手を染めたことから人生が動きだす。
クリスマス・イヴの朝、19歳のベン・バーンズ(ルーカス・ヘッジズ)は実家に突然戻り家族を驚かせる。薬物依存症の治療施設を抜け出し帰ってきたのだ。久しぶりの再会に母ホリー(ジュリア・ロバーツ)は喜び、温かく迎え入れた。一方、疑い深い妹アイヴィー(キャスリン・ニュートン)と良識ある継父のニール(コートニー・B・ヴァンス)は、過去の経緯から、ベンが何か問題を起こして自分たちの生活を脅かすのではと不安に駆られる。両親はベンに、24時間のホリーの監視を条件に、一日だけ家族と過ごすことを認めた。その夜、一家が教会でのクリスマスの催しから戻ると、家の中が荒らされ、愛犬が消えていた。これはベンの過去の報いに違いない。誰か分からないが昔の仲間の仕業だ。凍てつくような夜、ベンは犬を取り戻しに飛び出す。それを追うホリー。ベンが過去を清算しようとする中で、息子の人生を食い荒らす恐ろしい事実を知るホリーは、ベンを救うことが出来るのは自分だけであることに気づき、全力で守ることを決意する。だがベンはホリーの前から姿を消してしまう・・・。
洗骨───。今はほとんど見なくなったその風習だが、沖縄諸島の西に位置する粟国島などには残っているとされる。粟国島の西側に位置する「あの世」に風葬された死者は、肉がなくなり、骨だけになった頃に、縁深き者たちの手により骨をきれいに洗ってもらうことで、晴れて「この世」と別れを告げることになる。
故郷を捨て裏社会で生きてきたロイ(ベン・フォスター)がその日、ボスの勧めで行った病院で見せられたのは、まるで雪が舞うように白くモヤがかかった自分の肺のレントゲン写真だった。命の終りが近いことを悟った彼は「どうせクソみたいな人生だ。死ぬならそれも仕方ない」そう自分に言い聞かせる。だが死への恐怖は彼を追い込み、苛立たせてゆく。その夜いつものようにボスに命じられるまま向かった“仕事先” で、ロイは突然何者かに襲われる。組織に切り捨てられたことを知った彼は、とっさに相手を撃ち殺し、その場に囚われていた若い女(エル・ファニング)を連れて逃亡する。彼女の名前はロッキー。家をとびだし、行くあてもなく身体を売って生活していたという。組織は確実に2人を追ってくるだろう。全てを失い孤独な平穏を願いながらも女を見捨てることのできないロイと、他に頼る者もなく孤独な未来を恐れるロッキー。傷だらけの2人の、果てなき逃避行が幕を開ける。
頼りないが優しい息子・サトシと明るくてパワフルな母・明子。平凡でユーモラスな宮川一家の日常は、母が突然ガンを宣告されたことによって変化していく。サトシは恋人の真里に励まされながら母のために奔走し、家族は戸惑いながらも支えていく。そして…母と別れて1年、やっと家族それぞれが新たな人生のスタートをきった頃、サトシの元に突然、母からプレゼントが届く。それは想像をはるかに超えた特別な贈り物だった――。
雨の季節に戻るという信じがたい約束を残してこの世を去ったスア。それから1年後、梅雨が始まったある夏の日、生前と同じ姿のスアが現れる。しかしスアは夫であるウジンが誰なのかさえ覚えていなかった。自分のことを覚えていなくても、彼女がそばにいるという事実だけで幸せに包まれるウジンと、覚えてはいないが彼とのなれそめが気になるスア。ウジンが聞かせてくれた出会い、初恋、初デート、幸せな瞬間を共に分かち合った2人は、もう一度恋に落ちる。しかし、永遠に続くかのような幸せな時間は瞬く間に過ぎて、梅雨が終わると同時にスアとウジンには、これ以上引き延ばせない運命の時間がやってくるのだが…。
リンゴ農園を営む優しい両親とその一人息子・拓也。スポーツで神童と呼ばれた幼少期、怪我。上京して大学生活の傍らのバンド活動。そして挫折。上手く行きかけてはつまづくことを繰り返す自分に苛立ち孤立していく拓也は、田舎でりんごを愛し育てることに全てを注ぐ父親をいつしか疎ましく思うようになっていた。「何もない田舎で同じことを繰り返しているつまらない人間だ!」八つ当たりをする息子を何も言わず笑顔で受けとめる父親。そんなある日、夢破れて久しぶりに里帰りした拓也は、“父親が大好きだった頃の自分”と出逢う。「お父さんのりんご、美味しいよ」わがままで身勝手な自分を黙って支えていてくれた家族、注がれていた愛情に気づいた拓也に小さな、ささやかな奇跡が起こる。
姉・松浦桃子(小松彩夏)と妹・松浦みどり(相楽樹)は二人で暮らしている。両親が蒸発してから、残されたのは大きな一軒家だけ。姉は妹を思い、妹も姉を思う仲の良い姉妹。お互いがいれば幸せに生きていける、そう信じていた。みどりに恋人・藤井かずみ(木村了)が出来た事で、姉妹の関係が少しずつ変化していった。どこか居心地が悪い、桃子とみどり。かずみの感情にも変化が。三人の関係に歪みが生じていく。全てはあの日が運命だった――――
2018年夏、第100回記念大会を迎えた高校野球選手権。大会歌は「栄冠は君に輝く」の作詞は、加賀大介(石川県根上町出身)でした。大介は1914年に中村義雄として、農家に生まれました。16歳の時、裸足で野球をしていて、右足指先をけが。治療を怠ったことで、右ひざから切断することになる。絶望の淵に落ちた義雄は、やがて文芸の道を目指し、”投稿生活”を始めたのです。「加賀野短歌会」を主宰し、昭和20年太平洋戦争が終わり、戦後民主主義のなか、演劇活動を始める。そのころ、運命の女性が登場します。それは高橋道子で、加賀野短歌会に参加。昭和23年6月、学制変更により第30回高等学校野球選手権大会に因み、大会歌の作詞が公募された。5,252編の中から選ばれたのは、加賀大介(のちに改名)の書いた「栄冠は君に輝く」だった。小説家を目指した大介は、志半ばの昭和48年、がんのために死去。この映画は70年間歌い継がれた「栄冠は君に輝く」の誕生秘話と大介と家族の物語です。
今日も食卓に、明るい声が響く。ここは道南・せたな町。海が見える牧場で酪農を営む亘理は、妻のこと絵、一人娘の潮莉とのしあわせな家族3人暮らし。自然に寄り添った食を追求する仲間たちに囲まれ、厳しくも美しい大地で楽しい日々を送っている。亘理の夢は、自分の牧場の牛乳で、この地でしか食べられないチーズを作ること。でも師匠のチーズ職人・大谷にはまだ追いつけず、落ち込んだり奮起したりの繰り返しだ。ある時、札幌から訪れた有名シェフ・朝田に自分たちの食材を激賞され、亘理は一つのアイデアを思いつく。それは、せたなの おいしいもの を広く届けるため、一日限定のレストランを開くことだった。だが、納得ゆくチーズが完成せず思い悩んでいたある日、突然大谷が倒れ……。
岡村(渡辺大)、城山(出合正幸)、高山(内野謙太)、上村(竹島由夏)、伊藤(寿大聡)は「ワイン友の会」の仲間で、集っては世界中のワインを嗜んで蘊蓄を語り合っていた。ある夜、日本のぶどうを使ったワインがフランスワインより美味しいはずがないと決めつけていた彼らは、仏vs日本ワインでブラインドのテイスティング会を開催する。予想は外れ、世界に通用する「桔梗ヶ原メルロー」の存在を知った彼らは、この世界レベルのワインを生んだ麻井宇介(橋爪功)に憧れ、ワイン用のぶどう栽培は困難と言われたこの日本の地で麻井の思想を受け継ぎながら常識を覆すワイン造りに没頭していく。しかし、ぶどう畑は大雨・雹・病害などに見舞われ・・・。果たして、日本のワインに革命を起こすことはできるのか?実話をもとに描かれたウスケボーイズの物語。
イタリア北部・ウーディネ。スターを夢見るロレンツォは、愛情深い里親に引き取られ、トリノからこの町へやって来るが、奇抜な服装で瞬く間に学校で浮いた存在に。クラスのはみ出し者だったブルーとアントニオと意気投合し、3人で友情を育んでいくが、ロレンツォのある行動がきっかけで少しずつ歯車が狂い始める――。
人気のカリスマネイリストでありながら、2次元に夢中なアニオタのアラサー女子の楓。自宅と会社の行き来だけの日常を送っている地味なOLのアラサー女子のあすか。医者でイケメンで出会いもあるが、何故か恋愛が出来ないアラフォー男子の浩介。30歳を前にして、地下アイドルに夢中になっているアラサー男子の慎之介恋に不器用な4人の男女が、あることをきっかけにマッチングサービスを通じて出会い、幸せに近づいたり、遠ざかったりを繰り返す。果たして彼らは愛と笑顔を手に入れることができるのか??
驚異の歌声をもつ世界的なロックスター・シンと、声が小さすぎるストリートミュージシャン・ふうか。正反対の2人は偶然出会い、ふうかはシンの歌声が“声帯ドーピング”によるものという秘密を知ってしまう!しかもシンの喉は“声帯ドーピング”のやりすぎで崩壊寸前!やがて、シンの最後の歌声をめぐって、2人は謎の組織から追われるはめに…。劇中でふうかが歌っている2曲「まだ死にたくない」「ゆめのな」Movieバージョンを映像付きで配信限定公開!作詞・作曲は元チャットモンチー橋本絵莉子が担当!!約2分の特典映像を本編終了後に収録!
2005年、香港。30歳を目前に控え、キャリアップも順調、長年付き合っている恋人もいて、すべてうまく行ってるはずだったクリスティだが、実のところ仕事のプレッシャーはキツいし、彼ともすれ違いばかり。実家の父親の認知症も気がかりだ。そんなある日、突然住み慣れたアパートから退去を言い渡され、とりあえず住人がパリ旅行で不在の間だけの仮住まい先へ。そこで見つけた日記には、同じ日に生まれたティンロのささやかな日常が書かれていた…。
その冬、海炭市では、造船所が縮小し、解雇されたふたりの兄妹が、なけなしの小銭を握りしめて、初日の出を見に、山に昇ったのです…。プラネタリウムを動かしている男は、妻の裏切りに傷つき、燃料屋の若社長は、苛立ちを抑え切れず、父と折り合いの悪い息子は、帰郷しても父に会おうともせず、立ち退きを迫られた老婆の猫は、有る日姿を消したのです…。
大手ゼネコンで部長をつとめる早見真紀子(久本雅美)は、仕事一筋で生きてきたシングルのキャリアウーマン。会社では男性社員たちと対等に渡り合い、部下の白石久美子(仙石みなみ)にも厳しく接する真紀子は、仕事はできても女性としての幸せには縁がないまま歳を重ねてきたようである。しかしそんな彼女には誰も知らない別の顔があった。
1945年、終戦間近の東京。19歳の里子(二階堂ふみ)は母親(工藤夕貴)と杉並区の住宅地に暮らしている。度重なる空襲に怯え、雨が降ると雨水が流れ込んでくる防空壕、日に日に物価は高くなり、まともな食べ物も口には出来ないが、健気に生活している。妻子を疎開させた銀行支店長の市毛(長谷川博己)が隣に住んでいる。里子の周りでは日に日に戦況が悪化していく。田舎へ疎開していく者、東京に残ろうとする者...。戦争が終わると囁かれはするものの、すでに婚期を迎えた里子には、この状況下では結婚などは望めそうもない。自分は男性と結ばれることなく、死んでいくのだろうか。その不安を抱えながら、市毛の身の回りの世話をすることがだんだんと喜びとなり、そしていつしか里子の中の「女」が目覚めていくのだが──。
空き巣の父・和彦(竹野内豊)と結婚詐欺師の母・皐月(松雪泰子)は、 犯罪で生計を立てながら3人の子どもたちと暮らしていた。そんなある日、母の詐欺が相手に見破られたことで誘拐され、身代金を要求されてしまう。血のつながりはなくとも、それぞれに苦しい過去を持つ寄せ集めの家族は、ささやかな幸せを守るため立ち上がる。
マックスマンこと谷口正義(千葉雄大)の弟、英雄(竜星涼)は留学先のインドネシアから帰国して絶賛就活中だ。正義はニューヨークに赴任となり、弟の英雄はマックスマンがまさか自分の兄・正義だなんてことは知る由もない。兄の務め先であるジャパンテレビに見習いADとして入った英雄は、高校のときに告白してすぐにフラれた五十嵐梨奈(内田理央)センパイに再会! アナウンサーになった梨奈の姿に「かっわい?」と胸キュンの英雄だったが、プロデューサーの神田(久保田悠来)や先輩ディレクターの福原(青木玄徳)から叱られてばかりの毎日を過ごしていた。ある日、兄の部屋で隕石のかけらを見つけた英雄はそれがマックスマンのパワー源ということも知らずにペンダントにしてしまう。
ジャパンテレビ入社3年目のアナウンサー・谷口正義(千葉雄大)は、勉強も運動も大の苦手。アメコミ好きだった父・真一郎(要潤)の影響で、幼い頃はヒーローになることを夢みていたが、やがて密かに恋心を抱く幼なじみの辻村祐子(山本美月)がジャーナリストを目指していると知り、自分も報道に関わることを決意する。奇跡的にジャパンテレビに入社したものの、いつも失敗ばかりで恋も仕事もから回りの毎日を送っていた。ある日、巨大隕石が墜落したとの臨時ニュースを読み上げる途中、正義は大きなミスをしてしまう。そこで部長の高倉陽介(田辺誠一)から1週間後の総理が出演する生討論番組の司会を命じられ「失敗したら異動」と言い渡される。アナウンサー生命の危機にさらされるが、この日を境に正義の運命が変わることになる。
初代の谷口正義(千葉雄大)が赴任中のニューヨークでアメコミ「マックスマン」の作者ミスターMの孫”ヒロ・マックス”こと「N.Y.マックスマン」(稲葉友)と出会う。日本に戻った2人はジャパンテレビで2代目・英雄(竜星涼)とも合流する。一方、前回のテロ計画で捕まった議員・海東の娘、果穂(山谷花純)は父の罪によりアイドル活動引退に追いこまれる。その恨みを晴らすため果穂は父をジャパンテレビの「フレッシュワイド」で告発しようとしていた。しかし、その前夜、果穂が何者かに誘拐される。ヒロはマックスマンに大変身!誘拐事件の真相を探っていく。
この世のすべての人が幸せになれるという経典を求め、遥か遠く天竺へと旅を続ける三蔵法師、孫悟空、沙悟浄、猪八戒。長旅の疲れも得意のギャグで吹き飛ばし、いつも陽気な笑顔で歩き続ける一行だったが、そんな彼らを、険しい表情でにらみつけるひとりの小男……いや、妖怪がいた。三蔵法師の生き血を吸い、三千年の命を手に入れようと目論む、妖怪ビッグコブラ(池乃めだか)だ。かつて三蔵法師たちと壮絶な戦いを繰り広げ、完膚なきまでに退治されてしまったビッグコブラは、彼らにリベンジを果たすべく、虎視眈々とその機会をうかがっていたのだ。そしてついに、ビッグコブラは三蔵法師たちに妖術をかけ、未来の世界へタイムスリップさせてしまう!
ありえなさ過ぎる女にはまっていく男たち・・・。よしえ (浅香あき恵)が殺人事件の容疑者として逮捕されたところから物語は始まる。事件は、20代、30代、40代の3人の男性が殺害されたというもの。3人ともイケメンで、そこそこのお金持ち。それぞれと関係があったよしえに容疑がかかるが、決定的な証拠は一切ない。世間やマスコミは、よしえが3人を殺したと疑っている。が、よしえの証言は真逆! 3人のイケメンはよしえに惚れ込み、4角関係のもつれにより、1人の男が2人を殺害後、自分も命を絶った。まさに、よしえの「魅力」が起こした悲劇、だという。
老若男女に大人気、吉本新喜劇の座長でもある芸人すち子。真面目で熱血漢であるが故にいつも捜査に熱が入りすぎてしまう問題の多い刑事・春日。そんな職業も性格もまるで違う二人がふとした偶然からコンビを組み、ある商店街を舞台にした不思議な連続行方不明事件の謎を追う事に。最初はぶつかりあう二人だったが、春日の娘・ゆいとの交流や事件の謎を追っていく中で徐々にお互いを認め合っていく。そして数々の困難を乗り越え、遂に事件の真相にたどり着いた時、想像を絶する地獄のショーの幕が開くのだった…。果たして二人は事件を解決し、無事に生還できるのか?「男同士の絆」を軸に、ハードなアクションと吉本新喜劇ならではの人情喜劇が絶妙にマッチ。誰もが楽しめる痛快娯楽作品となっています。
「心がきれいな子がほんまもんのべっぴんさんや」亡き母に言われたあいは明るく優しい女子高生に育った。あいの天敵は美少女たち。過去のトラウマのせいで“顔のきれいな子は心が汚い”と思い込んでいるのだ。そんなあいに『(NMB48を爆弾魔から守れ!』というミッションがもたらされる。綺麗で愛らしいアイドルの中に潜入し、事件を解決するなんて最悪だ!だがプロの探偵の誇りにかけて逃げ出すなんてできない。かくして100キロの巨体で歌い踊りながら爆弾魔を追い詰めるという前代未聞の潜入捜査が始まった……。
棺の中に収められた父親の遺体を黙々と撮影する男。探偵のアロイスは、盗撮した大量のテープを眺め続ける孤独な毎日を送っていた。ある日、バスで居眠りしてしまったアロイスは、カメラとテープを何者かに持ち去られてしまう。やがて謎の女から電話がかかってきて、テープを返す代わりに、日本の精神科医が発明したという「テレフォンウォーキング」に彼を誘う。アロイスは電話の音を繰り返し聞くうちに、現実と妄想の区別がつかなくなっていく。
高校最後の文化祭3日前、突然、演劇部の絶対的ヒロイン、ひかり(玉城ティナ)が退部した・・・。残されたのは4人の「微妙」な女子、沙彩(福原遥)、蒼生(矢倉楓子/NMB48) 、胡桃(小野花梨)、美紅(齋藤美咲) 。ひかり不在の演劇部は自分たちがスクールカーストの下位にいることを再認識する。ヒロイン不在の中、本当は誰もが「ヒロイン」を演じたいのにお互いの腹を探り合う 4 人。いままでひかりの影に隠れてきた彼女たち4人の秘めてきた思いが、一気にぶつかり合う――!
亡くなった父親の借金を返すために奔走していたジョディは、コーヒーの知識に長けた相棒ベンとともにコーヒーショップ「フィロソフィ・コピ」をオープンさせる。ジョディはどうにか店を繁盛させようと様々な提案を出すも「うまいコーヒーだけ出せばいい」と聞く耳を持たないベン。さらには採算を考えず高価なコーヒー豆ばかり仕入ようとする…。 そんなある日、とあるビジネスマンから「商談相手に最高のコーヒーをふるまう。成功すれば謝礼を1億ルピア払う」と持ちかけられる。破格の条件にも関わらずベンは、シビアな条件を自身に掛け、謝礼を10倍に引き上げる。無謀な提案に肝を冷やすジョディだが、仲間たちと協力し最高のコーヒー作りを始める。ベンはコーヒー全書を買い、完璧な手順でコーヒーを作り上げる。しかし、全書の著者の娘エルに「悪くないが先々週飲んだティウスには負ける」と厳しく突き放される。ジョディとベンはエルの紹介でコーヒー農園を訪れティウスの秘密を知るとともに、再度コーヒー作りとは何かに向き合う中で、それぞれの父親との関係を見つめ直す。
母親と離れて暮らす女子高生の千代里(山田愛奈)の元に、地元の新潟で小料理屋を切り盛りしている母親・麗子(高橋由美子)が突如失踪したと連絡が入る。地元に帰った千代里は残された料理人であるアサダ(和田聰宏)と母の代わりに一緒に働くことになる。母との確執によって閉ざされていた千代里の心は、アサダや店にやってくる客との交流から少しずつ開かれていく。同時にアサダの人柄と彼の作る料理に惹かれていくのは自然のことだった。しかし、そこに突然、母が帰ってきて―――。
シャーとチャンが経営する南京のマッサージ院では多くの盲人が働いている。 若手のシャオマーは、幼い頃に交通事故で視力を失った。医師の診断は「いつか回復する」というものだったが、その日は一向にやってこない。そんなマッサージ院に、シャーの同級生ワンと恋人のコンが駆け落ち同然で転がり込んできた。まだ幼さの残るシャオマーは、コンの色香に感じたことのない強い欲望を覚えはじめる。ある日、爆発寸前の欲望を抱えたシャオマーを見かねた同僚が風俗店へと誘った。そこで働くマンと出会いによって、大きく動き出した運命の歯車。己を見失いもがき苦しむ中で見つけた一筋の光とは…。
1999年1月某日、警備会社エステックに一本の電話が入った――。社長の大崎(筧 利夫)は、学生時代の先輩で寺の住職・小泉(芦川 誠)からの依頼を受け、精鋭チーム・第二警備隊を結成する。政治団体を標榜しつつもその実は指定暴力団・真政会の一味である護国大憂党は、寺の利権を狙って日々執拗な嫌がらせを繰り返してくる。大崎指揮のもと、隊長・高城(出合正幸)と中本(野村宏伸)を中心に、紅一点の佐野(竹島由夏)も加わり、大恩寺の警備警護にあたる隊員たちであったが、9月9日夜、ついに中本が凶弾に倒れてしまう・・・。
両親の仕事の関係で新しい街へと引っ越してきた15歳の少女・ミア。親の都合に振り回されることへの苛立ちと、大人の女性へと変わっていく自分自身への言いようのない不安の中、ミアはクラスでも目立つ存在のジアンナたちと仲良くなる。アルコール、万引き、男の子たち、ミアは憂鬱な気持ちを振り払うように、仲間たちと悪い遊びに手を染めていく。そんな中、彼女は決定的な体の変化を感じ始める。しかし、それは明らかに「成長」と言うにはあまりに不気味で、不自然なものだった。果たしてミアの身に一体何が起こっているのか?彼女を待ち受ける過酷な運命とは?
20歳のルーシーは、男の子とキスをしたことも、働いたことも、本当の友人を持ったこともなかった。彼女のいちばんの―おそらくただ1人の―理解者は、母親のクレア。ルーシーを外の悪い世界からずっと大切に守ってきた。自分の末期の病さえも隠しながら…。クレアの妹ケリーは、手遅れになる前に娘に本当のことを告げるようにと急かす。何かが母に起きていることに気づいたルーシーは、早く自立した大人にならなくてはと、焦って就職面接を受けに行く。その道中で目にした「フェリーニ映画祭」と題されたきらびやかで怪しい劇場。吸い込まれるように入っていったその場所で、『道』にまたたく間に心を奪われる。これまで慣れ親しんだハッピーエンドとは違う、巧妙に不可解に作られた悲喜劇。フェリーニの魅惑の世界にのめり込んだルーシーはいてもたってもいられず、フェリーニを探すためイタリア各地を巡る旅へ出る。そこで待ち受けるのは、フェリーニ作品の世界に迷い込んだようなファンタジーや悪夢、胸高鳴るラブストーリー。彼女の発見の旅と人生は、段々と死の足音が近づいている母クレアとは対照を成す。離れていても繋がっている二人。真実と虚構が幻想的に絡み合いながら、ルーシーの「フェリーニを探す旅」は最終地点へと向かっていく。
男一人、酒浸りになりながらバーを営むサル(ブライアン・クランストン)と、破天荒だったミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)の元に、30年間音信不通だった旧友のドク(スティーヴ・カレル)が突然現れる。2人にドクは、1年前に妻に先立たれたこと、そして2日前に遠い地で息子が戦死したことを2人に打ち明け、亡くなった息子を故郷に連れ帰る旅への同行を依頼する。バージニア州ノーフォークから出発した彼らの旅は、時にテロリストに間違われるなどのトラブルに見舞われながら、故郷のポーツマスへと向かう――。30年前に起きた悲しい出来事をきっかけに出た再会の旅。語り合い、笑い合って悩みを打ち明ける旅路で、3人の人生が再び輝き出す。
天真爛漫で自由奔放な日本人女性ライカとモスクワで女優を目指すロシア人女性ユーリャはルームメイトとして同じ屋根の下で暮らしている。二人はお互いの《心も体》も愛し合う、友情を越えたもので固く結ばれていた。しかし、1人の男性の出現でその関係は微妙なズレを生み出し始めた…。
砂山一男は35歳の会社員。後輩から慕われる人柄と、同僚から妬まれるほどの優秀な才能を持つ営業マンである。家庭では典型的な「良きパパ」として、妻と3歳になる愛娘と共に平穏に暮らしている。そんな彼の唯一の趣味は「パチンコ」。今日もパチンコに勝利し、家族サービスをする砂山。しかし、のめり込むあまりに仕事が危うくなることもある。負けた日はつい、娘に八つ当たりする大人げのなさ。連敗が続くようになり、リベンジを果たすべく消費者金融に足を踏み入れる砂山。その時、身辺崩壊の序曲は鳴り始めた…。
東京で写真の勉強をしていたアオイ(桜庭ななみ)は、心臓移植の大手術を受けて命をつなぎ、療養を目的におじを頼って沖縄の美しい島へやってくる。夏祭りを目前に控えた島で、ポラロイドカメラを手に海岸を散歩していたアオイの耳に小さくトランペットの音色が響く。彼女が音を頼りに近づいていくと、ジオ(L.JOE)が絶壁の上で音を奏でていた。
「私をずっと好きでいてもらえる自信もないし、ずっと好きでいられる自信もない」と、独自の結婚観を持ち、パン屋で働く市井ふみ(深川麻衣)が、中学時代の“初恋”の相手・湯浅たもつ(山下健二郎)とある日偶然再会したところから物語は始まる。プロポーズされたものの、結婚に踏ん切りがつかず元彼とサヨナラしたふみと、別れた奥さんのことを今でも想い続けているたもつが織りなす、モヤモヤしながらキュンとする“モヤキュン”ラブストーリー。「初恋相手は、今でも相変わらず魅力的だぁぁぁぁあ!!」“恋愛こじらせ女子”の面倒な恋が動き出す!?「結婚」をテーマに、コミカルで人間交差点的な今泉力哉ワールド全開の恋愛群像劇が繰り広げられる。
不遇を嘆き、寺や坊主を嫌っていた青年・了顕は、もうすぐ生まれてくる子供に希望を託していた。不幸な事故が、そんな了顕から全てを奪い去ってしまう。自暴自棄の日々、暗闇にもがき苦しんでいた了顕が出会うのは、蓮如上人の法話であった。そこには、親鸞聖人が明らかにした“なぜ生きる”の答えが示されていた。次第に引き込まれ、心の迷いが晴れた了顕は、蓮如上人の弟子となる。
1920年11月。クリミア半島では革命勢力の赤軍と反革命派の白軍が戦い合ったが、白軍は敗れ、白軍の将校数万人は1カ所に集められ、自由を奪われた彼らの間では絶望的な空気が漂うように。そんな中、ある中尉は1907年、ヴォルガ川での思い出を振り返る。彼は旅をしていたが、ある船で出会った美しい女性タチアナに心を奪われる。彼女もまた彼に好意を抱いたようで、2人は船を降り、ホテルで一晩をともに過ごしたが……。老舗旅館の再生を目指す人たちの“おもてなし”の旅。
日本、現代――いじめらっれ子を守る心優しき女子高生・光。3年間の交際を経て、恋人と婚約した青年・陽。被災地にボランティアへ通う青年・健太とその姉・マナ。幸せな日々はいつまでも続くと思われたがある日、人生は一変する。無差別連続殺人事件、何者かによるレイプ、交通事故。予期せぬ悲劇が彼らを襲う。被害者になった者、加害者になった者。大切なものを失った彼らの運命は絡み合い、交差し始める……
街の片隅にあるスナック。表向きこそスナックだが、実際は別部屋でホステスと遊べる店として営業を続けていた。美咲は一人息子の凌空のため金になるなら何でもやってきた。ある日のこと、店に一人の男がやってくる。男は部屋の窓辺から外を覗き続ける不思議な客だった。
とあるところに存在する恋愛クリニック「ラブドック」。そこは恋愛体質の人にこそ、意昧のある場所。ある日訪れたのは人気パティシエの剛田飛鳥。人生で成功を収めながらも、節目節目で恋愛に走り、仕事を無くし、親友を無くしてきた。そんな飛鳥に、魅惑の女医、冬木玲子が処方したのは、遺伝子から抽出したという、特別な薬。これを打てば危険な恋愛をストップできる優れもの?果たして彼女の恋愛模様は、薬で軌道修正できるのか?いくつになっても恋をしたい!人生を楽しみたい!でも理想と現実がかみ合わない…。そんな女性たちに贈る、遺伝子レベルで恋が始まる、究極のラブコメティ!
1997年7月7日。下関と釜山の間で行われた親善陸上大会に出場した郁子は、一人の韓国人の男の子と出会い、淡い恋をする。「来年の夏、この大会で再会しよう」携帯もメールも無い時代、日本と韓国が今ほど親しくなかった時代。郁子の初恋を何とか実らせたいと奔走する真理、巴、玲子の3人の胸にも、いつの間にか郁子の切ない想いが住み着き、そして奔流のようにあふれ出す---。
主人公の高宮利一は、東京での過酷な仕事を辞め、故郷の新潟で長距離深夜バスの運転士として働く中年の男。ある夜、利一がいつもの東京発─新潟行のバスを発車させようとしたその時、滑り込むように乗車してきたのが、十六年前に離婚した妻・美雪だった。突然の、思いがけない再会。
琵琶湖畔にある老舗旅館「明月館」が実家の梨花(田中麗奈)は5年前に父を亡くし、旅館を一人で切り盛りし続けている母・美津子(余貴美子)を支えるため、仕事を辞めて実家に戻ってくる。経営不振の中、母の元恋人のチャールズ(ヤン・リエ)が旅館を買収して、息子・ジャッキー(ワン・ポーチエ)を再建のために送り込んだ。しかし「おもてなし」の心がないジャッキーに対して梨花は反発し衝突するが・・・。”
綾香(市川まさみ)は結婚5年目の専業主婦。夫の慎吾は出版社勤務で忙しく、マンネリした生活とセックスレスな夫婦生活を送っていた。ある時、慎吾の担当する女性誌で夫婦の新しい結婚のスタイルである”オープン・マリッジ”を特集することになった。1970年代に提唱された『オープンマリッジ』とはお互いの合意があれば、自由に他の異性と関係が持てるというものだった。編集長から体験レポートを要求された慎吾は、なんとか綾香を説得してみることに…。その後、お互い性的パートナーを見つけた2人は、嫉妬から生まれた興奮で、セックスレスを解消してお互いの身体を激しく求めあうようになっていく…。
ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父が余命3か月で見つかった。母と兄は見舞いを拒否したが、コウジは子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。しかし金を工面している父の姿に失望し、家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。葬式に参列するのは、数少ない友人たち。彼らが語る父のエピソードによってコウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、13年間の空白が少しずつ埋まっていく…
6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、“世界最大の夢の国”フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーで職なしのヘイリーは厳しい現実に苦しむも、ムーニーから見た世界はいつもキラキラと輝いていて、モーテルで暮らす子供たちと冒険に満ちた楽しい毎日を過ごしている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく―
ロンドン。穏やかに引退生活を送るトニー。ある日、見知らぬ弁護士から手紙が届く。あなたに日記を遺した女性がいると。その女性とは40年も前の初恋の人ベロニカの母親。遺品の日記は学生時代の親友エイドリアンのものだった。なぜ彼女の元にその日記があったのか?そこには一体何が書かれているのか?長い間忘れていた青春時代の記憶、若くして自殺した親友、そして初恋の秘密―。ついにベロニカとの再会を果たすトニーだったが、思いもかけず自身の記憶は大きく揺らぎ始めるのだった…。
中央アジアの美しい国、キルギス。妻と幼い息子と3人で慎ましく暮らすケンタウロスには、誰にも打ち明けていない秘密があった。時代の流れとともに失われつつある伝説を、ある理由から強く信じているケンタウロスは、人知れず厩舎に忍び込み、馬を盗んでは野に放っていた。次第に馬泥棒の存在が問題になり、犯人を捕まえる為罠が仕掛けられる。
弟の金山和成(窪田)は真面目でイケメンの印刷会社の営業マン。ある日、彼のアパートに、強盗罪で服役していた兄の卓司(新井)が刑期を終えて転がり込んでくる。卓司は和成とは対照的に凶暴な性格でトラブルメーカー。キャバクラで暴れたり、弟の留守中に部屋にデリヘルを呼んだりとやりたい放題。和成はそんな卓司に頭を抱えるが、気性の激しい兄には文句のひとつも言えない。一方、親から引き継いで小さな印刷所を切り盛りする姉の幾野由利亜(江上)は、勤勉で頭が良く仕事はできるものの、太っていて見た目がよくない。得意先の和成にほのかに想いを寄せる彼女の天敵は、頭は悪いけどルックスとスタイルの良さから芸能活動もしている妹の真子(筧)だった。複雑な感情を抱くこの二組の兄弟・姉妹の出会いを境に、それぞれの関係はさらに大きく歪みはじめる…。